※この作品はR-18です。

妹は無表情   作:ムッツリーニ

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おや?守衛達の様子が・・・?

???「縁君来たっ♡縁君来たっ♡んんっ♡」

 

???「くっそぉ♡なんでオレのクラスじゃねぇんだよっ、縁っ♡」

 

???「あちゃ〜、姉御は外れっすか〜。荒れてそうっすね」

 

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「はぁ、マジ憂鬱」

 

「あっは。初めてだから緊張しちゃうね」

 

「ですね〜」

 

「静香ちゃん、全然緊張してなくない?」

 

噂に聞く二日酔いに悩まされることも無く、問題無く二日目の実習に向かうことが出来た。全員に警棒と透明な盾が渡され、それぞれ緊張の面持ちで先生の話を聞いている。

 

「・・・眠い」

 

「ちょっと縁君、今からダンジョンなんだよ?大丈夫なの?」

 

そんな中俺は、二日酔いは無いが睡魔に襲われていた。夜中まで飲まされて居たので何時もの様に寝ていたら朝起きる事が出来ない。俺は高校生初日にして未成年飲酒と徹夜からの授業と、中々の悪になってしまっている。

 

別に意識が落ちそうになる訳では無いが、寝れていないのは少し辛い。

 

「・・・」

 

担任の先生が何かを説明しているが、俺はそれよりも何かこちらをニヤニヤと、下衆な笑みを浮かべながら見つめてくる門番の男共の方が気になる。いや、あの雰囲気は・・・人間じゃ・・・?。

 

「(あの右の方、随分と色気のある・・・)」

 

「(儂はあの左の者の方が好みじゃのぉ、あのへらへらとした表情が歪むのが、また。楽しみじゃ)」

 

ギリッ

 

「下衆が・・・」

 

「ゆ、縁?」

 

色気、へらへらとした表情、そしてあの2人の隠そうともしていない劣情の混じった下劣な視線。小さい頃から何度も見て来た、女性を食い物にしようとしている男の目だ。そして俺はそういったものは我慢ならないたちである、なんで門番なんてやってるのか知らないが人間でないならちょうどいい、俺の目覚ましに付き合ってもらおうか?

 

「先生、ダンジョンダイブの先では、ゴブリンが出てくるって聞きましたけど」

 

一応、確認は取らないとな。

 

「そこのゴブリンは、殺してもいいんすか?」

 

ザワザワと、周りの人間がにわかに騒ぎだす。

 

「待て、ゴブリンとは、もしや儂らの事を言っておるのではあるまいな」

 

「テメェら以外に誰がいんだよ」

 

「おい、縁!?」

 

焦った様子の誠一が俺の腕を掴んで止めようとしてくるが関係無い、ちょっとばかり寝不足でイラついてんだ。それに、妖怪を殺しても問題になんかならないだろう?

 

「ハッハッハッ、右の、儂らがゴブリンじゃと!」

 

「左の、笑っておる場合か。此奴、俺ら鬼の誇りを侮辱しおった。少しは見れる男かと思ったが、死にたいようだな!」

 

「縁!謝れっ!お前が地元でどんだけ強かったのか知らねぇけど、その2人は次元が違うんだよ!殺されるぞ!」

 

「黙れよへらへら(・・・・)としておるだけの情けのない男の。お主の出る幕じゃあないわ」

 

その言葉に、俺の中の怒りのボルテージはもう一段階引き上げられる。

 

妹や周りの子達に汚らわしい欲を向けて、俺の友人まで侮辱したのか?このゴブリン共は。不快だな・・・。そんなに死にたいなら殺してやろう。

 

「縁君(・・)、良いわよ。好きにして」

 

懐かしい呼び方、何処かで聞いたような声に頭の奥で何か思い出しそうになるが、それよりも今はコイツらだ。

 

「掛かってこいよ小鬼共、圧倒的に殺してやる」

 

「抜かせ小僧っ!」

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俺の戦闘スタイルは基本的に徒手空拳だ。基本的にというか下手に刃物を持ち運ぶ訳にも行かないので当然なんだが、そもそもこういう謎妖怪には包丁やら金属バットは何故か効果が薄い。余り刃は通らないし、バットも簡単に曲がってしまう。

 

だが神通力を込めた拳であれば面白いように効くから愛用しているのだ。

 

「ぐっ!?この小僧、何故このようなチカラをっ!?」

 

「本気で殺るのは初めてかぁ!?腰が引けてんぞオラァッ!」

 

意気揚々と飛びかかってきた一人称が俺の鬼、俺鬼は挨拶がてらに一撃当てると見るからに動きは精彩を欠き、及び腰で防戦に回るのみになった。最初の強気な様子から余りに情けない姿に思わず笑ってしまう。

 

「ビクビクと隙を伺ってねぇで掛かって来いよ儂鬼!情けねぇやつだなぁおい!」

 

「貴様っ、儂を誰だとっ!」

 

少し挑発してやると、予想外の展開に戸惑っていた儂鬼が襲いかかってくる。単調だし、欠伸が出る程に遅い。

 

「ジジイもう歳なんじゃねぇのぉ?肩にハエが止まってんぜオォイ!」

 

「ガッ!?」

 

俺鬼の脇腹を防御の上から蹴り飛ばし、儂鬼にぶつける、この程度の奴らなんて外で幾らでも相手にしてきた。確かに、俺とは次元が違う相手だったな。

 

「ま、待て、話をしよう。その力、もしや」

 

「うるせぇ、死んでろ」

 

ぐしゃり

 

情けなく命乞いをしてきた儂鬼の頭を潰す、クラスの男子から悲鳴が上がった。なんで男子だけ?まぁ、いいか。そのまま戦意を失っている俺鬼も殺し、やがて死体は消えていく。

 

ん?何だこれ。カード?2つの死体の元に、2枚のカード。外の妖怪と同じく、何も残らないものかと思っていたがここでは違うらしい。

 

カードには先程の鬼とそっくりのイラスト、ステータスのようなもの。そしてカードゲームみたいな説明のテキストが描かれている。

 

なんかイラッと来たので全力でカードを破り捨てようとしたが破れない。どうやら破壊不能アイテムみたいだ。

 

「な、何やってんだよ縁!?おまっ・・・なんでアイツらを殺せたんだ!?」

 

「なんでってそりゃ殴れば死ぬだろ。生き物は」

 

そういう事じゃなくて・・・!誠一はガシガシと頭を搔く。どういう事だよ。誠一もアイツら見えてたなら殺せるんじゃないか?叶華もたまに外の奴ら殺してたし。あれ?そうなるとここにいるみんな見える人って事になるな。もしやこの学園は退魔師育成学園だった?

 

もしかしてコイツら、外の妖怪と違って備品かなんか?立ち位置的に・・・、門を守る式神とかそんなんなんだろうか。あ、あわわわわ。

 

どうしよう、俺お金ないのに。叶華に土下座するしか・・・っ!

 

いや待て、これが式神を召喚する御札的なものならまだワンチャンある!いでよ俺鬼!儂鬼!

 

ぼふんっ!

 

「ぐえっ、こ、ここは・・・」

 

「なんじゃあっ!?なんも見えんぞっ」

 

眷属を生み出す要領でカードを使用してみると、狙い通り何かは召喚出来たみたいだ。煙で良くは見えないが、話している言葉的にさっきのヤツらだろう。アレ?でもなんか声が少し高いような・・・。

 

「ひっ、お、お前は、は、話を聞いてくれるのかの?」

 

「ゆ、許してくれ、もうおのこに手は出さぬから・・・」

 

誰だコイツら、俺は先程の筋骨隆々な鬼とは似ても似つかない。ぷにぷにしたやわっこそうな女の鬼が出てきたのを見て、思考を辞めた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

あの後、続々と集まってきた6人の鬼共は、話を聞かないので仕方なく返り討ちにし、その全てが何故か女鬼に変化したのを確認した俺は備品を壊してしまった事を先生に謝罪した。

 

「先生すみません、なんか、おかしくなりました」

 

「いいのよ縁君、守衛達が女の子になるのは予想外だったけどね」

 

「縁君、ってやっぱりそうだ、翠お姉ちゃん!?」

 

翠お姉ちゃんだ!すげぇ変わったな・・・!最後に会ったのは5年前だっけ・・・?その時も十分綺麗だったのに今はすごく、色々大きいし、魅力的になった。

 

「ふふっ、そうよ〜。縁君の翠お姉ちゃんですよ〜」

 

「久しぶりだね、全寮制の学校に行ったって聞いてたけど、ここの事だったんだ。そのまま教師になったんだね」

 

「積もる話もあるけど、ごめんね?今は授業中だから・・・、続きは終わってからじっくり、ね?」

 

っ、そうだった。懐かしさに思わず思い出話を仕掛けてしまったが今はまだダンジョンダイブとやらの前だった。俺が鬼共に喧嘩を仕掛けてからもう30分は経過しただろうか、予定よりもズレてしまって居るのは間違いない。

 

「すみませんでした、それでは」

 

お姉ちゃんに頭を下げ、誠一達の元へと戻る。説明しろとその目が口ほどにものを言っていたが、今は授業中である。黙殺した。

 

「(あの鋼鉄の処女が笑顔・・・?お主、見た事あるか?)」

 

「(無いのぉ、そう言えば彼奴が来てから儂らの人生、いや鬼生がおかしくなり始めたんじゃった。あのお方と何か関係あるのかの?)」

 

「(分からんが、あの女子が来た世代からやたらと魂落する乙女が減り、なんのかんので儂らは男に手を出す羽目に・・・)」

 

8人の鬼達は門の端でコソコソと話をしている。悪巧みをしているなら、また殺す。

 

ビクッと、何かを感じ取った鬼達は慌てて姿勢を正し門の両端へと散っていった。大体なんだよ、門の守衛なら鎧でも着てろ。なんだジャージってやる気あるのかよ。

 

「はい、ちょっとトラブルはありましたが、とりあえず問題は無さそうですね。それでは1つ目のグループから、じゃんじゃん入っていきましょ〜」

 

そうお姉ちゃん、いや翠先生が音頭をとり次々と門の中にクラスメイト達が吸い込まれて行く。女の子だけのグループ、1人だけ男が含まれたハーレムパーティ、男だけのパーティの3種類に別れているらしく、男2人女子3人の混合は俺たちだけだった。

 

「はい縁君の番ね。頑張ってね」

 

「あぁ、うん、行ってきます」

 

これ以上進行を遅らせるのも悪いので、一言だけ話して門の中に足を踏み入れた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「のう、翠よ・・・」

 

「何かしら」

 

ひっ、先程までニコニコとしておったのに、誰もいなくなった途端表情が抜け落ちおった!だが、これこそ儂らの知る鋼鉄の処女、翠じゃ。さっきまでのは見間違えか・・・?

 

「さ、先程の御方はなんじゃぁ?儂ら、殺された途端男としての権能的なモノ全部持ってかれたんじゃけど」

 

「分からないけれど、それだけ貴方達が縁君より雄として劣ってただけでしょう?」

 

うぐっ、集団で襲いかかって返り討ちにされた儂らには痛過ぎる言葉じゃ。

 

「そ、それがおかしいんじゃ。儂ら古代の鬼ぞ?幾千年前からここにおると思ってるんじゃ。あんなの人間ではあるまい」

 

時折儂らに並ぶようなのが現れる事はあるが、それはダンジョンで経験を詰んだ後の話、この女も、魂落せずに5年を生き残った強者ではあるが、それは儂らに並びうる程度の話、決して6人の鬼に襲われて事もなしに返り討ちにする程差がある様なものでは無い。そんな力を持つ存在など、神としか・・・。

 

「なんでもいいでしょう、縁君の正体なんて。女の子になったのならちょうどいいわ。覚悟しておきなさい。今までの男として生きてきた幾千年、全部縁君に忘れさせて貰うから」

 

おっそろしい事を言いおるなこの女!?儂らは敗れても誇り高き鬼の男よ!女の身になろうとも、心まで堕ちるわけではーーー

 

「ん゛ぉぉっ♡主しゃまぁ♡ゆるしてくだしゃれっ♡もうにゃかにだしゃないでっ♡雌ににゃりゅ♡」

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