善良魔導士の【ハーレム孤児院】運営計画 ~行き場のない命を救うために作った孤児院が、気付いたら訳あり美少女ばかりの俺専用オナホ養護施設になっていた件~ 作:ダザリアン
「きゃああああ可愛いぃぃいい~!!」
「むぐっ……! わ、わっぷ!?」
諸々の手続きを死んだ目のまま秒速で終わらせ、カリオンはその日のうちにメルを連れて帰った。
既に孤児院が機能していると民生局にも報告が届いているので、やっぱりクロエやソフィが預かりますとか、そういうわけにもいかないのである。
するとレミナの反応は……というのも杞憂に終わった。置手紙で『女の子が来るよ』と事前に伝えていたのが功を奏してしまう。
メルの愛らしい容姿も気に入ったらしく、顔を合わせるや否や抱き着いてしまったほど。
「こ、こらレミナ。メルが困っているよ」
「ねえねえパパっ、本当にこの子と一緒に暮らせるのね!? あたし、ずっと妹が欲しかったの! あたしの夢、叶えてくれてありがとう……!」
「うん。それは良かった。良かったけどね? えっと、確かにメルは○2歳らしいんだけど、でも獣人は成長が早いから……」
「屋敷を案内するわっ! メル、こっち!」
たぶん精神年齢とかメルが上かもしれんよ、と伝え切る暇もなく。手を引いて階段を駆け上がり、あっという間に姿を消してしまった。
仲良くなるのも時間の問題だろう。
それはそれで素晴らしいことだ。
むしろ悩みが一つ減って有難いくらいだが……。
カリオンはギルドから受け取った書類を片手に、覚束ない足取りで執務室へと赴く。力無く椅子にもたれ掛かり、大きく息を吐いた。
(不味いことになったぞ……いや、違うそうじゃない。俺がしっかりすれば良いだけの話だ。なにも問題は起こらない、起こすものか……ッ!)
意気揚々と書類を読み返す。
が、そのせいで逆に力が抜ける。
どうしてまた巨乳っ子なのか。よりによって。
身長は彼の胸元にも届かないほど。
レミナともだいぶ差があり、むしろ○2歳という自己申告を疑いたくなるほどの幼さ。
獣人の成長速度ではアレが普通なのか……?
と、カリオンが頭を悩ませていると。
「ここが執務室。パパが仕事をするところね?」
「しつむしつ……なんか、かっこいい」
「そうよっ! パパはとってもカッコいいの!」
もう二階を案内し終わったのか。
ドアが開き二人が現れた。
カリオンは何をするわけでもなく、メルに向かってひらひらと手を振ってみる。いや、振ることしかできない。余計なことを考えたくない。
「……っ? メルの顔、なにかついてる?」
夜空を閉じ込めたような艶やかな黒髪。
腰まで届くほど長く、動かずともふわりと揺れる。頭には茶色の獣耳がちょこんと生えており、小柄な体躯に愛らしさを添えていた。
ただ、あまり目立たない大きさ。
普通の獣人よりだいぶ小さいかもしれない。尻尾に至っては服から食み出ないほど短いようだ。
それはともかく、まだ幼さがハッキリと残るまん丸の輪郭と、無垢そのものを表す大きい瞳。
幻みたいに儚く愛らしいその姿は、誰であろうと庇護欲を掻き立てられる。
「いやぁっ……メルは可愛い子だなぁって。ついボーっと見ちゃったよ。ごめんね、気にしないで!」
「しかたない。ママもいってた」
「……えっ、ママが?」
椅子に座るカリオンと背丈は変わらないのに。改めて末恐ろしいポテンシャルだ。
ペラペラの簡素な衣が今にも弾け飛びそうで、カリオンは思わず喉を鳴らす。
「メルはとってもかわいいから、せんたくをまちがえるなって、いっつも言ってた。ママ。見る目? をみがきなさいって」
「そ、そうなんだ……?」
「心からたよれるひとを、守ってくれる人をみつけたら、全力でいぞんしなさいって。ママのゆいごん……だから、メルはもうへいき」
じんわりとえくぼを広げ、メルはゆっくりと彼の元へ歩み寄る。初対面の時と同じパターンだが、カリオンは硬直して動けずじまい。
「ぎゅーってされるの、すき。すきになった……」
「ふおおぉぉぉぉ……ッ!?」
柔らかくも暖かな感触は恐ろしく心地良い。
ハリと弾力も兼ね備える自称オナホ嫁の水風船おっぱいとは異なり、メルの双丘はとにかくふわふわ、ぽよぽよで綿菓子のよう。
「あぁ~? パパったら照れちゃって」
「ちょっとは嫉妬してくれッ!?」
「ふふっ。良いのよ気にしないで。メルと仲良くなる時間だって必要だもの。ママも何人かの男と一緒にえっちしてたことあるし」
ニヤニヤするだけでちっとも助けようとしない。この反応はカリオンにとっても意外だった。独占欲みたいなものは特に無いようだ。
続けてうんうんと頷き、当時の光景を振り返るレミナ。間違ってもそんなの参考にしないで欲しいが、これもまた彼女を形作る『常識』か。
「あっ、それとも緊張しちゃう? そうよね、あたしの時はこっちが無理やり襲っちゃったし、ちゃんと関係を作るのも大切だと思うわ」
「無知なのか賢いのか分からん……ッ」
「じゃあ、ちょっと仕込んで来るから♪」
「はっ? 仕込む!? なにをっ!?」
抱き着いたままのメルをちょっと強引に引き剥がしたレミナ。またも手を引いて、執務室から出て行ってしまった。一体なにを企んでいるのか。
カリオンはもう怖くて仕方ない。
下半身に残る暖かさを思い出しながら、足音が遠ざかったのを確認したのち、ズボンを下ろす。
「警戒しなきゃッ……用心に越したことは無い!」
先に抜いてしまえば欲情しない筈。
部屋の鍵を掛け、苦肉のオナニーを始めた。
珍妙にして滑稽。
「――じゃあメルは、お母さんの言いつけをずっと守って来たのね? 信頼できる男の人を見つけるまで、心を許しちゃいけないっていう」
「族には若いおとこがいなかった。おじいちゃんとおばあちゃんばっかり……だから簡単だった。あの人、おもしろい。はだがつるつるしてる」
「あの人じゃなくて、パパって呼ぶのよ!」
一方こちらはレミナ。
寝室へメルを連れて来てベッドでお喋り。
「パパは、いや。ママのゆいごん」
「えっ、どういうこと?」
「メルのパパ、ママを捨てた」
「あぁ……そういうことね。ごめんなさい、気を遣えなくて。ねえ、それにしてもメルって人間の言葉が上手いのね。どこで勉強したの?」
カリオンが購入した教材の中には、獣人の生態を解説した本もあった。メルが屋敷にやって来る前にちゃんと予習していたのだ。
興味があれば学習意欲だって沸く。こういう良い面をきちんと把握できない・していない辺り、やはりあの男、教育者として実に不適格である。
「ママがおしえてくれた。ママとメル、にんげんのまちでくらしてた。メルが5歳のときまで」
「じゃあメルは、人間とのハーフなの?」
「たぶん、それ」
生まれてからの経緯、そして既に亡き両親のことを、メルは今でもハッキリと覚えているようだ。記憶力はレミナより間違いなくありそう。
「パパは、ずっとママとメルをほったらかした。メルが5歳のとき、お金をくれなくなった。それで生活できなくなった……」
「だから森に入って暮らしていたのね?」
「族にであって、一緒にくらすようになった。でもママは、族の生活になじめなかった……すぐに死んじゃった。いっぱい泣いた」
当人はあまり気にしていない、と言うか自覚していない様子だが、人間とのハーフであるメルも族ではやや浮いた存在だったらしい。
血の繋がりを重視する種族なので行動こそ共にするが、親代わりになる者は居なかった。だからこんなにしっかりしているのだ。
「おっきい魔物におそわれて、みんな死んじゃった……でも、運がよかった。あの人は言った。命をかけて守るって。ここは安全だって」
「そ、それってプロポーズ……!?」
「っ……だ、だからメルは信じた。ママのゆいごんと全部いっしょだから。そんなこと言ってくれるの、族にもいなかった……っ」
プロポーズ、という言葉の意味も理解できるらしい。レミナが顔の真っ赤に染めているのを見て、自分も恥ずかしくなってしまう。
手繰り寄せた枕をムギュっと胸で押し潰し、ベッドにごろごろ。獣耳をピコピコ揺らしながらうーうー唸っている。
(この反応……! やっぱりメルも、パパとセックスがしたいのね。でも言い出す勇気が無いんだわ……じゃあ、あたしがなんとかしなくちゃ!)
レミナは拳を握り直し決意を新たに。
メルは今、愛に目覚めようとしている。
ならば姉として。孤児院の先輩として。
夢を叶える手助けをしなければ――。
「わ、分かったわ。じゃあパパのことはパパじゃなくて、違う風に呼びましょう! 例えば……そうっ、お兄ちゃんとか!」
「……おにーちゃん?」
「兄弟がいないって言っていたし、きっと喜ぶと思うわ。それともおにぃ? にぃに?」
「にぃに……にぃに」
天井のシミをぽけーっと見つめている。
レミナの提案を必死に咀嚼しようとしているようだ。挙げられた幾つかの呼び名を空で試し、しっくり来るものを探していた。
「……にぃに、良いかも」
「じゃあメルはパパのこと、にぃにって呼んでね。あたしはねぇね! そうすればもっともっと、パパを好きになれるから……!」
これからよろしくねっ! そう言ってメルのカラダをギュッと抱き締める。特に何を言うわけでもなかったが、メルも嬉しそうだった。
(にぃにとねぇね……できちゃった♪)
気に入ったようで何よりである。
それをあの男がどう思うかは、また別として。