抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
放課後にはSSの訓練が始まるが、俺は今まさにその現場に向かっている途中だった。
精
「やっべぇ……郁子先輩に構ってる暇なかったわ……!」
精液玉袋に帰らず、後悔するぐらいなら走れ。
???
「弱小精子に弱小卵子共! まともな受精卵になるべく今日も扱いてやる!」
SS一同
「「「サーイェッサー!」」」
グラウンドでは教官の怒声が飛んでいる。統率された返答が響く。そんな中、俺はさも悪くありませんよ、みたいな感じで入ってみた。
精
「ちーっす。ちっと遅れちまいました」
一同の視線が一気に俺に向く。こんな雰囲気で入ってきたら当然だ。教官の先輩がニヤ付いた顔でこちらに向かってくる。
???
「これはこれは『金色の狂犬』……どこの女に腰を振っていたんだ?」
精
「1番隊のくせっ毛たいちょ──」
腹部に強烈な衝撃が走る。思わず言葉を止めてしまう。教官と目線が合う。そういう合図だろう。とりあえず腹部を抱えながらうずくまる。
???
「舐めるような真似はまんこの前だけにしろ! このバター犬! 貴様らもこんな無様な姿を晒したくなかったら……死ぬ気でやれ!」
SS一同
「「「サ、サーイェッサー!」」」
一同はオナ禁3日後ぐらいの射精の勢いで駆け出していく。全員が去って行った後、教官が俺に声をかける。
??? 「……一同の気を引き締めるためとはいえ、こんなことをしてすまない。
大丈夫か、精? 立てるか?」
凛とした雰囲気を纏い、他者を律する鬼教官。
しかしてその内面は、誰よりも人を想う優しき聖母。
腕章の『風紀委員会』は己が背負いし覚悟の表れ。
携える拳銃とコンバットナイフは俺の憧れの戦闘スタイル。
何より……『俺を救ってくれた』恩人。
精
「大丈夫ですよ。『礼先輩』が手加減してくれましたから」
糺川礼。3年2組の風紀委員会委員長、そして大隊長。俺は何も気にしてないことをアピールしながら勃ち上がる。
糺川
「……本気でやったんだが……相変わらずの強さだな。だが、遅刻はよくない。いくら郁子から誘われたとしてもだ」
精
「本当に申し訳ありませんでした……腹を切って詫びます……」
そこのところは本気で謝る。愛刀ティラミスを抜いて腹に添える。
糺川
「待て待て!? そこまでして詫びる必要はないぞ!?」
礼先輩が本気で止めてきたからティラミスを鞘に納める。こういうところが礼先輩のいいところだ。
精
「そうだ、礼先輩。訓練が終わったら礼先輩の部屋にお邪魔していいですか? また特撮見たいんです。晩御飯作りますし掃除しますよ」
糺川
「それはありがたいな……! 精の家事の腕は確かだからな……! ただし……訓練をきっちり終えられたらの話だ。今日は厳しくいくからな」
今日の訓練はいいものになりそうだ。
いつもより五割増しで厳しい訓練が終わり、礼先輩と一緒に礼先輩の部屋に到着する。ちょっとごちゃっとしているが一人で暮らすには十分な部屋だ。
精
「早速掃除しちゃいますよ。見られたくないものとか、捨てられたくないものは今のうちに片付けてくださいね」
糺川
「ま、待ってくれ……よし、後は頼んだぞ。私はお風呂の準備をしてくる」
礼先輩がお風呂の準備をしている間に掃除を始める。俺は実家で一人暮らしをしてしまっているので、家事全般はお手の物だ。対し礼先輩は、意外と片付けができなかったりする。ゴミ屋敷なんてことはないが、この部屋に入った8.5割ぐらいの人間が『なんかもの多くない?』と言うぐらいだ。
精
「礼先輩ってかっこいいけど、こういうところは可愛らしいんだよね」
糺川
「片付けができなくて悪かったな。お風呂の準備ができたから入るぞ」
いつの間にか礼先輩が背後に立っていた。がっつり聞こえてたらしい。
精
「かわいいは誉め言葉じゃないですかー。本当にそう思ってますよ?」
糺川
「全く……調子のいいやつだな……」
若干不機嫌気味な礼先輩と一緒にお風呂に入る。これで『ねー、ちゃんとお風呂に入っている?』という質問にも答えられる。礼先輩は姉妹兄弟の一番だから、姉ちゃんなのだ。
ちなみに各話のタイトルには元ネタがあります。
この段階で気付けた方はかなりセンスがいいです。