※この作品はR-18です。

妹は無表情   作:ムッツリーニ

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燃えつきるほどヒート

定期的に出てくるゴブリンは叶華の視界を汚す前に細切れにし、初めての探索は順調に行っているかに思えた、が。

 

「ぐぅぅっ!?」

 

「!?お、おい大丈夫か!やっぱり天敵者との戦いで怪我してたのか!?」

 

な、何だこれは、我慢が出来ない!

 

下半身が燃えるように熱いっ!(・・・・・・・・・・・・)

 

下半身と言うか主に股間部がっ、熱いっ。

 

「え?あ、ま、そりゃそうか・・・あんだけバケモンぶっ倒してたらレベルアップもするだろうな・・・。いいぜ、じゃあ思ってたんと色々違ってたが、ここらで一発ヤっとくか?」

 

「は・・・?一発?」

 

何を言ってるんだコイツは、俺の非常事態に訳の分からない事を言い出した誠一。すると彼はおもむろに麻衣さんの手を掴み、背後から抱きつく。

 

「お、おい!運命の人だとは言ったが性急過ぎるだろっ!まずはお友達から始めなさい!」

 

「は、はぁ?いや、ちんこが辛いんだろ?ならするしかねぇだろ。あぁ、知らないのかも知れねぇけどそれセックスしないと治らないからな。てか外でモンスター的なのを倒してた時はどうやってたんだよ」

 

セック、セックス?セックスって言った?

 

「ななな、何を、貴様妹の前でセックスって言ったか!?」

 

「高校生にもなってなにそれくらいで顔真っ赤にしてんだ・・・」

 

「可愛いです」

 

「うむ、兄さんは可愛い」

 

「確かに、ちょっとかわいーかも」

 

なんでそんな話になるんだ!外でモンスター倒してた時って、そりゃあ多少ムラムラする事はあったけど寝れば治るだろこんなの!ちょっと今回のはレベルが違うけど、多分、治るよな・・・?

 

「治んねぇって、いやまぁお前のスキルにそういうんがあるんならそうだろうがよ。少なくとも俺は治らねぇ、てかさっきからパーティ組んだお前がポンポン敵ぶっ殺してるからか、流れ弾でムラムラすんだよな、な、麻衣、良いだろ?」

 

「っ、う、うん・・・」

 

「いいわけあるかぁ!不純異性交友禁止!汝純愛を愛せよ!」

 

何がどうなったら運命の相手とは言え、出会って数日で即合体が許される方向に話が進むんだよ、我慢すればいい話だろ!?つぅか妹の前で下半身を出そうとするな!切り落とすぞ手刀で!

 

「・・・流石にそこまで言われたら萎えたわ。だが絶対に我慢出来ない時が来るからな。お前も静香に話付けとけよ。妹ちゃんでもいいけど」

 

とりあえずは、麻衣さんの胸をまさぐる手は止められたらしいが、納得はしていない様子、俺も大概だけど、お前も相当な隠し事してるよな誠一?何か、俺達の知らない事柄を知っているような口振りの誠一は、盾と警棒を持ち直して辺りを警戒する。

 

「まぁ、な。コレでも一応感謝してんだ。今度余裕のある時に話してやるよ。お前のお陰で、死なずに済みそうだからな」

 

死なずに・・・?あぁでも確かに、さっきの風圧は外での雑魚なら切り刻まれるというより圧死して塵となるが、あのゴブリンは少しばかり耐久力があった。感覚的にはそこいらの大人が束になっても敵わない様な相手だった気がする。

 

「も、もしかして、これ、命の危機がある様な実習・・・?」

 

「ん?あぁ、そうだな。知ってるやつは知ってるかもしれねぇが初回の探索は一方通行、死に戻り前提だ。最近はなんでか、こっそり生き残ってる奴も増えてるらしいが。おい、どうしたよ」

 

そんな話を聞いて、下半身が熱い程度で立ち止まってはいられない。俺は震える膝に喝をいれ、ゆっくりと立ち上がった。

 

「助けに行く」

 

「はぁ?助けるったって何処にいるかも、あぁ、縁結びの力とかか?だがそんな膝プルプルで間に合わねぇだろ、ここはお前が思ってるより断然広いぞ」

 

「それでも助けに行く」

 

1歩1歩、確かに足取りは重いがそれは立ち止まっていい理由にはならない。例え死に戻るのだとしても、学友が命の危機に晒されているのにちんこが熱くて助けられませんでしたでは俺の矜恃が許さないからな。

 

「あらぁ、えらい男前やねぇ。立っとるんも辛いやろぉに」

 

「っ!誰だっ!」

 

俺達しか居ないはずの空間に、突如聞きなれない女の声が鳴り響く。

 

「でもあんさん、それは無謀ちゅうもんですわぁ。出すもん出してすっきりせんと、間に合うものも間に合いませんよって」

 

「嘘だろ、これ『ショップ』か?ば、馬鹿な、し、信じられねぇ、あの伝説が本当だったとは・・・・・・!!」

 

「知っているのか雷電」

 

「思うてたより余裕ありはります?」

 

嘘ですちんちん爆発しそうです。冗談言ってないと耐えられないだけです。

 

「あらあら、えらい正直に・・・。そんならそこな胸のおぉきい娘さんとなかよぉしたらええでっしゃろ。満更でもなさそやし」

 

「いや、そんな事相手の事をよく知らないとしちゃだめでしょ・・・!」

 

娘さんの方は一方的によぉ知ってはるみたいやけど・・・、とか何とかよく分からない事を言っているが、ほんとに誰だこの人。はだけた着物に目がいってしまう、俺のちんちんが爆発する前に教えてくれ誠一っ。

 

「ダンジョン七不思議の1つ、何でも売ってるダンジョン商店って奴、だと思う」

 

「よぉ知ってはるなぁ。そう、あてこそは穿界迷宮YGGDRASILL、露店精霊スケッギョルド、って、あら。お兄さんと妹さんはあての名前が聞こえるみたいやね。お兄さんは・・・こら驚いた」

 

スケギョ、スケットギョ?よ、呼びにくい。なんせ長耳のお姉さんは商店を経営している、露店精霊という物らしい。

 

「な、なら、この性欲をすぐ抑える様なものも売ってないですか!?」

 

「売ってはおりますけども。すぐにとなると相当対価頂かなあかんよ?」

 

「対価って、どんな・・・?」

 

そうですねぇ・・・、とお姉さんはしばし考え込む。グツグツと燃えるような股間の熱が、確かに誠一の言っていたように我慢出来る限界を越えそうになっている為早くしてもらいたい・・・!

 

「このダンジョンに入りはるのを学園のノルマ達成出来るギリギリの回数に、妹さんが必要だと判断しはったんならその都度参加しはるんは良しとしましょ。それでええんなら、すぐにでも」

 

「乗った!」

 

「ちょ、ちょっと待った!そんな条件だと攻略がっ」

 

「心配なさんな誠一さん、お兄さんらならコレでもぜんぶ上手く行きはります。ちょおっとばっかし、正史とズレすぎとるんで、ここらで修正しとかんとね。お兄さん方にはなんの罪もあらへんから。あてが勝手にやっとるだけや」

 

誠一とお姉さんが何やら話をしているが、茹だっている頭に意味のある言葉として入ってこない。

 

「鬼さん8人と、黄泉醜女1人、オマケに小鬼が少々。そんな経験値がオーバーフローしはったら誰彼構わずおそうても仕方あらへんのに、凄いお兄さんやね。変な事はせぇへんよって、妹さんも安心しぃ。あっ、その衣はえらいアレなやつやから後で回収しまひょか」

 

ほな、お兄さんだけ中へとどうぞ、俺はお姉さんに誘われるまま店の奥へと足を踏み入れた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「妹ちゃん、なんでとめなかった!?あんな条件付けられたら、縁はダンジョン攻略もマトモに出来ねぇだろ!・・・あ、あれか?ずっと縁の力が必要だって言い張るつもりなのか?」

 

縁がカウンターの奥に入った途端、そこは元から壁であったかのように店が消えてなくなる。

 

「いや、アレはそういった事を許す存在じゃない。元々兄さんにはそんなに手伝ってもらうつもりではなかったから、兄さんの気が済むならそれでいい」

 

訳が分からねぇ・・・!なんだってこんな奇想天外な状況になってんだよ!?学園の歴史上常に羅城門と共にあった守衛がぶち殺されたり、不死身であるはずの天敵者がケツぶっ叩かれて昇天したり、風圧でゴブリンぶっ殺したり、挙句ショップと契約してダンジョン探索禁止!今日一日で一生分驚いた気分だ。クソ兄貴になんて説明すりゃいいんだよこんな事。

 

壁を睨みつけながら思考をめぐらせていると、ふっと、存外早く店が戻ってくる。勿論2人も一緒だ。

 

「っ!お、おぉ、早かったな縁。気分はどうだ?」

 

「・・・!女っ、貴様変な事はせぬとっ、謀ったな!」

 

「叶華ちゃん!?」

 

ギィン!

 

ギョッとした。いきなり怒鳴り声を上げた妹ちゃんが、警棒を片手に精霊へと殴り掛かったからだ。あぁもう、この兄妹は何度も驚かせてくれるなぁっ!

 

「嫌やわ妹さん、なかよぉしまひょ?同じ人を愛する仲間やんか・・・♡」

 

・・・ホントに、驚かせてくれるよ。

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