抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
お待ちかねのボランティアはアホほど楽しくなく、思い出したくないほどだった。将来有望なSSとして事務的に処理していったが、ギャルの一人もいないとはどういうことだ?ギャルと言ったら暇があったら男を漁り、旅行先は青藍島と決まっているのではないのか?本島のギャルは妖しき猛獣に狩られてしまったのか?
精
「ああっ!クソっ!ギャルとドスケベセックスがしてぇ!この島にいるギャルはもう抱き着くし--」
その言葉に待ったをぶっかける。この島の有名なギャルで抱いていない奴--片桐奈々瀬がいた。しかし、反交尾勢力に所属しているから抱くことはできないだろう。
精
「じゃあダメじゃねえか!クソがよ!こんな時はトレーニングするしかねぇ!」
憂さを晴らすべくトレーニングをする。俺が目指すものにはまだまだ力が足りない。弛まぬ日々の鍛錬こそが一番の近道なのだ。みっちりと組んだメニューが終われば夕暮れが空を支配していた。夕飯の買い出しに行こうと外に出ると--
精
「あっあっあー、こんぱこ!こんぱこ!こんぱこー!SSの土口精だぱこ!」
淳之介
「ハメドリくんの真似にしてはクオリティーが低くないか?」
片桐
「多分ハメドリくんの真似じゃないと思うわ。…何かは分からないけど…」
いかにも買い物に行きますという淳之介君と片桐に出会った。何でも調味料の買い出しに行くらしいので、ご同伴する。
精
「へー…淳之介君の世話も大変だろうに、よく頑張るねえ…」
片桐
「ホントそうなのよ…料理も掃除も、それの道具管理もズボラで大変なのだわ…」
精
「男は仕事で女は家事の時代は終わったぜ?今は男もしっかり家事ができなきゃモテないぞ?俺が教えてやろうか?同性から教わったほうが気恥ずかしくないだろ?」
淳之介
「それはそれでありだな。いつまでも奈々瀬に頼りっぱなしなのはよくない。だが…そんな時間あるのか?」
精
「そうだなあ…反交尾勢力が捕まったらそれぐらいの時間はとれるかもな?」
淳之介
「きついジョークだ…」
俺達の会話を遮るように音が鳴る。
淳之介
「んっ--この音は…」
片桐
「端末の非常回戦だわ。この番号を知っているのは--」
NLNSのスポンサーである老人と淳之介君の通話でとんでもないことを知った。なんと淳之介君達も琴寄文乃を保護しようとしていた。しかも『ドスケベ条例を破壊する』ためにだ。
淳之介
「…このことをSSに言うか?」
精
「まさか。休日だからSSは関係なしさ。むしろ--手伝ってやろうじゃないの。」
反交尾勢力の作戦に協力することになってしまうが、琴寄文乃に接近する好機だ。理由なんていくらでも後付できる。俺はSSの制服に身を包み、二丁拳銃と愛刀を武装し、NLNSと共に目的地の館に接近する。
精
「アレが女のいるハウスね。俺が特攻吹っ掛けてやろうか?」
淳之介
「ありがたいが今は仲間だ。無茶はできない。せめて目標の座標が分かればいいが…」
麻沙音
「今私たちがいるところにあるのは土口さんだから…っ!あるよ!ここ、1名分だけ位置情報あり……!」
アサちゃんのタブレットには屋敷の中に一点だけ光る反応があった。
淳之介
「……決死隊を作るぞ。奈々瀬が先行し、俺がそれに続く。麻沙音、お前はオペレーションを頼む。こちらからの要求に答えてくれ。わたちゃんは俺たちと一緒に来てください。畔もここで待機だ。何かあったら麻沙音を逃がしてやってくれ。そして土口…お前の戦力を見込んで重大な役目を頼みたい。正面から入って陽動してくれるか?」
淳之介君からとんでもない発案が出てきた。相手はヤクザ。下手すれば実戦の修羅場を潜り抜けてきたホンモノだ。それを一学生が相手をするなんて--
精
「いいぜ。最近フラストレーションが溜まってたんだ。暴力で解決してやるぜ。」
そして作戦が始まった。俺は堂々と正面から入ってヤクザ達に啖呵を切る。
精
「SSの『金色の狂犬』だ!令状は無いが突入させてもらうぜ!」
ヤクザA
「SSだと!?どっから情報を仕入れてきやがった!?」
ヤクザB
「関係ねぇ!若頭のためだ!ひるむんじゃねえ!」
精
「威勢と口だけは達者なトーシロばかりよくそろえたもんだなぁ!」
銃を取り出そうとするヤクザの一人に一気に近づき、顎に一撃入れる。倒れるその体を盾に突進する。
精
「撃てるもんなら撃ってみろ!俺は他のSSと違って甘くないぜ!」
ヤクザB
「ぐっ…!汚いぞ!」
精
「戦争に汚いもクソもあるか!半端に道徳を持っていると大変だな半端者!」
俺はそのまま盾にしたヤクザを突き飛ばし、もう一人のヤクザにぶつける。倒れたヤクザ二人の頭に銃弾を撃ち込む。ライオット弾とは言え、かなりのダメージになるだろう。その流れで正門にいるヤクザ達を制圧していく。その時だった、
精
「この銃声は…!?SSのじゃねえか…!?」
何故ここにSSがいるのか分からない。少なくとも俺のスマホには連絡は来ていない。おそらく、俺抜きで決行されているのだろう。そして屋敷の扉が開き--
淳之介
「どうなっているんだ精!?なんでSSがここにいるんだ!?」
渡会
「礼ちゃんもいるし、ヤクザの人も制圧されてるし、わけわかんないよー!」
大慌てで出てきた二人と--
制服を着た少女
「……」
恐らく琴寄文乃と思われる銃を持った少女が出てきた。それに続いて俺もこの場から離れようとする。
精
「その子が琴寄文乃なんだな!?」
淳之介
「そうだ!だがあのSSは何だ!?」
精
「知らねえ!今回の作戦は俺に連絡が来ていない!」
本当に今の状況が分からない。情報としては礼先輩がいることぐらいだ。だとしたら--
精
「--協力できるのはここまでだ。俺はSSと合流する。無事に逃げてくれよ。」
淳之介
「こんなことになるとは思っていなかった…巻き込んでしまって済まない。」
俺は淳之介君達と別れ、屋敷に入っていった。
屋敷の中ではSS達が倒れていた。淳之介君達も中々の戦力だなと感心していると、見慣れた顔がいた。
精
「花丸委員長!何が起きているんですか!?俺なんも知らされていないですよ!?」
蘭
「と、土口さん…?なぜあなたがここに…?会長は『休日だから呼ぶのは忍びない』と言っていましたが…?」
精
「散歩してたらこの現場に出くわしたんですよ!通信機借りますね!」
俺は花丸委員長から通信機を拝借し連絡を取る。
精
「こちらω-99!散歩中にたまたま現場に出くわした!状況を説明してほしい!」
糺川
「反交尾勢力の通報があってこの山を包囲している。今は四番隊で逃走車両に一斉掃射をしている。」
おかしい。この作戦を俺無しでやろうなんてありえない。誰が俺という戦力の穴を--
精
「礼先輩!この現場に会長はいますか!?」
糺川
「お前の代わりになる戦力は桐香様しかいないだろう。どこにいるかは分からないが--」
精
「俺は会長を探します!すぐに護衛をしないと危ないので!」
俺は通信を切って屋敷の外に出る。会長が危ないなんてことはない。淳之介君が危ないのだ。会長に初見で勝てる奴はいない。その種と仕掛けを知って戦ってなお、俺は勝てなかった。知らない奴が戦えば結果は火を見るより明らかだろう。淳之介君の匂いを探る。良く知る匂いだから分かりやすかった。その跡を辿っていくと--
精
「っ…!遅かったか…!」
くたりと倒れている事後の会長がいた。おそらく淳之介君は会長をセックスで倒したのだろう。反交尾勢力らしからぬ方法だが、事実として認めざるを得ない。だが、
精
「…ほら、会長。起きてください。
冷泉院
「ふふっ…裏切り者だなんてとんでもありません…
会長は息を整えながら笑う。会長は粘膜接触を介して
精
「反交尾勢力の情報を秘匿し、その活動に協力していた…SS除名どころか退学、下手すれば本島送還でしょうね。」
冷泉院
「そんなに悲観しなくても大丈夫ですよ。友のために良かれと思ってやったのでしょう?その友情を無視するほど私は非情な人間ではありませんから。」
相変わらずその瞳は理解できなかった。