善良魔導士の【ハーレム孤児院】運営計画 ~行き場のない命を救うために作った孤児院が、気付いたら訳あり美少女ばかりの俺専用オナホ養護施設になっていた件~ 作:ダザリアン
「ビックリしました、まさか孤児院の職員になっていたなんて……でも、一言くらい言ってくださいよ! ずっと心配してたんですからね!?」
「アハハハハっ……す、すみません。色々と立て込んでいて、市街地まで顔を出す時間が。まぁその、わたしは元気にやってるので……へ、へへっ」
屋敷を訪れたのは二人の女性。
一方はギルドを退職したクロエに代わり、民生局との連携を任されている職員のアンジュ。
父の不祥事と共に姿を消した友人との再会を、お小言もほどほどに大層喜んでいた。足元に落ちる大量の汗は、ひとまず気付いていないらしい。
「そうでしたか。装備が全損し、新たに特注品を……しかし、そのせいで貯金が無くなるとは。報酬の使い道には気を付けないといけませんよ」
「ははは……め、面目ない」
「その間、孤児院で短期労働をされるということですね。それ自体は構いませんが、子どもたちの良き手本となうよう、しっかりと励んでください」
「う、うむ。任せていただきたい……!」
討伐クエストをほったらかしているソフィは、このような言い訳で乗り切ったようだ。
もっとも、眼鏡の奥から覗く鋭い眼光と威圧感を前に、実力派剣士の面影はすっかり消え失せてしまっている。こちらも冷や汗が止まらない。
「えっと、キェルツェさん。この二人が現在、孤児院で生活している子たちです。ご覧の通り、健康状態になんら問題はありません……!」
「結構。ではそちらで話を伺います。アンジュさん、貴方は敷地内の状況を隈なく確認してください。孤児たちへの聴取も忘れないように」
そして、民生局からやって来たキェルツェという中年女性。今後は彼女が孤児院の視察と、運営状況の確認を行うことになっているらしい。
云うならば彼の上司に値する存在。『融通の利かないお堅い役人さん』『お局』の具現化みたいで、カリオンはすっかり委縮してしまっている。
爆速で四人に服を着させ最初の挨拶こそ乗り切ったが、不味い状況に変わりは無く。カリオンは応接間でキェルツェと隔離されるらしい。
その間、内部を徹底的に調べられるわけだ。
濃厚種付け違法セックスの痕跡があちこちに残っている、ハーレム孤児院の隠された全貌を……。
(どっ、どうしましょうソフィさぁん!?)
(私たちで乗り切るしかないだろうッ……!? 屋敷の案内はレミナとメルに任せて、危ない箇所をしらみつぶしに探し、そして消し去るんだ!)
隙を見たアイコンタクトは信頼と服従の証。
アンジュが幼孤児たちに気を取られている間、早々に隠ぺい工作へと走り始める。
そんな二人を前に、レミナもまた。
「アンジュさん、あたしが案内するわ。まずはお庭を見せてあげる! 勉強とお掃除が終わったら、いつもメルと一緒に日向ぼっこをしているの!」
「まぁ~。素敵ですねぇ~♪」
ハーレム孤児院最初の居住者として、確かな責任感の芽生えを感じていた。内腿に浸るヌメヌメの愛液を必死に堪え、アンジュの手を引く。
「ひなたぼっこ……? ううん、してないよ?」
「さぁこっちよアンジュさん!」
「メルはいっつも、にぃにとお庭でせっく……」
「わぁ~すっごく良い天気!! ねえねえメル、なんだかとってもお昼寝したくなって来ない!?」
「しない。にぃにとせっく……わっぷ!?」
「……貴方もお昼寝を?」
「た、偶にはって感じで……ッ?」
「開院からひと月で、もうそんな余裕があるのですね。まぁ、それに相応しい運営状況を見せていただければ、こちらとて問題はありませんが」
嗚呼、ヤバい。
堅物な上に皮肉ブッ込んで来る系だ。
一番苦手なタイプだわ……。
震える手足、定まらない視線。災害級モンスターなんて比べ物にもならない。人生最大の修羅場を前に、カリオンは深く喉を鳴らした。
*
こうして応接間で始まったキェルツェとの面談、もとい尋問。或いは拷問。まだ
「勉強は午前中のみ、午後は夕食までレクリエーション……まったく足りませんね。夕方と夜も机に向かう時間を作るべきです。寺子屋との連携は?」
「いやそれはまだちょっと……っ」
「早急にお願いします。レミナさんはもう○4歳。成人まで二年しかありません。卒院後に自立できるか否か、貴方に掛かっているのですよ」
「ハイ、善処します……ッ」
その場で書かされた一日の行動予定表。
に、次々とバツ印が並んで行く。
やはり孤児院に籠りっぱなしというのは心証が悪いらしい。筆よりチンポを握っている弊害だ。
でもあの子、一生ここで暮らすっぽいですよ。
とは口が裂けても言えない。
「なんて汚い文字と帳簿……無駄な買い物も多過ぎます。この『愛玩魔物用のリード』とはなんですか? そんなもの飼っていませんよね?」
「い、いやぁ、メルが飼いたがってて……」
「メルさん、です。呼ぶとすれば。保護者と言えど他人は他人、過度に馴れ馴れしい態度は控えるように。礼儀作法を学ばせるのも孤児院の役目です」
その辺はマジで大丈夫です。
あの子、メチャクチャ常識あります。
すっごい丁寧におしゃぶりして貰ってます。
ともやっぱり言えない。
「そんなことに予算を割くくらいなら、上階の清掃・改修を早く進めてください。三階は学習室、四階は礼拝堂というのはいかがでしょう?」
「あぁ~……わ、悪くないっすね」
「それなら寺子屋に通わせる必要もありません。もっとも、相応しい知識と礼節を持った、外部の人間を新たに招聘する必要はありますが」
とどのつまり『お前じゃ教育者として相応しくないよ』と言われているも同然。
もう乾いた笑いしか出ないカリオンである。
事実、キェルツェは冒険者稼業に欠片も関心が無い。ギルドの繁栄より福祉に予算を割くべきと日頃から不満を垂らしているくらいで。
当時偶々出張中で、災害級モンスターの出没を討伐された後に知ったので、彼の魔導士としての功績も実力もあんまり良く分っていない。
なんなら『選定作業も無しに運営者に任命されたくらいだ。人の懐に忍び込む技術ばかり学んだ、下賤な男なのだろう』とさえ思っていた。
あながち間違ってもいない。
素晴らしき慧眼の持ち主である。
「まったく、困り果てましたね。このままでは改めて、適性検査を受けていただくことになりますよ」
「くっ、クビってことですか……!?」
「結果によってはそうなるでしょう。素質は元より、貴方には孤児院の長としての責任感というものが、ただの一欠けらも垣間見えません」
「……ッ! で、でも!!」
眼鏡をクイっと持ち上げ、辛辣にも告げるキェルツェ氏。だがここまで言われては、さしものカリオンとて黙っちゃいられない。
いやまぁ、普通は『仰る通りです勉強し直します』と首を垂れるのが筋なのだが。冒険者として培ってきた負けず嫌いの血が、嫌でも騒いだ。
この期に及んでではある。
「キェルツェさん。貴方の仰ることも一理あります。確かにそうだと思います! でも俺は……もっと大切なことがあるんじゃないかって!」
「そうでしょうか? ゼルフォン王国屈指の優等生・ノイヴァルトの誉れある民として、相応しい生活能力を身に付ける。これ以上の目的など」
「ありますっ! ありますよ!!」
感情任せにカリオンは立ち上がり、力強い瞳でキェルツェ氏を見下ろす。これには彼女も驚いたのか。ハッと息を飲み、次の台詞を待った。
頭も要領も悪い体力馬鹿。
むっつりスケベで不器用な男。
それ故、夢と理想は高く、そして真っすぐだ。邪心はあれど悪意だけは持っていない。縁が無い。
「だって、親が居ないんですよ! しかも裏切られたんですっ! それがどれだけ彼女たちにとって、辛く苦しい現実か……だから、俺は誓ったんです! あの子たちを引き取った日、俺が父親代わりになって、必ず幸せにしてみせるって……!」
偽りなき本心だった。
肉親から愛情を注がれず、孤独な幼年期を過ごしたカリオン。彼にとっての親はノイヴァルトという街、そして人々そのものだ。
信頼という名の財産を与えてくれたソフィ。人並みのトキメキを教えてくれたクロエにしてもそう。返しても返し切れないほどの恩がある。
「もう二度と、あの子たちを不幸な目には遭わせない! 魔法なんて使えなくても……俺は命を賭けて、この孤児院を守ってみせますッ!」
気付けば涙まで流していたカリオン。
こうも全力の熱弁を振るわれては、堅物のキェルツェ氏も思うところはあった。
なんだ、頼りない若者と思っていたが……。
「お願いします。悪いところは全部直します! だから続けさせてください! あの子たちは、俺の生きる希望なんです。お願いします……ッ!」
「頭を上げてください。サンチェス殿」
「レミナもメルも、どこに出しても恥ずかしくない、ノイヴァルトの自慢になるような、立派な大人に育ててみせますっ! だから、だからっ!?」
「サンチェス殿!」
強い語気に冷や水を被せられ、カリオンはようやく冷静さを取り戻した。恐る恐る視線と体勢を戻し、キェルツェ氏の様子を窺うと……。
「……キェルツェさん?」
「ごめんなさい。少し誤解していたかもしれないわ。適性検査も無しに運営者を……って、そんなの貴方だって不安だったでしょうに」
憑き物が取れた、とまでは行かないが。
先ほどと打って変わり、穏やかな表情で彼を見つめるキェルツェ氏。心無し口元も緩んでいるような。
「貴方の評価に関しては、少し先送りにするとします。勿論、合格という意味ではありませんよ。今はまだ研修期間、ということです」
「研修、ですか?」
「畑違いの人間に、最初から完璧な仕事を求めるのは酷だったと、そういう判断です。どうぞ、この屋敷で勉強してください。サンチェス殿」
庭の様子を見せてください、とキェルツェ氏はひと言。二人はエントランスホールへ。扉越しからレミナのメルの楽しそうな声が聞こえた。
アンジュの気を惹いて屋敷の案内を遅らせる作戦だったが、そんなことすっかり忘れているようだ。三人で鬼ごっこに夢中になっている。
「良い笑顔じゃない。元からあんな風に笑う子だったの? レミナさんは。メルさんも」
「いや、もっと落ち着いていて……」
「でしょうね。しかし今は……学よりも安らぎを与えようとした、貴方の方針は正しかったのです。少なくとも、あの子たちにとっては」
「……キェルツェさん」
「大切にしてください。その考え方」
木々の隙間を縫う春風に乗せられ、氏は僅かに微笑む。カリオンも『俺も誤解しちゃってたな』と、申し訳なさそうに頭を下げるのであった。
踵を返したキェルツェ氏。
予算の振り分けについて一緒に考えてくれるそうだ。再び応接間で膝を突き合わせた二人。書類を交えた真面目な話し合いが続く。
子どもたちの明るい未来を願う。その一点において気持ちは一緒。カリオンの熱い説得は、堅物な役人の心を確かに開いたのだ――。
「……来ないな。アンジュ」
「暇になっちゃいましたね~……あっ、じゃあソフィさん。今から裸で廊下を歩いて、絨毯にちょっぴりおまんこ汁垂らして、アンジュとキェルツェさんに指摘されなかった方が勝ちで、先におチンポいただけるっていうゲームを……!♡」
「どうしてそう、いつも自分から破滅しに行くんだ貴様はッ!? やるかそんな破廉恥な……やっ、やらない、絶対にやらないぞ……!?♡」
「えぇ~~ん付き合ってよ~~!」
開院後、初の正式な定例訪問。
寝室の視察はついぞ行われなかった。
そればかりか。
(可愛かったなぁレミナちゃんにメルちゃん……♪ クロエにも会えるんだし、オフの日とか遊びに来ちゃおっかな? 孤児院でボランティアしてるってことすれば、別項目の評価とか貰えて、お給料も上がったり……わぁぁ~それって最高かもぉ~!)
(ああも熱くて真摯な若者が、まだこの街にもいたなんてね……福祉に情熱を注ぐ元冒険者。悪くない肩書きだわ。ま、まだ独身なのかしら……?)
この有様、醜態。
揃いも揃って節穴・ゆる穴である。