【完結】転生者が権力とかでFF8とFF10のヒロインを食い散らかした挙句、最終的にスピラを救う話。 作:速射弾
召喚士ビンザー=デリングJr.
彼はきっと人の上に立つべき人間だ……。
ビサイド村、ポルトキーリカ、ルカと渡って来たが、それまでに見たどんな人とも違う。
スピラ中を探してもおそらく彼のような人間は存在しない。そんな確信が今の私にはあった。
私が12才の頃。
ユウナの父親であるブラスカ様が巡礼の末に『シン』を倒してナギ節が来た。
幼い時、ビサイド寺院に参られたブラスカ様、アーロン様、ジェクト様。
あの御方達は召喚士としての役目を全うされた。
このスピラ中の人間がそれを心の底から喜び、今回こそ『シン』が復活しない事を願って祭りを開く。
村の人達も朝まで飲み明かし、新たなる大召喚士として名を刻まれたブラスカ様を崇め讃えた。
その中で、村に来たデリング様の日常だけは何時も通りだった。
いや、何時も通りというのは語弊がある。
ナギ節の素晴らしさとブラスカ様の偉業を讃える声を聞くにつれて……彼は苛烈に修行に励むようになった。
どんな寺院の召喚士も従召喚士も、ナギ節の到来でその時だけは胸に希望を抱き、心の底から安らかな時を過ごしていた筈なのに……。
デリング様と同じ年に引っ越してきた、キマリとユウナ。
元気なユウナは即座に村に馴染んで、それに引っ張られてキマリも自然と受け入れられた。
もっとも……ビサイドの人々はおおらかだ。
受け入れて貰おうとしなくても、ブリッツボール好きでお節介焼きの誰かさんみたいなのは幾らでもいるので、例えキマリが一人で引っ越して来ていたとしても、馴染むのは時間の問題だっただろう。
私もユウナの事を実の妹の様に可愛く思って、色々世話を焼いたりしたものだ。
だからこそブラスカ様は、愛娘の移住をビサイドに決めたのだと思う。
そんな二人と一緒に居るデリング様のお話を、ある日聞いてしまった。
偶然村外れのその場に居合わせた私は、何故か暗い雰囲気で海を見ながら佇む彼等の邪魔をしてはいけないと感じて、空気を読み木影に隠れる。
盗み聞きは良くないと知りつつも、ついついどういう話をしているのか気になってしまったのは、仕方のない事よね……。
「ユウナ、『シン』が倒されてみんなが喜んでいる……。ブラスカ様がナギ節を起こしたのにこんなことを言うのは酷い事かも知れない。でも僕にはわかる。そろそろ『シン』は再び復活して……君はきっと、召喚士を目指すだろう」
一瞬、デリング様が何を言っているのかわからなかった。
ユウナが召喚士を目指す? まだ8歳のあの娘が?
「キマリは聞き捨てならない。デリングはユウナを召喚士にしようとしている!」
「……これは誰が誘導するとかそういう事では無いんだ。他ならぬユウナ自身が考えた末にそれを決める……だって、ユウナは優しいから……」
「グルル……ユウナは召喚士にならない。『シン』も復活しない」
キマリの怒る気持ちはよくわかる。
ユウナが召喚士になる筈が無い。召喚士になって欲しくなんかない。
しかし、デリング様が理由も無くそんな突拍子も無い事を言うとも思えなかった。
「待って、キマリ……。デリングさん、その……私、召喚士になろうと思っている訳じゃないです。でも、父さん達が『シン』を倒してみんながこんなに喜んで居る姿を見て、ナギ節という物の尊さを知りました。だから……もしかしてそういう未来も……あるのかな」
「父親が召喚士だからと言って、ユウナも召喚士になるとは限らない!」
珍しいキマリの怒鳴り声が聞こえる。
その通りだ。親が召喚士だからといって子も同じ道を歩む必要は無い。
しかし次にユウナの口から出てきた言葉は、私を不安に陥れた。
「ううん、違うの。父さんが召喚士だから私も召喚士を目指す訳じゃないよ。多分デリングさんの言う通り、私自身が考えた結果召喚士を目指すんだと思う。なんだか……今言われて凄いしっくり来たんだ。まだ召喚士になろうなんて思ってもいないのに、変だよね、あはは」
「…………ユウナ、キマリは反対する。キマリはユウナが死ぬのを見たくない」
とんでもない会話が繰り広げられている。
ユウナ……本当に召喚士になるの?
私は心臓が締め付けられ、今にもこの木陰から飛び出して、大好きなあの娘を叱りつけてしまいそうだった。
「ナギ節は一時だけの物。キマリだってこの話に反発するぐらいだから心の何処かで『シン』は復活すると思ってる筈だ。いや、多分キマリだけじゃなく今喜んでいるスピラ中の人々も薄々そう思っている……。そして、ブラスカ様のナギ節を喜んでいるみんなには悪いけど、僕は召喚士の死が悲劇という事から目を逸らしたくはない」
どうかお願いですデリング様。ユウナの考えを否定してください。
私は彼の言葉を聞きながら、ひたすらそう願っていた。
「だからこそ僕が召喚士になれた暁には……将来きっと召喚士になるであろう君のために、旅を通じて未来のユウナが死ななくて良い方法を見つけ出してくる」
思いもよらぬ言葉。この場にいる誰よりも彼は前向きだった。
結果としてユウナはその数年後、自ら望んで召喚士になる為の修行を始める事となる。
つまりデリング様の当たって欲しくない予想は大当たりだった訳だ。
「召喚士が死なない方法、不可能だ。キマリはそんな耳触りの良い言葉、信じない」
不可能よ、そんな事ができるならとっくに寺院がやっている筈。
そう思ってしまうその時の私の気持ちは、キマリと同じだった。
しかし次の瞬間、私はデリング様の事を見くびっていたのだと知る事になる。
「だろうね、だからこそ今日二人をここに呼んだ。これを見せるために」
その場に旋風が巻き起こり、砂や砂利を巻き上げた風は小型の竜巻を一時的に発生させた。
(これは……魔法……?)
風を操る魔法なんて黒魔法の先生からも聞いたことが無かった。
勿論見た事も無い。
「……キマリはこの魔法を知らない」
「風を操る……魔法……?」
「少し違う、似て非なる物とでも言うべきか。擬似魔法と呼んでいるこれは、機械や幻光虫を経由して発動する魔法や召喚術とは全く別の力だ」
(え? ただの黒魔法じゃ……ない?)
「キマリは信じない」
「そっか、確かに魔法使っただけで既存の魔法とは違うんです。なんて言われても……判断出来なくて当然だね。なら……あまりこんな所で使いたく無かったんだけど仕方ないか──ちょっと離れててくれ」
彼は額に手を当てた瞬間、謎の輝く丸いエネルギーが彼の周囲に複数現れて回転する。
明らかな異常事態。
見慣れた幻光虫とは全く違うその光の球は、彼の頭へと寄せ集まって行く。
デリング様は何かを頭から引きずり出すような仕草をして、手を空間に掲げ、“それ”を呼んだ。
「来い、セイレーン」
突如として彼の背後から岩が突き上がる。
現れた岩の下で、何時の間にか存在していた現実感の無い透けるような小波が、チャプチャプと波打った。
気がつくとそこに見知らぬ全裸の女性が座っている。
美しく現実味の無い女性。
その女は黄色い髪持っていたが、アルベド族では無い事が私には一目で分かった。
そう判断できた要因は、分かりやすい瞳の色などでは無い。
何故ならその髪は……彼女の身の丈程もある黄金の翼だったから……。
何か弓の様な楽器を持っている彼女に天から光が差し込んで、いつの間にか周囲に現れていた光のミストが不規則にうねる。
私もユウナも、そしてキマリも声が出ない。
それ程までに目の前の“何か”が放つ神々しさに圧倒される。
ポロン、ポロロンと軽く楽器を奏でた謎の美女は、微笑みを浮かべながらデリング様へと目配せして……その姿を消した。
先程突き上げる様に出てきた岩も見当たらない。
(今のは……何?)
木陰に隠れて見ていた私の脳内を埋め尽くしたその謎。
口に出しては居ない筈なのに、まるでデリング様は私の疑問に答えるかの様に言った。
「これはG.F.と言って、この世界で言う召喚獣……とは似て非なる存在……かな」
デリング様はまだ従召喚士だった筈。
召喚獣を呼べるならば、それはもう既に召喚士として認められていなければおかしい。
それに……ビサイド寺院の祈り子様が授けてくださる召喚獣は、あのようなお姿では無い。
やはり本当に……?
「これで信じてくれなければ、僕に打つ手はもう無いね」
「…………」
「わ、わたしは信じますっ……!」
静かに黙りこくったキマリとは対照的に、ユウナは彼の言葉を肯定した。
にわかには信じがたい事だが、この目で見たからには私も信じるしかない。
彼は本当に特別な力を宿しているらしい。
「君達2人だけにこれを見せたのは信用してるから……かな。これが寺院に見つかると教義に反するとされて、僕は罪に問われたり、幽閉されたり、この力を剥奪されてしまうかも知れない」
「エボンの誓いに背くのか」
「ああ」
「私の……為に……?」
「そうだ」
一寸の躊躇も誤魔化しも無く彼は言い切った。
エボンの教えに背くと。
「何故それをキマリに話す。何故ユウナに話した」
「ふふ……キマリは絶対にユウナのガードになるだろ? だから言っておいた方がいいと思ったし、ユウナの為になる事を寺院には密告しないだろうと思ったからね。まあ、ある意味ユウナの事が大好きなキマリを信用してると言えるのかも知れないな」
「あの……ルールーはこの事を知ってるんですか……?」
「あははっ、何故自分に話すのか詳しく聞く前に、ルーの事が気になるなんてユウナらしいね。
もしかしたらルールーにも打ち明けるかも知れない……でもそれは今じゃないよ。今はこのナギ節を味わっている彼女の貴重な時間を、邪魔したくは無いからね……」
自分の名前で出てドキッとした。
そして、何故この事を私に話して下さらなかったのか……。その答えに胸が高なった。
信用してくれてない訳では無かったのだと思うと、心底ホッとしたのだ。
デリング様が私の事を慮ってくれていると知ると、現金な私は不覚にも嬉しくなってしまう。
「ユウナに言ったのは、その方がユウナの気晴らしになると思ったんだよ。君の父親が命を賭して生み出したこのナギ節を、君が心の底から喜べるとは思えなかった……。だって……本当は悲しいはずだ。僕も幼い頃に母親と会えなくなってそれっきりだから────わかるんだ」
同時に初めて聞くデリング様の過去。
『シン』の毒気にやられて記憶を欠落したと聞いてはいたけど、もう随分と毒気は抜けてきているらしい。
なんだかそれが私と彼の距離を遠ざけてしまう気がして……少し物悲しかった。
「みんなを悲しませない為にユウナはずっと我慢してるよね。今だってほら、ブラスカ様の事を思い出して涙目になってるのに泣いてない。ここにはキマリと僕しか居ないから……今だけは泣いて良いんだ。いや……言い方を変えようか……。召喚士になったら泣けなくなるから、今の内にここでしっかりと泣くべきだ」
ユウナを抱擁してあげるデリング様。
父を喪った思いが溢れ出て泣きだすユウナを、キマリが見守る。
(そうよね……。ユウナはまだ8歳。大好きなブラスカ様が死んで悲しくない筈が無いわよね……)
それなのにみんなのために悲しみを押し殺して、泣く事を堪えていたのだ。
私はあの娘の姉みたいな存在だと自負していたのに、何を見てたのだろう。
そんな不甲斐無さを覚えて、ナギ節が来た事に浮かれずユウナの我慢に気づいたデリング様の凄さを改めて知った。
彼のガードになりたいと真に思ったのはこの時からだ。
可愛い妹分を死なせない為の方法を見つける旅。
付いていくという決断に一切の迷いは無かった。
これまでの旅の中でまず初めに知った真実は、私自身の性欲が思いの外強いという事だった。
現在、私はうつ伏せで己が護るべき召喚士様の男性器を押し当てられていた。
股を開き羞恥心が煽られるような格好で男根を受け入れる。
シーツを握りしめている手に力が入った。
「んんっ…… デリング様ぁ♡ 逞しい……♡」
尻をくねくねと動かして彼の動きに呼応すると、それに合わせて彼の腰も激しく動く。
(自分から求めて腰を動かすなんて……私ったら、なんてはしたないの……)
「おほぉん♡」
ペニスで効く所を抉られて下品な声が漏れてしまい、思わず赤面。
夜の宿は薄明かりに包まれた世界だ。
その中で外から聞こえる虫たちの鳴き声を掻き分けるように、私と彼の交接の音が鳴り響いた。
「あっ……あっ……あっ……♡ お慕いしておりますっ! 愛してますっ♡ 大好きぃ♡」
「ルー、お前は僕の物だ! 誰にも身体を許すなよっ! わかったな!」
「はいっ! ルーはデリング様の物ですっ♡ んひぃ……愛してますぅ……お゛っ♡」
彼の嫉妬混じりの独占欲を押し付けられて、悦びのあまり失禁してしまう。
互いに抱擁し、裸を絡め合いながら深く唇を合わせる。
私と彼は快楽に導かれ、幻光虫がその身を絡め合うかの如く、二人の精神は天に向かって昇っていった。
(こんなのダメよ……。もう彼から離れられなくなっちゃう……)
「んふぅ……♡」
言うまでもなくその考えは、淫蕩に染まった己を戒めているから大丈夫です。という現状への言い訳で……。既に私は彼から離れる気は無い。
もしも彼が死ぬその時は、私が先に死ぬと決めたのだから。
そして想定外だったのは、デリング様が想像以上にスケベだった事だろう。
「今日はガードが召喚士に無理矢理迫られて犯されるという架空の設定でやろう」
「架空の?……まさに今がその通りの状況だと思われますが……。それに、少し罰当たりではありませんか?」
「お、それ良いね。『罰当たりです!』この台詞追加してみよう! それじゃ早速『お辞め下さい召喚士様』から……」
そう言いながら私の両手を掴んでベッドに押し付けるデリング様。
とりあえず言われた通りにする。
なんとなくやりたい事はわかったが上手く出来るだろうか?
「お、お辞め下さい召喚士様っ! 嫌っ! ああっ!」
「良いではないか良いではないか。このような破廉恥な服を着おって……ワシを誘っとるんだろう?」
ワシ……。彼には似つかわしくない親父臭い言葉遣いだ。
そういう事ね……。
つまりスケベオヤジに無理矢理エッチをされるのを想像しろって事かしら。
とりあえずそんな状況に陥った所を想像をしながら、私ならこう対応するかなと考えて拒絶してみる。
「そんな事ございませんっ! 勘違いなされております! 嫌っ、そこはっ……!」
「ほれほれ、ルーのここはこんなにも湿っておる。ワシの高貴なマラを挿れてくださいませと懇願しとるみたいじゃないか」
私の服が無理矢理剥ぎ取られ、脱がされて行く。
乳房から太ももまで、接吻の跡をつけられて、ねちっこくもガサツに蹂躙された。
彼の言う通り、私の女性器は早く欲しいと乞うように湿り気を帯びて……。
瞬間、強引に開かされたそこに男性器が突きつけられた。
これから始まる事に期待して思わず唾を飲み込む。
「もうお許しください……。わたくしはこのような事をする為にガードになったのではありません! こんなの……罰当たりです……」
「ほれ入れるぞぉ……おほっ、ルーの体は気持ち良すぎる。このままお前には召喚士であるワシの子を身籠らせてやるぞ。ほれほれ早速精を注いでやろう!」
拒否を無視して入り込んでくる男性器。
私を押さえつけて優越感に顔を歪めながら腰を動かすその姿に、ルカでナンパしてきた身の程知らずのエロオヤジを幻視した。
デリング様の演技が上手すぎて……少し本当に怖くなってしまった。
嫌悪感でゾワゾワと鳥肌が立ち、私は必死に抵抗した。
その度に私の秘所は快楽を感じている……。無理矢理犯されているのに……。
「嫌ぁっ! 嫌あああああ!!」
私の耳を舐めしゃぶる見知らぬオヤジ。
何故か急激に意識が朦朧としてくる。
(何……この感覚……。魔法……?)
どうしてこんな事になってしまったんだろう?
私はなんで“これ”に身体を許しているの?
頭が混乱する中で現状について分かっているのは、私が魔法を使えるだけの集中力が定まらない事と、見知らぬキモオヤジに身体を貪られているという事実だけ。
禿げ散らかした頭皮が汚い。
汗の酢っぱい臭いは動物の小便を嗅いでいるみたいで不快その物。
磨かれていない歯の隙間から、汚らしいダミ声が私に向かって何度も愛を囁く。
「ルー、ワシの者になれ……。ほひひ」
「嫌ぁ! デリング様っ……助けてぇっ……」
演技しろなんて言われていた気もするがすっかりそんな事はどうでも良くなって、忽然と消えてしまったデリング様に助けを求める。
犯される私は大声を出す事も出来ず、
だらしなく脂肪を身に纏った嫌悪感の塊に身体を蹂躙された。
気持ちの悪い中年親父はブルブルと震え出す。
「嫌ぁ……そこはデリング様だけの……。デリング様のお精子専用なのにっ……」
精子が注ぎ込まれた。
オヤジに孕まされるという危機感で、私にのしかかる彼の身体を必死に押し退けようとした。
力が足りない事はわかっている。押し退けられない事だってわかる。
それでも嫌な物は嫌で、こんな下劣な男の物になるかと思うと、必死にならざるを得なかった。
しかし、そんな私の抵抗も力で抑えつけられて、唇を奪われる。
口を開けて近づいてくる舌は、黄色い舌苔に覆われて、この男がヤニと病気に侵されているのが分かる。
接吻というよりも捕食に近いそれは、私とは比べ物にならないほどデカい顔をくっつけられて行われた。
舌が入ってくるのは火を見るより明らかで……。
私が何時までも良いようにされてると思わないでよ……!
舌を入れてきたその瞬間、噛みちぎってやるわっ!
「んぶっ……」
“それ”が入ってきた瞬間。
口の中から、長年洗ってない男の口臭が鼻の奥までツンと香った。
あまりの臭さに吐き気を催す。
「おえぇっ……!」
(口を閉じる事ができないっ……!)
臭すぎて思わずえずいてしまうので、舌が前に出て顎が開いてしまう。
噛みちぎってやるなどと都合よく考えていた計画は即座に頓挫して、私は口内をオヤジの唾液で隅々まで侵された……。
射精し終わったにも関わらず、まだ性器を擦ってくる腰の動きに、精子で摩擦が緩和された私のあそこは無理矢理快楽を味わわされた。
こんな中年男の技巧で気持ちよくなっている自分が悔しくて……涙が出てくる。
「んぐっ……! 何でっ……こんな……」
(こんなに気持ちいいの……)
そのねちっこい技術は穢らわしい見た目に反して、女の扱いを完璧に心得ている。
嫌だ嫌だと思っている内に、身体は的確な愛撫と性交を施されて……。
味わいたくも無い絶頂まで昇らされられる。
「はぁ……はぁ……。最悪……」
栓を引き抜かれたそこは、出された精子がドロリと垂れて、私の女としてのプライドが穢された事を物語っていた……。
私の女性器を広げながら、精子がどれだけ出たのかを確かめている男を、諦めの気持ちと共にぼんやりとした目で見る。
(こんな男に……)
だらしない中年親父らしい整った身体と筋肉。
皮膚病が蔓延して垢の溜まった全身は、白みがかった艶々の美しい肌で穢らわしい。
不細工で見るに堪えない、程よくくっきりとした目鼻立ち。
男らしいがむさ苦しく無い男性の顔。
それは優しさを感じつつも、情けなさでは無い真逆の安心感を覚える。
臭いと思っていた体臭は、いつのまにか私の好きな香りに変わって行き……。
(あっ……カッコいい……)
不覚にもときめく。
その瞬間、私の視界が開けた気がした。
ああ……これは見知らぬ中年親父ではない。私の大好きなデリング様だ。
まるで今まで混乱していたみたい。
もしかして……コンフュでもかけられてたのかも知れない。
正直なところ、このごっこ遊びはあまりにも馬鹿らしかったけど、魔法のお陰で本格的に感じられて……滅茶苦茶興奮してしまった。
こんな魔法の使い方もあるなんて驚きだった。
「今度やる時はルーが召喚士役で迫って来てね」
この時の催眠性交のお陰で、普段の行為がどれだけ素晴らしい物だったか再確認できたのは思わぬ副産物だ。
しかし……『シン』を倒すための巡礼の旅がこんな事で本当に良いのだろうか……。
その後も用事が無い時、旅の中で私達は毎日猿のようにまぐわい続けた。
徐々に過激になっていく要求を拒む事だってできた。
(でも、そんな事しないわ)
だって、彼はユウナを助ける方法が見つからなかったその時には……代わりに『シン』と戦って死ぬ事を、覚悟しているのだから……。
あまり考えたくは無いけれど、いつの日かその時がくるまで、出来る限りの欲求を満たしてあげたい。
そう思うのは、惚れた女の弱みって奴かしら……。
そんな旅を進めず淫蕩な日々を繰り返すことに不安を感じてきた頃。
ルカの宿で、私はデリング様に秘密を打ち明けられた。
「僕の旅の目的は通常の巡礼とは少し違う」
ユウナとの話を盗み聞きしていた私はその答えを知っていたが、ユウナについての話が終わると次に出てきたのは想定外の内容だった。
「エボンの真実を知っているかい」
「真実……ですか?」
正直言って語り出したその内容は、あまりにも反エボンな思想が強いので引いてしまう部分もあった。
突拍子もないし、最初は冗談を言い出したのかと思ったぐらいだ。
でも彼の声色も表情も冗談で言っているとは思えない。
寺院の腐敗、究極召喚に別の生贄が必要や、禁じられた機械を所有している事もさることながら……。
本当にスピラ中が苦しんでいる原因である『シン』を生み出したのがエボンなら……とんでもない真実ね。
それが事実なら……だけど。
しかし、デリング様はその手の幻想にしがみついて妄言を吐くタイプの人間とは違い、意外にも声を荒げず冷静だった。
「僕は別に反エボンという訳じゃ無い。そもそもこの情報は実家の関係で知り得た情報だし、僕は今、寺院で修練を積んだ召喚士だ。エボンに逆らおうとか教義を否定しようなんて微塵も思ってないのさ」
「……そうなのですか?」
彼は頷く。
変な思想を吹き込まれているのかと一瞬警戒してしまったが、それを聞いて私は安堵した。
流石にここまで心と身体を許した相手がおかしな考えの持ち主で、暴走した挙句に寺院へ刃の矛先を向ける……なんて事が起こるのはごめんだったから。
「寺院はスピラになくてはならないものだ。今のはただ、情報を知ってほしいから話しただけ。
これから僕たちは、それが真実かどうか己の目で見極めて、ユウナの為の改善策を探す為に旅をするんだ。
それは本来の召喚士の旅とは少し違う目的となるだろうし、各地を行き来する旅は長引くだろう。だから話したかった」
ああ、そうか……。私は彼に信頼されているのだ。
こんな普通の人に言うべきじゃ無い話を、腹を割って語ってくれるぐらいに。
それを想うと胸の奥が打ち震える。
「私はその心からの信頼に応えて見せます……貴方のガードとして」
前で手を組み、彼に対して改めてエボン教の挨拶を行う。
やはり、この御方は私達とは見ている世界の高さが違うのだ。
エボン教には崇める対象が存在しない。
強いていうのなら始まりの教祖であるエボンの教えであり、『シン』を倒してくれる召喚士様達だろう。
でもこの日、私は確かに、デリング様を明確に崇めたいと思った。
(最も……それをあからさまに表には出すのは引かれちゃいそうだから、今はやらないけどね……ふふ)
私はそんな御方を守りながら旅に同行できる幸運を、心の底から嬉しく思うのだ。
感想とか評価とか貰うと喜んだりモチベが上がったりします。