善良魔導士の【ハーレム孤児院】運営計画 ~行き場のない命を救うために作った孤児院が、気付いたら訳あり美少女ばかりの俺専用オナホ養護施設になっていた件~ 作:ダザリアン
買い物を終えたカリオン。若干不機嫌なソフィと挨拶も程々に別れたのち、ギルドで待っていたクロエと再合流。革袋二つ拵え帰路に就く。
お喋り好きな彼女のことだ、孤児院の様子を根掘り葉掘り聞かれるのではと身構えていたが……どうも予想していた雰囲気と違う。
「仕事で嫌なこととかありました?」
「……あの、ちょっと上がっても良いですか?」
まだ使ったことの無かった一階の応接間に招き入れ、事情を聞いてみる。
買って来た服と下着がこんな形で役に立つとは。暫くはファッションショーでもして遊んでいることだろう、二人が顔を出すことも無い。
さあ、仕事の愚痴なら幾らでもどうぞ。
ドンと構えたカリオンだったが。
「めっ……メルがクロエさんの妹ォォおおおお!?」
驚き過ぎて椅子からひっくり返る。
あまりにもコッテコテなリアクションをするもので、クロエはつい噴き出して笑いそうに。
この人ホントにシリアスが向いてないなぁ……と心も洗われる気分だが、いつまでも暢気ではいられない。頬を引き締めクロエはこう続けた。
「これ、読んでください。本当は持ち出し厳禁なので……どうか内密にお願いします」
「言わないですよこんなこと誰にも……ッ」
こっそり拝借して来たというメルの住民票。
本人から聞いた生年月日とも一致。備考欄に獣人であることも記載されている。
父親からの援助が途絶え金銭的に困窮し、人間社会に当ても無いので森に入って族と合流した……という経緯まではカリオンも聞いていた。
いつかボコボコにする気満々だったが、メルも当時の暮らしをあまり語りがらないので、深掘りするのを一旦やめたのだ。その矢先にコレである。
「そっか、クロエさんって確か……」
「驚きはしましたけど、でも冷静になって考えてもみると……今でも仕事の無い日は娼館ばっかり通ってますし、あり得ない話でもないなって」
以前も飲みの席で愚痴垂れていたことをカリオンは思い出す。生まれて間もなく両親が離婚し、寂しい幼少期を過ごしたというクロエ。
その元凶とも言える父、ヘルマン。
カリオンはあまり関わりが無いのだが、言われてみれば接触を避けている節はあった。
女性冒険者にちょっかいを出したり面前で職員を怒鳴り散らしたりと、パワハラ気質の前時代的な人物なのは何となく知るところ。
家庭生活を顧みないタイプであることは間違いなく、見ず知らずの土地で子どもを作っていたとて不思議でもない。そんな印象だ。
「セルファーストにはマスター職の研修施設があるんです。わたしが小さい頃、確か一年くらい出張していて。多分その時かなと……ただ」
「ただ?」
「分からないんです。この事実とどう向き合ったら良いのか……お母様のことは勿論わたしも悔しいし、憤りを感じます。でも、おいそれと世間に公表したり糾弾するのも違うのかなって……っ」
すぐ上の部屋で遊んでいるらしい。
二人のキャーキャー楽しそうな声がこちらまで響いて来る。クロエは物憂げに天井を見上げた。
父親が生きている以上、メルを『孤児』として扱うことはできない。獣人のお母様も亡くなっているので、親権はヘルマンただ一人にある。
安定した職業の代名詞でもあるギルドマスター。扶養能力に問題は無いし、彼が認知さえすれば帰還はすぐにでも実現するだろうが……。
「……メルが心配なんですよね?」
「それはもう……せっかく安全で幸せな生活を手に入れたのに、今更あの人と暮らすなんて」
安全かどうかはまた別の問題があるので、素直にイエスとは言えないカリオンだったが。
一人娘の恩恵に肖るどころか、割りを食い続けて来たクロエ。引き取りには反対のようだ。
「やっぱり苦手? ヘルマンさん」
「まだ無関心な方がマシです! こないだなんて『久しぶりに風呂でも入らないか?』って……子どもの時ですら一回も入れてくれたことに無いのに、ちょっと身体が大人びたらコレですよ!?」
胸元で手をギュッと結び、その出来事を忌々しそうに回顧するクロエ。まぁ、ヘルマンからすれば自慢の娘には違いない。色々な意味で。
(実の娘に対してもそんな態度なのに、面識のほとんど無いメルが相手だったら……うん、想像するまでもないな。絶対に帰しちゃダメだわ)
カリオンもこの期に及んでメルを手放す気は更々無い。孤児院運営者として如何な態度かとは思うが、あの男に預けるよりはマシか。
保護者側に問題があれば引き取りを断ったり延期することも可能な筈。ともすれば、この事実はヘルマンに伝えない方が賢明だろう。
「クロエさんとしては納得いかないと思いますけど、下手に動いたら逆効果になるかもしれないし……俺としては、暫く静観するべきかなって」
「っ……そう、ですよね。やっぱり」
「ヘルマンさんがメルの存在を少しでも感知したら、それこそ無理やりにでも連れ帰ろうとすることだって考えられます。だから……」
ちょっと待っててください。
そう言ってカリオンは立ち上がり、屋敷の二階へ駆け上がった。すぐに戻って来ると、隣にはメルの姿。ちゃんと服も着ている。
「クロエ。ひさしぶり」
「メルちゃん……こ、こんにちは」
孤児院が預かる前に一日だけお世話をしたので、面識はある二人。その日ヘルマンが家を空けると分かっていたので、自ら名乗り出たのだ。
親身になってくれたクロエのことを、義理堅いメルはしっかり覚えていた。彼女が差し出した手を嬉しそうにギュッと掴む。
「本当のことをお話しするかどうかは、クロエさんにお任せします。こうやって、いつでも会うことはできるわけですし……ねっ?」
「にぃに。ホントのことって?」
「ん~? なんだろうね、メル」
気持ちの整理が付くまで保留で構わない。偶に遊びに来て、仲良くなって、それからでも遅くない……カリオンなりに気を遣ったのだろう。
堪えていた感情が溢れ出し、眼には涙がブワっと溜まる。なんの話か分からずボンヤリしているメルを、クロエは力いっぱい抱き締めた。
「ごめんねメルちゃん。今まで辛い思いさせて、ごめんね……っ! わたし、メルちゃんのお姉さんになっても良いかな……!?」
「クロエも、ねぇねになるの?」
「ええ、なるわっ! もし許してくれるのなら、貴方のねぇねになりたいの。それくらいしかできないけど……でも、でも……っ!!」
運命を分けた姉妹の感動的な再会。
これにはカリオンも涙無しでは見ていられなかった。そして孤児院の隠された実態も忘れ、ついこんなことまで口にしてしまう。
「もし今回の件で、ヘルマンさんと敵対することになっても……俺と孤児院は絶対に、クロエさんの味方ですから。いつでも頼ってください!」
「……カリオンさんっ」
「ソフィだって協力してくれます。なんなら、ここに住んだって良いんですよ? 部屋なら沢山あるし、メルもレミナもきっと喜びますっ!」
熱っぽく訴える。
慣れ合い無用・放浪の一匹狼だった彼がノイヴァルトに長居したのは、積極的に声を掛け心の壁を崩したクロエの影響が非常に大きかった。
恥ずかしがって声を掛けられずにいたソフィを後押しし、パーティー加入の橋渡し役となったのも彼女。他にも数え切れないほど恩がある。
とは言え、この誘い文句はちょっとインパクトが強過ぎた。メルに対する気持ちと同じように、彼女もまたカリオンに想うところはあり。
「えっと、それって……カリオンさんとも一緒に暮らすってこと……で、良いんですよね?」
「はいっ! でも大丈夫です、ちゃんとプライベートは確保できるように配慮しますから!」
他にも配慮すべき点が沢山あるのだが、そんなことカリオンはすっかり忘れている。
赤面するクロエは少し間を置いて。
「……前向きに検討させてください。その時はもしかしたら、家を追い出されて一文無しかもしれませんけど、それでも良いですか?」
「あぁ……そっか、ギルドのお仕事って」
「思いっきりコネですからね。まぁ強要されて選択肢も無かったんですけど……じゃあわたしも思い切って、孤児院に転職……みたいな!」
「う、うん。歓迎しますよ?」
抱えていた不満と漠然とした不安が、一瞬にして吹き飛ぶようだった。すべての真意こそカリオンは掴めなかったが、クロエらしい爛漫な笑顔も戻った今、細かいことはどうでも良い。
若干の齟齬と言えない秘密はそのまま。
二人は微笑み合うのであった。
(クロエ、やっぱりおっきい……さわりたい)
片や、ちょっと空気の読めないメル。
デカすぎて涙に濡れた顔が見えないらしい。
「――じゃあ、クロエさんは本当にメルのお姉さんなのね。でもパパ、本当にそんな約束して良かったの? えっちなことし辛くならない?」
「まぁ、今になって思うとちょっと……」
「もぉ~! パパったら!」
すっかり気力も回復したクロエは、カリオンの計らいもあり孤児院で夜まで過ごした。
一緒に遊んだりご飯を食べたり。メルは勿論、レミナともだいぶ打ち解けたようだ。
一応、明日も仕事なので……と今日のところは帰宅。すると、お見送りを終えた直後。
レミナが甘えた面で駆け寄って来る。
ほぼ丸一日セックスできなかったので相当ムラムラしていた模様。秒で全裸になった。
「お口の軽いパパにお仕置きしなくっちゃ……♡」
「嗚呼、駄目だってレミナぁ……!」
「許してあ~げないっ♪」
パイズリがてら事の顛末を聞き出そうとする。
で、全部喋ってしまったカリオン。
こんな生易しい拷問で何を困っているのか。
「でも、良いよ。クロエさん優しいし可愛いし、むしろ大歓迎! あのおっぱいでメルとトリプルパイズリとか、すっごい楽しそう!」
「うぅっ……そ、それは」
「あっ。今ビクンって……想像しちゃった?♡」
という調子で尋問ごっこは続き、クロエへ抱えていた想いも邪な妄想も、洗いざらい吐くことなってしまう。これが修羅場にならない不思議。
それぞれの想いや葛藤と共に更けていく夜。
すると翌日。事態は早くも動き出した。