【完結】転生者が権力とかでFF8とFF10のヒロインを食い散らかした挙句、最終的にスピラを救う話。 作:速射弾
「ユウナレスカ様が旅の仲間になってくださるなんて……信じられない……!」
だよねルールー。僕も信じられない。
そもそもなんでユウナレスカに会う事になったのかも未だによくわかってない。
「彼女には私が事前に連絡を取った時、勧誘していたのです。ユウナレスカ様ならば我が親友の旅にきっと得難い戦力となってくれる筈だと思ったので……それに、美しい女性は大好きでしょう?」
シーモアは此方へとウィンクして、してやったりといった顔で合図を送ってくる。
なにが「戦力になってくれると思ったので」だよ。小学生並みの感想を行動の原動力にするんじゃない。
自らの母親を究極召喚に変換した相手に、何か思う所とか無いのかよ。
「それでは後はお二人でごゆっくり。ささ、お邪魔になるといけないので皆さんは彼方へ……」
シーモアに促され、何故か僕とユウナレスカを残して退出していくメンバー達。
なんでそんな流れになってるのか理解が追いつかない。
みんな、僕を置いて行かないでくれぇ……。
「…………。」
「…………。」
取り残された僕らは部屋の中で気まずい空気になっていた。
あの男、まさかユウナレスカ様を僕のアテンドとしてセッティングする気だったというのか……?
まさに神をも畏れぬ所業……。
アイツは経歴的に、この女幽霊に対して何か思う所があっても不思議ではない。
だからといって親友扱いしている僕を嫌がらせに使おうとするかね?
シーモアならやりかねないから困るな……。
いや、実際にやられているから、やりかねないとか言う段階では無いのだが。
美しい女は好きだけど、こういう事じゃないんだ。
権力に絡め取られて逃げれない相手を食うのが良いのにさぁ。
僕を何時でも殺しに来れるような女は、普通に怖いのだ。
というかどうやってユウナレスカに接待を容認させたんだ? 凄すぎるだろアイツ……。
それにしてもこの空気どうするんだよ。
なんかユウナレスカ様もソワソワしている。
「ひ、久々に人里まで降りて来たので……なんだか緊張しますね……」
うわぁ……あの破滅型気狂いの言葉を間に受けてるのか、めっちゃ此方を意識してらっしゃる。
やっぱり接待要員確定だ。
殺されるリスクを背負って女抱けってか? すっごいねその考え方。
「すみませんユウナレスカ様、あの男が言う事は気にしないで貰えると助かります。余計な気を回すのが得意な男なのです」
「しかし……シーモアは会ったばかりの召喚士デリングと私に少しでも仲良くなって欲しいと思い、あのような言葉を置いて言ったのだと思います。その善意を無為にするというのもなんだか可哀想ですね……」
「可哀想だなんて思わなくて良いですよ……。むしろ可哀想なのは彼に振り回されている僕達の方です」
「ふふっ……仲がよろしいのですね。しかし貴方がシーモアに振り回されなければ、私は貴方とこうした形で出会う事も無く、詳しく話をする機会もありませんでした。この良き巡り合わせには感謝しているのですよ」
何か勘違いしてらっしゃる……。
僕がシーモアと仲良い訳が無い。知った風な口を聞くな……。
「仲が良いように見えてるのは錯覚です」
「そうでしょうか、彼は親友だという触れ込みで召喚士デリングJr.を私に紹介したいと言っていましたが……」
お゛あ゛あ゛っ……!(言葉にならない憤り)
あの男、
本当に余計な事しか言わないじゃないか。腹の幻光虫が煮えくり返ってしょうがない。
しかも腹立たしいのが、ここで親友だという事をガチ否定すれば回り回ってシーモアにそれが伝わり、僕の首が物理的に飛びかねないという事である。
だから……心の中で血涙を流しながら肯定するしかないのだ。
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。
「…………し、親友なのは間違い無いですね……」
「ふふ、やはりそうだったのですね。憎まれ口を叩ける間柄というのはとても貴重な物です。大切にして下さい」
言いたくない事を言わされる屈辱に耐えながら、ユウナレスカと浅い会話を繰り返すこの地獄の時間が終わらない。
そんな苦痛に苛まれて顔が歪みそうになりながら、立ったままやり取りをしていると……。
違和感を覚えたのか、彼女の方から僕を
「申し訳ありません召喚士デリング、立ったままというのも脚がお辛いでしょう。こちらにお掛けなさい」
「え、ええ、勿論……」
何が勿論なのかってそりゃSEXだ。
なんたって今勧められた場所は、彼女の座るベッドの上の真横なのだから……。
そうじゃないだろ!
なんでそういう流れになるの!?
ずっと立ってて脚が辛いんじゃないんだよ……。何時牙を剥いてくるかわからない女幽霊と二人きりな事に気が休まらなくて辛いのっ!
僕の所作は、まるで初めての同衾で緊張する童貞みたいだった。
エロいとかよりも失敗に対する怖い気持ちの方が強い。
そもそも彼女は、何故僕をベッドへ座らせたいと思ったのか……。
先程からソワソワと落ち着きの無い所作が見え隠れするそれと、何か関係があるのだろうか?
「貴方は我が夫、ゼイオンに似ていますね……」
「に、似てますかね……はは」
似てねーよ!
こんな時にティーダとチャップがそっくりだとか抜かすような、スピラ人特有のガバガバ判定をお出ししてくるんじゃないよ。
ゼイオンの姿は寺院の石造とかスフィアに記録されていた映像で見た事あるが、そもそも人種からして僕とは違うっぽいし、見た目も中身も全然似て無い。
それにしても、何を自然にしなだれかかって来ているのか。
今まで絡みなかったのに初対面でいきなり積極的すぎません? エロいけど普通に恐怖心の方が勝る。
都合良すぎるとハニートラップ警戒すんだろうが……。
「少しだけこうしていても良いですか……?」
「……え、えぇ勿論」
これは僕の経験則から来るライブラ情報なのだが、彼女みたいな少し馬面気味な女は性欲も馬並みに強い事が多い。
ま、まさかとは思うが本当に性欲……?
人里に降りて来たのも千年ぶりな可能性が高いし、このホテルもメチャクチャ良い部屋で女の子が喜ぶ事間違い無しだが……。
「暖かい……」
でしょうね。
ユウナレスカ様はちょっと薄着すぎます。
裸で外歩いてるようなもんですよそれ。誰か寺院の奴等は注意しなかったんすか?
あ、注意してきた奴は全員殺してきたとかなのかな……ははっ。
「今まで数々の究極召喚を授け、召喚士に悲劇を産み出してきました……。私はそれをスピラを存続していく為に善意で行ってきたつもりです。辛く救われる事の無い現実を生きるより、死して安らかになった方がマシ……。このようなスピラの悲しみの螺旋は私にとってどうしようもない悲劇でした。ゼイオンを究極召喚にした手前、引くに引けなくなってしまったのが今の私です。
貴方はそれを止めてくれる人になってくれるかも知れない……」
早口の女怖いよぉ……。
「私にはこの恩にお返しできる物がありません。貴方は女好きだと聞きました……ですからせめてもの感謝の証として……」
(何この都合の良い展開)
僕が女好きだってチクった変な髪型の奴……。頼むから死んでくれ。
エロいし美人だけど、ゲームの知識でメドゥーサみたいな魔物の姿を取れる事を知っている身としては、恐ろしい事この上ない。
その証拠にこんな役得な状況でも、ちんちんが縮こまったままだ。
「私ではダメですか……?」
潤んだ瞳のユウナレスカ様が、僕の太ももに手を当て、撫で
いや、ダメとか言える訳がない。
言ったら逆ギレして殺そうとしてくるかも知れない、御歳1000歳の後期高齢者だ。
おまけに思想の押し付けで人を殺そうとしてくる更年期障害であり、癇癪持ちだ。
こいつの言う事を否定するのはリスクが高すぎる。
アルツハイマーは言われた事を忘れるが、その時抱いた怒りの感情は蓄積されていくという。
痴呆老人の介護は、常に否定せず柔らかく対応しておけば間違いないはず……。
(はぁ……まさかこんな現代知識がFFの世界で役に立つなんてな……)
何故シーモアに続いて、何が地雷になるかわからない仲間が増えるのだ?
しかも絶対強いし、シーモアが下手に出る程度には権力も能力も高い。
つくづく厄介な女幽霊である。
この惨状で本当に仲間と言って良いのかは甚だ疑問であった。
あと、死人の癖に身体柔らけぇ……。
脊髄反射で勃っちゃうから巨乳押し付けてくんな。
あっ……そこはダメっ……。
「ユウナレスカ様、貴方には永遠を誓い合ったゼイオン様がいらっしゃいます。私は一時の性欲で貴方達夫婦の誓いを穢したくはありません」
「デリング……貴方はこのような時にも、亡き夫の心を心配をしてくれるのですか……。しかしそのような心配には及びません。今ので確信致しました。その高潔さ……やはり貴方はゼイオンの生まれ変わりです。私が夫と再び愛を契りあって何が問題となるのでしょう」
断ってんだよ……気づけよ!
美人だからそっち方面で断られた経験とか無いんだろうな。
あとさぁ……夫の生まれ変わりとか言い出すと、ガチで悪霊感出てきてこえーんだが……。
どんだけ理由つけて僕とやりたいの、このババア先輩。
僕の服脱がしながら太ももに股間節押し付けてくるから、濡れてきてるのがわかるんだよね。
てか、これわかっちゃったんだけど……。やっぱ絶対男日照りでムラムラしてるだけじゃん。
女は歳を取る毎に性欲が増していくって本当だったんだ……。
「ようやく素直になって来ましたね。『シン』を本当に倒す事が出来た暁には、私も未練が無くなり異界へ旅立つでしょう。少々強引で申し訳ないとは思いましたが、消える前に一時の夢を見させて欲しいのです……」
何なのこれ、レイプなの?
もしかして僕、立場を傘にきた女上司からレイプされそうになってるの……?
今更ながら身を持って知っているよ。
権力と戦闘力を持った相手からのセクシャルハラスメントには勝てないとね……。
「貴女が僕と夫を同一視するのは構いません。しかし、こういう時に他の男の名前を口にするのはマナー違反ですよ」
「あっ……んっ♡」
でもまあ、見た目は一級品なので、手は出しますわな。
ここまでされて袖にするほど枯れた記憶はない。
こういう時は即断即決。女の子に恥をかかせるのは本番が始まった後で良い。
という訳で早速意識を切り替え、性欲のスイッチをオンにして、いやらしく肩を抱き寄せながら顔を埋めて首筋にキスを落とした。
我ながら欲望には従順だと驚く。
「貴女はズルい女だ、本当は僕を夫の生まれ変わりだなんて思っていないのに……。ときめいてしまった心を誤魔化す為に、亡き夫と同一視して言い訳しようとしたではないですか?」
「そんな……ことは……」
さっき貴方に光を見ましたとか言ってたよね?
今まで露骨に誘ってきたのに、ときめいてない訳ねぇだろ良い加減にしろBBA。
それぐらい例え己が子鹿のように震える童貞だったとしても分かる事だ。
なんか一周回って普通に腹立ってきたわ。自己中の癖に言い訳しようとするのはやめて貰えますか?
3分前に言った事忘れるとか本当にアルツハイマーか?
女のプライド守ろうとしてるのは丸見えなんだよ。
この女、辱めてやる。
「じゃあ今、貴女の下着を湿らせているこれは何なのでしょうね……。誘ってきた癖に往生際の悪い人だ……」
「あぅ……♡」
あ、これは死人に往生際が悪いって言うダブルミーニングのスピラジョークね。
「申し訳ありませんゼイオン……私は……デリング殿に……」
「希望を見て抱かれたくなった……ですか?」
コクンと物言わず返事をするユウナレスカ。
ようやく素直になったか……。
やっぱ僕の見立て通りじゃねぇかこの性欲オバケが。
「この1000年間、貴女はよく頑張りました。ゼイオン様も許して下さるでしょう。
例えゼイオン様が許さなくとも……僕が赦します。ユウナレスカ様はそれが許されるだけの事を積み上げてきて下さいました」
「はい……」
「ですから……たまには良いじゃないですか。こうして男遊びをしたくなっても。きっと誰も咎めませんよ」
「そう……でしょうか……」
何ダウナーな気分になってんだよこの尼。
お前が始めた寝物語だろ。今更引け目感じてるほうが良くないとおもいまーす。
「そうです。それだけの事を貴女はスピラにもたらし続けてくれた。だから今からする事は、僕からの感謝の気持ちだと思って受け取ってください。受け取られなかったら……」
「受け取られなかったら……?」
「受け取って貰えるまで、心を込めた“
そうして僕らは口付けを交わした。
説得し続けたくなるだけの魅力があるのは間違い無いのだから、ほんと、見た目が良い女って得だよね。
大昔の夫を割り切る事が未だに出来ない。
それは生き返れる程の意識の強さからくる死人達特有の普遍性か? それとも元々の性格からくる愛情が重いだけ?
ベッドに横たわった僕の胸板に耳を当ててくる彼女の仕草は、後者な気がするが……どうかな。
「人の心音という物も久しぶりに聴いた気がします……。長い間、幾度となく奪い去ってきた命の灯火。それなのにこうして鼓動を愛おしく思うのは何故でしょうね……思えば私は機械的に命を奪い続けてしまいました……」
泣いてる……。
いちいち気持ちが重たすぎる。セックスの時のテンションか……これが……?
そして心音がどうとか、愛おしく思うとか……。確実に悪魔とか霊とか魔女とかの類いが、他者の命を啜る時の意識だ。
貴方の命が欲しくなりました、どうか私に捧げてくれませんか?とか言われそうで怖い。
そんな気持ちにさせる前に、余計なことを考えさせない方が良いだろう。
僕は彼女を少し強めに抱きしめて、素肌をより密着させた。
「はぁっ……♡」
切なそうな吐息がユウナレスカから漏れる。
背中を撫でてあげるとしおらしさは増して、体をより一層預けてくる。
その身体を構成している幻光虫が彼女の気持ちに反応して、女性器から汁を出し、細いショーツに染みを作った。
覆いかぶさるユウナレスカ。
その下で本来犯すべき立場である男の自分が寝かされて、女の機嫌をとる前戯は……俯瞰で見るとどうしようもなく情けなくて格好がつかない。
もっとドラマチックかつスマートに美しく行われるかと思いきや、そんな事は無いらしい。
貪るようにして僕のにおいを嗅ぎ、体温を確かめてくる彼女。
幻光虫によって構成されたユウナレスカの臭いは殆ど存在しない。
その体温もまるで気温に溶け込んでいるかの如く味気ないものだ。
ああ、つまらない。
ただ単に全てが幻光虫というエネルギーで再現されているだけの存在ならば、おそらくここまで無機質な物では無い筈だ。
それほどまでに1000年の廃墟暮らしというものは彼女から心を殺して、感情を奪い、幻光虫へと与える肉体構成要素を薄めた。
だから女としての発情をしているのに、ここまで無味な体感を与えてくる。
それには少しだけ同情した。
つまらなくても見た目が良ければ抱けるのは間違いないが、愛に生きたとされる女の末路がこれとは……。
人間ってこうだったな、ああだったなという、ただただ普通の事を忘れてしまい、己に体臭や体温があった事すら朧げになっているのだろうか?
表層は若く美しくとも、その中身までは変わってしまっている。
死人とは生前の全てが思いに反応した幻光虫によって固定化されて、ありとあらゆる構成要素が変わる事無く世に残る物なのかと思っていたが……そうでも無いらしい。
強い想いの力だけで生き残るというのは、肉体を持っている者にとっては不安で不思議でしか無い気がするが、一体どのような感覚なのだろう。
己が揺らいだ時、本当の死に至るのか、魔物となるのか。
後者になられては困るので、僕が人間というものを思い出させてあげようか……。
「美しい髪だ、サラサラしてる」
抱きしめていたユウナレスカの髪を指先ですいて撫でる。
そして僕はそのつむじに鼻を当てて、あからさまにスンスンと嗅いだ。
恥ずかしそうに縮こまる彼女は、心なしか赤らめた頬を僕の胸に押しつけて、顔を隠し狼狽える。
「や、やめて……」
「先程までユウナレスカも僕を嗅いでいたからこれでおあいこですね。恥ずかしいですか?」
コクリと小さく頷く女幽霊。
「恥ずかしい気持ちになったのは、どれぐらい振りなんです?」
この紐パンと限界ブラジャーのみで外を彷徨く彼女に、恥じらいという物がどれだけあるのか。
それが薄まっていたからこそ、あんなにもあからさまに僕の事を寝床へと誘えたのではないのかな?
ハッとしたような表情になった女に畳み掛ける。
「頭の臭い、全然臭く無いですよ。匂いが無いのでもっと臭くなってください。僕だってユウナレスカの香りが知りたいんです」
「わ、私の匂い……ですか……」
「ほら、それに体温も感じたいから思い出して……。せっかく愛しあっているのです。僕だけが与えるのは不公平だ」
「はい……」
シュンとなって申し訳なさそうにするユウナレスカ。
こんな会話をしてはいるが、まだ彼女の太ももに僕の逸物は当たったままだ。
これは快楽を貪るための性行為では無い。
意識的障害を抱えた老婆が、失いかけていた人間生活を取り戻すためのリハビリである。
「安心してください、僕も手伝いますから一緒に思い出していきましょう」
「わかり……ました。お願いできますか?」
不安そうに許諾したユウナレスカと手を取り合って指の感触を意識したり、背後から抱きしめたりしながら緩やかな時間を過ごしていく。
精神的な充足感と感情を揺さぶるショックが、今の彼女には必要なのだ。
性的な快楽はそれからで良い。
当てているのだって僕自身が性感帯を刺激するというよりも、彼女に女性的な認識を想起させるためという方が大きい。
「ユウナレスカ様は今年何歳になったんですか?」
「その……正確にはわかりません、おおまかな歴史の年号から数えて1000を超えては居るのは間違いない筈です……」
「じゃあおばさんだ。いや、お婆さんかな?」
「そ、そうかも知れません。確かに言われてみれば、肉体が若いまま固定されているだけの私は年寄りでしょう……」
「違いますよ。女性はどれだけ歳を取っても心の中は女の子なんです。だから自信を持ってください。貴方はおばさんでもお婆さんでもありません。可愛い女の子だ、少なくとも今貴女を抱きしめている僕に取っては……ね」
「はぃ……♡」
耳元で囁いた何のロジックにもなっていない理論。
あまりに馬鹿らしい女性用雑誌のような謳い文句は、娯楽的体験に乏しい修行僧染みた苦行を繰り返してきた召喚士の“女の子”に染み込んでいる……はずだ。
彼女の胎に入っている場所を意識させるように撫でて、僕はお前の女を意識して硬くなっているんだぞと理解させる。
それを認識できたのか、返事の声は何処か照れを感じさせる物だった。
「まだ僕たちは出会ったばかりです。愛しているなんて軽々しく言いたくないし、事実として愛してなんかいない」
「……はい」
「ですが愛というのは、急いで成就させなければならない訳じゃない。愛というのは一緒に育んで行くものです。これから一緒に積み上げていきませんか? 互いに愛してると言い合えるぐらいまで」
「……はい」
すっかりしおらしくなって「はい」としか言えなくなったBBA。
女の子扱いが嬉しいのか、その体温は上昇して来た気がする。
「あぁ……やはり……貴方はゼイオンです」
ポロポロと泣き出した彼女は、昔の男を思い出しながら懺悔する。
「ごめんなさい、ごめんなさい、もう夫の名は出さないと誓った筈なのに……貴方の優しさがどうしても彼を思い出させるのです」
ただ無言で話を聞いてあげながら返事の代わりに、その押しつけてくる頭を撫でた。
「あぁ……愛してます! ゼイオン! 何時までも……!」
そう言いながら彼女からの腰の押し付けは増していった。
僕を亡き夫の代替品として精神の安定を図ろうとする未亡人の悲しみは、まだ忘れることもできないほどに大きい物で。
この腰使いは、きっとゼイオンと致していた時の思い出を元とした動きで。
はぁ……悲しいのはわかるけど旦那が死んだの何年前だよ。
いい加減吹っ切れろババア。
「そんなにゼイオン様を愛しているのですね、ですが死人となった貴女は満足しなかった」
「……へ?」
「何時まで『シン』という問題を解決できなかった過去の自分と夫に縋るんです?」
「い、いきなりなにを……」
急に厳しい説教をかまし出した僕に、女は困惑を隠せない。
今僕が感じているのは、性交している相手を蔑ろにしてまで過去に浸ろうとしている者への怒り。
「そろそろ前に進みませんか。貴女が懐いてきた無念と不安はこれから僕が取り除きます。だからせめて……今だけは亡き夫では無く僕自身を見てください」
「あの……。もしかして……私に嫉妬してくれていますか?」
「……ええ」
「そ、そうですか……」
戸惑いを見せる彼女は相変わらず無表情に近かったが、それでも嫌な気はしてないらしい。
何処と無く照れに混じって喜びを見せている気がする。
僕の方も、不思議と男と女という関係になってしまえば、最初に感じていた恐怖心は薄れていた。
幾らお前が原作の敵キャラで、此方を何時殺して来るかわからない相手でも、今だけはただの女と男の筈だろう。
全裸になって性器まで晒した相手を見ないだなんて……人として失礼だ。
そんな苛立ちをぶつける為に、うつ伏せにしたユウナレスカの尻の間に棒を入れた。
尻肉を掻き分け、紐同然の女性用下着を押し退けて、濡れそぼった秘所に男根を突き刺す。
亀頭に密集する性感帯が女の肌に触れ、快感と共にぐにゅるりと沈んで行く……。
スピラで一番の愛の象徴。
最も仲睦まじい夫婦として有名な彼女は、たった今僕のペニスに貫かれて不貞を働いた。
というか彼女は貫かれたというよりは、僕の方が脅威に屈して貫かされているというべきか……。
しかしそんな脅しに屈しているシチュエーションだとしても、見た目の良さと女としての最上位の肩書きで興奮させてくるのは狡いと思うのだ。
僕はその興奮冷めやらぬまま、ユウナレスカの背後から絡みつくようにしてのしかかり、腰をくねらせる。
「んっ……んっ……。ふぅ、ふぅ……♡ せ、性交とはこのような感覚でしたか。忘れかけていましたが……やはり良い物ですね」
此方の動きに合わせて来るその腰使いは今まで食ってきた処女達とは違って、男性としっかりお付き合いしてしっぽり致してきたのだなと、思わせる。
歳に見合わぬ張りのいい尻が動いて、モチモチとした柔肌の素晴らしさを伝えて来る。
ゼイオンとは仲睦まじい夫婦だったのは間違い無いのだから、閨での回数の多さも推して知るべきだろう。
しかし、長い時の中でそれを忘れかけているという事は、やはり死した後も誰にも身体を許す事無く旦那一筋だったのだ。
「昔の男がどれだけ良い男でも、今貴女を抱いているのは僕だ」
「あっ……♡」
求められて愛を感じたのか知らないが、温度の無い身体と匂いの無い全身と、人間らしさを失いかけている女なんて、本来ならただのダッチワイフだ。
ラブドールが抱かれている相手以外の事を考えるな。
「ユウナレスカ……お前は僕の女だ」
「はひっ……♡」
肯定の返事なのかただの喘ぎ声なのかわからないが、声色から間違いなく快楽を得ているのは確かで……。
老婆だった精神は明らかに驚異的な若返りを見せ、女盛りと呼べる程度の所まで戻っていた。
良い年をした女が、圧倒的に歳下の男相手に、無様な交尾姿を晒す。
モゾモゾくねくねと腰を動かす度に紐パンがよれて、女性器が顔を覗かせる。
未亡人のそれは張られた蜘蛛の巣すらも朽ちて無くなるぐらい、永きに渡って放置された城だ。
そこを押し潰すようにのしかかり、彼女の背後からグラインドする。
高齢者の住宅に押し入った悪徳訪問販売ペニスが、涎を垂らした老婆の自宅を往復しながら、隅々まで勝手に掃除していく。
前の夫が膣内に残していった財産を片付けるようにして作り替え、住宅詐欺業者は強引なリフォームを開始した。
「くふぅ……♡ 長すぎるぅっ♡ その動きはダメぇっ……♡」
歳に似合わぬ猫撫で声で、ダメと言いつつ欲しがる元人妻。
僕の膝によって開かれた美しい両脚は、無機質さとは真逆の無様さを演出して更なる恥辱を彼女へと与えた。
おまけに先程から大量に分泌された粘液が、空気を含んでブポブポと鳴り、益々ユウナレスカの恥を上塗りしてその人間性を取り戻して行く。
「駄目じゃない癖に……僕は貴女が望んでいる事を全て叶えてあげているだけです。夫とは異なる男の逸物は如何ですか?……ああ、言わなくて結構です。だってこんなにもスケベ汁を垂れ流してるなら、わざわざ聞かなくてもわかりますから」
慇懃無礼に年長者を敬う。
這いつくばって両手を押さえつけられている彼女の耳を舐めながら、腰を動かす。
その尻は柔らかいクッション性のバネになって、僕の身体を押し返ピストン運動の補助をしてくれた。
「異なる人種の性器はどうですか? ユウナレスカ様のお眼鏡にかないますでしょうか?」
「こ、異なる人種の性器……♡」
彼女はスピラの人間とは出が違う。
大昔の敗戦国、ザナルカンド出身であるエボンの娘だ。
異民族のペニス。それも彼女から見た僕はザナルカンド以外の出身なのは確定だ。
それこそ古の故郷を滅ぼした、ベベルの出自かもしれないと考えつくのは容易だろう。
事実は異なるが、僅かでも彼女の脳裏にその可能性が過った時、決して拭えない興奮材料となる。
敗戦国の戦争経験者はいつまでも昔の事に拘る。だが、ユウナレスカは祖国の滅びやザナルカンドよりも亡き夫に拘っている気がしていた。
……お前の夫の出身地は何処なんだ?
順当に行くならばザナルカンド出身同士で結ばれてたんだろうな。
だが、今のスピラでゼイオンの出身地は明らかにされていない。
それは……何故だろうなぁ。
もしかして、お前……。ベベルの男と恋仲になって結婚したんじゃないか?
『シン』はユウナレスカの親父だ。
その目的は架空のザナルカンドをこの世に召喚し続ける事であり、それはベベルとの戦争に負けた滅びの運命から現実逃避するのが目的だった。
それはザナルカンド出身者とっては国民全員が賛同する悲願だったし、ユウナレスカも賛同者だった筈だろう?
何故、究極召喚という禁術を生み出してまで、それを止めようとした?
何故、既に故郷は戦争によって破壊され尽くした後なのに、愛する夫の命を捧げてまでスピラを……引いてはベベルを守ろうとした?
何故、千年もの間、亡き夫との約束を守ろうとし続けた?
何故、今のベベルには守護龍と呼ばれる魔物が宮殿を警護している? あれはまさしくお前が召喚士達への試練の為に幻光虫を操作して生み出したガーディアンその物じゃないか?
何故、究極召喚が『シン』になる衝撃で死したユウナレスカは死人として蘇った? 状況的に夫は死に、既に『シン』を倒しているのだから未練など無い筈だろう? ならばゼイオンとの約束とは『シン』を倒す事じゃなく……『シン』を倒した後も夫の故郷のベベルを守って欲しい──では無いのか?
勿論そんなことは聞かない。
あまりに不敬すぎるし、下手をすれば不興を買って殺されるだけだ。
それにこんなのは、細かい原作知識がうろ覚えな僕の想像に過ぎない。
だが、実際に会って見て思うのだ。
彼女のスピラを維持する事への思いの強さは嘘や欺瞞では無いと。
祖国が滅ぼされた事を恨み続けて、夢のザナルカンドを維持し続ける為に生きているという考察もあった気がするが、本当にそうだろうか?
それにしては……ゲームをプレイしていた時の彼女の死に際は、真にスピラを思いやってはいなかったか?
ユウナレスカ……お前さぁ────。
本当は、敵国のベベルのチンポが大好きで、祖国を捨てたんだろ?
そんな想像を口に出せるはずもなく、組み敷いた女の顔が見えぬまま、性交を続けた。
ただ一つ分かったのは、先程の僕がした「異なる人種の性器はどうか?」という質問をした途端に、ユウナレスカの膣が今まで以上に、ぎゅうぎゅうとペニスを締め上げて来たという事だけだ。
その真実がどうだったのか、質問の答えはYESだったのかNOだったのか……なんて暴こうとは思わない。
藪を突いて蛇どころか、恐ろしいメドゥーサを出してしまうのはごめんだから────。
僕は要らぬ思考を遮断して腰を振る事に専念した。
皮肉な事にその女体が極上な事には変わりなく、恐ろしい真実を忘れる為に意識を性交に集中するのは難しくない。
強く強く精を搾り取るように脈動を繰り返し喘ぐ肉人形は、その淫蕩さと儚さと美しさの割には、何処か透き通るような寒気を伴っている気がした。
何処かそれが警告に思える。
そんな穿った妄想とも本能とも呼ぶべき感覚はを信じて、これ以上考えるのはもうやめておこう……。
「デリングっ♡ 貴方は私の夫ですっ♡ その逞しい種で私を孕ませてぇ♡」
逞しい種とは、お前が大好きな他国人の遺伝子情報の事だろうか。
なんて、余計な事が過ったが、それを無視してその背に身を寄せる。
再び要らぬ思考に心を支配される前に、彼女の望みを叶えるため、生温かさを取り戻して来た女性器を内側から抉った。
「あぁっ……♡」
チラリと見えた横顔。
あの常に無表情だったユウナレスカが、笑顔を見せていた────。
先程考えていた流れを組んでいるかのようで恐ろしい。だが……同時にとても美しくて愛おしい。
その人間らしさは、先程までは持ち得ていなかった物だった。
「思い出して来ましたか? 人としての営みを」
「あっあっあっ♡ ……はいっ♡ はいぃっ♡ 思い出して来ましたぁ……! こ、これが人としての営みっ……」
今はまだ僕の言葉を反芻するだけだが、確実に彼女は人としての在り方を思い出して来ていた。
その証拠に美しい髪の毛の隙間から汗がわずかに出ている。
体温や代謝という認識を思い出しかけている心の揺れに、彼女を構成している幻光虫が反応を示しているのだ。
徐々に香ってくるメス臭。皮膚に取り戻して行く血色。
見た目は大きく変わっていない筈なのに、行為を始める前とは既に別人だ。
吸い付いてくる柔肌が僕を絡め取って来て離さない。
その身体は熟れた女の最も食べ頃な時代で固定化されており、最も性欲の強まる時期だと黒ずんだ性器の喜び具合でわかる。
女は若さだけが正義じゃない。
30超えてからが本当に美しくなる年齢。
そんな馬鹿女向けのキャッチコピーが、この女に限っては偽りでは無いのだ。
正に女盛り。
正真正銘の性欲が、膣の奥とピンク色の脳味噌を疼かせるのだろう。
私はまだやれる。まだ通用する。経験によって若い女には無い魅力が備わっている。
現実を見れない適齢期過ぎたおばさんのそういう世間とは食い違った自己評価は、ユウナレスカという意識で身体を構成している死人にとって、真実その通りの物なのだ。
彼女は負け犬では無い。
素敵な男に愛された勝ち組女の末路であり、そこらの相手にされなかった行き遅れとは訳が違う。
真に愛を重ねた経験から表現された肉体年齢は、男の劣情をこれでもかと言うほどに煽るし、並の若さでは太刀打ちできない色香の権化だ。
こんな美女が賞味期限ギリギリになっているのだから、孕ませなければ気が済まないし勿体無いと……男は見るだけで金玉の奥にある魂を疼かせるのだ。
それは当たり前のように、ユウナという婚約者を愛する僕も例外ではなかった。
迫られていた側なのにも関わらず、進んで身体を貪るようになってしまった己の意識は、きっとこの食虫植物の如き女体に絡め取られたのだろう。
心が繋がって最も大好きだと胸を張って言える女の子との純愛は、今この魔性の歳上女によって穢されて……。
なすすべも無く、一時的に理性という物の制御を奪われた。
「ちゅう♡ ちゅうして下さい♡ 私に愛の接吻をぉ……♡」
うつ伏せで顔をよじって浅ましくキスをせがんでくる性欲の化物は、既に無機質な幽霊とは言えない。
鼻水を垂らして、汗をかいて、よだれでベチョベチョになりながら男を貪る“これ”が無機質な筈もなく。
ざんばらに広がった長い髪が汗だくの身体に張り付いて乱れている。
一度知った男の味を、死んでもなお追い求める女の
その浅ましくも原始的な欲求を曝け出したお陰で、ただ見た目が綺麗なだけだった存在は、この寝床で濃密なキスに酔いしれて“人間”を思い出した。
死人としての永遠とも言える時の中で、薄れていたユウナレスカの意識。
摩耗していったそれによって制御を離れかけ、好き放題に漏れ出して居た高濃度の幻光の球は、彼女の支配下へと戻り、美しい女体の中へと収縮して行く。
「ああっ……デリング様っ……! ありがとうございますっ♡ ありがとうございますっ♡」
永きに渡り擦り減ってきた亡霊にとって、その忘れかけていた大切な何かを取り戻す感覚は……場違いとも取れるような
それは、立場が下である僕に対して、敬称を付けて呼びたくなる程に……。
ユウナレスカは、歳下の……ともすれば部下と呼ぶべき立場が下の男を、夫であるゼイオンを呼ぶ時にすら付ける事の無い“様”付けで呼んだ。
カエルのようにうつ伏せで組み敷かれて、腰を打ち付けられながら、感謝の言葉を何度も
もう誰が見ても、上下関係は明白。
上だったメスと下だったオスの立場は逆転して、今行われている女を背後から押し潰す情交の体位と完璧に合致した……。
性感帯の摩擦は粘膜を優しく傷つけて、性器の体感温度を上昇させる。
抱きしめ合う事の出来ない体位だが、それは単純にデメリットだけを発生させる訳じゃ無く、支配する者とされる者の境界線を明確にしてくれる道標だ。
そして………支配する者になってしまった僕は、その立場に応じて果たさねばならない責務が発生する。
ノブレスオブリージュ。
それは支配という言葉とは裏腹に、支配されている者へ与えなければならない社会のルールなのだ。
支配されて、ただひたすら求める愚民となったユウナレスカは、
「好きっ……好きっ……旦那様ぁっ♡ 愛して下さいっ! お精子を下さい! 私のホトにお恵みをぉぉっ♡」
人間性乞食の癖に、勝手に旦那呼ばわりをして、もう僕との結婚生活を想像しているらしい。
それに応えなければならない僕は、天井知らずに乱れ続ける年増の熟れた肉体をむしゃぶり尽くしながら、目一杯恥部を押しつけ、膣奥をグリグリと突き上げて子種の濁流を注ぎ与えた。
「はあぁぁん♡♡♡」
淫蕩に染まった鳴き声が声高らかに歌い上げられて、同時に熟女の絶頂を知らせて来る。
奥にペニスが刺さったまま、膨らみきった僕の先からザー汁がトクトクトクと注がれて……。
それを受け取ったベテラン女上司の子宮口は、恥じらいながらもその誘惑に抗えず、下品な大口を開けて仕事終わりの一杯をゴクゴクと飲み干して行く。
もう死者となって子を孕む事など出来やしない体だと言うのに……僕との子供を夢を見ている女の子のつもりなのだ。
見た目と身体が美しいだけな、あまりにも無様で夢見がちな
死人というのは、こうも醜い物なのか。
見苦しさに、何処と無く此方の世界に転移させられる時の、己の往生際の悪さを思い出してしまい苦笑する。
言うなれば今の僕は、一度FF8の世界で死んで蘇った死人のような物かもしれない。
だとすれば二度目の転生か。
まるでシーモアのような往生際の悪さを持つ自分も、他人の事をとやかくは言えないな……。
僕は絶頂の余韻に浸る中でそんなどうでも良い事を考えながら、抱いた女の上で眠りに落ちていたのだった────。
目が覚めたらそこは、ベッドの上で彼女の腕の中だった。
眠気まなこで体勢を整えようとした僕に、起きていたユウナレスカが「おはようございます」と微笑みながら朝の挨拶をする。
そう、既に時刻は翌日の朝だった。
怖かった筈の女幽霊は、寝起きの今だけはそんなに怖く無い気がする。
シーツに包まったデカ乳はもっと揉んでおくべきだったな……なんて場違いな反省をしながら、彼女とたわいもない会話のラリーを行い、僕は意識を覚醒させていった。
「女をイカす事が趣味というのは、どうやら本当だったみたいですね」
おばさんが此方に柔らかい笑顔を向けながら、デリカシーに欠ける茶化し方をしてくる。
まだ憶えてたんだそれ……。
「申し訳ありません。本当は……貴方を試す為にわざと抱かれようとしました。この身を試金石にしてでもデリングJr.という人間の本質を知りたかった。
男女の営みによって、スピラの今後の為に本当に相応しいかどうか……その判断材料の一つとしたかったのです」
ヒエッ…………。
もしもエッチが下手だったり乱暴だったりしたら殺されてた……ってコト?
「貴方との情交は素晴らしい物でした……。それこそ我が夫との思い出に勝るとも劣らない程に……。私は貴方を信じたい。────こんな私を……信用してくれますか?」
想像以上の馬鹿女だった。
これだから女に立場や権力を持たせるのはダメなんだ。
肉体関係を持ったらすぐに信用できるとか言い出して、相手の男を贔屓しやがる。
しかし……何故だろうか。
僕にはユウナレスカが試すつもりで抱かれようとしてたとは思えなかった……。
女を抱いて来た己の信頼できる勘が言っている。
あれはただ目の前に男抱けそうなチャンスが転がって来たから、年増が性欲解消に必死こいてただけだ……と。
しかし、その追求はやめておこう。
浮気する女の子には、自己正当化が出来る逃げ道が必要なのだから。
それにおそらく、この女のヒステリーは怖い所じゃ済まされないのだ……。
既に翌日となってしまった時刻、ホテルから出てみると、シーモアが申し訳なさそうな表情でルールーに謝っていた。
何があったのか。もしかして厄介な事になったりだとか、ルーを寝取られたりしたんじゃないかとか、様々な悪い想像が働いたが、シーモア本人がそれをわざわざ教えてくれるらしい。
喋りかける口実が出来た事に喜んでそうで気持ちが悪い。
「ユウナレスカ様と二人きりにしたのは最初は冗談のつもりだったのです。まさかデリング殿が本当にそのような行為に及ぶ所まで持ち込むとは……冗談では済まされないとガード殿にお叱りをうけてしまいましたよ……。いやはや、よもや千年の純愛を略奪出来るとは思いませんでした。流石はデリング殿、まだ私も親友の色男っぷりを甘く見積もっていたらしい」
彼が怒られた理由はわかったが、その声色は全く懲りている気がしなかった。
しかし……。ユウナレスカとの逢瀬は……。
「じょ、冗談だったのか……」
「ええ、そのつもりだったのですが……流石ですねデリング殿」
シーモア老師殿は、散々怒られていたにも拘らず、悪びれる事も無く話す。
しかも詳しく聞くと、アテンドとかをユウナレスカに提案した事も無く、ただあの場の解散時にノリで冗談を言っただけらしいのだ。
「は、ははは……」
(え、僕が悪いん? 据え膳食った僕の落ち度?)
あのさぁ、お前の冗談分かりづれぇんだよ!
今までそんな事言って来なかったのに、急にボケられたらマジだと思うだろ!
ユウナレスカ様もマジだと思って俺に股開いたんだぞ!
この男に振り回されるのはウンザリだが、今の自分にはもう一つ問題があった。
朝からずっと右腕に引っ付いているユウナレスカ様である。
僕はどうやら、女の子の幽霊に取り憑かれてしまったらしい。
そんなきょうび流行らないタイトルのライトノベルみたいな展開に、背筋を冷やしながら呆れ顔でやれやれと言うしか無いのだった……。
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