乙女と野蛮な冷鱗 作:モニター
イグレは言葉を発する事なく、タマラの身体を撫でる。爪をたたないよう、手のひらを当てるような触り方だ。タマラは抵抗する事なく、イグレの手が肌を滑る感触に身体を振るわせ、固くする。しかし彼の肌とは対照的な熱い吐息が首筋に当たると力が抜ける。
「んっ……」
タマラの口内にイグレの舌がゆっくりと、しかし確実に侵入し、支配してくる。二つに分かれた舌先がタマラの唇を縁取るように舐め、狭い隙間からこじ開けるように口を開かせる。蛇のように長く太い舌は彼女の舌、舌の裏、歯茎を舐めとるように蠢く。
「けっ……けほっ……」
更にその舌がタマラの喉の方まで滑り込んでくる。軽い異物感に嗚咽するタマラ。身を捩るがイグレの大きな手は彼女を逃してくれない。しかしタマラの皮膚を裂いたり、骨を軋ませるほどの力はいれていない。
タマラを逃さず、イグレの舌は彼女の口内をゆっくりと舐め尽くす。
「んんっ」
やがてイグレの舌は巻き取られるようにタマラの口から離れた。二人の唾液が混ざった粘液がきらめく糸を引く。
「はあっ はあっ はあっ」
タマラはイグレに再びその身体は撫でられる。今度は少し力が入った、マッサージするような手つきだ。大きく、筋肉質な手が胸、腹、腰を滑る。せめてもの抵抗と絡めていた身体は血液の流れと共に熱を持ち、ほぐされていく。熱と共に痺れるような感覚が体の奥底から湧き上がってくる。
この瞬間をタマラは苦手に思う。自分が自分でない何かに作り変えられてしまう、そんな感覚が怖い。
「イグ、イグレ……さん。もう……やめ」
タマラが懇願を言い終える直前、タマラの腰は持ち上げられる。そして足を開らかれ、そのトカゲのような頭が股間に入り込んでくる。タマラはあまりの恥ずかしさに顔を覆うが、ふくらむ秘所の入り口が舌でなぞられる感覚にくすぐったさまで植え付けられる。
「ひっ ひぃっ ひっ ああっ!」
すぐに別の感覚に襲われる。イグレの舌がタマラの中に入ってきたのだ。その舌はやはり長く、精密だ。タマラの弱いところは簡単に暴かれ、蛇に噛まれた獲物のように刺激される。瞬間、タマラの頭に電流が走ったような感覚が突き抜ける。
「ああっ! あうっあっ! ひああっ!」
絶えきれずに悲鳴のような喘ぎ声が勝手に喉の奥から飛び出てくる。自分の中で未知の生物が這い回っているような違和感と快感がまぜこぜになった、複雑な感情の発露だ。イグレはその声を聞いてか、それとも彼なりのペースなのか、さらに深く愛撫をしてくる。子宮口すら舐め尽くされる。
「ーーーーーッ!」
タマラの忍耐が潰え、激しく達した。身体が弓の様に反り返る。激しく痙攣し、自分の体が一瞬壊れたかと錯覚する。
「ーーーーーッ! はァッ はァッ はァッ」
そして全ての力が抜けて脱力する。タマラの大きな胸は汗とともに溶ける様に左右に広がり、彼女の激しい息遣いに合わせて上下する。
ふとタマラが顔を上げると、イグレの金色の目と視線が合う。やはり無表情で何を考えているかはわからないが、興奮に濡れたタマラを眺めていた。そして、タマラの身体をベッドに下ろすと、腰巻きを取ってそれを見せてきた。
「っ!」
いつ見てもタマラは息を呑んでしまう。ピンク色で、細い血管が走っている。彼女の膝から指先ほどもある、巨大なモノだ。
タマラはイグレに抱き上げられ、尻を掴まれる様に持ち上げられる。そしてモノは先端を先ほどまで舐め尽くされていたタマラの秘所に当てがわれた。
「ま、まっ」
静止の声も届かずにタマラの中に、ゆっくり、ゆっくりと、モノが侵入してくる。
「あっ! あっ! ああっ!」
抑えきれないほどの悲鳴がタマラの口から溢れ出る。目が勝手に大きく見開かられる。何度されても慣れない圧迫感により涙が溢れ出る。しかし、同時に凄まじい快楽も湧き上がってくる。
顔をぬらりとした物が撫でる。イグレの舌に顔を伝う涙を舐め取られたのだ。嗜虐なのか、愛情なのか、わからない。不安になるがその不安はかき消される。
「ああっ!」
イグレの腕がタマラの尻を掴んだまま身体を上下に動かしてくる。タマラの秘所はイグレのモノをしゃぶらされる。身体が揺れるごとに圧迫感と快楽に溺れそうになる。
「ひっ ひぎっ いいっ!」
タマラは涙に霞む目でイグレを見る。するとイグレは口を開き、蛇の様な舌を再びタマラの口の中に忍ばしてくる。悲鳴の沸く口に栓をされた様なもので、逃げ場のない発露はタマラの全身を駆け巡る。
「おっ おっ おぅっ おっ」
視界が暗くなる。目がぐるんっと上を向いたのだ。そのままベッドに寝かされたかと思うと、イグレのモノが動き始めた。それも素早く、しかしタマラの奥を突くように力強い。
「おお おう おおっ」
素早く、力強く、正確だ。そして最後に一際強く突き上げられる。
「おごぉッ!」
イグレの動きが止まった。瞬間、タマラは腹の中が熱くなるのを感じた。彼の欲望が、彼女の中に吐き出された。染み入るように、その熱はタマラの全身を駆け巡る。同時に絶頂したため、彼女の神経はぐちゃぐちゃにかき乱される。
「おっ おっ おうえっ」
口の中から異物感が消える。イグレの舌が抜かれたのだ。朦朧とするタマラの頭に、イグレの荒くなった息遣いが響く。
「タマラ…………お前は、美しい」
それはタマラを賛美する声だったが、タマラは知っている。この言葉が出てきた時は、一回では済まないことを。案の定、イグレの舌が身体を舐める感触を受ける。
タマラはどこか他人事のように「やっぱり、今日も眠れないな」と思う。意識を手放すこともできない。意識を手放しても快楽により叩き起こされるからだ。
タマラにできるのはただ、このリザードマンの欲望を一身で受け止めることだけなのだ。