※この作品はR-18です。

善良魔導士の【ハーレム孤児院】運営計画 ~行き場のない命を救うために作った孤児院が、気付いたら訳あり美少女ばかりの俺専用オナホ養護施設になっていた件~   作:ダザリアン

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獣人少女はお兄ちゃんが欲しい
11. 獣はいたし除け者もいる


 

 カリオンは生来、真面目で硬派な男である。

 酒やギャンブルは一切やらないし、数少ない贅沢だって討伐の打ち上げくらいのもの。クエスト報酬も新しい魔導書にばかり費やしていた。

 

 華の十代を魔法の鍛錬と孤独な討伐に捧げ、誰よりも努力して来た自負もある。そのせいでこんな状況になったと言えば、それはその通りだが。

 

「えーっと。三十日毎の食費がこれくらいだから、残った分を演習場の修理に回して……レミナ、今はお勉強の時間だぞ? 教本で折り紙しないの」

「むぅぅ~。つまんないよパパ~」

 

 二人の前でしゃぶられた件がだいぶ尾を引いており、流石のカリオンも危機感を覚えるこの頃。

 次の視察はクロエだけでなく、民生局から派遣された役人さんも訪れるらしい。それまでに孤児院の様相とレミナの生活も改めなければ。

 

 寝室にいると流されるのが目に見えているので、一階の角部屋を執務室と命名し業務開始。カリオンは与えられた活動予算の使い分けを試案する。

 レミナは隣に座らせ、書店で購入した算数の教本を解かせている。ただ捗ってはいない様子。

 

「起きてから一回もえっちしてないなんて、こんなの絶対カラダに悪いわ……! パパもそろそろビュービューしたいでしょ? ねっ?」

「だ、駄目だ。勉強しなさい」

「早くシないと風邪引いちゃうかもっ!」

「認めないッ! そんな因果関係は!」

 

 性欲にさえ囚われていなければ、外面も良い常識のある子。と思っていたが、レミナの学力は中々に致命的であった。机に五分と座れない。

 

「タローくんは森に現れたスライムを八体討伐しました。そのうち二体は霧で見失い、証拠のコアを回収できませんでした。ギルドに提出できるコアはいくつでしょう……でもパパ、スライムっていっぱい分裂するんでしょ? 計算できなくない?」

「問題文もちょっと悪いかもなぁそれ……」

 

 簡単な足し引きもできない有様。

 かと言ってカリオンも魔法以外の知識はからっきしなので、しっかり教えてあげることもできず。

 

 やはり寺子屋に通うべきか。

 ただカリオンには大きな懸念が。

 言い方は悪いが、同世代の子と比べると所謂『オツム』がどうしても弱く映る。そんな状態で男子も通うであろう寺子屋に行かせたら……。

 

 

『パパにもっと好きになって貰える方法!? なになに、教えて! ……えっ、この人たち誰? セックスの練習? いやぁ、やめてぇ……ッ!』

 

 

(無理無理ムリムリッ! キッツぅ!!)

「っ? パパ? 頭が痛いの?」

 

 恐ろしい妄想を強引に打ち消し、まったく使いこなせない計算機を机の端に退かした。溢れ出る愛情と独占欲で、彼の理性は引き千切られる。

 

「サイズの合った下着を買いに行かないとね……ほら、服に乳首が浮いちゃってる。そんな無防備なままじゃ、寺子屋には通えないよ?」

「……パパっ!」

「さぁ、子作りの勉強をしようか……!」

 

 この早熟ボディーが何もかも悪い。

 ズボンとパンツを引き下ろしカリオンは椅子に座り直す。沈んでいたレミナの顔色はパァーっと明るくなり、そのまま上に乗り掛かって来た。

 

(まただ。また我慢できなかった……父長さんらしく振る舞えていたのに、結局全部おかしくなる……いっそレミナが、もっと子どもだったらなぁ~)

 

 討伐で発揮して来た抜け目ない判断力も、女体の前では簡単に揺らいでしまう。股間のこそばゆい感覚に誘われ、やがて一切の思考は放棄された。

 

*

 

「こっちだドグ、フランツ! 獣人特有の匂いだ、まだ生き残りがいるかもしれない……!」

 

 場所は変わって国境付近の深い森。

 魔導士カリオンを失っても尚、精力的に活動する冒険者パーティー『チーム・アウトランズ』は、この日も討伐クエストに勤しんでいた。

 

 ただ、今日の依頼は少し変わった内容。

 それは『獣人の亡骸が森で度々発見されている。異変が起きていないか調査して欲しい』というもの。

 

 ノイヴァルト辺境領と帝国の間に位置する山脈には、獣人の部族が少ないながら定住している。

 特に人間側(王国をはじめ友和路線の国家に限り)が差別するようなことは無いが、彼らはヒトを恐れ滅多に森の奥から出て来ない。

 

 そんな獣人たちの変わり果てた姿がゴロゴロ見つかるのだ。ギルドは『モンスターの巣穴を荒らしてしまい標的になったのでは』との見解を示した。

 

 これが見事に的中。

 パーティーは獣人たちが定住する森の深部を目指した。そこで遭遇したのが、普通は山脈から降りて来ない筈のA級モンスター、グレートベアだ。

 

「これは酷い……ちょっと見てらんないよ」

「流石にAランクには敵わねえか……」

 

 無残にも転がる死体の山。

 グレートベアの討伐にこそ成功したが、付近で暮らしている獣人たちは恐らく全滅……と、思われた。ソフィが声を荒げたのは次の瞬間。

 

 雑木が深々と生い茂っていて、通常なら見つけるのは困難。だがソフィは諦めなかった。

 そして発見したのだ。小さな洞穴を。

 

「……ッ! 獣人か!?」

 

 慎重に進んだ先、岩陰にその子はいた。

 膝を抱えて蹲る少女。獣耳はぴくりとも動かず、長い髪も泥まみれ。顔は暗くて上手く見えないが、震えているのは分かる。

 

「だれ……? たすけに……きた、の?」

「あぁそうだ。恐ろしい魔物は私たちが倒した、もう心配は要らない。さぁ、外に出よう」

 

 すぐさま仲間に毛布と魔法薬を要求し、ソフィは少女の手を引いて洞穴から抜け出した。

 と、同時に受け取った毛布を被せる。

 獣人たちの群れ……いや、群れだったモノを、この子には見せたくなかったから。年端も行かない少女には辛すぎる現実だった。

 

「メル、どこに行くの? お姉さん誰……?」

「私はソフィだ。君はメルと言うんだね。大丈夫、温かい食事と安全な寝床が君を待っているよ」

 

 獣人族は人間の言葉を理解できるものとそうでない者がいる。この少女はかなり達者な部類だ。

 親族に人間が居たのだろうか。

 

 ソフィは男手二人に先導を任せ、背後を警戒しながらメルという少女の手を引く。ただ少し歩きにくそうだ。脚を痛めているらしい。

 

 ならば抱っこだ。

 よっこらせと担ぎ上げる。

 

 ところが直後、妙に違和感が。

 

「……デカいな。君も」

「っ? メル、族で一番小さい」

「あぁいや、なんでもないんだ……」

 

 一瞬でも顔を顰めたことをソフィは酷く後悔する。だが何故だ。カリオンの隣に立っていた、あの孤児のことを思い出してしまうのは。

 

(この子もアイツの預かりに……なるんだよな?)

 

 拭えない一抹の不安。

 そして抗い切れぬ腕への負担。

 ソフィはなんとも複雑な心中であった。

 

 

(生き残った獣人の幼い子ども……! そうそう、こういう子を求めていたんだ!)

 

 翌日。先の概要を書類伝手に知らされたカリオンは、ウキウキ気分でギルドへ一直線。

 恵まれない孤児なんて一人も居ない方が良いのに、自分の理想と世間体が最優先になってしまっている辺り、本格的に責任者失格である。

 

「ソフィ、例の獣人の子は!?」

「お、おう。カリオンか……別室にいるぞ」

 

 ギルドに到着。ソフィへの挨拶も程々、獣人少女が控えているというブースを目指した。

 カリオンは想像を膨らませる。

 

(今度こそ、ちゃんとパパになってあげなきゃ。その子の人生と未来を俺が守るんだ! そして、どんな子でも安心して暮らせる平和な孤児院を……!)

 

 今朝も散々ドスケベボディーを蹂躙して来た癖に、満ち溢れる正義感がそれを覆い隠した。

 

 部屋ではクロエも一緒に待っている。

 ソファーにちょこんと座った小柄な少女。

 

 カリオンは心の底から安堵した。

 パッと見だけでも分かる。

 良かった、ちゃんと子どもだ……!

 

「君がメルちゃんだね。俺はカリオン、領営孤児院『ノイヴァルトのゆりかご』の運営・責任者だ。これから君を全身全霊、命を賭けて守ると誓おう! すぐには難しいだろうけど、俺のことはお父さん、パパだと思って欲しい!!」

 

 

 ……………………。

 

 

「……いのちを、かけて?」

「そうだ! もう怖い魔物に怯えて暮らす必要はない。孤児院はとっても安全な場所だよ。君の役目は毎日を楽しく過ごす、たったそれだけさ!」

「あんぜん……たのしく?」

 

 こてんっと首をかしげる少女。

 まん丸の瞳がカリオンの心臓を貫いた。

 

「ああ、パパたちと毎日楽しく遊んで、いつか立派な大人になったら……立派に……んっ?」

 

 スクっと立ち上がり、少女はカリオンの元へトコトコ歩いて来る。優しく抱き締めてあげようと思ったカリオンだが、そのまま静止。

 

 歩くたび、揺れる。揺れる。

 ご立派な双丘が、どっぷん♡ と。

 

 無意識のうちにカリオンの視線は、顔からそちらへとズルズル下がってしまう。差し出した両腕がぷるぷる震え、口元も歪み出した。

 

「えっと、カリオンさん、ハグはちょっと控えた方が良いかなぁって……? 獣人は人間より成長が早くて、この子の場合は特に……あっ」

 

 申し訳なさそうに語るクロエの様子など、少女はまるで意に留めなかった。まっすぐ進むとカリオンのお腹目掛け、顔をぽすんっと埋める。

 

「……じゃあ、メルのこと、守って?」

 

 腰元に腕を回したまま暫し立ち尽くす。助け出したソフィや一日お世話したクロエでさえまだ見ていなかった、満面の笑顔がそこにあった。

 

 生き残った獣人少女・メル。

 最初のコミュニケーションは大成功。

 いや、大失敗に終わったのである。

 

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