※この作品はR-18です。

【Rewrite】受け継がれる想い   作:千月華音

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星の歌

 

 

 

 

 ――ピンポーン

 

 篝と二人で顔を見合わせた。

 誰も来るはずがないのだが……。

 まして簡易的だが結界を家の周囲に張ってある。傍目には無人の家に見えるはずだ。

 ベッドから降りてカーテンの隙間から下を見下ろした。……小鳥だ。

 そういえば、小鳥の家はこの隣だった。忘れていた。

 なんであいつ、来たんだ?

 篝を連れ込んでいるのがバレたのか。

 あいつならそれも可能だが……。

「小鳥ですか?」

「ああ。……なんでわかった?」

「魔物の気配がしました。小鳥が持っていると思います」

 小鳥が魔物を……?

 下を見てもそんな様子は見えない。小さな魔物でもポケットに入れてるのだろうか。

 ……仕方ない。

 簡単にシャツとズボンを穿いてから、篝にはシーツを被せた。

「ちょっと行ってくる」

「瑚太朗。おそらく小鳥は篝に会いに来たんだと思います」

「なんで?」

「結界から離れたからでしょう」

「離れたって言ったって、まだ2時間も経ってないぞ」

「瑚太朗、……これを」

 篝が手の中に何かを握らせた。

 篝のリボンの切れ端。淡く光っている。

 なんだかよくわからず、篝を見つめた。

「それを小鳥に渡してください」

「渡せばいいのか?」

「瑚太朗との性行為を記録したものです。小鳥が見れば納得…」

「するかっ!!」

 バシッ――、とリボンを床に叩きつけた。

 わかってんのか、この女。

 小鳥はまだ小学生だぞ!

「何を怒っているのですか」

「怒るわい! ……あのな、篝。俺たちの行為なんていちいち報告しなくていい」

「そうですか?」

「そうなの! 今後一切、小鳥に言うの禁止! わかった?!」

「……はい」

 渋々と。

 篝はシーツを被った。

 ……これは、後でみっちりと教え込む必要がある。

 篝のことだから俺の言うことなんて納得していないだろう。

 篝にとって、俺との性交すら、『良い記憶』に繋がる行為でしかないのだから。

 だが、――それを内心喜んでいる自分がいる。

 自分が情けない、と思いながらも、重い足取りで玄関へと向かった。

「入れよ」

 ドアを開けてからすぐに小鳥を招き入れた。

 誰かにでも見られるとマズい。ここは無人の家なのだから。

 腕を引っ張って小鳥を廊下へ放り投げるように突き離すと、急いで玄関の鍵を閉めた。

「誰にも見られてないだろうな?」

「…うん。……篝が、いるの?」

「俺が連れてきた。結界の中にずっといるんだから、たまには離れても問題ないだろ」

「瑚太朗君の家……ずいぶん久しぶりに来たけど、あんまり埃っぽくないね」

「親が手入れしてるんだろう。……そんなことはどうでもいい。何しに来た?」

「これ、…篝に」

 小鳥がポケットの中から出したものは。

 ハチドリに似た小さな魔物だった。小さすぎるが、見た目以上におそろしく精密にできている。……こいつ、これほど魔物作りの才能があったのか。

「篝に渡してあげて」

「なんだ、これ?」

「篝に頼まれていたの。瑚太朗君のいる場所を把握しておきたいって。これを飛ばせばいつでも瑚太朗君を探知できる」

「…………。俺を?」

「あとこの魔物を通して篝と心の中で会話できるようになれるから、何か伝えたいことがあればそれで」

 要するに。

 リードみたいなものか。俺は犬か。

 別に篝にどう扱われようと、どうとも思わないが。

(……まだ信用されてないってことか)

「瑚太朗君?」

「わかった、後で渡しておくよ。むしろ助かる。俺も篝との連絡手段を考えていたところだった」

「じゃあ、私、帰るね」

「小鳥」

「なに?」

「篝が結界から離れても問題ないのか?」

「…………。瑚太朗君が連れてるなら、ちゃんと戻ってくるんだし、別に。フラフラとあてもなく出歩かれるよりは、よっぽどマシ」

「篝が一人で結界から離れるよりはマシなのか」

「その魔物ね、作るきっかけは、篝が瑚太朗君に会おうとして結界から抜け出したからだよ」

「俺に?」

「まるで恋する乙女みたいに、瑚太朗君に会いたい、会いたいって……あの篝が」

「…………」

「責任、とってよね」

「なんの」

「篝を抱いた責任。瑚太朗君のせいで変わっちゃったんだから」

「変わったって……」

「前はあんなに人間っぽくなかったのに、どうしてああなっちゃったんだろ。鍵が人間なんかに恋するわけないのに」

 ズキッ――……

 鍵が人間なんかに……。

 違う。

 篝と何度も繋がって、ようやく篝の心に近づけた。……と思う。たぶん。

 正確に言うと篝が俺を愛撫してくれて、ようやく愛された実感が湧いたというか。

 鍵だろうと魔物だろうと、俺は篝が好きなんだ。……伝わるはずだ。きっと。

「……あ」

 小鳥が見上げた先に。

 階段から降りてくる篝がいた。

 しかも……裸のまま。

「……っっ!」

 慌てて篝に近づいてシャツを脱いで被せる。なんで降りてきた!

 しかも服くらい着ろ!

「小鳥、おまえもう帰れ!」

「……ああ、うん。お邪魔しました」

「小鳥、待ってください。瑚太朗、離して」

「いいからベッドに戻ってろって!」

「瑚太朗君……あんまり無茶させないでね」

 振り向いた先の小鳥の顔は、およそ小学生のものとは思えない気遣いの漂う苦笑だった。

 それにため息をついて見送ると、シャツの中で抱きしめた篝をギッ――と睨みつける。

「おまえ、わざとかよ!」

「なにがですか」

「小鳥に見せつけてるとしか思えないぞ! なんだその格好! し、しかも……」

 精液が……零れている。

 注ぎすぎた自分のせいでもあるが、篝の小さな股の間から白い精液がポタポタと垂れて、階段に染みを拡げていた。

「小鳥が瑚太朗に好意を寄せているからです」

「……っ?!」

「でなければあそこまで関わったりしないでしょう。隠しているつもりですが、小鳥は本気です」

「本気…って?」

「本気で瑚太朗を奪うつもりだということです。そんなことは許しません。瑚太朗は篝のものです」

「……!」

「瑚太朗、続きを。まだ2回しか出していませんよ」

「…………」

「それとも、小鳥に見られているようで怖気づいてしまいますか」

「……まさか。まだまだ物足りないくらいだ。小鳥なんか関係ない。……もう一度言ってくれ」

「なにを?」

「俺は篝のものだって」

「あなたは篝のものです」

「……本当だな」

「篝は本当のことしか言いません」

「そう…だったな。そうだよな。……篝」

「はい」

「その意味を、身体でわからせてやるからな」

 初めて。

 篝に手が届いた――そう思えた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 篝を抱いて2階へと上がった。

 歩けると言ってきかないが、歩くたびにこうも精液が零されると……自分のしたことを悔やみたくなる。

 あとで拭いておくが、今は。

 篝を大人しくさせるのが先だった。

「んぁ……っ!」

 ベッドに下ろすと同時に背後から貫いた。

 指を絡めとるように握りしめて、腰を思いきり引き寄せる。すっかり馴染んだ篝の中は、瑚太朗が入った途端に嬉しそうに襞の一枚一枚が反応して纏わりついてきた。

「あ、あ……っ、……っっ」

「く、ぅ……力を、抜け……」

 引き込む力が半端ない。

 こんなに貪欲だっただろうか。さっきと反応がまるで違う。明らかに何かが変わっていた。

 ――小鳥か。

 あいつの話を聞いていたのか。

 さっきの篝の言葉が本当なら。

 まさかとは思うが、小鳥に嫉妬……いや、まさか。

「…篝」

 繋がったまま覆いかぶさり、両手の指を絡めて拘束するような格好で耳元に囁いた。

「俺が小鳥にこんなことすると思うか?」

「…………」

「百歩譲って、あいつが16歳くらいに成長しても、たとえ巨乳になったとしても、俺はあいつを抱く気にはならない。なぜなら知ってるからだ。……小鳥の孤独を。もう小鳥は昔の甘え下手な女の子じゃない。誰もあいつを癒すことはできないよ。俺に縋りついているのは、俺しかそんな小鳥を知らないからだ」

「…………」

「おそらく小鳥はこう思っている。『いつか鍵とは別れるときが来る。そのときまで傍にいよう』――たぶんこんなところだろう。だけどな、俺はそんなつもりはまったくない。そう……別れるくらいなら、セックスなんてしない」

「…………」

「鍵だろうと大地の魔物だろうと、俺は篝が欲しいからこうしている。俺は天邪鬼なんだ。しつこい性格なんだよ。好きな女を手に入れるためなら、なんだって利用してやる。篝……おまえを手に入れるためなら、子供だってなんだって、孕ませてやる。ほら、利害が一致したろ?」

「……瑚太朗」

「ん?」

「あなたはバカです」

「……かもな」

「でも、そういうあなたも好きですよ」

 篝の中が瑚太朗を愛撫するように優しく包みこんできた。応えるようにイイところを探るように動きだす。

 すると――篝の喉が震え、歌声のような感じ入った甘い声が上がった。

 頭の芯が蕩けそうなほど……可愛い声。

 たまらず、胸ごと鷲掴みながら背後から抱きしめた。

「いまの、もう一回……」

 こんな天使みたいな喘ぎ声、初めて聞いた。

 篝の顎を持ち上げて口の中に指を挿しこみ、甘い吐息を引き出そうと再び奥を穿つ。

「  ……   ……   ……  」

 なんて言っているのだろう――理解不能な言語。

 だけど声の響きがたまらなく艶っぽい。そしてとてつもなく可愛い。今までこんな篝を見たことはなかった。

 背後で貫いているから顔が見えない。それがもったいなく思い、篝をひっくり返して両腕を背中に回らせた。

 再び――優しく膣内をかき回していく。さっきよりも緩やかな動きだが、突く強さはその都度増した。篝の感じるところを探りながらの動き。それが、……彼女を昂らせている。

「なんて……言ってるんだ?」

 謳うような喘ぎ声をもっと聴きたいが、我慢できずに訊いてしまった。

 すると篝は、クスッと小さく微笑んで瑚太朗の唇を吸い上げた。

「この遅漏……と」

「…おい」

「いま、星の胎内にあなたの個人データを送りました。セックスの手順から、射精に至るまでの間隔も」

「……すぐに削除してください」

「もうインプットしたので無理です。諦めてください。でも……篝だけしか閲覧しませんから」

「そうしてくれ。誰かに見られたら死ぬ」

「……瑚太朗」

「ん?」

「あなたはもう、……篝のものですよ」

「……ああ。……俺は篝だけのものだ」

「それでいつになったら出してくれるのですか」

「出されるのが一番気持ちいいのか?」

「一番気持ちいいのは、………………」

「なに?」

「教えません」

「な、なんで?」

「瑚太朗が答えを見つけてください」

「……おまえな。やり返すなよ」

「早く出してください。こんなに漲っているのですから」

「……わかった、じゃあ本気でいくからな」

 篝の腰を持ち上げる。

 期待をこめた眼差しを向けてくる星の申し子に、瑚太朗は幸せそうに微笑んだ。

 

 

 




ちょっと長くなりましたが、この辺で終わりにします。
またこの二人が読みたくなったら書くかもしれませんが(苦笑)
セックスがちょっと物足りないので、裏でもっと濃厚なものを書こうかな…w
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