AnotherMaster、異世界を駆ける 作:カオスサイン
プロローグ
Side?
「んあ?…」
俺はふと目を覚ます。
辺りには何処かで既視感は有る風景が広がっていた。
俺の名は夜千 桐真、ついこの間迄とある機関で世界を救う為の戦いに身を投じていた経験の有る平凡とは言い難い男だ。
今は世界が元通りになって失われていた青春を取り戻すべく学生生活を謳歌していた。
いや青春じみた事は多々有りはしたけども。
っていうか今のこの状況はどういう事なんだ?俺は教室に居たよな…もしかして…
「物凄く嫌な予感しかしないのだが果たして…」
歩みを進めた俺は少し先にあった扉を開けた。
其処には…
「ふざけているのか!」
「!」
「お、落ち着いて下さい…」
「落ち着けるかっての!」
怒号が飛び交う。
そこでは偉そうな恐らく王族の人間だろうかにクラスメイト達が罵声を浴びせていた。
「九条の<鑑定>スキルのおかげで隷属の首輪を填められずに済んだが…どうしてくれようか?」
「?」
やはり真逆の異世界召喚か…どうやらクラスメイト達は危うく騙されて奴隷化させられそうになっていたみたいだが…九条って誰だ?そんな奴ウチのクラスには居ない筈だが…
「希衣菜、ちょっとこっちに」
「!」
俺は妹である希衣菜と話をしようと呼ぶ。
希衣菜は現況を察して無言で此方へ来た。
俺はそっと耳打ちする。
「希衣菜はどう思う?」
「九条君の事ですよね…可笑しいのは間違いありません…クラスメイト達はほとんど違和感を感じる事無く接していますが…」
「お前もそう思うか…」
今迄居なかった筈の存在…俺達と同じ魔術師の類かと思ったが俺達には気が付いていないようだ。
だったら他の超常の存在である可能性か…。
「なら俺はこの世界を探索する事にするとしよう…希衣菜はどうする?」
「私は…友達を見捨てられないので此処に残ります」
「そうか、だったらお前の方でも調査して一週間後に報告してくれ」
「分かりました」
希衣菜はこの国(オブライオン王国というらしい)に残るみたいだ。
さてと悟られない内にとっととおいとまさせてもらうとするか。
~それから一週間後~
「『という訳です』」
「そういう事か…」
希衣菜からの調査報告を聞いた俺は頭を抱えた。
どうやら俺達が召喚された切欠はこの世界の女神の神託によるものだったらしいが…奴隷化をしようとした王族連中を見る限り碌な神ではない事は確かだ。
そして極めつけは亜人差別…それをよしとする神など神とは認めない。
俺達の明確な敵であると感じた。
「『それともう一つ…』」
「む?」
「『高規君達が王国を乗っ取っちゃったんですけど…』」
「ブー!?…」
希衣菜からのもう一つの報告に俺は盛大に噴き出してしまった。
オイオイオイオイマジなのかよあンの馬鹿共…気持ちは理解出来るがあまりにも軽率過ぎるぞ!
恐らく九条の奴が唆したのかもしれないが…召喚が女神の手によるものなので恐らくカウンター的存在を呼び寄せる可能性が大いにあり得る。
屑女神の事だ、その人選は絶対碌な人格の持ち主ではないだろう…まあ俺達は負けないがな。
「よしならばあのシステムを使う事を許可する!」
「『!』」
俺は希衣菜にそう告げて通信を切った。
「真逆もう使う事など訪れる日はやって来ないだろうと思っていたコイツを使う時が来ようとはな…!」
俺はこの世界でも問題無く扱えた異空間収納魔術を行使しある物を取り出した。
「ダヴィンチちゃんが作った【オルテナウス】のコピー…キリエライト有難く使わせて貰うぜ!」
俺は懐から聖晶石を取り出し横に置いたコピーオルテナウスへと放り込む。
「さあ来てくれ!俺のグランド○○…!」
聖晶石の魔力を取り込んだコピーオルテナウスは金色の輝きを放ち出し俺にとって最も大切な存在の内の一人をこの世界に召喚したのだった。