【完結】転生者が権力とかでFF8とFF10のヒロインを食い散らかした挙句、最終的にスピラを救う話。 作:速射弾
「すぅうう〜……ハァ〜……。すぅうう〜……ハァ〜……」
深呼吸する音が聞こえる。
婚約者であるデリングが、私の胸に顔を埋めて臭いを嗅いでいるのだ……。
鼻息による結露と、篭もった熱のせいで出てくる汗が貯まって気持ち悪い。
しかし、この男その物の方が遥かに気持ち悪いので、胸の谷間が汗で濡れた事など些事だった。
デリングは私に抱きついて必死に腰を振りながら、ブツブツと耳元で同じ言葉を繰り返していた。
以前から避妊する素振りを見せないこの男は、どうやら私を孕ませたくて仕方がないらしい。
赤ちゃんを産めだの名前を決めようだの、鳥肌の立つ様な事を執拗に話しかけてくるのだ。
「孕めっ……孕めっ……孕めっ……」
(早く終われ、早く終われ、早く終われ、早く終われ)
ただただ時間が過ぎるのを待ち、天井を見続ける。
集中して何も考えない様に頭の中で同じ言葉を繰り返す。余計な事を考えてはいけない。
そうしなければ私の身体はこの行為に反応してしまうのだ。
恐怖と快楽に浸された肉体は性交に慣れて、今更多少抱かれた所でもう涙すら流れない。
性感帯からの刺激だけが不快な心地良さを残す。
だから絶対に気持ち良くなんてなってやらない。
(……こんな微かな抵抗が無意味だなんて、私にもわかってる)
アイツの投げかけてくる言葉には返事を返して、従わなきゃいけない。
じゃないとまた酷い目に遭わされると知っているから……。
14才のあの日、婚約者と顔合わせするまで何処までも飛んで行けると信じていた私の翼は、この男に手折られた。
今では恐怖という首輪をつけられ、鳥籠に幽閉されて飛べなくされてしまった。
本当は逆らって脱走して、収容所にいる筈の森のフクロウのみんなや、サイファーとスコール達を助けてあげたい。
でも……どうしても無理なのだ。
この男を前にすると考えている心の中とは無関係に、溺死させられかけたトラウマで体が言う事を効かなくなる。
これから一生この鳥籠で、この男の妻として振る舞い、抱かれながら過ごして行くかと思うと、怖気が走る。
だから、セルフィとキスティスが捕まって一緒に屋敷で過ごす事が決まった時は、どんなに嬉しかったか。
彼女達には悪いが、知り合いが居てくれて心の慰めが存在する事実が、私にとっては暗闇の中に灯る僅かな明かりの様で……。
でも、そんな彼女達でもデリングJr.をどうする事もできない状況。
(あぁ……、もう本当に誰も私を助けてくれないんだ……)
そう思うと枯れたと思っていた目から涙が少し溢れてシーツを濡らした。
「出るよっ! リノアっ! うっ……孕め……孕め……」
下腹の辺りに温かさが広がる。
体内に捩じ込まれた楔が大量の精子を吐き出して、私を支配しようとする。
この男の性欲は並では無い。
同時に精子の量も出された事がはっきり分かってしまうぐらいに多い。
胎内に広がっていくような生暖かさが暫く続く。
いつまで経っても慣れない感覚を味わいながら、口付けされる。
気持ちの悪い舌を入れてくるタイプのキス……。
でも私の体はこんな奴が相手でも優しくされると、生死の心配をしなくて良い緊張感から解放されて喜んでしまう。
だから何か考えたら駄目なのだ。
目を閉じて無心になれ、こんな男との行為に快楽を感じるのは嫌だ。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。嫌だ。
そんな思いを嘲笑う様に、絡み合う舌が逃避の邪魔をする。
私の後頭部を支えた男の指が髪を鋤き、頭を優しく撫でて愛情表現を行なってくる。
酷い目に何度も遭わされた過去とのギャップで情緒がおかしくなり、終いには居心地の良く無い安心感という矛盾を覚えてしまう。
聞けば母も昔は酷い扱いをされていたらしい。
他の女の人と違い、私に対して暴力的なのは逆らう気持ちが強いからじゃないか……だそうだ。ふざけるな。
(でもそれだけじゃ無い気がする)
あの男は婚約者という言葉に何らかのステータスを感じて興奮している。
今も頻りにブツブツ呟いて私の身体を貪っているのはそういうごっこ遊び。
気持ちの悪い奴と無理矢理結婚させるという状況を作って、私の精神にどれだけダメージを与えられるかというお遊びなのだ。
その目論見通り、抱かれる日は地の底を這いずり回っている気分だった。
耳元で囁かれる。
「そろそろ結婚しよっか? 結婚式は何時にする?」
おぞましい。
しかし私の体は望まない快楽によって反応してしまう。
デリングJr.が『淫売の才能に溢れた良い肉体』と言っていたが、私自身もそう思う。
……抱かれると、どうしても気持ち良くなって。
本当に最低の気分なのに、何故か気持ちが良くなる状態は頭がこんがらがって心が掻き乱される……。
そんな無駄な才能に愛されてしまった事を恨んだ。
「っ……♡……ぁぅっ!」
胸と女性器を執拗に弄られ、エクスタシーに向かって強制的に走らされる。
再び勃起した注射器を突き刺され、心の苦痛を快感に変換しながら私は絶頂した。
声なんて出してやらない。
「んにぁっ♡」
そんな意識でいるのに……何時も何時も喘がされる。
(もう嫌……)
精液が再び注ぎ込まれ、婚約者の情けない吐息が聞こえた。
事後もしつこいのがこの男の嫌な所だ。
ねちっこく「大好きだよと」か「愛してる」とか、恋人としての時間を大切にしようとしてくるのが余計に苦痛だ。
でもそんな態度を見せたら、顔をぶたれる程度じゃ済まない事はわかっている。
首を絞められて殺されかけたり、水に頭を押し付けられて溺死させられるあの恐怖と痛みが忘れられない。
「結婚前に子供が出来たら大きくなったお腹でウェディングドレス着ようね」
コイツが私を孕ませたがっている理由の一つはこれだ。
できれば早い内に子供を作って、膨らんだ腹で結婚式をさせたいのだと言う。
最低最悪のおぞましい発想に鳥肌が立つ。
しかし、選択肢が与えられていない私には自分が先天的に妊娠できない身体である事か、この男が種無しである事を祈るしか無い。
どうせ自傷したところでポーションやフェニックスの尾で治されて終わり。
医療薬品が発展しているこの世の技術力の豊かさを恨む。
そうして今日も叶わぬであろう自由な未来を夢見ながら寝床で鳴かされた……。
私はショッピング街でデートをしていた。
辺りに何人もの私服警備兵が配置されて行われる大規模なこれは、週に一度の貴重な外出の機会だ。
それはどちらかと言うと恋人として楽しませようとしてくれている訳じゃなくて、民衆に仲睦まじい姿をアピールするための行為らしい。
恋人繋ぎで手を握って二人で街を歩く。
側から見るとカップルに見えるだろう。
でも私はこの男に手を握られた恐怖で心が一杯だ。
「(分かってるな?)」
彼は小声と共に握った手で私に合図を送ってくる。
事前の打ち合わせしていた通りに、公の前で私の方からキスをしろと言うのだ。
そんな命令にも逆らえず、私はデリングの頬に手を添えて、唇を重ね合わせた。
困った様に笑うこの男は、いきなりの恋人の熱烈な愛情表現をやれやれといった風にいなす。
この作られたひと時は、軍お抱えの新聞社に記事としてスクープされ、私達の仲睦まじさを証明する証拠品としてこの世に一つ情報を刻んだ。
デートが終わって屋敷へ戻ると私はまた寝床に連れ込まれる。
気分が高揚してやりたくなったらしい男は、私の手を強引に引っ張って、ベッドまで連れて行き、突き飛ばしてくる。
「きゃんっ!」
いきなりの行動に私は声を上げてしまうが、それがまた興奮に薪を焚べたらしい。
剥ぎ取る様にして私の衣類を脱がすと、ベロベロと胸や首を舐めてくる。
まるで犬だった。
いや、それは犬に失礼かもしれない。でも私はそこに光明を見た。
(そう……コイツは犬、ワンちゃんだと思うことにすれば良い)
ちょっと交尾を迫ってくるだけの、我儘で飼い主が好きすぎるとびっきり頭の悪〜い大型犬。
犬は好きだ。
そうやって誤魔化して考えれば、コレの事も……少しは気が楽になるかもしれない。
珍しく私の方から股を開いて受け入れる姿勢をとってあげると、この駄犬は喜んで腰を振ってくる。
ご主人様好き好きと、耳元でいつものように鳴き声を発しながら私に擦り寄ってくるこの生き物は、こうしてみればこれまでよりはマシに感じる。
よしよしと背中をさすって撫でてあげる。
ペットに対する扱いだと知らずに男は受け入れられた事に喜び、動きが大人しくなった。
「ママ……、しゅきだよぉ……」
気持ち悪いのは相変わらずだったが、今までこんな反応をした事が無かったので驚いた。
一部の人間、私の母等に甘える事はあるのは知っていたが、実際に体験すると成人男性のするそれの悍ましさは尋常ではない。
しかし……暴力を振るわれるよりは遥かにマシで、加虐性が少なくなるこちらの方が格段にやりやすかった。
「リノアママぁ……僕もう出ちゃいそうだよぉ……」
「そのまま出して良いよ、よしよししてあげるね……よーしよし……」
「うっ……ふぅ……ふぅ……。ま、ママも気持ち良い?」
「良い子良い子、ママも気持ち良かったよ、今日は疲れたからこのまま一緒に寝ようね……」
頭を撫でながらそう言うと、この犬は私に挿入したまま寝息を立て始めた。
まるでおとぎ話に出てくる怪物か何かだ。
何時の日か、囚われの私を助けに来てくれる騎士様は現れてくれるのだろうか……。
そんな事を思いながら私も目を閉じた。
翌日、私は犬のような四つん這いで犯されていた。
「おい、昨日僕ちんを舐めてただろ? 旦那様を馬鹿にするとは許せんなぁ〜。ふん! ふん!」
「んっ……♡ んっ……♡ んっ……♡ んっ……♡」
パンパンと尻に腰を打ち付ける衝撃音が鳴り響く。
返しがついたおちんちんの先が、私の大事な部分を抉る感覚。
容赦なく獣のような交尾で男性器を往復させられる。
本来なら異物感を覚える筈の刺激に、すっかり慣れさせられてしまった私の中は、敏感に反応した。
「んおっ……!♡」
強引に突かれる快楽に晒されて、思わずはしたない声が出てしまう。
調教された私の女性器が熱くなり、意思とは無関係に脈打って反応する……。
気持ちよくなってしまう身体が憎い。
まるで飼い主に撫でられて脊髄反射で喜び尻尾を振る犬。
結局、この男を犬だと認識する事で己を保とうとしたが、私自身も犬の様だった……。
犬同士の交尾が行われるベッドの上で、自分から出る鳴り止まない淫声を何処か他人事のように聞いていた。
前屈みになって組み敷いてくる人を模した大型犬とのまぐわい。
首元に噛みついてくる彼は圧倒的なオスを感じさせ、私のおまんこを喜ばせた。
「最っ……低…………んお゛っ……!♡」
これ……ダメだ。
お尻を突き上げてうつ伏せに突っ伏した体勢だと声が抑えきれない。
「ひぃ〜♡ ……お゛ん♡ …… お゛ん♡ ……お゛ん♡ ……お゛う゛ん♡」
(やめて、やめてよ、もう気持ちよくしないで……!恥ずかしい声、出させないで……)
膣の裏側を剃り剃りと圧迫される度に尿道が刺激され、おしっこがピュッピュッっと吹き出てくる。
まるで女の私が射精しているみたいだった。
お腹の奥底からきゅ〜っと切なさが込み上げて、目蓋を強く瞑る。
両手を押さえつけられ、首を甘噛みされ、背後から覆い被され、心も体も支配されている……。
男の人、男性、男、漢、雄、オス。
圧倒的なオスを感じる。
そして私は言われるがままに犬の鳴き真似をしながら、この男の番いになる事を認めさせられて……オーガズムを得ると同時に放尿した。
私のおしっこが彼と寝床にマーキングしてしまう。
まるで雌犬が自分の縄張りだと主張するみたいに……。
事後の処理として体液に塗れたペニスを、口でお掃除させられながらぼんやりと考える。
彼のせいで男性が怖くなり……恋や愛といった物への憧れを見失わされていた。
でも、本当は……それでも男の人が大好きなんだ……。
これは多分逆らえない本能なんだと思う。
「彼のちんぽを入れて欲しくて堪らないの」
「男の汗の匂いが好きなの」
「力で押さえつけられたら子宮が高鳴るの」
そんな世迷言を言っていた母親を軽蔑していた私は、この時、実体験としてその意味を理解出来て悲しくなった。
嫌な性行為が少しだけ嫌じゃなくなってきた時、私はセルフィと共に裸で男のそばに居た。
両脇に華を抱えたデリングJr.は満足そうに男性のシンボルをおっ立てている。
何やらセルフィとイチャイチャしながら二人だけの世界を作っていた。
そうして彼等は私を置いてけぼりにして性交を始めた。
それなら私を呼ぶ必要は無かった筈だ……。
複雑な気分で毛布に包まりながら、横で行われるセックスを眺める。
絡み合う男女の姿は、とても愛情が篭っている様に見えた。
「んもぉ〜、そこ弱いから舐めるのあかんってぇ〜。きゃんっ♡」
セルフィの顔、すっごく蕩けてる……。
うわっ……そんな下品に腰をくねらせるの……?
二人共喘ぎ過ぎ……。
いつまでキスしてるの……?
なんでセルフィはこんな男におっぱいを吸われて笑顔を見せれるのよ。
(私の時はこんなに優しくしてくれない……)
ふつう、婚約者の前でそんなに脚絡めて抱きつく?
まるでこの男を自分のものだと主張しているみたいだ。
色々な感想が湧き出てくる。
これは断じて嫉妬の気持ちでは無い。羨ましいと思ってる筈が無い。
でも、早く私の番まだかな。と思い始める。
暇なだけなんだけど……初めて自らエッチしたいと考えてしまった。
(あ〜……なんかムカつく)
この男のこんなに気持ちよさそうな顔、私とやってる時には見た事が無い。
さっきからデリングはセルフィの頭を嗅ぎすぎ……。女性に対するマナーとしてそれはどうなの?
そんなにセルフィの匂いが良いの?
(……またキス)
何度もやったら飽きるでしょ……。
終わったのにまだ口でお掃除しないままお喋りするなんて……。
私なら教えられた通り、何時も直ぐに精子を舐め取って綺麗にしてるのに。
あと、さっきからセルフィは可愛い声作り過ぎ……。
幾らなんでもわざとらしいよ……。
こんな男相手に、そこまで媚びる必要なんて無いと思う。
自分を安売りするのは、セルフィの価値を落とすからやめた方がいいと思うな……。
ようやくお掃除をするセルフィ。
彼のおちんちんが舐められて、再び力強さを取り戻していく。
そろそろ私の番だ。
不細工な喘ぎ声出しちゃったらどうしよう。セルフィにどう思われるかな……。
そう身構えていると、デリングとセルフィは再び性交を始めようとしていた。
「はぁ!?」
思わず声が出てしまう。
と言っても勿論これは喘ぎ声とは違う。
順番的に次は私とやる筈じゃない、こんなの絶対におかしい。
声を上げた私の方を見るデリングは「どうしたの?」とすっとぼけるような質問をしてきた。
しかしこんな時でも逆らったら何されるかわからなくて、コイツに文句は言えない……。
結局私は「何でもない……」と一言呟いて、状況を飲み込むしかなかった。
まあこれで良いのだ。そもそもこんな奴とエッチなんてしないに越した事は無い。
むしろ得をした、ずっとセルフィに夜のお世話係を譲ってあげても良いぐらいだ。
そうだったらそうなのだ。
断じて嫉妬なんかじゃない。
でもセルフィだけに負担を強いる訳には行かないからこそ、私も一肌脱がなくてはいけないと思っただけ。
彼女を守るために私も出来る事があるならやりたい。
そんな、正当な助け合い……っていうのは流石に苦しい言い訳、だよね……。
本当はちょっと嫉妬した。
……というより女としてのプライドの問題かも知れない。
どちらにせよモヤモヤしてる。
これがデリングの姑息で卑怯な作戦だとしたら、まんまと嵌められてしまった訳だ。
彼との性交にまだ恐怖心は強く残っている。
しかし、それでも私は自分の女としての価値を求められているという部分に、少しだけ誇らしさを持ってしまっていたらしい。
本心から抱かれたく無いのに、いざ抱かれ無いとなればプライドが傷つくなんて……自己嫌悪が凄い。
「んっ…んっ…しゅき♡ ちゅっ……ちゅ……らいしゅきぃ……んちゅ♡」
あーあ、セルフィ気持ちよさそうだな……。
いいもん、私は寝るから。
リノアママとエッチしたいって泣きついてきても、寝てるから相手出来ませんよ〜だ。
耳を塞ぎながら寝る私の横では、盛り上がりを見せる喘ぎ声が五月蝿い。
隣に婚約者がいるのに、好きって言い合い始めるのは頭がおかしいと思う。
そんなに愛し合ってるならセルフィと結婚すれば良いのに。
結婚……するんだよね……。この男と。
本当に……何で私なんだろ。他に可愛くて綺麗で素敵な女の子なんて幾らでもいるのに……。
気が重い。
あーあ、結婚……したく無いな……。
「もぉ〜重たいよぉ〜……♡ んふ〜、そんなにあたしの体、気持ち良い?」
──羨ましい。
別にデリングと仲睦まじくなりたい訳じゃない。
セックスは愛し合う恋人同士が幸せにする事だと思っていた。
そんな幻想に憧れるのは女として当然だと思う。
好きな相手とイチャイチャハグハグしながら子作りをするなんて、私には今後一生出来ないのだ。
私にも……誰かカッコよくて頼りになる男性と愛し合いながら、幸せに暮らす未来があったのかも知れない。
こういう時、気持ちを切り替えてこんな屑男とでもエッチに没頭出来るセルフィが羨ましかった。
そう思ってしまうぐらい、隣の二人は幸せそうだった。
結局私はその夜、手を出される事無く朝を迎えた。
起きる時間は比較的遅いと自負している。
そんな寝起きの悪い自分が目を覚ました時には、既にお隣の行為は終わり、身を寄せ合って二人は熟睡していた。
まだ起きないという事は、どうやら私が寝た後も暫くお盛んだったらしい。
歯を磨いて、朝食かお昼ご飯かわからない時間の食事を取った後、時間を潰す。
ようやくアイツは目を覚ました。
欠伸をしながらセルフィの身体を弄っている。
そんな姿を見て軽蔑の視線を向けていた私に、最低男が声をかけてきた。
「おハローリノアちゃん、起きていきなりだけど……昨日のエッチでベッタベタになっちゃったから、ちんぽお掃除してよ」
他の女に入れて愛液まみれになったそれを舐ろですって?
普通に嫌だ……。
私に同性愛の気は無いし、幾らセルフィのだったとしても流石に他の女の子の体液を舐めたいとは思えない。
しかし毎度の如くこの男に逆らえない私は、渋々舐めて綺麗にするしか無かった。
性臭が立ち上る股に顔を突っ込む。
男の臭いと女の発情臭がカピカピになってペニスにこべりついていた。
それを唾液でふやかしながらしゃぶり取る。
じゅぽじゅぽ、ぺちゃぺちゃ、そんな舐めしゃぶる音と、男の褒める言葉が静かな寝室にこだました。
「リノアはフェラだいぶ上手くなったね、チンポ舐めるの好き?」
「……じゅるる。……ひゅきれふ」
(好きな訳ないでしょ……)
咥えてる時に話かけてくんな。返事し辛い事ぐらいわからない?
顎は疲れるし、汚くて臭いし、皮の中で染み付いたおしっこのしょっぱい味も最悪よ。
皮がブヨブヨしてて気持ち悪いし、おまけに抜けやすい縮れ毛が鬱陶しい。
そんなにエッチが好きなら下の毛ぐらい綺麗に処理しときなさいよ……。
「おふっ……良い子だね……言われなくても玉まで舐めるなんて偉いぞ〜」
何が言われなくても──よ、アンタに今まで散々言われたから憶えただけ。
あんなに殴られたら誰だって憶えるわよ。
頭を撫でてくる手が鬱陶しい。
私は今、金玉袋の皺を解して隙間に入り込んで乾いた精子とセルフィの汁を綺麗にしなきゃいけないのだ。
縮こまった袋の皺を伸ばす作業、これが結構集中力が必要で大変だから……本当に撫でてくる手が邪魔だ。
触られると数々の折檻を思い出して、その度に心臓が緊張して身体が強張るからやめて欲しい。
袋を口に含んで玉を転がしていると、いつの間にか勃起していた竿が私の顔に乗っかる。
最悪な事に、この男はそのまま射精した。
顔の横にぶち撒けられる精子が髪に絡み付く。昨日散々やって出した筈なのに、その量はとても多い。
ほんと、コイツの金玉はどんだけ精子作るスピードが早いのよ……。
この男はこれからの人生、その子種で何人もの女を酷い目に合わせていくのだろう。
今ここで口に含んでいる精子工場を噛みちぎった方が、世界平和に近づくのではないだろうか?
勿論恐怖心からそんな考えを行動に移す事は出来ず、先程出た精子の残りを吸い取りお掃除を終えた。
「ん〜? おはよ〜……朝から元気だね〜」
セルフィが起きてきた。
普段から元気いっぱいな彼女から見ても彼の精力は元気すぎるらしい。
「おはよー、もう昼だけどね」
「リノア〜昨日は独り占めしちゃってごめんね〜」
私は女としての価値を否定された気がして腹が立っただけで、婚約者を愛していないので独り占めを謝られても困る。
そういうのは彼の事を好きらしいこの屋敷のメイドさん達に言った方が良いと思う。
「あっさごはん〜! 早くいこっ、ゴーゴー!」
この男は食事を食べる時も裸だ。
彼はソファに座りながら同じく裸のセルフィやメイド達に食べさせて貰っていた。
まさに下衆な権力者そのもの。
これでも今日はまだマシな方だ。
私もそれに参加させられる事もあれば、裸の女性を這いつくばらせて椅子にしたり、皿代わりに女性の身体に料理を盛り付ける事もある。
ハッキリ言って汚いだけだと思うけど、女を玩具にするのが大好きなデリングは楽しそうだった。
私も皿の代わりにされた事がある。
パンにつけるディップソースをわざとこぼされて舐め取られたり、フォークで乳首を突かれたりするのだが、一番キツいのは動いてはいけないという単純な部分だった。
ハッキリ言ってノロノロと食事を取られる時にずっと動けないのは、屈辱感や性器を弄ばれるよりもシンプルに料理を溢しちゃうせいで動けない事が辛い。
そう伝えると、彼にしては珍しく興醒めしたみたいで、それ以降あのようなプレイは行われていないみたいだった。
「僕って男だからどうしても女の子の気持ちをわからない部分があるんだよね。
それで、セルフィに女はどういう風に、どこを擦られたら気持ちよくなるのか、教えて欲しいんだ。
ペニスバンド用意したから、リノアとエッチしてくれる?」
またよくわからないアイテムの名前が出てきた。
どうせ碌でも無いエログッズなのは明らかだ。セルフィも知らないみたいで頭上にクエスチョンマークが浮かんでいる。
「う〜ん……バンドって名前だし、楽しそうだからい〜よ〜」
安請け合いしない方がいいと思う。
それにしてもペニスのバンド……? 一体どんな物なのだろう?
多分ベルトとかそっち系だと思うけど、もしかして物じゃない可能性がある。
男性音楽家達を集めてエッチな曲を演奏しながら……とか?
そんな私の疑問は、彼の食後に寝床で解決する事となる……。
「パンツにおちんちんがついてる……」
「これな〜に? 楽器?」
その凶悪そうな道具を見た私はガッカリしていた。
デリングの説明では只今困惑中のセルフィがそれを履くらしい。
内側に付いている出っ張りを女性器に挿入して準備完了だそうだ。
なんだか嫌な予感がする……。
「ん……見て見て〜! なんかおちんちん生えたみたいで面白いよ〜。それで、入ったけどぉ……これからどうするの〜?」
「じゃあその生えた逸物で今からリノアとセックスしてみようか、自分がどういう風にやられたら興奮するのか、実践して教えてよセルフィ」
やはり碌でも無い物だった。
見たまんま女性に男性器を生やす為の道具だったらしい。
世の中の人は、よくこんなしょうもない道具を思いつくなと感心する。
スカートを捲り上げて装着したペニスバンドを見せるセルフィは、少し内股になりながらも腰の動きに連動して揺れる棒に一喜一憂し、騒いでいた。
「え〜!? リノアと私が〜? うー……」
「私もやりたい訳じゃないけど、なんか……その反応傷付く」
顔を見合わせた私とセルフィの間には微妙な空気が漂う。
同性同士でこういう行為をする事になるとは思っていなかった為、とても複雑な気分。
「じゃあまずはキスからスタートしてハイッ!」
まるで映画監督かのような気分のデリング。
主演女優の私たちはこれからラブシーンの撮影という訳だ。
(まさかとは思うけど……本当に撮影したりしてないわよね……?)
複雑そうな顔を赤らめて、セルフィが近づいてくる。
本当にやるの……よね……。
思わず後ずさりしてしまう私は、いつのまにか壁際まで追い込まれていた。
彼女の手が壁に押し付けられて、お互いの意を決し、目を瞑り唇同士を重ね合わせる。
今ニヤついた顔で此方を見ているであろうあの男と違って、その唇は柔らかい。
(凄い……こんなにも女の子の唇って柔らかいんだ……)
互いにおっぱいが押し合う。
乳首が触れ合うけど、照れていいのかなんなのか……反応に困る。
(これ、多分舌を入れる奴もしなきゃダメだよね……)
セルフィには失礼だが、少し躊躇しながら、今度は私が彼女の肩を持って唇を近づけた。
固唾を飲んで見守るクソ男を気にせず、私とセルフィは口をはみはみしながら舌を絡める。
同性同士のキスに忌避感はあった。
しかし、実際にやってみると、そこの男と違ってあらゆる場所が柔らかい。
これはセルフィが可愛いらしい女の子というのが大きいかもしれないが、思いの外耐えられる物だった。
しかもお互いに女性同士という事もあり、何をすれば興奮するのか理解している。
何時もされているような下品に舐め回される蹂躙では無い。
程よく啄むようにして行われる愛情表現。
あいつのお尻の穴やおちんぽを舐めさせられたりする日々に比べて、これぐらいなら全然平気だ。
私の太ももにツンツンと当たるペニスバンドの擬似おちんちんが、これから行われる性交を意識させ顔が火照る。
それはセルフィも同じようでどんどん顔が赤くなってきているのがわかる。
「えっとぉ……そろそろ……する……?」
どうしよう。モジモジしながら誘ってくるセルフィが可愛すぎて狡い。
そりゃデリングもエッチしたくなる訳だ。
しかし、始めてみるとどうしても偽物のアダルトグッズでは物足りなさを覚えた。
正常位で寝転がって股を広げた私に、棒を挿入してヘコヘコと腰を振るセルフィ。
男視点の動きに慣れていないのもあって、なんだか頼りなく感じる。
やはり本物の肉じゃないせいで感触が微妙だし、快楽を貪ろうとするあの感じが圧倒的に足りない……。
(でもあいつのちんぽの方が良かっただなんて認めたく無い)
それに体温や脈動が無い棒だって、刺激を感じないわけじゃない。
徐々に動きを慣らしていき、セルフィの膣に入ったでっぱりと私の膣に入った棒が動きを連動される。
ようやくお互いが気持ち良さを覚えて、喘ぎ声を出し始めてきた頃。
デリングJr.がソワソワし出した。
「浮気はダメだよぉ〜、リノアっ! リノアっ! ほひぃ〜」
私が浮気したみたいに言うけど、あんたがセルフィとやれって言ったんじゃない……。
この男は我慢できなくなったらしく、私の上にいるセルフィのお尻を広げ出す。
そしてそのまま私に入れた状態のセルフィのお尻に男性器を挿入した。
「う゛うっ……」
苦しそうにするセルフィがかわいそうだった。
多分私と違ってお尻の穴はまだ拡張しきれておらず。満足に広がらないのだ。
あの痛さを味わうのは私も経験者として同情する。
ケアルで治されてはいるみたいだけど、独特の圧迫感が辛いのよね、あれ……。
せめて苦しみが減りますようにと、私に抱きついたセルフィをハグハグして撫でてあげる。
「よしよし、できるだけ力抜いたほうが楽だよ……」
私が撫でてアドバイスを送ると、苦しそうだった彼女の表情は和らいできた。
「あ、ありがと……リノア……。んっ……んっ……」
「んっ……んっ……どーいたしまして。少しはマシになったでしょ」
ピストン運動で響いてくる振動がペニスバンドを伝わって私に届く。
こうして抱き合って身体を摩り合うリラックス効果は馬鹿にできない。
しかし、体から力を抜いてリラックスしようとしている私達を踏み躙ろうとする奴がいた。
「リノア……孕めっ! 僕の子供産んでっ!」
また何時もの奴で射精してる……。
今アンタが入れてるのは私じゃないでしょ……。
しかもお尻の穴だから妊娠しないし……。
孕め孕めって、もうその言葉は聞き飽きた。
……でも、セルフィにとっては違ったらしい。
「あたし、孕めなんて言われた事無い……。あたしには子供産んで欲しく無いの……?」
(え? こんな男の子供、産みたいの……?)
幾ら体の相性が良いとはいえ、子供まで産みたくはならないと思っていた。
しかし私は直ぐに気づいた。
そっか、セルフィは昨日の私なんだ。
女としてのプライドが黙って居られなかったのだろう。
「私だってセルフィみたいに優しくエッチされた事……無いもん……」
慰めるつもりで言ったその言葉に部外者が答えた。
「ごめんね、寂しくしちゃって。今日は僕ともラブラブエッチしようね」
五月蝿い、そうじゃない。
お前に話しかけてないのよっ。
折角慰めようとしてたのに、間に割って入ってくんなっ!
次回箸休め回
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