※この作品はR-18です。

多元世界ヒロインズ   作:ころろこ

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少年、話題に上がる

「戻ったぞー」

「お帰りー誠一」

 

 女子寮の一つ、白鶴荘の中に麻衣と静香の部屋がある。

そこに当たり前のように誠一が入ってきて、遠慮なく麻衣のベッドに腰かけた。

女子寮であるが、ここは既に叶馬達の住みかでもある。

 

「あー……待て待て」

「何で!?」

 

 帰ってきたご主人様に飛び付き、いそいそと服を脱ぎ始める麻衣を誠一は抑えた。

これには麻衣も驚き、声を上げた後に目にじわりと涙を浮かべる。

 

「何時もならヒャッハーの即パンパンアンアンじゃん!調子悪いの?私に飽きたの?」

「いや、待てって、てか何時もの俺そんなんじゃないよな!?」

「え?こんな感じでしょ?」

「えっ……マジで……?俺そんななん?」

 

 麻衣はきょとんとしながらも本気の真面目にそうだよと肯定し、誠一は軽くショックを受けた。

 

「ってショックを受けてる場合じゃねー。話を聞け話を」

「あっ……やんっ……ぁぁ、そこです」

「まぁ、やりながらでも良いけどよ」

 

 誠一は気を取り直して、もう一方のベッドでセックスを始めている叶馬と静香に向き直る。

静香のベッドに叶馬は座り、そんな彼の上に彼女は居た。

静香の白い肌は興奮で少しばかり赤みを帯び、大きなお尻は一物を迎える度に揺れた。

そんなお尻を両手で持ち上げ、上下に動かす。

その度に静香は可愛らしい声で喘いで叶馬の耳すらも楽しませた。

初めて会った日から毎晩抱いているが一向に飽きる気配もなく、むしろ抱く度に叶馬は静香を愛おしく思う。

静香自身もそう思っているのだろう。

叶馬に優しくされる度にぎゅっと気持ちを伝えるかのように抱き着いた。

 

「あー……とりま、あの二人組だけど」

「なんか分かったの?」

「分かったから報告するっつてんの!」

「……」

「……むぅ、叶馬さん?」

「すまん」

 

 もちろん、親友の誠一の言葉にも耳を傾けつつ更に可愛がろうとした時だ。

誠一の言葉で叶馬の意識が一瞬だけ、心がそちらに傾き動きが止まる。

それを静香が不満に思わない訳もなく、可愛らしく頬を膨らましながら両手で叶馬の頬を包み、無理矢理視線を合わせた。

 

「ふふ……休憩にしましょうか」

「あぁ」

「話していい?もう話してもいいよな?」

「あっ……」

「問題ない」

 

 一度静香の中から一物を抜くと、静香の向きを誠一の居る正面に向き直し、そのままもう一度一物を膣内に差し込んだ。

 

「あー……もういいや、話が進まないし。まず学園内で集めた情報だけど、あの女の子の情報はまったくなかった」

「えー……マンモス校だから見逃したとかは?」

「ねーな。あれだけの容姿だ。男がほっとくわけないだろ。噂の一つや二つぐらいなってるっての」

「他の学年とかは、どうですか?」

「名簿でばーと調べただけだけど……名前がなかったわ。叶馬、本当にあの子の名前は『エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル』って言うんだよな?」

「ステータスを確認した際にそう出ていた。名前以外は読めなかったが」

 

 彼等がエヴァのフルネームを知っているのは、叶馬のチート能力である『情報閲覧(インターフェース)』のお陰である。

このチートにより、相手のステータスを勝手に閲覧する事ができた。

これがなかったら相手の名前も『エヴァ』と言う愛称しか分からなかっただろう。

 

「本当の名を隠してるとか?それか華組とか」

「それだと面倒なんだよな。写真付きの名簿は俺じゃ見れねーし、華組とかだと更に無理アウトだわ。正直に話せば……見せてくれるかも知れないけど、その場合は俺等が死んでない(秘密)事もバレる」

 

 そう言って四人は昨日出会った内の女の子ーーエヴァを思い出す。

お人形の様な少女であったが、参階層のゴブリンの氷像を作るほどの魔法の使い手。

会話こそなかったが、態度や仕草などで強者感が凄かったと四人で話し合う。

 

「取り敢えず、そっちは情報なし」

「それでは男性の方はどうだったのですか?」

「そっちは結構情報持ってる」

「おぉー」

 

 先ほどまで自信が無さげであった誠一が胸を張る。

どうやら先ほどよりも多くの情報を得られているようだと三人の間で期待が高まった。

 

「一年辛組の京之助。まぁ、一言で言えばマジで叶馬」

「むぅ……」

「あははは、確かに雰囲気とか似てるよね」

「ふふ……そうですね。でも私は叶馬さんの方がいいですね」

「普通の奴とは違うってかそんな雰囲気(オーラ)があるんだよな。そんでよ、こいつは初日からぶっかました」

「え?」

「普通の人よりも強そうだしな。麻衣達にみたいに近づいた子達が居たんだけどよ。『悪いけど、誰とも組む気ないんだわ。ずっとソロで行くんでクラス内でも居ない人扱いでよろしく』と言って寝ちまったらしい」

「わー……大胆と言うか空気読まないと言うかマイペース」

「……やはりコミュ障か」

「違うと思います」

 

 三者三様の言葉に誠一は苦笑しつつも先を話す。

 

「まぁ、ダンジョン内でレベル上げが大変だわ、性欲も溜まるわでソロで攻略する奴は正気の沙汰じゃない訳で……」

「でも昨日はエヴァンジェリンって子と一緒だったけど、仲良さそうだし」

「そこだ。つまりはエヴァンジェリンと組む事が決まっていて、なおかつその子はバレてはいけない存在ってことだ」

「だからソロで潜ると宣言した。もしかして……エヴァンジェリンさんは生徒じゃない?」

「静香の言う通りだと思うんだよな。そもそも生徒だったら羅城門を使わないとダンションに入れないし、時間がくれば追い出される。誰かしらがエヴァンジェリンを見ているはずだ。それなのに誰も知らないと……」

「えぇーでもおかしくない?それなら何処からダンジョンに入ったわけ?」

「それが分かんねー。俺に口止めをしたって事は学園側に知られたくないって訳だし、華組でも学園側でもなく……じゃ誰だよって」

 

 そこまで話し合って誠一、麻衣、静香の三人は唸りながらも考えの答えをだそうと思考する。

そんな中で先ほどから口数の少なかった叶馬が喋り出した。

 

「俺が思うに……あれは闇だと思う」

「あん?やみ?」

「暗闇だ、月の光も星の光もなく、人工物の光さえ届かない泳ぐような闇。一度山籠もりをしていた時に味わったことがある」

「まって……叶馬くん私達と同い年だよね!?山籠もりってなに?!」

「あー……取り敢えず、それは置いて置こう。うん……そんで?」

 

 叶馬の言葉に麻衣のツッコミが入るも、いちいちツッコミを入れていたら彼との会話が進まない。

取り敢えず叶馬と話す時は先を促して、全てを聞かなければいけないのだ。

誠一は痛いほど理解出来てしまっているので先を促した。

 

「あれの怖い所は捕まると自分の意思でどうにもならないことだ」

「……どういうこと?」

「目を開けているのか、閉じているのかも分からず。進む方向さえ分からなくなる。止まっていても歩いていても不安と恐怖で精神が病む。あれから抜け出すには陽が昇るのを待つほかない」

「えーと……?」

「叶馬さんの言いたいのは、人の手ではどうしようもない存在と言う事です」

「あー……そんなレベルなのね。エヴァンジェリンって子は」

「纏うオーラ(人生)の重さと深さも段違いだ」

 

 叶馬が最後にそう締めくくると麻衣は『オーラ!?オーラって何!?何が見えてんの!』と頭を掻きむしり、誠一は『何でそんな存在が近くに居んだよ』と頭を抱える。

叶馬の考えが手に取る様に分かる静香はと言えば、凄みをダイレクトに感じてしまい顔を真っ青にさせた。

そんな三人を見て叶馬は自分の伝えたい事が伝わった事に満足し、嬉しそうに何度も頷く。

 

「……」

 

 そして叶馬は、静かに目を閉じるとあの二人の姿を思い出す。

思い出せば、もう一度あの二人と相まみえたいと思った。

京之助の方は、きっと楽しく戦えるだろうーー共に全力で全開で本気で本当の勝負が出来ると言う予感がする。

エヴァンジェリンの方は、きっと蹂躙されるだろうーー彼女との戦闘は、虐殺であり瞬殺であり圧倒的差で踏みつぶすだけのものだ。

そこまで思い、もう一度会いたいと思った所で会いに行けばいいのではと叶馬は気付いた。

分からないなら直接聞きに行けばいいのだ、それがいいと。

 

「叶馬さん……勝手に動かないでくださいね?」

「はい」

 

 と思った所で、にこにこと笑顔の静香に窘められ、素直に諦めた。

 

 

 

 

………

……

 

 

 

 

「へっぶし!」

「……どうした。風邪か?くしゅんっ」

「エヴァは花粉症?俺は噂でもされてるのかな?べぶぼ!」

 

 

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