抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
俺と郁子先輩は身支度を整え、朝食と共にこれからの作戦会議を始める。今日の朝食は冷凍うどんで作った天玉うどんだ。料理上手になるコツの一つは冷凍食品をうまく使うことだ。何が何でも新鮮な生の食材を使わないといけない、というナイーヴな考えは捨ててもらおう。レンチンしたうどんに麺つゆをぶっかけ、天かす、温玉、薬味のねぎを散らして完成だ。
精
「今の状況を確認しましょう。SS並びにSHOの大半が手嶋の配下になっています。その原因は琴寄文乃が手嶋の手中にあることによる、仁浦俊明の掌握……この状況を打破するためには琴寄文乃を取り戻すことが必要になります」
はっきり言って絶望的な状況に郁子先輩は顔をしかめる。酷だが質問を投げかける。
精
「郁子先輩、俺と郁子先輩で琴寄文乃を取り戻すことは可能でしょうか?」
女部田
「間違いなく無理だね。普通のSSやSHOの人ならともかく、礼ちゃんやトーカちゃんがいるとなったら……いくらあたしと精くんでも不可能だよ」
想定通りの答えが返ってきて安心する。ここで『無理でも何でも行くべきだよ』とか言わないのが郁子先輩たる所以だ。では打つ手なしか? そんなわけない。この青藍島にはSSに勝るとも劣らない組織がいる。
精
「俺の友達に協力を求めましょう」
女部田
「……もしかして反交尾勢力? 淳之介くん達は無事なの?」
精
「無事ですし、青藍島の現状をよしと思っていません。向こうも戦力が欲しいところでしょうから……組むのは簡単だと思います」
女部田
「うーん……精くんはともかく、あたしと組んでもらえるかなあ……?」
郁子先輩の懸念はごもっともだ。郁子先輩は反交尾勢力と、特に淳之介君とバチバチにやり合っていた。状況が悪くなったからといって簡単に協力できるとは思えない。
精
「でも、俺が反交尾勢力に入っているとしたら?」
女部田
「えっ?」
先日入ったばかりだが、俺はNLNSのメンバーだ。俺の介入があれば少しはましになるだろう。
思い立ったが吉日、善は急げ、口淫矢の如し軽んずべからずということで淳之介君の家にカチコミした。
精
「ということで郁子先輩もNLNSに入れてくれ。SSのツートップが揃えば戦力は申し分ないと思うぜ?」
淳之介
「いや、まずは何でそうなったかの経緯を教えてくれ……」
意外にも淳之介君は困った反応をしていた。俺は改めて淳之介君にSHOやSSの現状、並びに俺と郁子先輩が交際関係になった事を伝えた。
淳之介
「……まずはおめでとう。敵ながら、いや、もう仲間だったか。そこは心から祝福するよ」
知らぬ国の菓子を食べたかのように複雑な顔をした淳之介君から祝福を受けた。
淳之介
「NLNSに入るという話だが……今後、むやみやたらとセックスをしないと約束できるか?」
反交尾勢力としてそこは譲れない点なのだろう。しかし、郁子先輩の顔がちょっと不服そうだ。すかさず俺がフォローに入る。
精
「TPOを弁えてするならいい……って解釈していいか?」
淳之介
「精の愛は本物だった。No Love No Sex……愛あるセックスなら特に咎めるつもりはない」
女部田
「それじゃあ、精くんとはエッチしていいってこと!?」
淳之介
「愛をもってするならな」
俺としても郁子先輩からエッチなことを取り上げたくはない。郁子先輩の大切なアイデンティティーだからだ。場所を秘密基地に移してメンバーに話をする。
淳之介
「──そういうわけで今日から精と女部田が俺たちの仲間に加わる」
精
「正確にいうと俺は昨日から入っているけどな。ま、今日入るでまとめたほうがさっぱりするだろ」
女部田
「よ、よろしくお願いしまぁす……」
郁子先輩が俺の背中からひょっこりと顔を出し、不安そうに頭を下げる。
精
「大丈夫ですよ郁子先輩。ここのメンバーは良い人だらけです。取って食ったり犯したりしませんよ。なあ、淳之介君?」
淳之介
「元SSからもお墨付きだな。俺達はそんな不寛容な組織じゃない。そうだろう?」
片桐
「頭が追い付かないけど……その子、本当に女部田さん? そんなキャラだった……?」
精
「俺と同じくSSをクビになって
渡会
「郁子ちゃんって呼んでもいい?」
女部田
「うん、いいよ……ねぇ精くん、この小っちゃいお子さん」
精
「渡会先輩です。俺の一個上で礼先輩と同じ三年生です。子ども扱いしたら礼先輩に怒られますよ」
麻沙音
「あぁ、あ、兄……このままじゃ私の二股が濡れ濡れで幸せ指数天元突破して昇天だよぉ……!」
精
「郁子先輩の魅力を見抜くとはお目が高い。でも、もう俺の彼女だから郁子先輩とエッチしたいときは、俺に一言許可をもらってね」
淳之介
「許可を取ればいいのか……美岬は何も言わないんだな?」
畔
「まあ、淳之介さんがいいなら私から言うことはありませんから」
なんだかんだと歓迎の雰囲気になってきた。俺も頭を下げて頼み込む。
精
「──郁子先輩は、俺と違って今まで完全に敵対してたSSでした。皆が思うところはあると思います。でも──良い人です。俺が保証します」
女部田
「精くん……」
精
「そして、俺と郁子先輩はSSでも実力者揃いの一番隊のツートップ……戦力としては申し分ないはずです」
女部田
「精くん……」
精
「いい言葉があります。人々にしてほしいと、あなたがたの望むことを、人々にもそのとおりにせよ。ゆるしてやれ。そうすれば、自分もゆるされるであろう」
女部田
「聖訓……」
淳之介
「精と女部田のこれまでの行いは俺達の意志とは相反するものだ。だが──俺はこれを許容したいと思う……いいだろうか?」
渡会
「もちろんだよぉ、先輩として年下には優しくしてあげないとねっ!」
片桐
「アンタがそれでいいんだったら、アタシはかまわないですけど?」
畔
「同じくです。よろしくお願いしますね、女部田さん……いえ、郁子ちゃん!」
女部田
「うん……よろしくね、みんな……」
こうして俺と郁子先輩はNLNSに正式に加入することになった。
NLNSで情報共有をし、手嶋の洗脳方法についての話題になる。
精
「あいつはおちんちんで洗脳する。俺もケツに入れられたよ……マジで容赦なかった……だが──」
女部田
「精くんもやられたんだ……あたしもやられたけど──」
精
「淳之介君のおちんちんに比べたらねえ?」
女部田
「大したことなかったよねえ?」
俺と郁子先輩を除くNLNSメンバーの視線が淳之介君をPlazmaraのようにぶちヌき妙に空気が凍っていく。ふいに出たあの声をザーメンのように飲み込んでいればこんなことにはならかった。流石に質問しざるを得ない。
精
「なあ、淳之介君……郁子先輩とドスケベセックスしたこと言ってないのか?」
帰り道、淳之介君は畔に赤べこのように頭を振って謝っていた。なんでも、セックスをするのは付き合ってから1年とか言っていたらしい。なのにこの体たらくで、『反交尾勢力』のリーダーとしての威厳も尊厳もへったくれもない。およそ郁子先輩のせいではあるが、隠し続けた淳之介君にも責任の一端はある。
女部田
「だったら、ここでヤっちゃったら?」
精
「そういや、愛し合ってセックスするなら問題ないって言っていたよな。淳之介君も畔も愛し合ってるし」
女部田
「なにより淳之介くんはおっきくし始めてるし、ミサキちゃんも濡れ濡れだよ?」
アサちゃんのアリアドネー・プロトコルを拝借して確認したところ、本当だった。
精
「淳之介君の部屋でしたらどうだ? 愛し合いながらのセックスはめっちゃ気持ちいいぜ?」
女部田
「そうそう♪ あれを知っちゃったら他のセックスは出来なくなっちゃうよ♪」
淳之介君と畔が見つめ合う。これはもう秒読みだろう。
精
「さて、アサちゃんは俺と一緒に俺の家でゲームしようぜ! 郁子先輩を格ゲーの沼に沈めるんだ!」
女部田
「精くんってゲームの話題になると急に子供っぽくなるんだよねぇ。そこがかわいくもあるんだけど♡」
ということで俺は郁子先輩と一緒にアサちゃんを俺の家に引きずり込んだ。有無を言わせずゲームを起動し、クッションとポテチとコーラを用意する。
精
「さあて、何でハメ倒してやろうかなあ?」
女部田
「精くんのかっこいいところ見たいなあ♪」
麻沙音
「だったらアレやってほしいです。ゲージ150%コンボ。私は投げハメするので」
この後ゲージ150%の煽りコンボ*1でアサちゃんを真っ赤にさせた。郁子先輩からは『もうちょっと優しくした方がいいと思う』と若干引かれた。なお、あの二人に関わりたくないということで、アサちゃんは俺の家にお泊りすることになった。そのことを淳之介君に連絡したが、既読が付かなかった。明日になったらめっちゃ揶揄ってやるか。
土口の煽りコンボは『ブレイブルーセントラルフィクション』という格闘ゲームでユウキ=テルミというキャラを使うと再現可能です。一応、レシピを乗せておきます。
(キャラ限定、画面端限定)A版大蛇武錬殲→ラピットキャンセル→オーバードライブ発動→6D→5C→3C→5D→蛇顎→A版大蛇武錬殲
前のバージョンでは挑発を入れられたのですがアップデートで入れられなくなっていました…挑発を入れられるレシピをお持ちの方は教えてください。