※この作品はR-18です。

読まれる日常   作:昼間寝音

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【第15頁:心の最奥、貫いて】(古明地さとり視点)

「……ミオ……」

 

名前を呼んだだけで、身体の奥が疼く。

 

彼の手が、わたしの髪を梳いた。

甘やかで、慈しむような手つき。

それに頬を預けると、もう抑えきれなかった。

 

わたしは、彼の胸に額を寄せ、囁くように言った。

 

「今夜は……わたしの番よ」

 

奉仕するのではない。

求めるの。

喉の奥から、身体の奥から、心の奥から、——全部、欲しい。

 

それを、彼に読まれてもかまわなかった。

いや、読まれたくて、たまらなかった。

 

わたしは唇を重ねた。

一度だけ、柔らかく。

 

そして、枕に頭を預けると、膝を曲げたまま脚を拡げた。

彼の目には、アルファベットのMの字のように映るだろう。

 

「好きにして……全部、あげるから……」

 

だけど、ミオは——すぐには来なかった。

 

太腿の内側。

そこに、唇が触れた。

 

「んぁ……ッ」

 

熱い痺れが、一瞬で腰にまで駆け上がる。

 

けれど——

 

まだ、そこまで。

 

“そこ”には、触れない。

 

舌先が柔らかな肉をなぞるだけ。

 

ああ、もう……だめ。

 

わたしは、シーツを掴み、身を捩る。

 

「やぁ……お願い……ミオ……」

 

震える声が漏れる。

でも、彼は焦らす。

じらしながら、甘く、しつこく太腿を舐める。

 

それだけで、身体がじんじんと火照ってくる。

 

そして——

 

「……っ、あッ……!」

 

舌が、花弁の先端、一番敏感な核に触れた。

ぴくん、と跳ねたそこに、彼の唇が吸いつく。

 

ちゅぷ、ちゅ、くちゅ……

 

音が、いやらしく響くたびに、頭が白くなる。

 

「ミオ……ッ、だめ……それ……ぁっ……!」

 

快感が、言葉を破壊していく。

思考が溶ける。

腰が跳ねる。

 

身体の芯が、ぞわぞわと熱に包まれていく。

 

「も、もう……いっちゃ……う、の……ッ!」

 

——一度目の絶頂。

 

けれど、ミオは止めない。

 

その舌は、さらに深く、尖って、敏感な蕾を転がし始める。

ちゅう、ちゅぷっ……吸い上げるたびに、脳が震える。

 

「あっ、あっ、やっ……またっ、きちゃ……うぅ……!」

 

脚が、勝手に彼の背に巻きついてしまう。

腰が逃げようとして、でも舌が離さない。

 

二度目。

三度目。

 

絶頂の波が、重なり合って押し寄せる。

 

「ダメダメダメッ!!……そんな、はぁ、ずっと……舐められたら……ッ」

 

息もまともにできない。

手は彼の髪にしがみつき、胸は上下に大きく揺れる。

 

なのに、身体は……熱を増すばかり。

 

わたしは、自分の指で恥丘を押し広げ、泣きそうな声で叫んだ。

 

「ミオの……、ちょうだい……もう、我慢できないの……!」

 

膣口が、彼の先端に触れた瞬間——

身体が、小さく跳ねた。

 

「あっ……」

 

花弁はすでに、何度もの絶頂で濡れきっている。

触れただけで、熱が染み込む。

 

それでも、入ってこようとするそれは、別格だった。

 

「……ねえ、お願い……早く……ッ」

 

そして——

 

ぬぷっ……

 

「——ぁああっ……!」

 

柔らかい肉が、ぐちゅりと押し広げられながら、彼を迎え入れていく。

 

熱い。重い。

けれど、心地いい。

満たされている感覚が、脳まで届く。

 

「あっ……すごい……ミオが……奥に……っ」

 

脚が、勝手に彼の腰を締めつける。

指が背中を掻くように這い、引き寄せる。

 

「もっと……全部、ちょうだい……全部、入れて……!」

 

ミオが腰を打ちつけるたび、膣内が掻き混ぜられる。

 

「んあっ、あっ……だめっ、そんな深くぅっ……!」

 

けれど、止まってなんて欲しくなかった。

 

「もっと、ミオ……突いて……!深く……わたしの奥、ぜんぶ、掻き回してえ!」

 

今のわたしは、すべてを晒している。

心も、身体も、隠せるものなんて何もない。

 

「好き……好きっ……ミオぉ……!」

 

愛しさが、熱と共に押し寄せる。

膣がきゅうっと締まり、彼のものを離そうとしない。

 

「ミオの……気持ちよすぎて……わたし、また……!」

 

絶頂が、さらに波打つように来る。

 

「いっ……ちゃうっ、イっちゃうのぉ……っ!!」

 

腰が跳ね上がり、背が仰け反る。

絶頂の瞬間、ミオと深く結ばれたまま、わたしは声にならない叫びを飲み込んだ。

 

膣の奥がぴくぴくと脈打ち、彼の先端を吸い上げる。

 

「ミオ……いっぱい出して……わたしの中に……全部、ちょうだい……っ」

 

ミオの動きが、最後の一撃のように深く沈む。

 

「さとり……いく……っ……!」

 

彼の熱が、どくん、と飛び込んできた。

目の裏で、ばちばちと火花が散る。

 

部屋に轟く悲鳴のような絶叫が自分のものである実感が無い。

 

その瞬間、心と心が直結した。

言葉ではない。

思考でもない。

 

ただ、「愛してる」と、

彼の魂が、わたしの最奥に刻まれた。

 

どれほど震えていたのか、わからない。

 

ただ、ミオの腕の中にいるだけで、身体がとろけていく。

 

「……ミオ……どこにも、行かないで……」

 

呟いたその声に、彼は何も言わず、そっとわたしの髪を撫でた。

 

目を閉じる。

世界が静かになっていく。

けれど、ひとつだけ確かに——

 

わたしは、今夜、愛された。

 

読まれて、読ませて、貪り合って。

そして、ようやくひとつになれた。

 

ミオの腕の中で、わたしは微笑んだ。

 

朝はまだ、遠い。

 

汗と熱に包まれた身体を、ミオの腕が静かに抱いている。

わたしはその胸に額を預け、ぬくもりを吸うようにして、そっと目を閉じた。

 

心の奥まで、満たされていた。

もう、何も恐れることはない——そんな風に、思っていた。

 

……けれど。

 

その平穏は、長くは続かなかった。

 

扉の向こうから、微かな足音。

床板が、きぃ、と軋む。

 

わたしは思わず眉をひそめた。

 

「……お燐?」

 

次の瞬間——

 

控えめに扉が開いた。

 

顔をのぞかせたのは、火焔猫燐。

 

「あらら……」

 

その声には驚きと、そしてわずかな好奇心が混じっていた。

お燐の瞳が、ベッドの中を見つめる。

まだ互いに汗ばんだ肌を重ね合い、抱き合ったままのわたしたち。

 

「……ついに、ですねぇ?」

 

からかうような笑み。

 

わたしは、一気に顔が熱くなるのを感じた。

 

理性を手放し、声を上げ、何度も名を呼んだ自分の姿が——

あの子に、どこまで見られてしまったのか。

 

「お、お燐……なぜ……」

 

言葉を探しても、まともな言い訳が浮かばない。

 

お燐は口元に手を当て、楽しげに笑った。

 

「夜中に叫び声がしたから、心配で。そしたら……ふふ」

 

ミオもまた、羞恥に身を固くしている。

けれど、お燐の態度は軽やかだった。

 

「安心してくださいな、さとり様。見なかったことにしてもいいんですけど……」

 

わざと溜めてから、

 

「……でも、どうせすぐバレるでしょう?」

 

わたしは額に手を当てて、深いため息をついた。

 

「お燐……からかわないで」

 

「はいはい。じゃ、今夜のことは内緒にしときます」

 

そう言って、お燐はウィンクすると、くるりと背を向けた。

 

扉がそっと閉まり、足音が廊下の奥へと遠ざかっていく。

 

部屋の中には再び、二人だけの空間が戻っていた。

けれど、先ほどまでの熱とはまた違う、妙な空気が流れている。

 

羞恥と、照れと、そして……安堵。

 

わたしは、そっとミオの胸に顔を埋め、小さく呟いた。

 

「……これで、もう隠し事はできないわね」

 

ミオは、苦笑したように息を吐き、わたしを抱き締め直してくれた。

 

その腕の力強さに、もう一度、静かに目を閉じる。

 

闇の奥に沈んでいくように——

けれど、今夜はもう、ひとりじゃなかった。

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