抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
淳之介
「お前も愛に目覚めたんだな、精!」
精
「ああ!君の言うことがよく分かったよ!愛することがどれだけ人に力を与えるのか!」
二人の意地がぶつかる。俺は愛刀ティラミスの一刀流に対し、淳之介君は穿ち丸と菊一文字の二刀流だ。手数では淳之介君の方が上だが、実戦経験に関しては俺の方がはるかに上だ。
精
「さっきは不覚を取ったが、郁子先輩が目を覚まさせてくれたんでなあ!」
淳之介
「くっ…!女部田以上の強さだな…!一番敵対したくなかった存在なだけはある…!」
しかも今は意識がはっきりしている。淳之介君の二股バイブ筋とアナルビーズ筋がよく見える。的確に弾き、受け流す。俺には郁子先輩仕込みの技術がある。体術と長い獲物を活かした変幻自在の戦闘術。しかし、淳之介君は郁子先輩と何度も戦っている。相応の対策を講じており、容易く倒すことはできない。
精
「郁子先輩との経験が生きたな!むかつくぜ!俺の郁子先輩をあんな風にしやがってよお!」
淳之介
「お前はもう少し口先の戦いを学んだ方がいい!女部田に比べたら子供の口喧嘩レベルだ!」
二刀流の連撃が迫ってくる。距離を取ろうとしても執拗に詰めてくる。ならば。
精
「砂浜で戦うということはこういうことだ!」
淳之介
「なっ!?」
俺は思い切り地面を蹴り上げる。砂塵が巻き上がる。ゴーグルをしているから目つぶしにはならないが、視界を一瞬封じることができる。視界がなくなった淳之介君は一瞬は硬直した。ここが決着点だ。
精
「糺す狂犬の下に命ず、三途の川にて一抹の礼賛を捨てよ!そして
俺は二丁拳銃で淳之介君の両手を撃つ。穿ち丸と菊一文字が手から落ちる。そして一気に距離を詰め、淳之介君に足払いをする。踏ん張りがきかず倒れた淳之介君に銃を突きつける。
精
「動くな。このままSSに連絡をして---」
淳之介
「お前は本当に強かったよ…俺一人じゃ勝てなかった。」
淳之介君の目線は俺を見ていない。俺よりちょっと後ろを---
畔
「土口さん--私に、背中を見せましたね。」
そうだった。コイツは俺や郁子先輩でも察知できない奴だった。自転車で逃げたのだったらコイツと一緒にいて当然---
畔
「そのアナル--貰います!!」
俺の尻に何かが突き刺さる。声を上げる間もなく、何かを思う間もなく、俺はその衝撃に意識を手放した。
目を覚ますとそこはSHO本部の一室だった。目の前には手嶋とその手下のヤクザがいた。
手嶋
「クックック…琴寄文乃と『金色の狂犬』の両方を手に入れられるなんてなぁ…俺はつくづく運がいい…」
ぶん殴ってやろうと思ったが手が動かない。拘束されているようだ。
精
「…なるほど。相当やばい状況だな?」
手嶋
「やっと目が覚めたか寝坊助。とりあえず俺の手下になれ。」
そう言って俺は---
手嶋
「…どうだ?俺達に協力するか?」
精
「誰がするかよ馬鹿。手前がうまく言ってるのは琴寄文乃がいるからだろうが。」
手嶋は驚いた顔をしていた。
手嶋
「コイツもダメだと…?あの女とコイツになんの共通点があるんだ…?」
精
「あの女?誰の事か知らねえが足だけでも手前らを倒すことぐらい---」
ヤクザたちが銃を向けてきた。流石に両手を塞がれて銃を突きつけられてはどうしようもない。
精
「なるほど。白旗を挙げたいから解いてくれないか?」
手嶋
「お前の家に着いたら解いてやるよ。」
SHO本部から俺の実家へ送り届けられ、拘束を解いてもらった。制服や武器、スマホなどは無事だった。とにかく今は情報が欲しい。淳之介君の家に駆けこみ、インターホンを連打する。高得点に神妙な顔をした淳之介君が出てきた。
淳之介
「精…とりあえず分かってる範囲で話す。」
あの後、淳之介君は俺を人質にされ琴寄文乃を手嶋に渡した。その際に一撃貰ったが特に異常はなく、畔と結ばれたお祝いをして送り届けて、今に至るといったところだ。あまりにも状況が難しいが、芳しくないことだけはよく分かった。
精
「とりあえず…お互い命があってよかったな。下手すりゃ死者が出てもおかしくない騒動だったからな。あと、畔と結ばれたことはおめでとう。いいコンビネーションだったから長く続くと思うぜ。」
淳之介
「…すまない。お前に勝っておきながらこんな体たらくで…」
精
「んなこと言ったら俺の立場はどうなるんだ?反交尾勢力を見逃して、愛する人の為に友情を捨てて、負けて琴寄文乃を守り切れなかった…多分、SSクビになるね。明日学校行くのが怖えよ。」
淳之介
「…今でも俺はお前のことを友達だと思っている。立場が違ったからぶつかっただけに過ぎない。本音の部分は同じだろ?」
その言葉に少しだけ安心する。失ったものや失うであろう物は大きいが、すべてを失うわけではないようだ。
精
「とりあえず…今何かしたってどうにもならない。明日以降色々考えるとしよう。じゃあな、淳之介君。」
淳之介
「ああ。また明日、学校でな。」
淳之介君と別れて自分の部屋に戻る。情報を得て、少しだけ状況が把握できた。布団の上で考えてみる。手嶋は
翌日、反交尾勢力の秘密基地で話し合いをしている時だった。反交尾勢力への出資者と話す機会があったから話す。
精
「なあ爺さんよ。確かに淳之介君達の落ち度もあるが、あんたがもっと早く情報を出していればよかったんじゃねえか?」
???
「何だと……!」
精
「人に難題を押し付けるくせに金銭面からしか協力しない…いくら性人済みだからって、こっちは学生の集まりだ。経験豊富であろうあんたがもっと関わるべきじゃないのか?」
この短時間ながら、この老人がろくでもない人物だというのがよく分かった。淳之介君達は追い詰められていたから協力しざるを得なかったのだろう。余裕があればもう少しまともなパトロンを選ぶべきだ。
???
「部外者が……!戯言を抜かす前に実のある言葉を」
精
「琴寄文乃はヤクザに攫われてSHO本部にいる。手嶋はSHOやSSを洗脳している。俺ともう一人洗脳が効いていない奴がいる。今はその人物を探し俺との共通点を見つけ、洗脳を解く方法を探している。…こんぐらいあれば十分か?」
老人の表情は何も変わらない。俺はさらに言葉を続ける。
精
「もっと言おう。琴寄文乃は仁浦俊明の身内、見た目から言って娘だな。」
老人の表情が固くなる。
精
「SSで探す際に生徒名簿にも戸籍にも載っていなかった。その上、反交尾勢力も探していた…訳アリなのは間違いない。本人ちょっと会話したが、ドスケベ条例をどうこうしたがっている素振りはなかった。なのに『琴寄文乃がドスケベ条例を破壊できる鍵』ってことは…仁浦俊明に関係している、それどころか仁浦俊明のアキレス腱だ。戸籍にないアキレス腱的存在…娘の中でも隠し子ってところか?」
俺の言葉に一同が沈黙を享受する。老人はくつくつと笑いだす。正解のようだ。
???
「なるほど…そこまで言うならば、ここからは貴様がこやつらを率いるか?」
精
「SSが反交尾勢力を率いたら大問題だろ、と言いたいが…悪くない提案だな。なにせ俺は先ほどSSをクビになったからな。」
朝一に登校した時、花丸委員長に呼び出されて生徒会室に行った。今までの業務態度、反交尾勢力を見逃していた事、何より琴寄文乃護衛失敗の責任としてSSからの除名を言い渡された。俺は文句を言わず一礼して生徒会室を去った。
精
「でも、俺はリーダーに向いてないんで…」
俺は淳之介君に頭を下げる。
精
「よろしく頼むぜ、淳之介君リーダー。」
淳之介
「は?」
精
「つー訳で…これからはSSの『金色の狂犬』改め、NLNSの『金色の狂犬』だ。」
俺の衝撃の宣言にNLNSのメンバーは、目をライトモードとダークモードを0.1秒間隔で切り替えていた。
淳之介
「マジで…?」
精
「あんな風に言われたらどうしようもないさ。」
麻沙音
「…私たちのせいで…」
精
「全部俺の決断だし、全部俺の責任だよ。」
片桐
「でも、どうするの?SSの奨学金とか…」
精
「返済義務もないし、そもそも金なら事故でありえないぐらいの額の慰謝料もらったからね。」
渡会
「でも、礼ちゃんとかSSの皆と離れちゃうよ?」
精
「…まあ、SSを裏切っていたのは事実です。Xデーが今日だっただけです。」
畔
「ま、まあ、ここはNLNSに強力な戦力が加わったということで」
精
「本当に疑心暗鬼、嬉しいと思ってる?このデカケツみるとそうは思えねぇな。」
畔のケツをシバく。ひぃんという声とスパンといういい音が響く。ついでにピンポンと校内放送がなる。
校内放送
『--これより、全校集会をおこないます。速やかに性行為を中断するか、あるいは性行為をしながら体育館に集合してください。』
精
「さて、NLNSとしての初出動だ。張り切ってイこー!」
淳之介
「張り切るのは構わないが、イくのは止めてくれ。NLNSは愛無きセックスはしない。」
登校頻度にぶれがあり申し訳ありません。モチベーションの問題なんです…頑張って書いていますので…