抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
翌日、NLNSの秘密基地で淳之介君がふてぶてしくにやりと笑う。ピンチの時にこんな風に笑うということは、何か逆転の発想でも思いついたのだろうか。
精
「ゆうべはおたのしみでしたね?」
淳之介
「ああ、夜が明けるまでしたさ。おかげで手嶋の洗脳に対していい案が思いついた。…俺が--このイチモツを行使して、洗脳を解く。」
一般人が聞いたら何を言っているのかと思われる発言だが、俺の想定通りである。実際に俺と郁子先輩は淳之介君のおちんちんを味わっているから洗脳されていないのだ。逆説的に、淳之介君のおちんちんでセックスすれば洗脳を解ける可能性がある。
麻沙音
「でも兄、それってつまり……みんなの前でおちんちんさらけ出すってことだよ?ダメだよ、そんなことしたら兄死んじゃうよ……」
淳之介君はあのイチモツのデカさがコンプレックスであった。いまなお心に残るトラウマだろう。
淳之介
「かまわない。そんなこと--俺は、もう気にしない。」
精
「愛故にか?」
淳之介
「ああ。俺の一番好きな人が--美岬が、こいつのことを愛おしいといってくれた。俺は……それだけで十分なんだ。たとえ全人類が俺のイチモツを口汚く罵ってきても--美岬ひとりが愛おしいと言ってくれるなら、俺は永遠に誇りを持ち続けられる。」
その顔に虞はなかった。一人の男として、愛する者を守るために戦う、愛の戦士の顔だった。
精
「…なんとなく解った気がする……何故『金色の狂犬』である筈の俺が君に敵わなかったのか……君は愛の為に戦うんだ…!頑張れ淳之介君…君がナンバーワンだ!!」
女部田
「精くんも頑張らなきゃだめだよ?洗脳を解いていったら、きっとあたしたちも狙われるからね。」
何にせよ、淳之介君がカギになることに違いはない。淳之介君も畔の為に条例を変えるというのだ。俺も郁子先輩が笑って過ごせる条例に、いや、青藍島に変えてやる。
ということで早速愛風というマジカルミラー号に乗ってメインストリートに踊り出る。
淳之介
「それにしても--本当に、誰もセックスしていないな。」
精
「シン・ドスケベ条例のせいだろうな。それと、ヤクザ者がうろついているせいもあるな。SHOも極道の末端組織になるとは…泣けるぜ。」
治安維持をするSHOがいなければ無法者がのさばるのは当然の事だろう。人々は怯え、影に隠れるようになってしまった。
淳之介
「ふぅ…………」
精
「気が滅入るのは分かるが、気合い入れていけよ?俺は君を守ることができるが、洗脳を解くことは君しかできないんだから。」
淳之介
「それは分かっているが…自分から積極的にセックスなんて、今までやったことなかったから…」
思い返せばそうだった。淳之介のセックスはいつも誰かに押されるか押し倒されてのものだった。ここは友達としてアドバイスしよう。
精
「マジカルミラー号でのプレイは郁子先輩とよくやってたんでな。手取り足取りチン取り教えてやるぜ?--っていう感じで、あとは流れでヤれば余裕よ。」
淳之介
「なるほど……それ、本当に上手くいくのか?」
精
「だったら畔で試してみるか?おーい畔、淳之介君がお呼びだぜ。」
畔
「はいはい、なんでしょう?」
精
「日頃の礼を込めてマッサージしたいんだとよ。よく揉みこまれて、おいしくいただかれちゃうかもな?」
畔
「むっ、茶化さないでください。でも、ありがたいので受けます。」
嘘は言ってないんだなこれが。畔を大窓に向けて立たせる。
精
「あとは頼みましたぜ、淳之介先生!」
淳之介先生の施術中に俺と郁子先輩で客引きを行う。
精
「おっ、花丸姉妹…手始めにあいつらからやってもらいましょうか。」
女部田
「それじゃ、あたしはあっちの方で誘ってみるね。」
かくして淳之介君のダンコンリンパ作戦が始まった。俺は哨戒しながらターゲットを選別し、郁子先輩の催淫ボイスで誘って、淳之介君が催眠解除をする。淳之介君の負担がヤバいが、そこは愛の力で何とかしてもらう。
学業終わりの夕暮れ時、畔の家近くのご老体にSHO本部への突撃用装甲車の話をしていた時、それは起こった。
精
「--不明な女性が近づいている。」
女部田
「重さは55Kg前後…きっとあたし達のことを嗅ぎつけたのかな……?」
俺と郁子先輩は低く構えた。手嶋の傀儡となった女が俺達に近づいてきた。淳之介君がイチモツを開放し近づく。そして--
淳之介
「…………あ、れ……?」
淳之介君のおちんちんはふにゃりと頭を垂れたままだった。それに呆れた傀儡は踵を返して帰って行った。
精
「おい、淳之介君…どうしたんだ?」
淳之介
「お……俺にも、分からない……」
畔
「淳之介くん!今のは一体……勃起、しなかったように見えましたが……?」
畔に反応し淳之介君のおちんちんが勃起する。
精
「…まさかな?畔、ちょっと離れろ。」
畔
「え?は、はい…」
畔が離れると淳之介君のおちんちんはしおしおとしぼんでいった。
精
「…郁子先輩、淳之介君のおちんちんを全力で勃起させてみてください。」
女部田
「…うん。分かった。」
郁子先輩の囁き手コキをもってしても淳之介君のおちんちんは勃起しなかった。
女部田
「んん……これはさすがにちょっとへこんじゃうかも……ミサキちゃーん、おいでおいでー。」
畔が来ると再び淳之介君のおちんちんは屹立した。
精
「畔じゃないと勃起しない…なるほど、これは重傷だな。」
何度か試してみたが、俺のおちんちんでは洗脳は解けなかった。淳之介君のおちんちん出ないとダメなのに、その淳之介君のおちんちん勃起しなくなったら手詰まりだ。実力行使でどうこうできる問題ではない。
精
「…とりあえず今日は休め。明日の対策会議で今後を考えよう。」
寝れば夢になるほど現実は甘くなく、翌日も淳之介君はインポだった。
淳之介
「笑えよ、精…もう俺は美咲以外とセックスできないんだ…」
キノコがポンポン生えそうなぐらいジメッっと重い雰囲気が基地に漂う。
精
「弱ったなあ…会長がいれば催眠術で他の人間が畔に見えるとかできそうだが…」
女部田
「精くんが本当に参った時、『もう一度卵に会わせてくれ』ってやってもらったもんね…全員卵ちゃんに見えてすぐ失敗に終わっちゃったけど…」
アレは本当に自分でもどうかしていた。死んだ卵に会うためとはいえ、会長に頼み込むなんて--
淳之介
「…二人共、今なんて言った?」
淳之介君が俺と郁子先輩の方をギラリとみる。
精
「会長の催眠術で他の人間が畔に見える…?」
女部田
「全員卵ちゃんに見えて失敗した…?」
淳之介
「そうか分かったぞ!」
淳之介君は基地を畔を連れて基地を飛び出していった。
精
「…まさか会長に会いに行くために飛び出したわけじゃないだろうな…?」
女部田
「流石にそれはないと思うけど、何を思い付いたんだろうね?」
淳之介
「すべての膣は美咲に通じていたんだ。」
翌朝の淳之介君は意味不明なことを言っていた。すっごく嫌そうな顔をしているアサちゃんから事情を聞いたところ、すべての人間が畔に見えるプログラムを組んだそうだ。
精
「女ひとりのために狂っちまったな淳之介君!『こっち側』に来たことを歓迎するぜ!」
淳之介
「流石にお前は美咲に見えないか。運が良かったな。」
しかし、どんなふうに見えるのか気になった。俺は淳之介くんからゴーグルを借りて装着する。
精
「うおおお!?なんじゃこりゃあ!?」
女部田
「ちょ、ちょっとあたしにも貸して!…うわあ!?皆ミサキちゃんに見える!?」
俺と郁子先輩でさえも驚くとんでも技術だ。この発想に至った淳之介がすごいのか、このソフトを作ったアサちゃんがすごいのか、元凶である畔がすごいのか。なんにせよこのメルクオリア*1プロトコルがあれば
麻沙音
「SS……校庭にSSが来ている……!率いてるのは冷泉院さ--生徒会長……!SS本隊だよ、兄……!」
アサちゃんからの連絡に緊張が走る。そして--
冷泉院
「--久しぶりですね……土口さん。」
精
「このままあなたが帰ってこなければ俺が生徒会長になれたんですけどね。」
会長と目を合わせる。相変わらず不気味な目をしている。洗脳されているからか、それとも--
冷泉院
「郁子の面倒を見ているようですね?私の面倒も見てくれると嬉しいのですが…」
精
「あなたの世話は3日で不可能だと悟りましてね。付き合える礼先輩と郁子先輩は本当にすごいですよ。」
冷泉院
「ふふっ、でも今は郁子をも虜にした先輩のモノに興味がありますね。」
精
「生憎、淳之介君は愛する畔としかセックスできない体になりましてね。あなたの相手は…この俺ですよ!」
俺は愛刀ティラミスを抜いて会長に接近する。会長は涼しい顔でポケットから羅漢銭を弾き飛ばす。素早い太刀捌きですべて叩き落す。
冷泉院
「お見通しですね。」
精
「マジックなんてタネと仕掛けが分かれば見破れるものですよ。」
続く羅漢銭も弾き落とす。しかし、本命がまだ来ていない。警戒は怠らない。
精
「
会長がにこやかに右手を握る。--
精
「食らうところだった、あぶねぇあぶねぇ--」
愛刀ティラミスに糸が絡みつく。その糸は羅漢銭に結ばれたものだった。
冷泉院
「新しいマジックです。でも、これほどとは…想像以上です。」
会長の目線は俺の後ろの淳之介君に移っていた。あれほどいたSSの精鋭も淳之介君の愛の前には無力だったようだ。
精
「…ここはお互い退きましょう。」
淳之介
「なに言っているんだ!?ここで追撃して--」
俺の言葉を聞いて会長は糸を解いた。間違いない。会長は--
精
「会長、いつかあなたを超えます。その時までくたばらないでください。」
冷泉院
「…ええ。お待ちしています。」
会長はどこか嬉しそうにSSを連れて帰って行った。