幼馴染のツノを触りたい 作:ツノ角
ルイが玄関を出て鍵を締める。そのまましばらく足音が遠ざかり完全に戻って来る気配がなくなったのを確信した私は、なるべく物音を立てないように静かに立ち上がりリビングの扉へと向かう。
気分は泥棒かな。
さっきまではルイが洗い物をしててまるで新婚の夫婦みたいな空間で超良かったんだけど、今はその反動でめちゃくちゃ静かになってるリビングが超寂しげ。まるで些細なことでルイと喧嘩して実家に帰られてしまったみたいに。
……やば。ちょっと泣きそうになった。
目尻に溜まった涙を拭いつつリビングの扉をゆっくりと開けて廊下へと踏み出す。
そのまま階段へと向かい一段一段慎重に上がっていく……途中。
「っ!」
誰かがこの家に急いで近づいてくる気配。
すぐさま階段を下りてリビングの椅子へと戻りに行く。
……座り直して数分。玄関の鍵が開く音と近づいてくる足音。躊躇なく開かれたリビングの扉から入ってきたのは―――。
「あれ、ルイ。どうしたの?」
軽く息を切らした未来の旦那様……じゃないルイの姿だった。
「いやー、スマホ忘れちゃってさぁ。手元にないと落ち着かなくて急いで戻ってきた」
軽く笑いながら台所に向かったルイは、スマホがあったのか安堵した表情で手に取り再び扉へと向かう。
「じゃあ、テレビとか自由にしていいから。まあ知ってると思うけどね」
そう言って出て行くのを見送り、鍵を締める音、足音、気配が遠ざかっていくのを待ってからさっきまでと同じように動き出す。
今度はさっきより素早く階段まで辿り着いてゆっくりと上っていく。
でも、さっきのルイ良かったなぁ。まるで朝から出勤したのに慌てて戻ってきて、私が『あれ、どうしたの?』って聞いたら『大事なの忘れてた』って言ってキスを……なんて! なんてね!
思わず頬が緩みつつ階段を上り切り目的の扉の前へと向かう。
昔と変わらず扉に掛けられている【ルイ】と書かれたネームプレート。
生唾を飲み込みつつ、そっとドアノブへと手を伸ばしてゆっくりゆっくり……開けていく。
すると、すぐさま私の鼻に吸い込まれてきた脳を刺激する最高の香り。“ルイの匂い”を嗅いだ瞬間、体が痺れて思わずその場にへたり込む。
「ん……っ!」
体を抱きしめるようにして震えた後、脱力して背を丸める。
「はぁ……はぁ……」
“絶頂”を迎えた体が未だ軽く震えるのを感じつつも息を整える。
扉の隙間から流れ出てきた匂いだけでコレなのに、もし入ったらそれはもうつまり実質セックスだよね! うん! きっとそう!
ルイ、私たちついにやっちゃうんだよ!
楽しみでニヤける頬を手で抑えつつプルプルと小鹿みたいに震える足をなんとか立たせてドアノブを掴み、なんとか覚悟を決めて扉を開ききる。
そうして目に飛び込んでくる子供の頃とは雰囲気の変わったルイの部屋の景色。
ああ……これが成長したルイの部屋。
フラフラと誘われるようにして部屋へと踏み込み一直線に目当ての場所へと向かうと、そのまま類の匂いが染み付いているだろうベッドへと倒れ込む。
顔を枕へと埋めて肺いっぱいに吸い込むイメージで深呼吸を―――。
「っん゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!」
イッた。
……思わず声が漏れてしまった。
いや、ヤバすぎる。超刺激物すぎる。
「何これこんなの知らない。すぅ! はぁ? こんなの隠して過ごしてるとか、すぅ! ルイって、すぅ! 意地悪すぎない? すぅ! 私よりん゙お゙っ! 悪魔なんだけど? すぅ! 本当はルイも悪魔族なんじゃないの? すぅ! はあ? はあ? すぅぅぅぅぅぅううう! ―――ん゙お゙っ、お゙っ!」
腰が震えて勝手に毛布に押し付けるのを止められない。
なにこれなにこれ気持ち良すぎる。
私、悪魔なのに昇天しちゃうっ。
私、天使なのに堕ちちゃうっ。
「すぅ、はぁ、すぅ、はぁ……!」
ルイの匂い嗅ぐのやめられないんだけど!
これって違法じゃないの? 取り締まるべきだよね? 許されちゃダメだよね?
これが嗅ぎ放題とか人を壊そうとしてるよね? え、つまりルイってばそういうこと?
私を壊してルイ無しじゃ生きていけない体にしてルイ専用の女にしちゃおうってこと? はぁ? そんなの初めて会った時から決定してるコトなのにふざけてんの? バカにしてんの? ん゙お゙っ! やべ、バカになる……!
「っ!」
やっばい……。
股に伸び掛けた右手をなんとか左手で押さえ込む。危うく此処でオナり始めるところだった。
脳がじゅくじゅくに溶け出してる今の私でも流石に此処でオナニーするのは危ないってわかる。
もし此処でやり始めていつもみたいに潮を吹き出したりなんかしたら誤魔化しのしようもないしね。ここは断腸の思いで我慢する。
耐えて耐えて明日、家に帰ったら思い出しながらやりまくる。うん。絶対にヤバい。楽しみすぎる。
「すぅ、はぁ、すぅ、はぁ……!」
よーし、もう堪能した。
これまで我慢してきた分もなんとか抑えられる分堪能した、うん、堪能した!
ルイってば、学校に入学するぐらいから喋り掛けても変に距離感じたし遊びに誘おうとしても避けるし、めちゃくちゃ欲求不満で辛かったけど今日なんとか久しぶりに上がり込んで喋って内側に入り込めたし大丈夫!
というか! ルイが私と一緒にご飯食べたかったって言ってくれたし!
「あれって実質プロポーズだよね?」
もしプロポーズじゃなかったら襲うレベルなんだけど?
照れながらあんなこと言うとかプロポーズ以外ないでしょ。なにあの顔、誘ってんの? 私に天使の血が流れてなかったら普通に襲ってたし文句言えないよ?
あー、ヤバい。あの顔だけで軽く十回はオナニーできる。普通にエロすぎてムカついてきた。我慢しないと。ここでの我慢が明日の私の気持ちよさに繋がるんだから。
「ふぅー! ふぅー!」
思わず乳首を弄ろうとするのをシーツを掴むことで我慢しつつ体が震えるのも堪える。
いい加減、この部屋から出ないと完全に腰が抜けて動けなくなりそう。
「ひっひっふー! ひっひっふー!」
将来のイメージトレーニング兼落ち着かせるための呼吸をしながらゆっくりと体を起こしてベッドから立ち上がる。
重さで潰れて形が変わった部分を軽く直すため手で整えていると少しの湿り気を感じ取る。
恐る恐る場所を確認するとそこはさっきまで私の腰部分があった所で、よく見ると他の場所とは違って小さく濡れているのが分かる。
……あー、普通に無意識に押し付けてたね、これ。
「……」
無言のままティッシュで水分を拭き取って見つかりにくいように形を整える。
そうすれば入ってきた時の旦那様、ではなくルイの部屋へと元通り。
あとはこのまま部屋を出て扉を閉めてリビングへと戻ればミッションコンプリートってわけ。
「さすが私、だね」
誤字報告ありがとうございます。