抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
礼先輩のは美しい。さらりと長く伸びた髪。
鍛え抜かれてスラリとした四肢。
なのに胸や尻は大きい。
いつ見てもドキッとするプロポーションだ。
精
「この体で風紀を正しているんですね…いつもお疲れ様です。」
糺川
「どうした急に?そうだ、精。髪を洗うから体洗ってくれないか?」
精
「いいですよ。それじゃあ、前から失礼しますね。」
俺はたびたびこうやって礼先輩とお風呂に入っている。
男女が風呂に入ったらそれは青藍島でなくても合図だ。
精
「礼先輩、もう少し筋肉つけた方がいいんじゃないんですか?」
糺川
「あまり筋肉をつけすぎると動きが鈍くなる。あればいいってものじゃないぞ。」
精
「パワーがスピードを殺すってやつですか…
でも、郁子先輩や俺は結構筋肉ついてますよ?」
糺川
「一般人基準の話だ。お前や郁子は次元が違う。」
俺と礼先輩は戦いと筋肉について話し合う。
トレーナーがありとあらゆる出来事からヒントを得られるように、
SSも成長の出来事は見逃してはいけない。
精
「はい。デリケートゾーンは自分で洗ってくださいね。」
糺川
「分かっているさ。そこまで世話してもらうつもりはないさ。」
精
「…俺とはそこまでの関係でしかないんですね…」
糺川
「そんなにショック受ける事だったか!?いや…まあ…な…?」
礼先輩をこのネタで揶揄わない方がいいのは分かっている。
いや、揶揄っているわけではなく、ある程度本心から思っている。
でも、事情が事情だ。無理に突っ込むべきところではない。
青藍島でも無理に突っ込んだら、色々問いただされるから。
精
「晩御飯何にします?冷蔵庫にあるもので適当に作りましょうか?」
糺川
「そうだな。土口シェフのお任せディナーにしようか。」
礼先輩が体を流しながら笑う。素敵な笑顔だ。
こんな笑顔で腹パンしてくる時もあるから人間は不思議だ。
風呂から上がった俺は礼先輩の冷蔵庫を軽く物色する。
精
「んー…サラダチキンと玉ねぎと卵…オムライスだな。」
糺川
「オムライスか!パッカーンって開くやつできるか!?」
精
「礼先輩に言われたらやるしかありませんね!精兄さん頑張りますよ!」
礼先輩がきらきらした眼差しで俺を見つめる。
オムライスを上手に作るコツはチキンライスの水分を調節することだ。
先にケチャップを炒め、余計な水分と酸味を飛ばす。
そこに米を入れてケチャップと米をなじませる。これで味にムラがなくなる。
お兄ちゃんすごい!お店の人みたい!
…で、みじん切りにした具材を入れる。
玉ねぎに火が通って、全体になじんだらチキンライスは完成だ。
器に楕円形になるように盛り付けていく。
で、ここからが本番だ。溶いた卵にシュレッド、要は細切りのチーズを混ぜる。
こうすることでよりトロトロの仕上がりになる。
熱したフライパンに一気に卵液を入れ、かき混ぜる。
手早く形を整えて、チキンライスの上に乗せる。
精
「さて…開脚!」
ナイフで入れた筋に沿って、卵がクパァと開いていく。
卵がクパァとなったのだから、開脚と言ってもいいだろう。
糺川
「うおおお!お店で見るやつだ!すごいぞ土口!」
礼先輩がキャッキャとはしゃぎながら抱き着いてくる。
このギャップは俺しか見れない。特権だ。
俺の分も御開脚させ、ケチャップでお絵かきをする。
精
「ω-99っと…ωって金玉に」
糺川
「食事前にそういうことを言うな。食欲が失せる。」
精
「郁子先輩はノリノリで乗ってくれますよ?」
糺川
「あれを基準にするな。あいつはセックスしながら飯が食える化物だ。」
俺を犯しながら食べていたから間違いない。
その時に『二大欲求を同時に満たせて便利』とか
『三大欲求って全部性欲に言い換えられるよね』とか言ってたから化物だ。
礼先輩は『Fare』と書いていた。
精
「礼先輩らしくていいですね。」
糺川
「だろう?銃撃を扱う私にピッタリだ。」
精
「えっ?風紀委員会として『公正』って書いたのでは?」
糺川
「えっ?『発砲』を意味する『ファイアー』だぞ?」
言い忘れていたことがある。礼先輩は頭がそこまでよくない。
あろうことか、俺が勉強を教えることがあるほどだ。
精
「それだったら『Fire』ですよ。aとiを間違えています。」
糺川
「…も、もちろん知っているとも!お前を試しただけだ!」
礼先輩の顔がケチャップのように赤くなっている。
精
「…冷める前に頂きましょう!いただきます!」
糺川
「信じてないなその顔は!?本当だぞ!?」
こういうところも含めて、礼先輩は頼れる先輩だ。
これでプロローグ終了です。
次回から本編が始まります。