※この作品はR-18です。

妹は無表情   作:ムッツリーニ

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悪友との会話

「・・・またか」

 

溜息をつこうとするが、今の状態でつくのは危険だ。

 

代わりに淫臭(・・)に満ちた部屋の空気を吸い込む事になる。

 

何時だったかを皮切りに朝起きると俺の部屋には謎の淫靡な香りが在るようになった。妹は俺に似て一度寝静まったら早々起きないのでバレていないと思うが、思うにコレは夢精なんじゃないかと思っている。何故なら朝起きると淫臭がし、夜になるにつれて高まる俺の性欲が綺麗さっぱり消えていて、なんか俺の下半身がしっとりしているからだ。

 

妹が常にそばにいる(風呂もトイレも近くにはいる)状態でおいそれと性欲を処理する事は出来ないため、この歳になっても自慰行為の経験は殆ど無いがあのムラムラした気持ちが消えている現状を説明出来るのは噂に聞く夢精しかないと思う。実の所、淫夢らしき物も見た記憶があるのだ。それも毎回、詳しくは分からないが複数人で違う女の人としているような夢を。

 

昔の記憶(・・・・)が悪さをしているんだろうか?あの頃は夢のような日々だったからな・・・。俺の人生唯一のモテ期と言っても過言では無い。

 

なんせ、助かることは助かるが、妹にバレないかヒヤヒヤしながら片付ける身にもなって欲しい。まぁ妹は俺に似て鈍い所があるので今の所バレていないが。片付けて換気をし、軽くシャワーを浴びて部屋に戻ると叶華はもう目を覚ましていた。俺の睡眠時間は何時もきっかり8時間、妹もそうだとすると妹は俺が寝たらすぐ後に布団に潜り込んできているんだろうな・・・。

 

妹の好意は嬉しいが、幾ら妹とはいえ女体に抱き着かれては節操の無いこの身体は反応しかねないので勘弁して頂きたい。

 

「おはよう兄さん、よく眠れた?」

 

「あぁ、おはよう。ばっちりな」

 

「良かった」

 

軽い朝の挨拶を済ませ、朝食を摂る、何時もの日常である。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

『はぁ!?お前らあの学園に来るのかよ!?』

 

「あぁ、学校の担任と、妹に勧められてな。なんかようわからんけど良いところらしい」

 

『そんな単純なとこじゃねえって!確かにここ数年は相当マシになったみてぇだけど・・・っ!』

 

焦る悪友の声に、もしや俺は選択を誤ったのかと思ったが、それを問い掛ける前に妹に電話を取られてしまった。

 

「だが誠一ーーあっ」

 

「兄さんは忙しいから掛けてくるな」

 

ブチッ。無常にもブチ切りされてしまった。久方振りの交友だったのに・・・。

 

「兄さんはあの男と話過ぎだ。もっと私と話すべきだと思わないか」

 

「誠一との会話の比率、全ての合計が10割だとしたら1厘にも満たないんだが・・・」

 

「私が9割9分9厘9毛なら許す」

 

1毛!?そんなの挨拶したら会話残高空っぽになるだろう。いや、妹の母数が大き過ぎるから近況位は聞けるか・・・?

 

いやいやなんで制限下で頑張ろうとしてるんだ、俺も妹に対して過保護なところはあるとはいえ制限するのは男と2人っきりで出掛けること(人生で1回も見た事ない)くらいで会話は流石に制限してないぞ(してなくてもほぼ話さない)

 

妹の束縛が重すぎる。

 

誠一、誠一の軽薄な成分で薄めなければ・・・、後で隙を見てこっそりかけよう。

 

「学園行けばどうせ無線機器はネットに繋がらないし、必要無いだろう。このスマホは価値があるうちに私が売却しておく」

 

なんでや!オフラインゲーム位楽しませてくれ!

 

誠一、妹が酷いんだ、なぜ無表情でここまで惨いことが出来るんだ妹よ。でもそんなお前も美しいよ。

 

国立豊葦原千五百秋水穂学園、何をする所なのかさっぱり知らないし調べても何故か何も引っかからなかったし、調べる為の端末も失われてしまった今その学園について知る事はあまり多くない。だが妹の熱烈な後押しと家の財布を妹に握られているという物理的な事情と担任の推薦により、俺達2人と、あと悪友の小野寺 誠一もその学園に入学・・・入園?する事が決まっていた。俺は4月生まれで、妹は3月、兄弟で同学年なのだ。

 

誠一はなんかやる事があるから行くって言ってたが、たまたま俺達と行く学校が被るなんて相当強い縁で結ばれていたみたいだな。まぁなんか最近俺に似て縁を見る力と縁切りの力に目覚めてる気配のある妹が切れない位には強い縁らしいのでそれも当然か。

 

誠一には俺と叶華、あとは多分妹さん、それ以外にやたらと太い謎の縁が1本伸びているので、もしかすると学園で出会ったりするのかもしれない。運命の赤い糸(白だが)に結ばれた2人、廊下ですれ違う時、何かを感じて振り返る、そこで偶然目と目があい・・・。純愛だね。純愛はいい物だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「妹様、学園で、我らのあの方への対応は如何しましょうか」

 

「いずれバレると思うが、なるべくは隠しておきたい。兄さんに怒られたくはないからな」

 

「承知致しました」

 

暗い路地裏、船坂家から少し離れた所で船坂叶華と謎の女は密談をする。

 

「で、では今夜のご褒美を・・・♡」

 

「む、そうだな。そろそろ向かうとしよう。ちょうど兄も寝た頃だ」

 

発情したように息を荒らげる女の欲しがるご褒美とは!?

 

船坂縁が寝ていて何をしようが起きない事と関係あるのか!?

 

お願い、目を覚まして船坂縁!

 

あんたが今ここで眠ったら、息子の平穏はどうなっちゃうの?

 

可能性はまだ残ってる、確認するまでは童貞なんだから!

 

次回 船坂縁 喰われる デュエルスタンバイ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・またか」

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