抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
最近の淳之介君を見て一つの疑問点があった。
妙に片桐と一緒にいる。先ほども片桐が淳之介君と先約があると言っていた。
あの学園一のビッチがインポの淳之介君を気に入るとは思えない。
精
「もしかして…淳之介君はギャルがお好みなのか?」
チン差マン別。人の数だけ性癖がある。おかしな話ではない。
しかし、それにしては淳之介君から片桐の匂いがしない。
淳之介君から迫ることはないにしても、片桐が迫らないのはおかしい。
放課後の訓練が始まる。今日の相手は郁子先輩だ。
精
「ぜあ!!!」
女部田
「くっ…!やっぱり精君との戦いは燃えるね…!」
先日はメンタルがガタガタでセックス後だったから後れを取ったが、
今日はコンディションもよく、目的があるから押している。
だからといって、油断したら間違いなく負ける。
精
「食らえ目つぶし!!!」
地面の砂を蹴り上げ、郁子先輩の視界を奪う。
女部田
「目に頼らなくたってあたしは戦えるよ!」
精
「俺のとっておきです!」
俺は愛刀を郁子先輩に向かって投げる。狙いは喉元だ。
郁子先輩は容易く弾き落とす。キインと鋭い金属音が響く。
女部田
「これぐらいわけない」
精
「視界がなくなると音に頼らざるを得ませんよね!」
俺は金属音に紛れて、郁子先輩の股下を潜り抜けて背後に回っていた。
そしてそのまま背後から一気に組み伏せる。そこから俺は話を付ける。
精
「郁子先輩、今日は気になることができたので早上がりさせていただきます。」
女部田
「えー…ここから滅茶苦茶にしてくれる流れじゃないの?…じょーだんじょーだん♪
調査が終わったら報告してね♪おまんこ濡らして待ってるから♪」
郁子先輩に許可を得て、俺はその謎を解くべく、橘家へと進んだ。
インターホンを鳴らし、ドアを叩く。
精
「橘ー!肉便器作ろうぜー!」
淳之介
「野球するみたいなノリで言うなよ!?」
淳之介君のいいツッコミと音にドアが開く。
精
「じゃあ、セックスする?」
淳之介
「変わってないだろ…あと、男同士で言うセリフじゃないだろそれ…」
ちなみのこのノリを郁子先輩とやると郁子先輩はノリノリで突きあってくれる。
だから、淳之介君ぐらいにしかこのやりとりはできない。
精
「ちょっと失礼するぜ。気になることがあるんでな。」
俺は淳之介君を横目に橘家のリビングに入っていく。
そこではアサちゃんと片桐が仲良くしていた。
女同士気が合うところがあるだろうが…アサちゃんの距離感が近い。
お兄ちゃん…何で私は好きな女の子とセックスしちゃだめなの?
まさか…いや、そこに踏み込むのはいくらなんでも失礼だ。
アサちゃんにも言いたくないことの一つや二つはあるだろう。
そして、邪魔してはいけない。おそらく、俺の思ったとおりだから。
精
「…邪魔して悪かった。じゃあな。」
淳之介
「えっ、あ、ああ…気を付けてな…?」
精
「見届けは結構だ。お向かいだからな。」
俺は家に帰るフリをし、片桐の後を尾行することにした。
気になることが増えたし、そもそもの目的を果たすために。
片桐が一人になったところで話しかける。
精
「よう、片桐さん。」
片桐
「…『金色の狂犬』が何の用かしら?生憎あなたでもあたしのマンコは」
精
「淳之介と性産行為をしていないじゃないか?」
俺は本題を抜き身にし、そして喉元に突きつける。
精
「家事代行のバイトは校則で禁止されているが…そこはどうでもいい。
なぜ淳之介君に手を出さない?タイプじゃないからか?」
片桐は少し目を伏せて控えめに答えた。
片桐
「…あいつにはあいつの事情があるのよ。そこはアタシも踏み込めないわ。」
なるほど。淳之介君のインポ事情は好みの女性でも解決できないのか。
流石のビッチもインポ相手じゃ手を出せないと。
精
「…いや、すまないね。淳之介君が片桐さんを独占してると思ってつい。」
片桐
「金色の狂犬も随分せっかちね?もう少し節操を持ったらどうかしら?」
精
「この島で節操を保っている奴がいたらそいつの方がおかしいぜ。」
片桐
「…それもそうね。じゃ、アタシは帰るから。」
通り過ぎていく片桐の顔は少し何かを憂いているように見えた。
事情を知ればそんな顔もするかと、俺は納得し学園に戻る。
学園に戻ってきた俺は生徒会室に報告に行く。
精
「ω-99戻りました。報告は…あれ?」
冷泉院
「おかえりなさい。土口さん。おいしいココアさんができましたよ。」
そこにいるのは会長だけだった。お菓子屋さんみたいな甘い匂いがする。
和やかな雰囲気のはずなのに、嫌な汗が流れる。
精
「郁子先輩がおまんこを濡らして待っているはずだが?」
冷泉院
「郁子は我慢できなくなって帰りました。なので私が代わりに」
精
「んじゃ、これでいいな。」
俺は会長とキスをする。情とか欲とか一切ない、事務的なキスだ。
キスをした俺はココアで唇を洗う。
精
「…あんたとのキスよりココアの方がよっぽどマシだぜ。」
冷泉院
「…なるほど。そういうことでしたか。あなたも色々気苦労が多いのですね。」
会長は粘膜接触を介して、人の思考を読み取ることができる。
冗談だろと言いたくなるようなことだが、本当だ。
喋るよりもはるかに簡単に報告できる。
精
「ということでだ、淳之介君に関しては俺に任せてほしい。
友達でもあるし、俺といろいろ境遇が似ているんでな。」
冷泉院
「ええ。それは構いません。ですが…明らかに違うところがありますよね。」
会長は徐に席を立ち、コツコツと俺に近づく。
冷泉院
「…妹。」
俺はその言葉に手が出た。が、その手は会長の顔に届く前に止まった。
冷泉院
「ふふ、すみません。そんなつもりはなかったんです。ただ」
精
「それ以上言うな。お前を殺す。」
冷泉院
「まあ…なんてひどい言葉…悲しいです。」
会長はわざとらしくヨヨヨと泣いている。
俺が会長を殺す事なんて、万に一つも起きえないというのに。
忠誠心はともかく、実力的にも状況的にもあり得ないのに。
精
「だからアンタのことが嫌いなんだよ。会長。」
冷泉院
「だからあなたのことを信頼しているんですよ。土口さん。」
その言葉と共に解放された。俺はココアを一口啜る。
ミルクが入っておらず、甘さも控えめで、ビターな仕上がりになっている。
精
「…何でこんな甘い匂いがするんだ?」
冷泉院
「何杯か失敗してしまいまして…おかげでお腹がちゃぷちゃぷです。」
精
「…うまいよ。むかつくほどにな。」
冷泉院
「カカオにはリラックス効果がありますので安心してください。」
一気に飲み干したいところだが、そうするには出来が良すぎる。
俺は、会長の思惑通りにココアを楽しんでしまった。
個人的には土口君と会長の関係が好きです。