【完結】転生者が権力とかでFF8とFF10のヒロインを食い散らかした挙句、最終的にスピラを救う話。 作:速射弾
僕は今、ユウナの異界送りの練習を見ていた。
「ストップ、ここ、支えてあげるからもう少し腰を落として」
「はいっ!」
修行を見てあげるという口実で2人きりになれる部屋に呼び出して、舞をさせているのだ。
従召喚士の修行を見てあげるのは、先輩召喚士としての義務だしね。
「あのっ……支えてる手が……」
「ん? あぁ、ごめんね。あたっちゃってたね」
「もー……絶対わざとでしょ〜。今日は修行に集中するって決めたのでエッチなことは後で!」
「いや、結構真面目なんだよ。このパートの時はこの太ももの内側を意識するのは大事だから」
真面目な訳が無かった。
可愛い後輩にセクハラをして楽しみたいだけだ。
「……本当、ですか……?」
「本当本当、マジ、マジ。ほら脚を開かずに骨盤を開く意識で、お尻を突き出して……一拍おいて恥骨を締めるっ」
「こ、こう?」
「そうそう、いい感じ。補助無しでやってみようか」
「本当だ……さっきより全然良い感じになりました! 凄い!」
舞の精度が良くなったのかは正直わからないが、無邪気に喜ぶユウナは可愛かった。
騙してる側が言う事じゃないんだけど、この子、悪い人にすぐ騙されそうだなって思いました……。
「でも……今は修行の時間ですから、嫌らしい事はやめて下さいね」
「あ、もしかして……濡れちゃったんでしょ? エッチだねユウナちゃん」
「濡れてませーん。もーお下品ですよ?」
「あははは」
こういうスキンシップを許してくれる心の広さが好きだなぁ。
なんというか、他人に酷いことさえしなければ何しても怒らなそうで、ユウナちゃんと居ると安心感があるんだよな。
ルーの事も好きなんだけどね? やっぱあそこまで慕ってくれてると良いカッコしたくなって、そういう意味で素を出しづらいというかねぇ……。
ユウナちゃんは、そこら辺の心の壁を突破してくるのが上手い。
それもこれも聖母の如き他者への思いやりや献身性とは別の、幼子のような無邪気さを持っているからなのだ。
だから多少ヒートアップした要求も通るだろう。
そんな舐めた考えで提案してみる事にした。
「うーんやっぱり……」
「あの……何かダメでしたか?」
「いや、やっぱり服があると骨格の動きが分かり辛くてさ、ちょっと全裸になって踊って見てくれる?」
「ええええっ!? 流石にそれは冗談……?」
「じゃないから、ほらほら脱いで脱いで」
「わ、わかり……ました……」
渋々ながら服を脱ぎ始めるユウナ。
やはり、多少の躊躇はあってもお願いされたら断れないんだよね。
この性質のお陰で、彼女を丸め込んで処女を奪えたと言っても過言では無い程だ。
「異界送りって、ここまで踊りの技術を磨かなきゃいけない物なんですか……?」
「死者を弔うなら上手いに越したことは無いと思うよ」
「やっぱりそうだよね……よし、頑張ろっ! それじゃ御指導の程、お願いします!」
まあそもそも異界送りは踊る必要が無くて、見ている人に向けてのパフォーマンスという側面が強い。
その為、ストリップさせるというのはある意味正しい舞の活用法とも言える。
無論、裸でさせているのは僕が見たいだけだ。
美しい舞だと思う。
技術的な物はまだ向上する余地が大いにあるかもしれないが、死者を労わる気持ちが踊りを通じて伝わってくるのだ。
裏表なく見ている側がそう思えるのはユウナ強みだ。
あと、プリプリと可愛らしいお尻が動く。
可愛らしい乳房の先で、桜色の乳首がツンと上を向いてるのも視覚に良い。
でも、なんだか神聖さがエロを上回ってくるから、あと一歩チンポが硬くなりきらない。
もうちょっと下品なやつ踊らせるか、人数揃えた方が多分興奮するなぁ……。
「どうでしたか?」
「う〜ん、もう少し良いと思ったんだけど期待はずれ……かな」
「そっか……。これでも寺院で踊りを教えてくれる先生には褒められてるんだけどなぁ……」
「ここの寺院の先生は気持ちが重要という一点でゴリ押してくるからね、ユウナはその点は文句無しに良いから、あの先生から言わせてみたら二重丸なんだろう」
「は〜いデリング先生、改善すべき所はありますか?」
「ん、一旦後ろ向いて肩幅ぐらいに脚を開いてみて、そうそう、そしたら腰を捻って背後を見ようとしつつ、お尻に両手を当てて、中心の割れ目から広げて見せて」
「えーっと、こうかな……お尻に手を当てて中心の割れ目から広げて見せ……。ってもーデリング先生!」
言われた通りにしてしまったユウナは、もうこの数時間で僕に何度騙されたんだろうか。
は〜、あざとい女だぜ。これを自然体でやってるんだから男には堪らんよなぁ……。
「どこまでやるのか見てたけどまさかお尻の穴まで見せるなんて……あはは! これは気づかない方が悪いよユウナ……くくく」
「むー……パパのえっち……」
二人の時はたまにプレイの延長でパパ呼びになる。
その事については彼女の方も満更ではないみたいだった。
「ごめんごめん。でもそこなんだよね、気持ちは完璧に乗ってる。あとは表現力を磨くのが重要で、これ以上の技術は時間をかけて磨くしかないし……じゃあどうすれば良いかっていうと、手っ取り早いのがエッチな事なんだよ」
「ほんとかなぁ〜? 見たいだけな気もするなー……。デリング先生おちんちんおっきくなってるでしょ?」
「なってない、なってない」
「それじゃ確かめるから……触らせて?」
ユウナが僕の股間を弄ってくる。これじゃ逆痴漢だ。
「む、本当に勃ってない……あ、大きくなってきた」
「それは……ユウナが触るから……あっ♡」
こんなのユウナみたいな可愛い女の子に痴女られたら、男は誰でも勃つって……。
「へー触られたらおっきくなっちゃうんだ……。ダメだよ先生、今は真面目な修行の場なんだからね?」
「……さっきはからかって悪かったって、だから手を離そっか? そこタマタマだから強く握るのは……ね? んぐっ……」
あ、不味い……! う゛っ……!
「あっ……ごめんなさーい!? デリングさん大丈夫!? ケアル! ケアル!」
「ほひゅ……ほひゅ……」
「デリングさーん!?」
彼女には玉の扱いも教えなきゃいけない。
僕はケアルをかけられながら切にそう思った……。
大召喚士ブラスカの娘。
そんな有名人としての扱いに気苦労が絶えないユウナは、知らず知らずの内にストレスを溜めていたらしい。
彼女は今、僕の上に跨り、陶酔するように腰をグラインドさせていた。
顔を向こうの方にして跨っているのは、表情を見られるのが恥ずかしいからだとかなんとか。
お尻の穴が丸見えだし、更にその下にはペニスを加え込んでピンクに染まったおまんこの様子が伺えるが……其方は恥ずかしくないのだろうか?
なんて思いながらその可愛らしい薄桃色の尻を揉む。
「ん゛っ♡ ん゛っ♡」
ヘコヘコという擬音がピッタリな動き。
両肘を股の間に着いて、情けなくおまんこを動かし続けるユウナの喘ぎ声は、次第に濁点が混じりお下劣な様相を呈してきていた。
彼女はあれからスケベな事にどハマりしていた。
今日だって誘ったのは僕ではなく、ユウナの方からだ。
ちょこちょこと僕の隣に身体を寄せてきたかと思うと、スケベ親父のように僕の尻や太ももを撫でたり、唐突にぎゅっと揉んだりしてHしたいという無言の合図を送ってくる。
その性欲の強さは、明らかに僕が今まで見てきた女の中でも群を抜いていた。
犬の呼吸音のような息遣いで熱中しているその姿は、普段の清楚な姿と全く別物だ。
「ん゛っうぅ……♡ お゛っお゛っ♡」
シーハーシーハーと呼吸が我慢する風に変わると、そろそろエクスタシーに達する合図だ。
ユウナはそのまま腰を落として身震いしたかと思うと、体勢を崩しベッドに肘をついて呼吸を整え出す。
「はーっ……はーっ……♡ きょうも……私の我儘に付き合ってもらって……ありがとうございました……。はひゅ……はひゅ……♡」
「どういたしまして。動かなくていいのは楽で良いけど、終わった後に抱き合いたくない?」
「ダメなんです……。抱き合ったらもう一回やりたくなっちゃうから……ふぅ……ふぅ……」
「それじゃあ僕はまだやりたいから抱きしめちゃおっと」
「……あん♡」
僕のペニスがまだ硬い事に気づいてる癖に、終わりたいふりをするユウナ。
自分から誘ってきて、性欲の強さを取り繕えると思うなよ?
どうせこうなれば良いな〜と思いながら止めるふりをした癖に。
その可愛らしい策略にあえて乗り、入れたまま背後から抱きしめる。
汗ばんだ彼女の髪をかき上げて、出てきた耳に甘噛みした。
「ユウナは膣内に射精されるの好き?」
「………すき」
「精子出して欲しいって言ってみ?」
耳の先まで赤くしながら、少し俯いて彼女は言った。
「んっ……。精子……出して欲しいです……」
「また鼻息荒くなってきてる。チンポ気持ち良いんだ?」
「……うん」
「じゃあそれも言わなきゃ」
「…………おちん……ちん、気持ち……良いです」
途切れ途切れに男性器を所望するユウナ。
まだ照れの気持ちが取れない初心な少女は、それでも僕の言葉に従ってくれた訳だが……。
「チンポって言うの恥ずかしかった? もう一回やり直しな」
やっぱり下品な言い方の方が興奮するからやり直しだ。
「そんな……ち、ちん……ぽ。気持ち良いです」
「チンポで何されたら気持ち良いの?」
「……えっちなこと」
そろそろ学べよ、何度でもセーブ&ロードで下品に言い直させるからな?
「ユウナのおまんこに入れられるのが気持ち良いですって言おうか」
「ユウナのお、おまんこに……入れられて気持ちいいでひゅっ♡」
本来ならもっとエグい言い方をさせるのだが、最近処女を失ったばかりの女の子なのだ。
今日のところはこれぐらいで勘弁してやる。
それにしても……。
「さっきから本気汁の量凄くてグポグポ言ってるけど、耳元でこういう事言われるの好き?」
「……すき」
「僕もエッチなユウナの事大好きだよ」
「はっ♡ はっ♡」
言うと同時に、ユウナの息遣いが荒くなり、腰をグニグニと動かす動作が激しくなった。
彼女の口の端からつーっと垂れる涎。
愛の感情をを注げば注ぐ程、発情したメス臭が耳の裏からプンと香ってくる。
本当にこの女は凄い。
体臭が体臭じゃないみたいだった。
甘くてオスを誘う果実のような香りを放ち、汗ばんだ首筋や腋を舐めしゃぶると甘酸っぱい味がする。
恐ろしくもちもちとした、しかし弾力は程良くある肌。
このまま齧り付きたくなるような……桃を擬人化した存在だと言われたらしっくりくる。
まさしくファイナルファンタジーの主役に相応しい、幻想的な肉体だった。
「あぅっ♡ やだぁ……。気持ち……良すぎて……んあっ♡」
そのヒロインを性の道に落とすのは、堪らない快感だ。
やはり原作というフィルターがあるお陰で、普通の一般人を抱くよりも格段に興奮する。
この味を知ったらもう普通の女じゃ満足できないのだ。
そんな何者にも代え難い女の子を背後から優しく抱きしめて、汚らしい男のマラで果肉をぶちゅぶちゅと潰すようにオメコをほじくりまわす。
「あ゛っ♡ あ゛っ♡ あ゛っ♡」
瑞々しく潤った股からは、ぶしゅぶしゅと桃の果汁が断続的に噴き出して……。
限界まで膨らんだ肉の擦り漕ぎが、最奥の果肉をすり潰すように押し込まれては引く動作を繰り返した。
「ユウナっ……ユウナっ……」
「んひぃっ♡そこらめっ……♡お゛っ……」
鼻汁を垂らし、汗をかいて膣を締めながら硬直して絶頂を迎えたユウナ。
彼女という果実の甘味に負けじと、僕も練乳を注ぎ込み浸透させていく。
男性器と女性器が脈動を繰り返し、意識が飛びそうになりながらゆっくりと二人で横たわる。
呼応するかのように、彼女の全身の穴という穴からムワッとフェロモンが噴射され、子種が卵巣へと受け入れられた気がした。
無論、それはライブラを使って詳しく調べたわけじゃないので、ただの願望に過ぎないが……。
「ハーっ……ハーっ……♡ 私、ダメになっちゃった……」
エクスタシーを迎えて幸せそうに微笑みながら弱音を吐き出すユウナ。
「私ね、最近えっちな事ばっかり考えてるの……。あっ、抜かないで……もう少しこのままで……居たいな……」
「ユウナ性欲強いもんね」
「えっ! そ、そうかな……」
そうだろ。
「で、でもっ、男遊びとか浮気とかはしないよ! デリングさんとは違って誰でも良いって訳じゃないもん」
言っててむかついてきたのか、頬を膨らませながら僕を抓ってくる。
「いたた……僕も誰でも良いわけじゃないよ〜。ユウナちゃんみたいに可愛くて好きな子だけ」
「もうっ……女の子を喜ばせる事はお上手ですねっ」
そんなやりとりでひとしきり笑った僕達は、シャワーで身体を洗い流して、二人とも全裸で一緒のベッドに潜り込んだ。
今日はもう夜になってしまったので、召喚士の修行はお休みだ。
ルールー達には悪いが、たまにはユウナと二人きりの時間を過ごさせて貰う事にする。
啄むようにキスをしたり布団のなかで手を絡ませてみたり。
二の腕や太ももをスリスリして笑いあったり、腋や首筋の臭いを嗅ぎ合って……ひたすらイチャイチャしていた。
思えば僕も丸くなった物だ。
昔なら首を絞めて殺す寸前まで追い込んで女性器の締まりを味わったりしていたのだが……。
具体的な権力が無いとこうも好き放題できなくなるとは、我ながら自己保身に走っているなぁと思う。
しかしまぁこういうのも悪くない。
幸せそうなユウナの笑顔を見ているとそう感じるのは、彼女の性格に癒された結果なのかもしれない。
「旅先で知ったけど、僕はどうやらとても期待されてるみたいで、巷では凄い召喚士みたいな扱いをされてるんだ」
今まで凄い権力者だった父親の息子、という扱いを受ける事は多々あったけど、ここまで自分をはっきりと認識されて民衆から応援されるのは、案外はじめての経験かもしれない。
「そんな僕がブラスカ様の娘であるユウナと結婚したら、きっとスピラ中が喜んでくれるんだろうね……」
民草からそう思われるだけの旅をしてきたと思う。
主に演説とモンスター退治だが。
「でも、正直そんな事はどうでも良い。ただユウナが大好きだから……永遠に僕の物にしたい。だから、僕と結婚してくれませんか……?」
関係無いと言いつつもスピラの人間が喜ぶという情報はユウナを必ず縛る。
滅茶苦茶ズルい方法だがそれは確実に効果を発揮するだろう。
そう、口元を手で押さえながらとても赤面しているユウナを見ればわかる。
「それ……恥ずかしいからやめてください……」
「ユウナ、プロポーズされるの好きでしょ?」
「だからって毎回言う事じゃ無いです……」
「毎回照れてる人に言われてもなぁ〜」
照れるユウナタソが可愛すぎるのが行けないのだ。
何度も照れさせたくなってしまうではないか。
「言わなくなる方法がひとつだけあるよ」
「なんですか?」
「結婚を了承してくれれば良いよ」
「そ、それは……」
「ユウナだって満更でも無い癖に、何か不安でもあるの?」
「だって……いきなり結婚なんて……。もうちょっと恋人同士の時期も楽しみたいもん……」
あまりにも微笑ましすぎて僕は笑った。
年齢とかで躊躇してるのかなと思ったけど、そうじゃなかったらしい。
できれば早い内に結婚したかったけど、そんな事言われちゃ何も言えねぇ。
結局、セックスはやりまくるけど結婚は召喚士になってから。そういう話になった。
その日は珍しくキマリが訪ねてきた。
どうせユウナに関する話だろうと思っていると、やはりそうらしい。
その話題の中心人物である彼女は現在、寺院で魔法を習いに行っている最中だ。
つまり、今の時期にしっかり彼女と最近イチャついておこうと思っている僕と、ユウナの護衛任務に従事するキマリは丁度暇をしていた訳だ。
暇人二人が出会ったとて何も起こりはしないだろうが、暇な時間が潰せる事だけは確かだった。
「ユウナはデリングが帰ってきてから、毎日楽しそうにしている」
「そりゃ男冥利に尽きるねぇ」
こいつがいきなり本題から話そうとせずに、まずは当たり障りのない会話で茶を濁そうとするも珍しい。
本当はもうちょっと直球で深いところの話を聞きたい癖に、少しだけマイルドな探りを入れて来たのにはどういう心境なのだろうか?
召喚士になるユウナを助ける方法を見つける。
そんな昔の約束の経過がどうなっているのか知りたいが、期待は全く持っていないから悪い報告を聞くのが怖い。
しかし、微かな希望に縋るしかなく、信じきれていない男の返答にユウナの未来を託すしかない。
とまあ、素人考えでキマリの心を推測するならば、こんな所か。
この想像は完璧に当たっている訳じゃなくても、遠からずといった感じなのではなかろうか。
そう考えるとまったく可愛い子猫ちゃんだった。
ここで言う子猫ちゃんとは女の子に向けたそれでは無く、マジの子猫ちゃんなのは少し笑える。
子猫と言ってもロンゾの中では低身長というだけで、ヒト族と比べたら十分大型の獅子だが……。
いじめられっ子だったキマリは、ツノを折られたのが恥ずかしくて、ロンゾ族の故郷であるガガゼト山から逃げ出した。
ユウナの事が好きになったのは、アーロンに子守を任されてからだろうが、やはりあの元気を振り撒く小動物時代のユウナに、心に負った深い傷を癒やされたのだろう。
彼女は少女では無くなった今でも癒される存在なのだから、小さな子供時代はそれはもう輪をかけて可愛かった。
原作キャラに向ける性欲というフィルターを通して見ていた僕でさえ、そう思っていたのだから、
変な先入観無しに見ていたキマリの気持ちは推して知るべし。
動物みたいな種族のキマリが、人間の子供と触れ合って逆アニマルセラピーを受ける図というのも、なかなか洒落が効いてて面白い。
「キマリは旅について聞きたい」
「旅の事ね……。まあ観光楽しかったですなんて話を僕らがしてもしょうがないけど……それを聞きたい?」
「…………」
別に彼も僕からの優しさを求めている訳じゃないだろう。
少し厳しい言い方だったかもしれないが、促した言葉に黙って目を瞑ったキマリは、勇気を出してそれを言葉に出した。
「ユウナが召喚士を目指すと言った」
だよな、その話をしたかったんだよな。
ならこちらもキマリには話しとこうかな。
「僕もユウナと結婚する事になったよ」
…………動じないキマリ。
僕はこの報告で、怒ったキマリに害されるなんて思ってはいない。
彼はユウナの事は好きでも、ユウナに異性として惚れてるとか、父親気取りだとかそういう訳じゃ無いのだ。
ただ……もう少し動揺を見せるかとも思ったけど……。
最近ユウナは僕の所に入り浸っているから、彼も何となくその関係に察する所があったのかもしれない。
「あの日、デリングは死なずに済む方法を見つけると言っていた。キマリはまず先にその話が聞きたい」
「勿論だ。ユウナが死ななくて良い方法は……」
「方法は」
僕の言葉を繰り返して先を促すキマリ。
すっごい聞きたそうにしてる……。とりあえず面白そうだし……焦らしてみるか。
「方法は……」
溜めて溜めて……。
「見つかった……」
「……!?」
キマリはようやく眼を見開いて動揺を見せた。
僕は焦らずじっくりと言葉を続ける。
「ら良いなと思って旅に出たんだけど……」
「むぅ……」
お預けされたみたいで不機嫌そうに唸るツノ無し。
フェイクを聞いた獣人は、半開きになりかけていた獣の口を不服そうに閉じた。
「これは表に出したら寺院に目をつけられる情報だから、まだユウナには言ってないんだけど……キマリには言っといてあげようか」
「寺院に睨まれる情報、それはユウナを……召喚士を助けられる物か」
ふふっ……急かすなって。
「聞きたい?」
ロンゾはコクリと頷く。
「誰にも言わないって約束、できる?」
再び顎を上下して頷く。
なんか大男が素直な反応してくれるのはおもろいな……。
「本当かな? そういえばキマリがどれだけ口が堅いかとか知らないからなぁ……ユウナとかに聞かれたら喋るでしょ?」
「喋らない。キマリは口が堅い、ロンゾの誇りに賭けて絶対に喋らない」
即答してきた。
あの寡黙なキマリが言葉を遮る勢いだった。
未来に希望出てきたと思って、早く聞きたくなってるんだろうな。
「なら約束できるか? これから言う事を絶対誰にも喋らないって」
「キマリは約束は必ず守る。それがユウナを守るならば」
お、焦ってボロ出しやがった。
普段喋らないのに口数増やした結果、墓穴を掘ったな。
「それって逆に言うなら,ユウナを守る為ならベラベラと喋っちゃうって事じゃないか?」
「ぬぅ……」
ぬぅ……じゃねぇよ。
ただ論破されてないで、聞き出すためになんか捻り出して誤魔化せ。正直者かよ。
はー、おもしれーロンゾ。
「キマリを信用していないという訳じゃないんだけど、例えばキマリが捕まったりして隠してる情報を吐かなければユウナを殺すぞとか言われたら、喋らざるを得ないだろうから……」
「ならばいい。キマリは聞かない」
あーあ、諦めちゃった。
本当はめっちゃ聞きたいはずなのに、嘘つけなくて諦めちゃった。
「そうだ! 内容を詳しく話す事はできないかもしれないけど、結果だけ話すのは大丈夫かも……」
「本当か」
途端に薄れそうになっていた興味が巻き戻ってくる猫ちゃん。
掌クルクルが忙しい。
「そういえば、話は少し逸れるけど、僕とユウナが結婚する事についてどう思う?」
こいつ兄や父では無いけど保護者枠ではあるんだよな……。
納得させないと、結婚を許してもらえなかったりするのかな。
僕は自分がどれだけキマリからの信頼を得ているのか、正直全くわからなかった。
ただ、盲目的に僕を敬いだしているような一般的ビサイド民達と違うのは確かだ。
彼はデリング党では無く、ユウナ党一筋なのである。
が、その懸念は杞憂だったらしい。
「ユウナとデリングの結婚にキマリは口出ししない。それはユウナの問題だ。ユウナが決めた事なら文句は無い。キマリはユウナの気持ちを応援する」
こいつ何回ユウナって言うんだ?
好きすぎて一言発する毎に入ってきてるのに気づいてるのか?
まあ……そんなキマリの面白さは置いといて、彼は教祖様の自主性に任せるらしい。
こちらとしては都合が良いけどね。
「結婚するなら、愛する人を守るのは夫になる人間として当然だ。だから当然ユウナを助ける方法も見つけてきたよ」
「……本当か」
何となくそうかもと思ってた癖に驚いてやんの。
フレーメン反応かな? 強面なのに少しだけ開いた口が可愛いね。
誇って良いよ、僕がこんな事を女以外に思うのなんて珍しいんだぞ……?
「あの時、キマリはデリングの言葉を信じきれなかった。それは今も同じ事。キマリはまだ疑っている」
「人生の伴侶になる。それは命を守るだけじゃなくて寂しい思いもさせないって事だよ。俺は死なない、ユウナも死なない。その代わりに誰か死ぬ人は居るかもしれないけどね……。酷いと思う?」
「誰かが死ぬとユウナが悲しむ。夫になると決めたなら、悲しむ事もさせるな」
口出ししないって言ってた癖に、もう口出ししてきやがった。
やっぱ詳しい事話さなくてよかったわ。
そりゃベベルの上層部からも所詮はロンゾの知能とか侮られる訳だ。
「君のその言葉は真摯に受け止めて努力するよ……。状況に合わせて適切に判断しつつ、前向きに検討させて貰います」
「そうか、ならいい」
政治家らしさを押し出したその場凌ぎジョークを言ったつもりでも、政治している場合じゃないこの世界だとあまり理解されないから真面目な返答が返ってきてしまった。
ははっ、こんな時に冗談を言う方が悪かったかな。
でも何かキマリと話してる時は、真面目に人と会話してるって感じしねーのよな……。
やっぱ理性持った都合の良い動物だよ。
メスのロンゾはブスな人の範疇だったけど、キマリはちょっと大きな可愛い猫ちゃんにしか見えねぇよ。
筋肉や体格が凄いのは確かだよ?
でもキマリはちゃんと理性持ってるって知ってるし、襲ってこないライオンの何が怖いんだよという話だ。
こんなのただの喋れる動物園のふれあいコーナーだ。
これがキマリじゃなくて、ビランやエンケといった別のチンピラ思考漂うオスロンゾならば、また話が変わってくるのかもしれない。
でも僕はペットも飼ってたし、正直我が愛犬の方が牙を剥いてきたらキマリよりも強くて怖かったと思う。
FF8の犬は普通にライオンよりも強いのだ。
まあ……あの世界、ライオン居ないから戦わせて比べられねぇけど……。
だからだろうか。
今まで接してきた男の中でキマリはダントツで話しやすい。
己はいちいち動物のやる事に目くじらを立てる人間じゃないし、人相手よりもよっぽど興味を抱ける。
この世界に来てから……自分が人間よりも異種族相手の方が、まともに対応してあげる気になれる。
そんなタイプの人種だったらしい事を、キマリのお陰でようやく知った。
やっぱさ、どうしても人間の男って良い気がしねぇよな。
なんかフィクションですらも、男キャラがラブコメとかしてたら腹立つじゃん。
いやいや、何モテちゃってんの? とか、
可愛いキャラと恋愛関係になられても、その可愛い子ちゃん俺のなんだけど、とかさ。
フィクションといえども本能的にライバル視してしまうのだ。
それが漫画等ではなく、現実だとしたら余計にそう思うだろう。
例えそれが男女ともに全く知らない世界の反対側の住人相手でも、「僕が抱くかもしれない筈だった女だぞ、何寝取ってんだよ窃盗犯が死ねよ……」と思う。
でもキマリは動物だから、彼に対してそんな事は全く思わない。
同時にメスロンゾ相手にも、自分に抱かれるべき女だったとか思わない。
やはり彼等は動物だから────。
これは見下しているのかもしれないが、良くも悪くもポジティブな動物扱い意識というのは、容姿の異なる他者と共存して行く為の第一歩とも言えるだろう。
差別も表に出さなければ潤滑油として活用できるのだ。
はぁ〜……やっぱキマリ見てると、まったりした気分で落ち着くわ。
特にビサイドに居るとそう思う。
自分を持ち上げて騒ぎがちな奴と違って、無駄にうるさく無いし、
キマリも此方に興味薄くて無愛想だから、僕も愛想良くする必要無いし。
あんま動かないから良く小鳥の休憩所になってるし……。
その献身性で、僕のお嫁さんの貞操を今まで守ってくれて、感謝します。
これからも嫁の警護よろしくな。
感想とか評価とか貰えると喜んだりモチベが上がったりします。