「ああ、痒いいい──」
さすがに
耐えられる限界など、とうに越えている。
もはや痛みなのか、痒みなのかもわからぬ。
信じられないほど全身が熱い。
凄まじい性の疼きが、内臓をかき回すように荒れ狂っていた。
全身に塗り込められた油剤のせいだ。
特に、ただでさえ敏感な乳房、局部、肛門に重ねて塗られた痒みが、狂気に変わる。
だが、乳房もそうだが、ふたつの台に両脚を載せ、厠でしゃがむ姿勢にさせられている王進には、痒みを癒やす手段がない。
必死に腰を揺すり、乳房を振り立てるだけだ。当然ながら、そんなものでは痒みは収まらない。
それどころか、一瞬ごとに、痒みは膨れあがっていく気がした。
喘ぎ声が、喉の奥でつかえて、うまく吐き出せない。
胸の奥でわだかまった熱と、皮膚の上を這いまわる針の群れのような痒みが、理性を溶かし尽くす。
腹の底から呻きが漏れた。
気がつけば、王進は股ぐらを晒してしゃがんだ姿勢で、狂ったように腰を振っていた。
それが、刃物のように耳朶を裂く。
いま、こいつらの顔を見れば──どんな顔をしているかは、わかりきっている。
ああ、せめて──せめて人間としての矜持だけは、最後までと思っていた。
だが、その矜持を食い破るのがこの油剤だ。
股の間が火でもついたかのように疼いて、尻を床にこすりつけるたびに、わずかな快感と地獄の痒みが混じりあう。
呼吸が詰まる。
声にならぬ声が喉を突き破った。
「なあ……頼む……もう……もう許してくれ……。痒いいい──。痒いんだ──」
誰に言っているのか、自分でもわからなかった。
目尻を涙が焼いた。
額から流れる汗と混じって、床に滴る。
すぐ近くで、誰かが鼻を鳴らして笑った。
わずかに目を上げると、囲んでいる男たちの腰のあたりが見えた。
こいつらの下半身が、もう昂ぶっている。
そのことに気づいたとき、奥歯を噛んだつもりだったが、もう力が入らない。
痒い。
いまは、ただそれだけだ。
「なあ……殷天……殷天さま……頼む……痒みを……痒みを……」
だが、殷天は姿を見せない。
代わりに、またもや、丁元がまたげらげらと笑う。
地の底から湧いてくるような嘲笑だった──。
「ははは、痒いかい、先生。
正面に立つ丁元たちが、腹を揺らして笑い続ける。
そして、王進を囲むようにして腕を組み、にやにやと目を細める。
その視線を浴びながら、王進はひたすらに泣き声を洩らし、腰も胸も、前後左右に振り乱していた。
どれほど卑猥で、どれほど恥知らずな姿をさらしているか──だが、この烈しい痒みの前では、気に留める理性などとうに吹き飛んでいる。
「これがあの王進先生のなれの果てだと思うと、興醒めの思いだなあ。あの鬼のような強さには、多少の尊敬もあったのだが」
後ろで低く嗤うのは、将校の声だ。
将校といい、丁元といい、誰ひとり助ける気配はない。
それどころか、このざまを肴に愉しむだけの腐りきった根性だ。
こんな連中が、禁軍の一部などと──吐き気すら覚える。
だが、怒りを向ける暇もない。
この痒みが、理屈も誇りもすべてを塗り潰していく。
気が狂う──。このままでは、気が狂う。
「ああ、痒い──。な、なんとかしてくれ──。痒いんだ──。あああっ」
「なんとかとは、なんでい、先生? ちゃんと言ってくれないとわからないぜ」
「まったくだ。武術調練のときには、俺たちが反吐を吐いても許さずに、走らせ続けたくせに。それと同じだ。音をあげたって、許されねえぞ。それが調練というものだ」
「色情狂になるための調練だけどな」
周りの男たちが王進を揶揄いながら笑う。
だが、王進はあまりもの痒さで、もはや、それに恥辱を感じることもできない。
「もう許して──。犯してくれ──。犯してください。頼む。こ、これ以上は耐える力はないんだ──」
王進は股を拡げてしゃがんでいる身体を必死に振り乱して、懸命の哀願をした。
「ははは、ついに犯してくれと口にしたな。なあ、殷天先生、やっと音をあげましたぜ」
「痒いかい、王進。痒い股ぐらをなんとかして欲しいなら、男の口調はやめるんだね。女の口調で頼め。もし男言葉を吐いたら、そのまま明日の朝まで放っておくよ」
「うう……」
「どうせ無理して男の口調にしているのはわかっているんだ。本当は身も心も女になりかけているんだろう?」
目の前まで来た殷天が王進を嘲笑する口調で言った。
「わ、わかった……。いえ、わかりました……。この通りです。慈悲を──。お慈悲をお願いします」
王進は声を振るわせ、涙をぼたぼたと湧かせた。
泣くなど、あり得ないと思っていた。
だが、もはや感情を抑えつける力は、どこにも残っていない。
本当に、気が狂う──。
どれほど腰を振り、股を擦りつけても、狂うほど疼く場所に触れる術はない。ただ呻き、嗚咽を噛み殺し、身をくねらせるしかないのだ。
男言葉は、王進に残された最後の矜持のようなものだった。
殷天の言葉どおり、女体に変えられてからというもの、身体が思考を引きずるのか、心が女に近づきつつあるのを、王進自身がいちばん知っている。
おそらくいまの王進の性の相手は、男なのだろう。女の殷天に張形で貫かれるときは嫌悪しかなかったが、男たちに犯されるときのほうが、屈辱はあっても底の知れぬ嫌悪はない。
言葉ひとつも、女口調のほうが実際は楽だった。
だが──それだけは、認めたくなかった……。
「ふふふ、言っておくけどねえ。これを塗られて痒いのは女だけさ。そういう成分が仕込んであるのさ。さもないと、お前を周りの男たちが犯すこともできないからね。これがそんなにも痒いというのは、お前が本当に女になりきっている証拠ということさ」
殷天が、汗に濡れた王進の髪を掴みあげた。
女の髪だ。
顔を無理やり引き起こされ、嘲るような笑みをまとった殷天の顔が、目前に迫る。
口惜しさが、喉の奥をかきむしるようだった。
だが、頼るしかない。
この女なら、本当に狂い果てた姿のまま、夜を明かすことなど造作もない。
一箇月──この狂女の残忍さは、骨の奥にまで刻み込まれた。
「お、女です……。お、王進は女です……。だ、だから、お許しを……」
王進は泣き声を噛み砕きながら吐き出した。
それでも、痒みが全身を暴れ回る。
腰が勝手に揺れ、股が擦れ、じっとなどしていられるはずがない。
「ふふふ、哀れそうな女の顔になったじゃないか。いいだろう。じゃあ、こいつの急所にたっぷりと塗り足してやりな。尻の穴の周りにもだ。指じゃなくて筆でね」
殷天は髪を放すと、愉快げに高笑いした。
王進の顔が一気に強張った。
「そ、そんな──。ゆ、許して──。もう我慢できないんです──」
狂気の痒みに耐えるのが、すでに限界を超えているのだ。
そのうえに、さらなる油剤を塗り足すなど──。
王進は言葉を失い、耳を疑った。
「我慢できないからなんなんだい? お前の望みなんて、叶えてやれるはずがないだろう。まだわからないのかい。ずいぶん調教で教え込んだつもりだけどねえ」
殷天だ。
次の瞬間、凄まじい音とともに平手が王進の頬を叩いた。
「ああっ、もっと──。もっとぶってください。もっとおおっ」
王進は声を震わせて哀願した。
頬の骨がきしむほどの平手だったが、その刹那だけは、あの狂気の痒みを忘れられた。
痛みが快感にすり替わる。
すでに思考はずたずたに裂け、自分がなにを言っているのかさえ、王進にはわからなかった。
殷天の顔が、涙で滲んで揺れた。
「ほう、また泣いたのかい。仮にも禁軍の武術師範だった男が、そのざまだ。少しは耐えてみせな──、それくらいの痒みくらいね──」
「あ、あんまりよ──。そ、そのような……」
王進は甲高い声を漏らし、痙攣するように身体を揺すった。
「じゃあ、塗り足してやるとするか。だが、いいんですか、殷天先生? この油剤は重ね塗りをすればするほど、痒みが倍増すると聞いたが? 本当に狂い果ててしまうのでは?」
後ろの将校が、笑いを含んだ声で言った。
だが、殷天は口元を歪めて嘲笑った。
「この淫紋がある限り、気が狂うことすらできないよ。存分に苛めてやりな」
殷天は、王進の下腹に刻まれたこぶし大の紋様を、痛点棒の先でぐいと突いた。
王進の喉から、途切れた声が洩れた。
「あああっ」
王進は、ふたりのやり取りを耳にして、絶望の呻きを吐いた。
「じゃあ、そういうことだ。塗り足してやるぜ」
「じゃあ、俺は後ろを受け持ってやる」
丁元が口を歪めて笑い、もう一人の兵が台車の上に置かれていた筆を掴んだ。
王進の目の前で、「吠え油」の壺に筆先をどっぷりと沈める。
油がぬらりと滴り落ちるのを、わざと見せつけるように。
そして、次の瞬間、その筆が襲いかかった。
「ひあああっ──。いやあああ──」
王進の背がぴんと硬直する。
筆先が襲ったのは、もっとも敏感な陰核だった。
ぬるりとした油が、肉芽を前後左右にくすぐり、塗り込められていく。
「ひっ、ひいいっ、ひいいっ」
筆が肉の芽を探り、押し潰すように撫で回す。
頭の芯が真白になった。
烈しい屈辱と共に、甘美が全身を蝕む。
喉から漏れるのは、もはや獣のような声だ。
腰を引いて、どうにか筆先を逃れようともがくが──。
「おっと、こっちからも行くぜ」
背後から、尻の穴を責める筆が潜り込む。
しかも、二本だ。
「ひぎいいっ」
悲鳴だけが口からこぼれる。
腰を反射的に前へ押し出す。
「なんだ、もっと塗り足すのかい、先生?」
「前は三人でいくぞ」
新たな兵が前にまわり込む。
油のしたたる筆が、さらに三本、股間を襲い直す。
ぬらぬらと淫液のような油が、王進の股間に重ねて塗り込められていく。
全身が、痒みと熱と屈辱で、獣の呻きを絞り出すしかなかった。
「ああ、やっ」
王進は必死に腰を引いた。
自分でも、女のような悲鳴だと思ったが、もう気にしている余裕などなかった。
だが、逃げた腰をすぐに背後の筆が追う。
身体を裂くような痒みが、全身を食い荒らす。
「あああっ、もう許して──。お願いです──。ああああっ。た、頼む──。もう殺して──。殺してええ」
王進は喉も張り裂けんばかりに叫んだ。
声は、泣き声でもあり、獣の咆哮でもあった。
「心配はいらないよ。お前の泣きべそに免じて、悩みは解いてやるよ……。持っておいで」
殷天が低く笑みを漏らし、筆責めを止めさせた。
代わりに、人垣の向こうにいる兵たちに声をかける。
しばらくして、ふたりの兵が、何かを運んでくるのが見えた。
王進の視界が、怯えと絶望で揺れた。
運ばれてきたのは、脚付きの小さな台だった。
台の広さは、手の指を二本拡げたほどの四角形。
その中央に、男根を模した張形が、天を突くように直立している。
根元は台に深く埋め込まれ、びくともせぬ造りだ。
三本の細い脚が、その台全体を支えていた。
それを殷天が王進の股の下に置かせる。
「痒みを癒やしたければ、思う存分にこれで自分の股をほじりな。お前の下に置いてやる。禁軍武術師範だったお前が、これだけの見物人の前で、みっともなく張形遊びができるんなら──好きなだけやるといい。もっとも、脚は細くて不安定だ。あんまり勢いよく腰を突っ込むと、ひっくり返るかもね。気を付けな」
殷天の声が、吐息に乗って耳朶を叩いた。
王進の背が、ぎくりと震えた。
殷天が設置させた張形付きの台は、三本脚で支える造りだが、脚はあえて広げずに据えられている。
高さも調整できるらしく、張形の先端は、しゃがんでいる王進の腰のぎりぎり下に収まるように合わせてあった。
その不安定な台が、王進の股の前にぴたりと密着する。
「だ、だめだあっ」
口から洩れた声は、すでに女の嗚咽に近かった。
自ら張形を求めて腰を下ろすなど──。
だが、躊躇いは一瞬だった。
王進はしゃがめた腰をわずかに浮かせると、脚を開き、ゆっくりと前へと腰を出す。
張形の先端が、熱を帯びた股間に触れる。
位置を探るように、震える尻をすり寄せる。
触れた──。
刹那、身体の奥底が熱に焼かれたような錯覚が走る。
狂ったように腰を突きたてたい衝動を、歯を食いしばって堪える。
台の脚が倒れれば、すべては水の泡だ。
「ああっ、いいいい……」
張形が、痒みの芯を押し広げて埋まっていく。
疼く場所が抉られた瞬間、刃で斬られたような熱い快感が腹の底を貫いた。
王進は喉をひくつかせ、背をぶるぶると引きつらせた。
「ああっ──」
甘美の深みに、意識が飛びかける。
反射で腰が弓なりに突き上がり、脚付きの台がぐらりと揺れた。
はっとした。
倒れる──。
背筋を冷たいものが走り、慌てて腰を止める。
「ははは、言っただろう。倒さないように気をつけるんだ。お前の足台とは違って、こいつの脚はただ置いてあるだけだ。妙な動きをすれば、すぐに転がる。ゆっくりと律動しな。しっかりと股間で締めつけるんだ」
殷天の声が、耳朶を嬲るように嘲笑を含んだ。
王進は、その声の底に隠された意地の悪さを、身に沁みて理解した。
これほどの痒み責めを受けては、さすがの王進も、狂ったように膣を張形で掻き回したい。
だが、股の真下に置かれた張形は、三本脚の頼りない台の上。
見えぬまま、腰だけで律動しなくてはならず、どうしてもゆっくりと、慎重に腰を落とし上げするしかない。
発狂寸前の痒みを抱える王進にとって、唯一の救いだ。
倒してしまえばすべてが終わる。
この命綱だけは、失うわけにはいかないのだ。
だが──。
こんな緩慢な速度で、どうにかなる痒みではない。
癒やされそうで癒やされない、焦燥が腹の奥を締めつけた。
それに、高さが足りない。
どれだけ腰を落としても、張形は膣の半ばまでしか届かない。
奥に疼く場所には届かず、そこだけがさらに灼けるように痒みを増す。
「あああっ、こ、こんなのないいい──。も、もっと高くして。ひんっ、ひんっ、ひっ」
王進は腰を震わせ、泣き声混じりに懇願した。
あと少し、ほんのわずかでいい。
奥に届けば──。
「ははは、浅ましいねえ。倒したら、また放置だ。お前に与えられるのはそれだけだ。それに、女の穴だけでいいのかい? 尻の穴も痒いんじゃないのかい?」
殷天が肩を揺らして嘲笑った。
その通りだ。
股の疼きはわずかでも癒やされたが、まだ手つかずの尻の穴は、逆に痒みが暴れ回る。
「ああ、見ないでくれ──。あああっ」
王進は、腰を持ち上げ、いったん張形を抜いた。
さらに前に腰を出し、尻の穴を狙う。
だが、位置が遠い。
腰を深く前に落とさねば先端が当たらない。
無理に動けば、細い脚が倒れかねない。
恐怖が、王進の腰を縛った。
それでも、かろうじて先端を肛門に当てることには成功した。
けれど──。
「あああ、届かないいい──。届かないいい──」
長さが足りない。
固定された角度では、張形の先端が肛門の表面を擦るだけ。
奥に押し込もうとすれば、台がぐらりと揺れる。
結果として、むしろ痒みは倍に膨れ上がるだけだった。
「あああ、酷い──。酷いいい──。許して。もう犯して──。この女体の王進を……雌犬を皆さんで犯して──。犯してください」
王進は、喉を裂くように錯乱の声をあげた。
「まだだよ。痒みを癒やす手段は与えただろう。我が儘言うと、これも取りあげるよ」
殷天の指先が、張形付きの脚台に伸びてくるのが見えた。
王進は、恐怖に打たれたように身体を揺らし、首を振った。
「いやああ。だめええ──。それだけは──」
「じゃあ、大人しく自慰をしな。それと、ほかに痒い場所はないのかい? 乳首も物欲しそうに勃起してるじゃないかい」
言われるまでもない。
股だけではない。胸の突端も、痒みで灼けついている。
もう、恥も外聞もない。
欲しいのは、僅かな慰めだけだ。
「お、お願いします──。胸を揉んで、揉んで下さい──。いえ、叩いて──。痛いくらいに捻り回して──」
声を張り上げた瞬間、周りの男たちが一斉に哄笑した。
「仕方ない。刺激してやりな。ただし、筆でね」
殷天が肩を震わせて笑う。
笑い声が、王進の鼓膜を突き刺した。
「ああ、そんなああっ」
泣き声を洩らす間もなく、複数の筆が王進の胸に伸びてくる。
思わず腰が逃げ、身体が仰け反った。
「あっ、いやあっ」
その瞬間だった。
わずかに尻の穴に噛み込ませていた張形が、腰の動きで押されるようにぐらりと傾いた。
気づいたときには、遅かった。
台の細い脚が音を立てて、床に転がった。
終わった──。
王進の背を、冷たい絶望が舐めた。
「倒したね。じゃあ、懲罰だ。五人ずつ交代でくすぐり責めだ。ありとあらゆる方法で、息がとまるほどに笑わせてやりな。心配はいらない。淫紋を刻まれた女は簡単には死ねない。本当に呼吸を止めるくらいに責めていい」
殷天の声が、空気を裂いた。
「そ、そんな。許して──」
王進は泣き声を搾り出した。
だが、その悲鳴すら、殷天の冷たい嘲笑に飲み込まれた。
「ただし、絶対に気をさせるんじゃないよ。間違ってこいつに気をやらせたら、痛点棒の罰だからね──」
周囲に笑い声と歓声が湧き起こる。
あらかじめ仕組まれていたのか、すぐに五人の兵が前に出た。
王進の後ろ手の縄が解かれる。
代わりに、天井から垂れた鎖に付けられた枷が、王進の両手首を掴んだ。
そのまま両腕を上へ引き上げるように吊られた王進は、無様に胸をさらけ出す形になる。
逃げ場などなかった。
男たちの指と刷毛が、すぐさま脇の下、脇腹へと這いまわる。
「ひあああっ、ああっ、やめええっ、いひゃあ、あはははは、ひゃはははは、や、やめて──。くすぐらないで──。ははは、いやあああ──」
淫紋が刻まれて以来、王進の肌は他の誰よりも敏感だ。
指先が触れるだけで、息が詰まるほどの痺れが奔る。
狂ったように震え、もがき、笑い声を噛み殺そうとしても、喉が勝手に弾ける。
鎖に吊られた王進の身体は、男たちの手に嬲られながら、引き攣るように笑い続けた。