クラスの陰キャ美少女の弱みを握ったので、脅してエロいことをさせまくる! 作:真喜屋五木路
そうして下半身のイラつきに耐えながらやっと迎えた放課後。
ホームルーム中に早速来島を例の場所に呼び出すかと、逸る気持ちでスマホを開き――
「おーいお前ら! 今日の小テスト返すぞー、ちなみに点が悪かった奴には追加課題のプレゼントだからな」
突如宣告されたナカセンからの罰ゲームに、クラス中がブーイングの嵐に包まれた。
「はっはっは! そんなに褒めても追加課題が増えるだけだぞ? それじゃあ出席番号順に返すから、順番に受け取りに来い」
生徒たちからのラブコールも柳に風といった感じで、小テストを返しはじめるナカセン。
(――ちょっと気勢を削がれたな)
手ごたえ的に大丈夫だとは思うが、万に一つ追加課題に引っかかってはセックスなどしどころではない。
来島へのメッセージは少し先送りにして、自分の名前が呼ばれた所でテストを受け取りに行く浩人。
「お、満点か。やるじゃないか」
「あざッス」
軽く頭を下げて受け取るが、特段嬉しいとは思わない。
(やっぱり無用な心配だったか。まあ、テストっていっても先週授業でやったののまとめと、ちょっとした基礎問題程度だしな……)
小テストということもあるのか、改めて見返してもできて当然、むしろできないとちょっとヤバイという感じの問題ラインナップだ。
とはいえ一学生として、テスト返却は緊張してしまうもので。席について、いつの間にか体に入っていた力を抜くためにため息をつく。
(それじゃあ改めて来島にメッセージを――)
と、丁度来島が小テストを受け取っているのに気づいた。
ピシッと凍り付いたみたいに固まる来島と、がんばれよとでも言いたげに苦笑したナカセン。
踵を返した来島は、絶望と申し訳なさが混じったような表情を浩人に向けてきて。
『すいません。今日は放課後ダメになりました』
(やっぱりか――!!)
なんか途中から嫌な予感はしてたんだよ! 具体的にはナカセンがテスト返すって言ったあたりで!!
『あー……そりゃ仕方ない。というかドンマイ、課題頑張れよ』
平静を装ってそうメッセージを返す浩人だが、期待に期待を重ねていたのに最後でぶち壊された下半身はビクビクと絶賛大抗議中である。
帰ったら一回抜かないと――いや、最悪学校で一回抜いておかないと、ズボンにテント張ったまま外を歩いて警察のお世話になりかねない。
(けど、来島がいるのにオナニーで抜くとか虚しいとかそんなレベルじゃないぞ……)
というか下手したら来島で抜かないと、贅沢を覚えてしまった息子は満足しないんじゃないだろうか。
(――なら、無理やりにでも命令して来島を呼び出すか? いやでも……)
暫く頭の中で理性と欲望が最終戦争を繰り広げ――浩人は来島にメッセージを送る。
『来島、それで何点だったんだ?』
『それは……言わないとダメですか?』
『駄目だ。というか、もっと恥ずかしいところまで見られてるんだから、小テストの点数ぐらい今更だろ?』
『それとこれとは……二点です』
一割か……これは課題が終わるまで待つというのは無理そうだ。それなら仕方ないと腹を決める浩人。
『んじゃ命令だ、ホームルームが終わったら図書室に集合な。分かってると思うけど今日は拒否権ないから、絶対に来いよ?』
浩人はそれだけ送って、返信を待たずに小テストの問題を見直しはじめた。
――――――
浩人が図書室への扉を開けると、本特有の紙とインクの匂いが肺に流れ込んできた。
うちの学校の図書室は自慢じゃないが結構広い。
もちろんそれは蔵書が多いということでもあるのだが、それ以上に目立つのは中央を占める机と椅子の平原だ。
一応県の中ではトップレベルの進学校である為か、うちの学校では生徒間の教え合いや、分からないことがあってもすぐに教師に聞けるようにと、学内での勉強を勧めている。そのため図書館は半ば自習室といった趣があった。
お陰で自慢の蔵書は端へと追いやられているようにも見えるし、実際生徒の間で図書室を使うということは自習するという意味合いが主である。
もっとも今は、定期テストもだいぶ先のことだし、ご自慢の座席はほとんどが空いているのだが。
浩人が図書室の入り口で待っていると、ややもせずガラリと扉を押し開けて来島が入ってきた。
「よ、ちょっと遅かったな」
「あ、はい……すいません、ちょっとおトイレに……」
「いや、別に謝るほどじゃないって。それよりもさっさとはじめるぞ」
「え、ぁ……本当に、ここでするんですか……?」
「? いや、そりゃそうだろ。ここ以外にいい場所とか逆にあるか?」
さっさと適当な席を取りに行こうとしたところで来島の様子がおかしいことに気付く浩人。
困ったような表情に、恥ずかしげに染めた頬、そして内腿をもぞもぞと擦り合わせて――
そういえば、さっきのメッセには図書室に集合としか書かなかったような。
「そ、その……見られないようにだけお願いします……!」
「……落ち着け来島、そっちじゃない」
「はぇ……?」
その後浩人のせいもあるとはいえ、案の定勘違いしていた来島を落ち着かせて何とか席に座らせて。
「び……びっくりしました。確かに人は少ないですけど……こんなところでって、思ってしまって……」
来島は、先ほどとは別種の羞恥に顔を赤くしつつ、鞄から教科書を取り出す。
「いや、俺ももう少しちゃんと分かりやすくメッセ打てばよかった。図書室といえば自習するものってイメージが強すぎたな」
「い、いえ……それに、ありがとうございます。課題、手伝ってもらって……」
「ああ、いや、それぐらい別に……」
「わたし、クラスメイトと勉強会って夢だったんです」
来島の浩人を見る琥珀色の目は宝石みたいにキラキラと輝いていて、まるで明日遊園地に連れて行ってもらえる子どもみたいなウキウキ具合である。
そう、浩人が来島を図書室に呼び出した理由は、さっさと課題を終わらせてもらう為だった。
もっともそれは、来島の為というよりも浩人自身のためである。
もしそれで早めに課題を終わらせることができれば、ヤる時間を確保できるのではないかと考えてのことだった。
(だからそんな素直に感謝されたり楽しみにされると、ちょっと居心地が悪いんだが……)
浩人は少しばかり舌先に苦みを覚えつつ、けれどそれでやる気になってさっさと終わらせてくれるなら、結果オーライかと考えなおす。
「よし、それじゃあさっさと終わらせるぞ!」
「は、はい! ご主人さ――むぐぅ?!」
やる気あまって爆弾発言をしかけた来島の口を慌てて塞ぐ。
幸い他の生徒とは距離があったため聞かれていなかったようで、浩人はほっと胸をなでおろした。
もし耳に入っていたら白眼視されること間違いなしである。
「来島、人前でその呼び方はするなよ……」
こくこくと来島が頷いたのを確認して手を離す。
早速疲れたような気がするが、それがまだ始まりに過ぎないと知るのは十分後のことだった。
「来島……なんでお前これでうちの学校受かれたんだよ……」
基礎的な内容の小テストで引っかかった時点で多少危惧してはいたものの、来島の数学のできなさはそれに輪をかけてヤバかった。
「ご、ごめんなさい……数学は、中学校の頃から苦手で……じゅ、受験は、英語や国語でカバーして……」
「……普段、数学の授業受けて理解できてるのか?」
「い、いえ……あんまり……」
「まあ、だろうな……」
どれぐらいヤバいかというと、多分中学範囲の途中ぐらいから理解があやふやなレベルだった。
対してナカセンから出された課題は、難易度こそそこそこなものの分量はちょっと多めである。当該範囲だけ分かっていないならちょっと教えればドミノ倒しの要領でスラスラいけたのだろうが、その前提が分かってない状態でこの分量はいささかキツいものがある。
少なくとも、付け焼刃で教えても即座に次の問題で引っかかることだろう。
(どうする? これはもういっそ答えを教えて写させるか? けど――)
ちらりと横目に見た来島の顔はかつてないほどやる気に満ち溢れていた。それはもう純真無垢なほどに。
浩人に向ける視線も、信頼している相手に向けるそれであり、これを裏切ったら後から良心の呵責で死にたくなるのは間違いなかった。
ただ、この範囲を真面目に教えたらエロいことをする時間は確実に無くなるわけで――
(――ただ、もし、もしもだぞ? 答えだけを写させたとしよう。けどそれで解決するのは今回だけだ。多分ナカセンは小テスト多めにして脱落者を作らないタイプって意味で、面倒見がいい先生な気がするんだよなぁ。そうなると今回だけ誤魔化してもまた同じことになりかねない……うん、そうだ。そうに違いない)
浩人は自分を納得させてから口を開く。
「あー、来島。ちょっと時間がかかると思うけど、中学範囲の復習からやるぞ。その分時間がかかるけど大丈夫か?」
「は、はい……! わたしは大丈夫です! ……けど、迷惑じゃない、ですか……?」
「俺のことは心配するな、幸い今日は用事もないし。それに、迷惑で言えば来島がこのまま定期テストでも落としてみろ、たぶん補習三昧だぞ? そうなったら俺だって来島を自由にできる時間が減るんだからな」
「ぅ……それは……はい……」
そうなる可能性は自覚していたのだろう。来島はしゅん、と頷いた。
「わかったなら早速やっていくぞ、まず来島は多分公式の記憶が曖昧なんだとおもう、特にあてはめ方というか。それに理解は大事だけど、型を覚えてからの方が理解しやすい場合もある。だからまずは――」
先日こちらの方で感想を頂きました。ありがとうございます、大変嬉しいです。
今後とも当作品をよろしくおねがいします……!