抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
長かったNDTも閉会式を迎える。もちろん俺は最優秀賞に選ばれた。俺は会長を米俵のように担ぎ表彰台へ昇る。
冷泉院
「私は会長ですからもっと丁寧に扱ってください。」
精
「吐きながらでも階段昇ったらそうしますよ。早く表彰してください。」
冷泉院
「では…開会式の伏線回収お見事です。これで二冠達成ですね。来年も頑張ってくださいね。」
精
「来年もやってくれるならな。」
ワザとらしい悪態をつき、再び会長を米俵のように担いで台を降りる。閉会式後は大乱交がある。今度はSSも交えての大掛かりな奴だ。ここは俺もきっちりドスケベセックスをさせてもらおう。なにせ、棒倒しで花丸委員長と屑畜生女のパイズリぐらいしかまともに楽しめていない。折角だ、郁子先輩にありとあらゆる体位を試してもらうとしようか。
最後の大乱交も終わり制服に着替えて、SS一同で片付けを行っている時だった。
女部田
「精くん、ちょっといいかな?」
郁子先輩が少し不満そうな顔で俺に近づいてきた。
精
「何ですか郁子先輩?まだヤリたりないというなら片付けが終わってからでも」
女部田
「何か隠し事しているでしょ?」
流石にバレるか。郁子先輩もかなり勘がいい方だ。まして、関わりの深い俺の様子がおかしかったら、すぐ察するだろう。しかし、すべてを言うわけにはいかない。俺はSSよりも友情を取ったのだから。
精
「友達が反交尾勢力だった…それを知ってしまいましてね。流石に郁子先輩の前で、隠し通せるものじゃないですよね。」
嘘は言わない。ただ、核心の部分は言わない。問い詰められるまで必要以上のことは言わない。
女部田
「…淳之介くんのことだよね。友達だから黙っていたんだ?」
精
「ええ…淳之介君とドスケベセックスをした郁子先輩ならもう知っているだろうと、だったら郁子先輩には打ち明けておこうと、そう思いました。」
実際、あの時のハメ撮りで郁子先輩は淳之介君が反交尾勢力であることを知っていた。その上で捕まえず、自分のものにしようとしていたのだ。理由が違えど反交尾勢力を見逃していた者同士、下手に踏み込むわけにはいかないだろう。
精
「でも、そんなことよりも…郁子先輩が淳之介君の事しか見ないのが嫌なんです。」
女部田
「…へぇ?」
郁子先輩が驚いた顔をしている。
精
「俺はSSで郁子先輩に何度も世話になったんです。SSの男の中で一番関係があるといっても過言じゃないはずです。なのに、たった一人の転校生に郁子先輩を取られるのが…たとえそれがたった一人の友人であったとしても…嫌なんです。郁子先輩が淳之介君を自分のものにしたいように、俺だって郁子先輩を俺のものにしたいんです。」
自分でも驚く思いが出てきた。友情を取ったはずなのに、その上で郁子先輩を求めている。俺は一体何がしたいのだろうか。自分でもよくわからなくなってきた。
女部田
「…また迷ってるんだね。そういう時は…コレだよ。」
郁子先輩が腰の刀に手をかける。卵の夢を見て自分がぐちゃぐちゃになった時、いつもこうしてもらってきた。しかし、片付けはまだ途中だ。なら---
精
「…さァ、交わり乱れて狂いましょう?」
女部田
「…鯉口切っていざ睦言を交わしましょう?」
心の片付けの方が先だ。
幾度となく交えた刃。右から左へ、左から上へ、上から右、否、下へと、真と虚の入り混じる太刀筋は、あの乱痴気騒ぎのあとでも変わらない。
女部田
「甘いよ!」
精
「なっ!?」
郁子先輩の御御足が目前に迫る。ギリギリのところで後ろに回避す---
女部田
「ぬん!」
精
「うおぁ!?」
御御足に気を取られて大振りの切り上げに気が付けなかった。刀で受けたが、弾き飛ばされる。ならば、ためらうな。一気に郁子先輩に近づく。大振りのモーションの後だ、相応の隙があった。
精
「あだだだっらぁ!」
連続で拳を振るう。郁子先輩は余裕で刀で受け流している。このまま真剣白刃取りを狙って---
女部田
「足元ご注意だよ。」
精
「それを待っていたんですよ。」
郁子先輩の足払いに対して、脛蹴りのカウンターを入れる。流石の郁子先輩もその痛みに顔をゆがめ、一瞬動きが止まる。その一瞬で郁子先輩の刀を両手で挟み、捻り飛ばす。これでお互い素手に---
女部田
「あたしもそれを待っていたんだよ。」
郁子先輩が俺の顔面に銃を突きつける。この距離で撃たれたらライオット弾といえど大きなダメージになる。
精
「まさか郁子先輩が銃を使うとは思いませんでしたよ…」
女部田
「礼ちゃんにちょっと教えてもらったんだ。…ちょっとでも精くんに勝てる確率を上げるためにね。」
どうやら俺は郁子先輩を勘違いしていたらしい。郁子先輩は淳之介君『も』狙っている。俺『も』狙っている。SSとして俺に勝ちたいという気持ちがよく分かった。
精
「俺の事を…しっかり見ているんですね。安心しました。」
女部田
「あたしも一番隊隊長だからね。負けっぱなしはさすがに悔しいよ。」
精
「郁子先輩…」
女部田
「精くん…」
二人の視線がぶつかる。本気で戦う郁子先輩は本当にかっこいい。そして、それを見た後の普段の郁子先輩は本当に可愛い。俺は自然と郁子先輩の肩を掴んでいた。
精
「俺、郁子先輩のことが」
糺川
「片付けの最中に何をしているんだお前達?」
礼先輩に見つかった。別にやましいことをしていたわけではない。堂々と言うべきだ。
精
「戦闘訓練です。」
郁子先輩
「ついでにこれからおまんこするつもりなの♪礼ちゃんはそこで見ててね♪」
糺川
「…訓練に励むのは褒めよう。だが、今は片付け中だ。為すべきことを為してからにしろ。」
事情を悟った礼先輩は警告だけで済ませてくれた。とりあえず、郁子先輩と一緒に片付けを済ませよう。
片付け済んで夜になる。いくら『金色の狂犬』と言っても体力的に厳しいものがある。グラウンドに大の字になって体を預ける。
女部田
「ねぇ精くん、さっきあたしに何を言おうとしたの?」
郁子先輩がニヤニヤしながら俺の顔を覗き込んできた。言わなくても分かっているだろう。
精
「俺、郁子先輩のことが好きなんです。」
だからこそ言った。
精
「でも、まだその感情に従うことはできません。」
だからこそ続けた。
精
「その時が来たら…もう一度言います。」
だからこそ止めた。
郁子
「…そっか。じゃ、その時が来るのを待っているね。」
その時の郁子先輩の顔は喜怒哀楽をミキサーにかけたようだった。それ以上何も言わず、あるいは言えず郁子先輩は寮に戻って行った。…俺も家に帰るか。その時、淳之介君から電話がかかってきた。
精
「もしもし?俺だよ俺。」
淳之介
「出た側の奴がそれ言うことあるか…?今、俺の家でお疲れ様パーティーやってるけど、来るか?」
今日を乗り切ったのは反交尾勢力としては大金星だろう。パーティーの一つや二つ開きたくなるのもよく分かる。まして、影のMVPは呼びたいところだろう。
精
「行く気はマンマンだが…体力がチンチンでな。家でゆっくり休ませてくれ。」
淳之介
「…そうか。言葉の意味はよく分からないがゆっくり休んでくれ。」
だから俺は断った。そして電話を切る。その時、郁子先輩からメッセージが届いることに気が付いた。
『トーカちゃんから連絡。生徒会室の扉の暗証番号は0917だって。あたしの誕生日にしてくれたみたい。なんかうれしいね♪』
やっぱりあの人の仕業だったか。俺は早速会長に連絡を入れる。
『誕生日を暗証番号にするのはセキュリティー上よくないです。別の数字に変えてください。』
すぐに返信が来た。
『警備中に生徒会室に行ってまでしかたったプレイを頂けると幸いです。』
やっぱりバレていたか。俺は適当に答えることにした。
『会長の玉座にぶっかけたくなっただけです。』
『でしたら私に直接かけてくれてもいいんですよ?』
『あなたの入浴介助はしたくありません。』
『(´・ω・`)』
さて、"あの作戦"に反交尾勢力が関わってくることが確定した。どう立ち回るか。色々な問題を後回しにしてきたツケが、一気に回ってくるかもしれないぞ。