多元世界ヒロインズ 作:ころろこ
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ヒーラーの子は正確には回復役でありませんが、ヒーラーとしています。
一応回復できますし……。
「取り敢えず、自己紹介を。俺は須王京之助、転生者であり豊葦原千五百秋水穂学園に通う一年生だ。学園については知ってる?」
「うんうん、最低限の知識は貰ってるよ。20xx年の日本であり、一般的に秘匿されているダンジョンを利用して教育を行う機関であると」
「そ、まぁここに居る生徒の大半は、ここのダンジョンを維持する為の生贄なんだけどね」
その後、その場に座り込んで互いの情報を交換し合う事にした。
ここまで来てしまえば、京之助とてただの夢とは思わない。
自分のチートの力が何らかの作用を起こして現状に至るのであろうと理解する。
京之助の記憶では二日前に拾階層目に入って、エスピナスに手も足も出ず退散となり、玖階層でレベルを上げながらどうするか話し合いをしていた所である。
それで眠りに就けば、何時の間にか巻き込まれていた。
「そっちはどんな感じでこっちに?」
「そうだね。全てを終えたのを見届けた所で、寿命が来てしまった」
「……」
「別に慰める必要はないよ?私はしっかりと役目を果たし、欲しいものも手に入ったから……カルデアの皆も輝かしい未来を手に入れた筈さ」
「それならば、なぜここに?」
「……うん、全てが上手く行き過ぎたせいで、欲が出てしまったって感じかな。もしも、チャンスがあるのならば、私はもっともっと歩み続けたいという欲が出来てしまったんだ」
「その結果が召喚か」
「私はサーヴァントである前に、前の私に作られた疑似サーヴァントだからね。この先、呼ばれることはない筈だった。だから、今回の事は凄く驚いてると同時に嬉しく思ってるよ」
ダ・ヴィンチは本当に嬉しいのであろう。
説明する時も目を輝かせて、大きな手振り身振りで興奮を隠せていないのだ。
そんな彼女に対して、京之助は温かい目で見守った。
「それじゃ、その為にもここから脱出しないと」
「そうだね。さぁ、旅に出ようじゃないか!」
立ち上がると京之助は、ダ・ヴィンチに手を差し出して、彼女がそれを手に取って立ち上がる。
未来に期待して目を輝かせるダ・ヴィンチに比べて、京之助は未来に不安を感じた。
と言うのも、これでダ・ヴィンチを連れ出して『はい、さようなら』とは行かないだろうという予感がするのだ。
その予感は、すぐに正しい物だったと理解する事になる。
………
……
…
「まじかー……そう言う事?」
『えぇ、そういうことです。理解が早くて助かります』
「知り合いかい?」
「元となった人達はね。知らない影は三つほどだけど、その中の一人は分かる」
美術館の入口に戻り、扉を開けてみれば今度は簡単に開く事が出来た。
開いた先は、学園内の中庭にある『
前方に六人、その後ろの『
その七人は人の形をしているが、全身が黒く影の様で表情を伺う事が出来ない。
それでも、京之助はその人物達に見覚えがあった。
何しろ、
一人は、頭に二本の角の生えた刀を持った女性。
一人は、頭の上に天使の輪のような物を浮かべている少女。
一人は、他の人達よりも背の高い、銃を持ったボーイッシュな女の子。
一人は、腕を組み、表情こそ見えないが強者らしく笑っているであろう少女。
一人は、物静かであり、長い髪の毛と多数のベルトを身に着けた少女。
一人は、小さな身長で頭の上に、大きな動物の耳とお尻から九本もある尻尾が生えた少女。
最後の一人、聖堂の前に居る彼女は『一眼一足』であった。
「ちなみに……全員で戦うの?それとも……」
『一夜に一人と戦って貰います。そちらは二人で協力して頑張ってください』
「ですよねー!」
「うわー……ってことは私はライダー役だね?」
『はい、ライダーを除く……セイバー、ランサー、アーチャー、キャスター、アサシン、バーサーカーの六人が相手となります』
「おひいさまは倒さなくてもいいと?」
『えぇ、ルーラーですので……ルールの説明に呼ばれただけです』
どうやら、すぐに戦闘開始という訳でなくルールに対しての説明を聞けるらしい。
京之助が質問を投げてみれば、影である琴子は素直に答えてくれた。
「戦う相手は選べる?」
『ランダムとなります』
「休憩とか出来るのかな?」
『フェーズは昼と夜に分かれています。昼を休息に使うなりお好きにどうぞ、夜のみ戦闘の時間となります。休憩場所は一年辛組がセーフティーゾーンになっていますのでご自由に』
「能力の制限は?」
『特にありませんが、京之助さんの不老不死の効果はGPにより管理されます。怪我を負った場合は不死の効果で回復しますが、GPを消費してとなります』
「勝利条件は……全員を倒す事?」
『えぇ、それが条件です。それと途中で京之助さんが亡くなった場合もクリアに含まれます』
「え……死んでクリアなのか?」
『その場合は、一人でのご帰還となりますのでご注意を』
「私は囚われのお姫様と言う訳だ」
『そうなりますね。あとは、応援は呼べませんのでそのつもりで』
「あー……扉も出せないのか、厄介な」
それを聞いて、少しばかりの希望を持ったが、京之助は即座にその選択肢を脳内で消した。
ダ・ヴィンチを置いて行くようなことは決してしない。
そんな事を考えていると、琴子は手を叩いて後に宣言した。
『それでは時間となりましたので、これよりーー聖杯戦争を開始致します』
――穿界迷宮『YGGDRASILL』、特異分界『二人ボッチの聖杯戦争』――
――様式『
――※Option Intercept 『
――※Model 『
――※Confine 『六人の討伐、叉は脱落』――
――※Rewards 『レオナルド・ダ・ヴィンチ』――
「うぉっと!」
「わわっ!」
琴子がそう告げた瞬間、大きな鐘の音が聞こえて京之助達は別の場所に飛ばされる。
飛ばされた場所は、先ほど言われていた一年辛組の教室で、そこは様変わりしていた。
椅子や机は片付けられており、冷蔵庫などの家電やベッドなど生活に困らない様になっている。
「今は昼かな?」
「そうみたいだね。取り敢えずは、置いてあるものを確認してから、どう立ち回るか相談かな?」
「了解」
ベッドの上に落ちた二人は、その体制のままにあーだこーだと話し合う。
「冷蔵庫の中は普通だし、トイレもお風呂もあるとは」
「教室風のお部屋って感じだね。ご丁寧にソファーまであるよ」
教室を見回るとまさに拠点といった感じであり、普通に暮らすには十分なほどであった。
「それじゃ、早速だけど敵の分析から始めようか。マスター君、誰がどのクラスに当て嵌まるか分かるかい?」
「それは大丈夫、図にすると……」
セイバー:ナルメア
ランサー:ホシノ
アーチャー:キノ
キャスター:エヴァ
アサシン:ベルトの子?
バーサーカー:九尾の子?
ルーラー:琴子
「て感じになると思う。ホシノは二つ名が『暁のホルス』だし、ランサーかなと」
「なるほど、ホルス神の槍からクラスが当て嵌められたと」
「そう思う。あとはアーチャーだけど、俺に関連する人が当て嵌められているならキノ一択かな。アサシンとバーサーカーの子は知らない」
「ふむふむ、何か……小さな子ばかりだね」
「……ほら、キノとアサシンの子は身長百五十センチは越えてそうだから」
こうして並べてみると、平均的な身長を越えてそうなのは二人のみと言う結果が見えてくる。
図にすればーー
エヴァ :130センチ
カリオストロ:130センチ
バーサーカー:130台
ナルメア :134センチ
琴子 :140台
ダ・ヴィンチ:144センチ
ホシノ :145センチ
キノ :150~160センチ
アサシン :150台
である。
「じろー……もしかして、私を選んだのも身長だったりするのかい?」
「いや……それはないから、接しやすい方はどっちかなと考えた時、ダ・ヴィンチちゃんの方がいいかなと」
「むー……本当かな?まぁ、私を選んでくれた事には変わりはないし、いいけどね」
明らかな差であるものの、京之助が選んだのはダ・ヴィンチのみで他は拾ったり貰ったりが大半だと説明を必死にしてみた。
そうすれば、ダ・ヴィンチも疑いのまなざしであるも、取り敢えず納得する。
「それで……話を戻すけど、この中でもっとも手強いのは」
「キャスターであろう、エヴァの一択」
話を戻し、敵の攻略をする上でもっとも危険な相手はと聞かれると、京之助は即座にエヴァの名をあげた。
真祖の吸血鬼にして、魔法の腕前は言わずもがな、接近戦においても合気道の達人であり隙がないのだ。
「不老不死の上に範囲の広い一撃必殺をかましてくる」
「それは厄介だね。さて……どうすべきだろうか」
「不老不死が何処まで作用してるかが、攻略のカギだと思うな」
「マスター君の話と合わせると相手もGPの消費でかな?」
「そうであって欲しいな」
一人一人の能力などを京之助が話し、その攻略法をダ・ヴィンチが考える。
最初のフェーズは、それだけで終わり、時間が経てば最初の夜がやって来た。