クラスの陰キャ美少女の弱みを握ったので、脅してエロいことをさせまくる! 作:真喜屋五木路
第五話、謝るつもりが……
「はぁ……今日は気まずい一日だった……」
翌日。なんとか放課後まで乗り切った浩人は、今日何度目とも知らない溜息をついて学校の玄関へと向かっていた。
来島との一件から一晩。朝起きた時は思い返してあまりの現実感の無さに、「もしかして都合のいい白昼夢でも見たのでは?」などと考えたのだが、どうやらやっぱり現実だったらしい。
朝登校した時、教室に入った瞬間、来島に目を逸らされた時点で全てを察した。
授業中も様子を伺えば教科書へと顔を隠し、そのくせ浩人が向こうを見ていない時は視線を感じるといった具合で、授業内容など微塵も覚えていないしノートも真っ白だ。
唯一心休まったのは昼休み、購買競争へ行くついでに中庭で昼食を済ませた間だけだった。
(針のむしろとはこのことか……いや、気まずい原因の十割は俺が昨日やったことのせいなんだけどさ……)
昨日は本当にやりすぎた。
『なんでもする』という言葉に支配され、人目がない所だったとはいえ学校で服脱がさせて胸を揉んで、あまつさえ手コキさせてお腹にぶっかけである。どう言い訳しても完全にアウトだった。
しかもその日の朝、岩永にそれはないわとか言っておきながら、脅してやらせたんだからどうしようもない。
学校に言われれば良くて停学、退学。出るとこに出れば確実にお縄間違いなしだ。
今の所幸か不幸か来島はこのことを誰にも言っていないようで、呼び出しなんかはかかっていないが。
(来島さん本当にごめん……いや、こんな内心で謝ってもどうしようもないし、直接言わなきゃいけないんだけど……)
放課後、謝りに行こうとしてみたりもしたのだが、来島は授業がおわるなりぴゅーっ、とリスかなにかみたいに逃げていってしまい、呼びかけることすら叶わなかったのだ。
まあ、考えてみれば前日自分に雄の欲望を無遠慮にぶつけてきた相手である。女子からすれば恐怖の対象となってもおかしくない……というかそうなって当然であった。
(おまけに来島さんのこと途中から来島って呼び捨てにしてたし……性欲剥き出しで命令しまくってたし……)
しかも若干性癖まで剥き出しにしてSっぽい事を言った気もする。正気に戻った今冷静に考えるとイタいタイプの事を。
「ああぁぁあああ……」
わしゃわしゃと両手で髪を掻き毟る浩人。
正直黒歴史として恒久に封印したい。
タイムマシンを開発して自分を殴り飛ばしに行きたい。
MIBに入って記憶を消す光を手に入れて、来島の記憶を消去した後自分の記憶も抹消したい。
このまま隕石を誘導して世界を終わらせてしまいたい――
(――けど、もしあの時あのままナカセンが来てなかったら……)
想像して、生唾を呑み込む。
あの時浩人は、完全に来島とセックスをするつもりだった。
来島がセックスに同意するだろうと根拠もなく確信していたし、断られるなんて想像もしていなかった。
けれど今冷静になって考えてみると、流石に拒否されていたんじゃないかとも思えてくる。
いくら何でもするといったって、限度がある。
極端な話、例えばあの時点で来島に全裸で外に出てこいなんていっても十中八九断られていただろう。なぜならそれは、ローターを持ってきていたことを広められるよりも恥ずかしいことだからだ。
つまり何でもの範囲はそれが恥ずかしい噂を広められるよりもマシなことに限られる。
そして女の子にとってのセックスがそれに含まれるとはあまり思えなかった。
(特に来島なんて処女っぽいしなぁ……)
完全なイメージだが、陰茎を見た時の反応とかを考えるに多分間違っていないだろう。
――けれど、拒否されていたとして自分はそこで止まることができたのだろうか。
正直あの時は正気じゃないというか、完全に性欲に飲まれていた。
頭の中をイメージが過る。
来島が抵抗する中、無理やり長机に彼女を押し倒して下着をはぎ取り――
(っ! 止めろ止めろ! 流石にそれはない! 完全にアウトだろ!)
頭を振ってそんな想像を追い払う。いや、昨日やらせたことも完全にアウトではあるのだが。
「はぁ……ともかくやっぱ一度来島さんには謝っておいたほうがいいよな……許してくれるかは別として」
今度はこちらが「襲われそうになったことを言われたくなければ――」と脅されかねないが、それは自業自得か。
いや、来島があんまりそんなことしてくるイメージはないけれど。
まあ今日はもう先に帰ったみたいだし、明日は逃げられないよう昼休みとかに話をするのもありかもしれない。
そんな風に頭の中へ意識を集中させていたせいで、ガラッ――と真横でドアが開いた音にびくっ、と過剰反応してしまった。
「「あっ……」」
保健室のドア、その中から出てきたのは来島だった。
相手のことを考えていて、けれど遭遇するとは思っていなかったせいで浩人も固まってしまう。
先に動いたのは来島だった。
「あ、あの……! ちょっとこっちに……!」
ぐいっ、とブレザーの裾を引っ張られ、浩人は保健室へと引っ張りこまれる。急なことに思わずつんのめりながら保健室へ入ったところで、来島が後ろ手に入り口のドアをぴしゃりと閉めた。
そこまでが衝動的な行動だったのだろう、来島は「あっ」と小さく声を上げると気まずそうに指先を擦り合わせた。
「と、突然すいません……ど、どうしても話したいことがあって……」
「あー……うん、それはいいんだけど、なんで来島さんはこんなところに?」
「え、えと……私、保健委員なので」
「ああ、来島さんが女子の保健委員なんだ」
何を隠そう浩人が男子の保健委員である。といっても立候補したわけではなく、その日たまたま風邪で休んだら翌日そう決まったとかいきなり聞かされて、無理しても学校に行くんだったと後悔したのだが。
それにしてもまさか日直だけでなく保健委員も一緒だとか、これは早く謝っておかなければ気まずいなんてもんじゃない。
本当になんで昨日はあんなことをしてしまったんだ、と後悔は尽きないがひとまずは呑み込む。
「ということは何か用事とか頼まれた感じ?」
「は、はい……保険の川原先生に、用事があって先に帰るからって片づけを頼まれて……」
そういえばウチの保険医はやる気がなさ過ぎるという噂を聞いたことがあったと思い出す。
だがまさか、生徒に作業を押し付けて帰るレベルとまでは思いもしなかった。まだ直接会ったことはないが、既に浩人の中では大幅イメージダウンである。
「それにしても、頼まれたからって――」
一人でやらなくても、呼んでくれれば――と言おうとして、自分がやったことを思い出す。
(そりゃそうだよ! 手伝ってくれなんて言える訳ないだろ、自分を襲った相手に!!)
浩人は決心した。
謝ろう。来島さんの用事が終わったら、速攻で謝ろう。逃げられるより早く土下座しよう。
「――そんな真面目にやる必要はないんじゃないかな」
「け、けど誰かがやらないと困る人がいますから……」
何とか誤魔化せたところで、話題を強引に変える。
「で、保健室まで引っ張りこんだってことは何か用事がある感じ?」
「ぁ、は、はい……その……」
来島はそこで言い淀むと、両手でスカートをぎゅっと握りしめた。緊張して言い辛い話題なのは明らかだ。
「あー……もしかしなくても、やっぱり昨日のこと……とか?」
正直そうであってほしくはない。けれど彼女との接点はそれしかないわけで。いやでも結局謝るんだったらどうせ同じことだし……と、浩人が葛藤している内に来島は俯きがちに小さく頷いた。
(まあそうだよな……やっぱりこっちから先に謝るべきか? それとも来島さんの反応を待った方がいいか? いやでも先に謝った方が――)
「あ、あのっ!」
来島が大きく声を(といってもそれで漸く普通レベルの声量なのだが)張り上げた。
「そ、その……っ! 昨日のこと、誰にも言ってませんよね……?」
「ああ、そりゃまあ……」
当然だ。学校であんなことヤらかしただなんて、自分から吹聴する馬鹿な真似はしない。
もしかして来島の中で、自分はチャラチャラした奴らみたいに、ヤった女の子のことを戦利品扱いして話のタネにするとでも思われているのだろうかと考える浩人。それはちょっと不本意なのだが……。
「そ、それなら……今日は何をしたら、昨日のことを黙っててくれますか……?」
うん?
来島の続けた予想外の言葉に浩人は一瞬思考が停止する。
さっきは自分がやらかした、胸揉み&手コキお腹ぶっかけ事件のことについて話していると思っていたのだが、この様子だと――
「――昨日のことっていうのは、来島さんが学校にローターを持ってきてたこと?」
「は、はい……そうです」
そっちの方だったか。
「いやそれなら――」
正直それは昨日のでチャラ――というか比重でいったら自分の方が明らかにやらせすぎだし、これを切っ掛けにこっちも謝って――と、頭の中に昏い考えが過った。
(――わざわざ来島さんのほうからこう言ってきてるんだぞ?)
だったら今日も、命令すれば言うことを聞いてくれるんじゃないか?
もしそうなら、今日こそ昨日できなかったことができるんじゃないか?
来島に対する申し訳ないという気持ちが、昨日の自分の浅慮さに対する後悔が、黒い期待に塗り潰されていく。下半身にずくり、と血が集まり、雄の欲望が鎌首をもたげた。
浩人は自分の唇が歪むのを感じながら口を開く。
「――そうだな、昨日そのことを秘密にする代わりに何でもするって言ったもんな」
「……っ、はい……」
来島が緊張と不安に指先を擦り合わせるが、今やそれすら興奮を高める美味しそうなスパイスでしかなかった。
地味な子とはいえクラスメイトとヤれるかもなんて状況を前に、童貞の男子高校生が自分を制御できるわけなどない。
しかもここは保健室でベッドがある。学校でヤるにはこの上ない環境だった。
(けど、昨日の二の舞はごめんだからな――)
もう一度寸止めなんて耐えられるはずがなかった。ヤるからには最後までヤりたい。
浩人は何とか衝動的に動こうとする興奮を抑え込んで、できるだけ冷静に考える。
「――少し確認しときたいんだが、保険医は帰ったって言ったよな? ということは保健室も閉めるつもりだったって事でいいのか?」
「あ、はい、片づけが終わったので、丁度鍵を閉めるつもりで……」
まだ部活動の生徒もいるだろうになんて無責任な……と思うが、今だけはそれがありがたい。
つまり、ここで鍵を閉めても何の問題もない。誰かが来たとしても、無視していい空間になる訳だ。あまりにも狙ったかのような状況に、思わず嗤いが零れそうだった。
「そうか、じゃあ今日は来島のこと犯そうと思うけど、それも何でものうちに入るよな?」
えー、20時投稿とかいっておいてなんですが、本日も21時に追加で1話投稿します。
というのもこの作品を公募に出そうと思っているのですが、「流石に挿入シーンまでいかないで出すのはな……」という事情がありまして。
なので、予定とは変わりますが5月末までは変則で投稿するのでよろしくお願いします。