多元世界ヒロインズ 作:ころろこ
特にコメントありがたいです。
とある国に二人の旅人がやって来ました。
一人は身長高めの男性で、長い髪の毛を後ろで一つ結びにしています。
もう一人は身長低い少女で、ピンク色の派手な髪の毛と左右の色合いが異なる瞳をしていました。
そんな二人がやってきた国は、平坦な国土を持っており広く、道も建物も敷地が広く、新しい建物もたくさんあります。
二人の旅人はモトラド(※二輪車。空を飛ばないものだけを指す)に乗って城門外側の衛兵詰め所で三日間の滞在許可を貰います。
この国では旅人を歓迎しているらしく、とても歓迎してくれて、案内人まで付けてくれるそうです。
二人の旅人は、その好意に感謝し、話を受け入れました。
一日目は案内人にホテルまで連れてって貰います。
その間には、この国の成り立ちなどを説明して貰いました。
この国は、十七年前に二つの国が合併して大きくなった国です。
今ここにある国は、土地だけが広く小さな王国でした。
とある時に王国の王様が気に触れてしまい、到底やっていけなくなります。
そこで、山脈を越えた先にある国土は小さいが人口密度が高い民主主義の国に助けを求めます。
その国は人口が増加してしまい、それが問題となっていた為に王国のお話を快く受け入れました。
その結果、現在のこの国は合併し、新たな国として立ち上がったとお話を聞きました。
それから、旅人の二人は大いにこの国を楽しみました。
この国では国民皆兵であり、全員がパースエイダーを使った射撃が国民的なゲームとして愛されていました。
国立射撃場では、少女の旅人がサバイバルゲームで無双しました。
男性の方は射撃の腕前は微妙でしたが、力自慢大会で見事に優勝して賞品を貰いました。
二人の旅人は、その賞品を大いに気に入り、感謝しました。
三日目の最後の滞在日には、中央に残っている宮殿を見つつ、外回りの公園でのんびりと散歩します。
そうしていると、大きな黒い石がありました。
その石には、人の姿が削って描かれてました。
若い男達が七人描かれており、笑顔で横に並んでいます。
「すいません。これは何の記念碑でしょうか?」
この記念碑がどういったものかと気になった男性の旅人は、近くを通った老人に話しかけます。
「あぁ、これは英雄達の記念碑だよ」
「ん~王様に立ち向かった時に活躍した人達?」
「いや、違うね。この英雄達は合併する前の民主主義の国の英雄だよ」
「と言うと?」
「三十年程前の話でね。私が生まれた国は、人口が増えすぎて窮屈であった。でもこれ以上国土を広げる事も出来なくてね。新しい移住地を探す為に調査隊を全ての方位に十二組出したんだ」
「うへ~……それでこの人達が山脈を越えた先にあったこの国を見つけんだ~」
「あぁ……それも違うね」
「え?」
「この人達は、十年経っても戻ってこなかった。一番きつい山岳ルートを進んだチームだった。おそらく遭難してしまったのだろうと……国中の人々が彼等を惜しんで、こうして記念碑を立てたんだよ。この記念碑はその時に作られたものさ、彼等の英雄的行為を忘れないようにね。そうだ。旅人さん、もし良かったら昔の国に行ってみるといいよ。西に向かって山脈を二つほど越えた盆地にあるんだ。見学のし甲斐があると思うよ」
「ありがとうございました」
「ありがとね~お爺ちゃん」
それだけ言うと、説明をしてくれた老人は立ち去ります。
残された二人は、暫くの間、その記念碑を眺めました。
そしてーーその記念碑に刻まれた文字を読みました。
『ーー英雄は還らず、ただ我々の胸に生き続けるーー』
………
……
…
「それで貰った報酬がそれか」
「うん」
あの後、レイドクエストが崩壊し、気付けば京之助達はダンジョンへと放り出されていた。
ほっとしつつも、部屋へ戻り現状を話し合う。
その際に出た話が何時の間にか、持っていた今回の報酬である。
京之助の手元にあったのは、黒いカードであった。
カードの形的にはエヴァ達のヒロインカードと一緒であるが、名前部分も絵柄も不明である。
「まぁ……理由は分かるがな」
そんなカードが何なのかと言う話に、ベッドに寝転んで本を読んでいたエヴァが答えた。
「レイドクエスト的に報酬は『キノのカード』で間違いないだろう。しかし、キノは主人公であり、ヒロインではない」
「そこだよな。俺でも分かるよ。キノは主人公兼ヒロインではなく。紛れもない主人公だ」
エヴァは、手に持っていた『キノの旅』を京之助に見せながらもそう言い、彼もまた同意した。
京之助の能力は各世界のヒロインをカードで拾えると言うものである。
そのヒロインの中には主人公は含まれていない。
例外があるとすれば、岩永琴子みたいな主人公とヒロインを兼用している人達位である。
その点で言えば、キノは女性主人公であるがヒロインと言う立ち位置をしていない。
『キノの旅』は題材通りにキノとエルメスの国々を渡る旅をつづった物語だ。
恋愛という要素はかなり薄く、そんな描写もないのだ。
彼女をヒロインと言い切るには無理があるよなーと言うのが京之助達の考えである。
「『
「そうだろうな」
ステータス画面を見れば、能力強化欄にレベル三になった時の情報が載っている。
その情報を読めば、
「召喚するにしても、しないにしても、これで『
「残りは『
「ホシノを『
「おじさんは、遠距離武器をあまり使わないしね〜。京之助が欲しいのは、遠距離的な人でしょ~?」
名前を呼ばれたホシノが、丁度お風呂から上がって来た。
パジャマ代わりの京之助のTシャツを一枚だけ羽織り、とてとてとベッドにダイブをする。
「おじさん的には大盾とショットガンを持ってタンクがいいと思うな~」
「そうだよな。だとすると……次に欲しい人材は、『
「ほぅ……どういった選考基準だ?」
「『
「うへへ~」
「ほぅ」
京之助が選考の理由を話せば、ホシノは頬を赤くし悶え、エヴァは京之助に向ける視線が鋭くなった。
「ダンジョン攻略を手伝ってもらう上で、もっとも枷になるのがこの部分だと思う」
「まぁ……人によるだろうが、普通であれば貞操の概念にはうるさくなるだろうな」
「おじさんの時は、どうでもいいやって自棄だったからな~」
「納得して召喚されても、いざ本当になると尻ごんでしまう人は居るから、まずは絆を深めつつもダンジョン攻略を手伝って貰う為に欲しいなとね」
前から思っていた事を言ってみると、エヴァとホシノの二人も納得し頷いた。
「エヴァはそう言った奴作れない?」
「作れるだろうが……時間が掛かるな。専門と言う訳でもないし、魔法薬や簡単な物……それこそ、京之助に最初渡した薬程度の制作になる」
「そうかー」
「ちなみにそういった薬を作れる『
「それなー……『
エヴァに言われて、京之助は様々な作品に登場するヒロインの『
最初に思いついたのは『アトリエシリーズ』の主人公達である。
彼女達が活躍する作品は、ゲーム媒体であり、『
彼女達が呼ばれる可能性は高いが、誰が来るかまでは予測できなかった。
何せ、このシリーズは数が多すぎるのだ。
「他にはー……」
「何だ?」
他に『
しかし、その考えは直ぐに消えた。
錬金術師としての腕前は文句なしの一級品越えて神にも匹敵するが、あの人もヒロインと言えるのだろうかと考えた時に即座にないと思ったのだ。
あれが、恋する訳もなく、世界とかどうでもいいやと自棄になる姿が一向に思い浮かばない。
「何でもない。取り敢えず、アトリエシリーズの誰かだと思う。丁度ゲームも揃ってるし、暇つぶしにでもやってみる?」
「ほ~……どのゲームだ?」
「おじさんは、見てるだけでいいや~」
結局は、拾えるカードは完全なランダムなのだ。
拾えるか分からない上に、未来の事を考えても仕方がない。
そう思い、京之助はゲームを起動すべく、重い腰を上げた。