抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
週が明け、"琴寄文乃確保作戦"が始まった。『金色の狂犬』である俺が参加しない道理はどこにもなく、周囲の警戒に当たっていた。
精
「こちらω-99。すでに数名と交戦。中にはSHOの人間もいました。異常事態です。速めに作戦を終わらせた方がよさそうです。」
糺川
「分かった。無用な戦闘は避けるべきだが、戦う際は全力で行け。お前なら簡単に負けたりはしないだろう。」
SSとSHOが対立するという異常事態だが、戦力的にはSSの方が上だ。だからこそ、一つ懸念点がある。SHOと組んでいる第三勢力が何者かということだ。SSに対して戦いを挑み、SHOを懐柔できる存在---
女部田
「こちらα-1。反交尾勢力を発見。これより交戦するよ。」
郁子先輩から簡潔な連絡が入る。やっぱり淳之介君達も来ていたか。あのデータを見たから来るだろうとは思っていたが、この混戦状況では確認に行くこともできないだろう。
ヤクザ1
「この金色の制服…『金色の狂犬』だな!?」
ヤクザ2
「お前ら!やっちまえ!」
数名のヤクザが俺を取り囲む。なるほど、SHOも半端物と組むとは…落ちぶれたものだな。
精
「半端物なのは俺もそうか…まあ、作戦遂行の為にちょっとおねんねしてもらおうか。」
愛刀ティラミスを振るう。瞬きする間にヤクザを無力化し、改めて連絡を入れる。
精
「こちらω-99。ヤクザがいて、SHOと組んでいる模様。」
女部田
「こっちも順調。反交尾勢力が撤退していったよ。」
冷泉院
「ちょうどよかったです。こちらは琴寄文乃を発見しました。確保に向かってもらえますか?」
最重要人物の確保は最強の存在がやるべきだろう。俺は指示されたポイントに向かう。
そこには撃墜王の最終日に見た、着物を着た少女がSSに包囲されていた。
精
「まさか君が琴寄文乃だったとはな…手荒な真似はしない方がいい。こっちも手荒な真似をしなきゃいけなくなるんでな。」
琴寄は何も言わずにただ頷いた。流石にこの状況では反撃のしようがないだろう。
精
「…そろそろ日が沈む。今夜はあの屋敷で色々と話をさせてもらおう。」
琴寄を保護する以上、今夜を乗り切らないといけない。俺は付きっ切りで琴寄といることにした。琴寄を奥の部屋へと連れ込み、早速会話を始める。
精
「…ケツから言って、君は助からない。」
その言葉に琴寄は驚いていた。あくまで俺の想像の中でしかないが、俺は話を続ける。
精
「俺の友達にとんでもない奴がいる。この島に来てろくにドスケベセックスをしない、SSから何度も追われているのに何度も逃げきってきた、いつの間にか頼もしい仲間も作っていた、俺の心も動かして郁子先輩の目も奪った…理論や理屈じゃどうにも説明がつかない。そう言う奴としか言えない奴がいるんだ。」
琴寄は俺の話をぼーっと聞いている。
精
「そんな奴が君を助けに来る。だが、俺はそれを食い止める。果たさなきゃいけない約束の為に。そして、自分の想いに素直になるために。…そのために君を利用する。だから、君を全力で守る。」
俺は自分に言い聞かせるように言葉を紡ぐ。琴寄を守り切るのは簡単だろう。だが、それで淳之介君との友情を失うことに耐えられるだろうか。しかし私情で守らなかったら、郁子先輩にどんな顔をして会えばいいだろうか。このまま時が進まなければいいのに。そんな俺をあざ笑うかのように、いたずらに星は昇る。
夜明けと同時に行われた奇襲作戦によってSHO並びにヤクザたちは撤退した。後はこのまま何事もなく---
精
「があああ!?」
突如俺の体に衝動が走る。視界が揺れ、心臓が高鳴り、何より勃起が止まらない。
SSの女子
「もうだめぇ…我慢できない…!狂犬ちんぽいただき---」
精
「おあああ!!!」
警備にやってきたSSの女を犯していた。頭が何かを思うより、理性が咎める前に犯していた。それでもなお満たされない。目の前に着物を着た美少女が立っている。
精
「は、離れろ…!今の俺は正気じゃないんだ…!」
琴寄
「だ、大丈夫で---」
精
「うるせえ…!ガタガタ抜かす暇があったら俺から少しでも離れろ…!」
俺は頭を抱えてうずくまる。生きていて一度たりとも味わったことのない渇望が全身を貫く。この女を犯したらこの渇望は満たされるだろうか。犯したい。犯し犯し犯し---
淳之介
「っ…!お前にも効いていたか…!」
精
「じゅん…の、すけ…くん…!!!」
恐らくこの事態の元凶だろう。何をしたのかは分からないが効果は絶大だ。俺が動けなくなるほどの策だ。
淳之介
「お前には悪いが…琴寄文乃は俺が連れて行く。」
精
「悪いと思うならするなよ…!」
淳之介君が琴寄に近づいていく。何とか近づこうとしても体がまともに動かない。さっき犯した女をもう一度犯したくて仕方がない。
精
「ダメだ…!ここで…俺が動かなきゃ…!郁子先輩に…!」
『…精君は本当に強いんだからさ、もっと自信を持っていいよ。』
『精くんは…頑張り屋さんなんだね。』
『…そっか。じゃ、その時が来るのを待っているね。』
郁子先輩のことを想い出す。俺は何度も言われてきた。『金色の狂犬』と。郁子先輩から認められた『金色の狂犬』と。
精
「そうだ…!俺は『金色の狂犬』…!カラダと心は性欲に支配されても…!郁子先輩への想いは俺の思い通りにさせてもらうぞ!!!」
SSだの友情だの関係ない。今この時だけは愛に狂う狂犬でいさせてもらおう。女部田郁子というただ一人の女を愛する、土口精という男でいさせてもらおう。
俺は淳之介君に向かって飛び掛かった。
精
「させるかよ!」
淳之介
「ぐっ…!」
揉み合いになり床に転がる。俺が上になりマウントを取る。拳を握り締め、淳之介君の顔に向けてうならせる。それよりも早く淳之介君は俺の背中に膝蹴りを当てる。パンチの軌道がずれ、床にめり込む。
精
「し、始末書ものだな…!」
淳之介君
「だぁ!!!」
淳之介君が反動をつけて起き上がり、近接の殴り合いになる。身体能力は俺に軍配が上がるが、思考能力のは淳之介君の方が上だ。単純な攻撃しかできない俺に何度も攻撃を撃ち込む。痛みが多少衝動を抑えてくれるが、それでも俺の思考は戻らない。
精
「ご、互角にすらならねえとは…!何をしたんだ…!」
淳之介
「この中でまともに動けるということは…お前の愛は本物だな…!」
精
「質問に答えろよ…!」
淳之介
「これでお前の負けだ…!」
淳之介君が何かを取り出し、俺の右手の甲に触れた。俺はその道具を見た。それが間違いだった。催淫ペン。右手に書かれたのは正の字。認識してしまった。
淳之介
「これにてミミナシ作戦完了だ…」
精
「おおおあああ!!!」
愛が欲に変わる。守りたいという愛から犯し貪りたいという欲に変わる。俺は屋敷を飛び出す。そして雄たけびを上げる。
精
「犯してやる…ブチ犯してやるぞ、女部田郁子郁子ぉ!!!」
…ん…くん…てば…せいくんってば…
精
「うう…?」
ぼやっとした意識を何かが刺激する。音?声?
女部田
「精くんってば!大丈夫!?」
視界がはっきりしてくる。水色の髪の裸の痴女、いや、郁子先輩だ。
精
「郁子…先輩…?」
かなり息が荒く、汗もかいている。とても動ける状態には見え---
女部田
「もう!しっかりしてよ!」
郁子先輩が俺の頬を思い切り引っ叩く。首が飛ぶんじゃないかと思うぐらいの衝撃だ。おかげで意識がはっきりする。
精
「はっ!?郁子先輩!?俺は一体何を!?」
郁子先輩の衣服はボロボロで、白濁の精液にまみれていた。間違いなく俺のせいだろう。
女部田
「やっと目が覚めた!?話は後でするから反交尾勢力を追いかけて!」
郁子先輩が指さしたほうに細い車輪の跡が走っている。おそらく畔の自転車だろう。俺は矢のように飛び出し走った。跡は崖の先に伸びていた。迷っている暇はない。
精
「イヤッッホォォォオオォオウ!!!」
汚名返上のために死ぬわけじゃない。汚名返上の為に生きるのだ。愛に殉じるのではない。愛を貫き通すのだ。崖を飛ぶ。金色の制服をグライダーとパラシュートの代わりに---なるわけないが少しでも勢いを殺すために広げる。
精
「俺は死なない!なぜなら!女部田郁子を愛しているからだあああ!!!」
そのままビーチの砂浜に五点接地で着地する。うまくいった。後で精密検査する必要はあるだろうが今はそれどころではない。
精
「さあ、第二ラウンドだぜ淳之介君!」
淳之介
「俺も美岬の為に負けるわけにはいかない!」
精
「さァ、交わり乱れて狂いましょう!!!」
淳之介
「アリアドネー・プロトコル--!」
愛刀ティラミスと穿ち丸が交差する。お互いの愛をかけた戦いが幕を開ける。