多元世界ヒロインズ 作:ころろこ
話の都合上、何かをやらかしたような描写をなかったことになります。
「今日はどうする気だ?」
「んー……チート能力の確認でもしようかと思ってる」
相変わらず、クラスメートはガン無視で午前中は爆睡、午後になれば『どこでもラブホ』に京之助は直行していた。
選択式の授業も選べるのだが、今の所必要を感じていない為最低限しか受けていない。
ここの教師に教わる位なら、エヴァに戦闘方法を教わった方がましだと言う考えだ。
長年一緒に居た弊害か、京之助は
「イマイチこの仕様を理解出来ていないからさ」
「確かにな……そもそもこの学園に来るまで私との会話以外何も出来なかった訳だ」
「『どこでもラブホ』は判りやすいからいいんだけど『
「情報をまとめてみるのもいいかもしれん」
「まずはダンジョン内で0.02%の確率で漫画小説ゲーム内に登場するヒロインのカードが手に入る」
「ヒロインの定義が何処まで及ぶかが不明か」
「そうなんだよな。原作に出てくる女性の仲間をサブヒロインと言う時もあるし、主人公兼ヒロインって枠もある。何処まで有効なのか……」
残念ながら京之助は転生を行った存在から何の知識も与えられていなかった。
全てが手探りであり、甘えてんな自分で調べろである。
「エヴァの場合はネギまはサブヒロイン枠、UQホルダーはメインヒロインと分かれてるし」
「……」
「確認の為に聞くけど……エヴァの時間軸はネギまの終わった後でいいんだよな?」
「……そうだな。皆が卒業して大人になりそれぞれの道を歩んだ所まで覚えてる」
「UQホルダーは?」
「記憶だけだな。
そう言うとエヴァはベッドにダイブし、ぼすんと枕に顔を埋めた。
「ちなみに……ナギとは何もなかった」
「……」
そんなエヴァを見て京之助は『『ネギま』の時間軸だと最終的にナギと結婚してるんだっけか』と思い出していた。
流石にこれは口には出さない、UQホルダーの記憶を持ってる事から本来の時間軸の記憶を持っていてもおかしくはないので火を注ぎそうであるからだ。
つまりは、ナギと結ばれたエヴァと、刀太と結ばれたエヴァの記憶だけを持ってるのがこのエヴァである。
一番可哀そうな存在だと京之助は思う。
「可哀そうとか思ってるだろ」
「いや……だってなぁ」
そんな事を思っているとエヴァから鋭い指摘が飛んできた。
一瞬だけその言葉に対して、言い繕りそうになるも素直に認める。
何しろナギと刀太と京之助を並べて、一番駄目そうなの誰よと言ったら最下位の自信があった。
漫画の主人公級に一般人では太刀打ち出来る気がしないし、甲斐性もない。
記憶がある分、比べれてしまう為余計にだ。
「幾つか質問する。いいか、絶対に嘘を付くなよ」
「……怖いんだけど!?」
と、そんな事を考えていると枕から顔を離したエヴァが、京之助の頭をガッと掴み視線を自分の目に固定した。
「もしも、私を消そうとする奴が居たら?」
「ぶっ殺す」
「そいつがお前よりも強かったら?」
「エヴァと一緒に逃げる」
言われたことに対して特に考えず脊髄反射で答えていく。
「どうしても逃げれなかったら?」
「……」
この質問には京之助は直ぐに答えを出さなかった。
何度も頭の中でどうするだろうと考える。
エヴァが居なくなる、敵には勝てない、逃げることも出来ずに何も出来ない。
「戦うけど……それで駄目ならさ。怖いけど、一緒に逝くよ」
「……」
暫くの間、考えて最終的にはそう答える。
物語の主人公であれば、なんやかんやで敵を倒し救うのだろうが、転生者とは言えほぼ一般人の京之助では一緒に居ることが精一杯だと思った。
ならば一人だけでも生き残るかと問われれば無理であった。
頭の中でエヴァの居ない生活を考えるも、絶対に幸せになれそうにない。
そう考え答え、いつの間にかじんわりと京之助の目に涙が滲んでいた。
何も出来ないと思ってしまった惨めさとエヴァが居なくなった時を思い、自然と出てきてしまったのだ。
それほどまで心の中をエヴァが大きく占めていたのだ。
ただの質問なのに何と弱い心かと、それを自覚して京之助は情けないと落ち込む。
「……ふふっ」
しかし、そんなしょぼしょぼの京之助を見てもエヴァの中で京之助の株が下がることはなかった。
何しろ、この男はただの質問でもエヴァが居なくなってしまう事に対して、守れない事に対して涙しているのだ。
本気で泣いてくれている。
本気で好きでいてくれている。
本気でここに居るエヴァを求めてくれているのだ。
何が可哀想だ、むしろ幸せであると他の時間軸の自分に言ってやりたいぐらいだ。
エヴァにとって最も大事なのは世界を救う主人公とか、性格やら能力などではなく、自分を想い傍に居てくれることである。
「こんな答えでごめん」
「質問の答えを聞いた上で……ナギ達の事を気にせずにいられるぐらいには、
ただ、気恥ずかしいので少しばかり誤魔化して、落ち込む京之助をエヴァは慰めた。
………
……
…
「……」
「……」
「……取り敢えず、目標は強くなります。誰よりも主人公よりも」
「あぁ……そうしろ」
「あと、不老不死も目指さないと」
「……ん」
泣いたり落ち込んだりと、子供っぽい態度に京之助は恥ずかしくなった。
ただ、大事な事を再確認し、目標は定まった事は僥倖である。
『どこでもラブホ』もこの世界の神々に通用するか不明なのだ。
大事な物を守るためにも、ひたすらに強くなるしかないと決意を決める。
あとは、エヴァと最後まで居る為に不老不死を目指していく事ぐらいだろうか。
「ちなみに吸血鬼化って出来るの?」
「あれか……辞めといたほうがいいな」
「そうなの?」
取り敢えず、最も早い不老不死の方法をエヴァに聞いてみた。
エヴァは少し悩むも首を横に振った。
「焦らなくてもいい。そのまま強くなっていけば道はある」
「そうか……了解」
「それで話を戻すが能力についてだ、たぶんだが本来の時間軸から外れた存在が呼ばれているのだと思う」
「つまりは……カード化しているヒロインは、原作とは違うって感じか」
「並行世界……まぁ少なくとも、ここに召喚される事に抵抗がない世界だったと言った感じだ」
「未練ないとかそう言うのか……なんと言うかなー」
「少なくとも私は呼ばれて良かったと思ってるぞ」
「……気にしない事にするか」
「そうしろ」
先ほどの事で少しばかり後ろ向きになっているかも知れない。
京之助はそう思い、取り敢えずは着いて来てくれる人達を大事にする事だけを考える事にした。
「ちなみにだが、最低あと何人欲しい?」
「そうだな」
『
『
「最低七人かな」
「ふむ……まぁ、うん……分かってたけどハーレムだな」
「主人公よりはましだと思う。あと別に仲間になったからってやると言うわけでは」
「甘いな。このダンジョンの性質を忘れたか?どっちにしろ、召喚に応じた時点でやること確定だ」
「そうだったわ」
「……取り敢えず言っておく、私が一番だ」
「はい」
エヴァの言葉に京之助は頭を抱えた。
と言うのもエヴァ一人でさえ、夜の生活が困難なのだ。
あと、七人も増えるとなると体が持つのかが不安になってきた。
そう考えると、原作主人公の叶馬がどれだけ
あいつは凄い奴だった。