※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ?   作:神剣狩刃

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5-16 仮包局

 来たるXデーの夜、俺達NSNSはあっという間に船を占領した。乗客が全てSSだったため、作戦を伝えたらすぐに協力してくれた。

 

 精

「考えてみればこの船に乗るのはSSだったか……うっかり抜けてたぜ」

 女部田

「SSの子は家庭に問題がある子が多いからねー……それなりの希望を見せられて、帰りたくないって思っていたら本気も出すだろうね」

 

 それを聞いた淳之介君が何かを思い付いたようだ。

 

 淳之介

「──美岬。この船の行き先を、当初のSS下船ポイントではなく、別の目的地にすることはできるか?」

 畔

『えっ? あ、はい、それくらいならできると思いますけど……?』

 精

「おいおい、できると思いますとは情けないな? やはりただのメスなのか? それとも栄光を掴むのか? どっちなのだ!? 手前の情けない腹掴むぞ!?」

 畔

『栄光を掴みますからお腹はご勘弁を~!』

 糺川

「なんか……畔に対して当たりが強くないか?」

 

 俺でもよく分からないが畔はどうも苦手だ。アレを許すと世界がおかしくなりそうな気がしてならない。なんだかんだで港に到着した。

 

 糺川

「みんな、気を付けて降りるように!」

 精

「冷静に冷静に常に冷静に、SSのモットーだからなー」

 女部田

「小さい子はイクと一緒に降りようねぇ~♪ 10人くらいなら捕まっても大丈夫だか、らっとぉ」

 精

「郁子先輩が刺激的で無理な子は『金色の狂犬』に捕まってくれよな! 15人ぐらいなら平気だ、ぜっとぉ!」

 

 SSやその家族を下ろし、俺たちは船に戻る。

 

 精

「青藍島を取り戻したら迎えに来るからな! それまで元気に行き伸びるんだぞ、弱小精子に軟弱卵子共!」

 糺川

「勝手にくたばったらグラウンド10周だからな! 覚悟してろよ!」

 

 SS達の熱い声援を受け俺たちは決戦のバトルフィールドに向かう。

 

 

 突撃するのはNLNSのメンバーで、BIG3は船着き場に残って警備にあたってもらう。

 

 精

「小型のボートの準備をお願いします。この船だけでは人目につきすぎますから」

 糺川

「分かった……必ず帰ってくるんだぞ、精」

 

 礼先輩と軽くキスをする。郁子先輩と会長が囃し立てているが気にしない。

 

 淳之介

「見せつけてくれるな……! 行くぞ、NSNS、出撃(エンゲージ)!!!」

 精

「君が仕切るか! それも一興!」

 

 屋敷のガードマンを無力化しつつNSNSは文乃ちゃんを発見した。その体は拘束されボロボロで、傷だらけで顔から血が流れていて──

 

 精

「──こりゃ狸爺じゃねえな。クソ老害だ」

 防人老人

『──役に立たぬ人形が捨てられるのは当然であろう』

 

 なるほど。この老害にとっては血の繋がった孫すら自分の手駒だと。

 

 防人老人

『本当にここまでやって来たか。まったく腹立たしいほどの行動力だな、小僧──』

 淳之介

「防人──なぜこの子に、こんなことを──」

 精

「復讐だろ、クソ老害」

 

 血の繋がった家族にここまで非人道的なことができるのは、非人道的なことを目標としているからだ。あの過剰なまでの青藍島叩きを見ればバカでもわかる。

 

 精

「あとそれ以上喋るな。聞くだけでムカついて吐き気がする。文乃ちゃんにも悪いだろうから連れて行かせてもらうぜ」

 防人老人

『かっ! 貴様らがその子娘と一緒に我が屋敷を脱出できると、本気で思っているのか?』

 精

「……この老害は人の言葉が分からないらしい。それなりにお年を召されてるから、早いとこ施設にぶち込んでやりたいぜ」

 淳之介

「いや──まずは全員で、家に帰還することが先だ!!」

 

 地下を飛び出し、何人かのガードマンと対峙する。

 

 精

「なあ、淳之介君……ちょっとマジになってもいい?」

 淳之介

「手加減している場合じゃないだろ! 全力で──」

 精

「いや、ワンチャン俺が人(・)を(・)殺(・)し(・)ち(・)ゃ(・)っ(・)て(・)も(・)友達でいてくれる?」

 

 俺は愛刀ティラミスを逆(・)手(・)に(・)持(・)っ(・)て(・)構(・)え(・)る(・)。ティラミスは逆刃刀──つまり逆手に握ると本(・)物(・)の(・)刀(・)に(・)な(・)る(・)。

 

 精

「──まあ、こいつら人間じゃないしいいか」

 

 放たれる銃弾を全て切り落とす。そしてガードマンの腹部を掻っ捌く。鮮血が飛び散り、悲鳴が轟く。

 

 精

「大丈夫だ傷は浅い……多分な」

 

 倒れたガードマンから銃を拝借する。間違いなく実銃だ。そしてそれを構え──

 

 精

「──六文銭は持ったか?」

 

 別の一人のガードマンに近づき股間を蹴り潰し、悶える足を連続で撃ち抜く。落ちる薬莢が悲鳴との不協和音を奏でる。

 

 精

「止血すりゃ死なない……多分な」

 

 ガードマン達は戦意を失っていた。

 

 精

「一応止血と拘束をさせてもらう。動いたら……分かっているな?」

 

 止血と拘束をしてBIG3の下に戻る。

 

 精

「戻りましたよ、出発の準備を!」

 糺川

「どうしたんだ精!? まさか怪我したんじゃ!?」

 女部田

「その血の付き方だと……返り血だね──精くん、本気で怒ったんだね?」

 冷泉院

「まあ……何があったのですか?」

 精

「郁子先輩のアレみたいなもんですよ。駄弁ってる暇はないので早く出航しましょう……」

 

 人数が多いのでNLNS部隊とSS部隊で二つのボートに分かれて海原に漕ぎ出す。

 

 精

「……っつう……」

 

 怒髪天を衝く怒りから任務成功の安堵の落差で頭痛がする。思わず礼先輩に体を預けてしまうほどだ。

 

 糺川

「おい、精……本当に大丈夫か……?」

 精

「大丈夫ですよ……ちっと頭が痛くなっただけです……文乃ちゃんに比べたら無傷ですよ……」

 

 離れたボートで淳之介君と文乃ちゃんが何か話している。再会を喜び合っているのだろう。

 

 精

「……眠くなってきちゃいました……着いたら起こしてくだ……さい……」

 

 そのまま礼先輩の胸の中で意識を失うように眠った。

 

 

 私の胸の中ですうすうと寝息を立てている精はまるで子供のように無防備だった。その頭を愛おしく撫でる。

 

 糺川

「……まったく、お前は無茶ばっかりするからな……」

 女部田

「にしても、精くんが逆手持ちするなんて……一体何があったんだろう……」

 冷泉院

「あの文乃さんの姿を見て……礼や郁子と重なってしまったんでしょう」

 

 私と郁子は子供の頃に肉親からひどい扱いを受けていた。私は裏風俗に売り飛ばされ、郁子は後継ぎ、端的に言えば男として非人道的に扱われた。そのことを話して『俺も中々ひどい過去でしてね』と卵のを聞いた時は流石に空気が死んだかと思った。

 

 糺川

「家族にひどい仕打ちをする奴は許さない、と言ったところか……精らしいよ」

 精

「れい……せんぱい……あいして……ます……」

 

 精が幸せそうに笑っている。いったいどんな夢を見ているのだろうか?

 

 精

「でも……ぷりん……かってにたべちゃ……だめです……それ……ふみのちゃんの……」

 

 何でそうなる。

 

 女部田

「あはは! 確かにレイちゃん精くんの料理大好きだもんね~?」

 冷泉院

「マフィン以外にも作れるのでしょうか? ぜひともご賞味預かりたいものです」

 精

「ばけつ……ぷりん……いいですねそれ……」

 糺川

「私をなんだと思っているんだ……だが、精の作ったプリンは食べてみたいな……」

 

 精の夢の中のように私もバケツプリンをリクエストしてみようか? そのためにも今はゆっくり眠っていてもらおう。

 

 精

「じゅんのすけくんもか……ともだちだからいいにきまってるだろ……」

 

 自分のために物事を為すと言っていたが、心のどこかでは大切な人のために物事をしたいのだろう。

 

 精

「らん……おまえもたべたいか……いいぞ、よにんでたべような……」

 

 たとえそれが叶わぬ事だったとしても──今は夢の中で叶えていてほしい。

 

 

 明くる日、NSNSメンバーは橘家に集合し会議を行う。

 

 精

「というわけで第一回NSNS会議を始めます。今回の議題は『NSNSの活動方針』についてです」

 女部田

「精くんが真面目に会議を仕切ってる……初めて見たかも」

 冷泉院

「前回は鼓舞するために勢いよくやっていましたからね。今回も土口さん節が炸裂するかもしれませんよ?」

 

 なんだそれはと言いたかったがふざけている場合ではない。事態はそこまで楽観できるほどよくはない。

 

 精

「まず、それを決める前に今の青藍島の状況を理解する必要があります。少し長くなりますので淳之介君、説明をお願いします」

 

 淳之介君から現状の説明が入る。現在の青藍島には"新ドスケベ条例"という新たな条例が敷かれ、ありとあらゆる性産的行為が禁止されている。そのため島のいたるところに防人老人の息のかかった警備兵がいる。あそこを触ったら逮捕! その場で天誅! というわけだ。

 

 精

「淳之介君、ありがとうございます。自由にセックスできない、各々の思い通りにセックスできない青藍島など必要ない……同性同士でもセックスしたい、たくさんセックスしたい、コミュニケーションとしてセックスしたい、大好きな人といっぱいセックスしたい、そもそも望まないセックスはしたくない……だからこそ『No Sex No Seiran』です」

 

 俺は右手を強く握りしめる。

 

 精

「よって! 我々NSNSは! 『青藍島により良いセックスをもたらす』ことを活動方針とする! 賛同する者は拍手を!」

 

 メンバー全員から拍手が送られる。

 

 精

「活動方針が決まったので役割分担をしたいと思います。まずNLNS部隊は文乃ちゃんの保護をお願いします」

 

 実力に関してはNLNSの方が上だ。ならば文乃ちゃんを任せるのにふさわしいだろう。保護する場所は橘家及び畔の近所の集落に決まった。

 

 淳之介

「任せろ。今度こそ文乃を護り切ってやる」

 精

「そしてSS部隊は……ガードマンを釣ってぶちのめします。文乃ちゃん捜索の攪乱にもなりますし、何より『危険な悪』らしいじゃないですか」

 

 ドスケベに関してはSSの方が上だ。新ドスケベ条例に反逆するにはふさわしいだろう。

 

 女部田

「条例に反してのドスケベ……ん~、想像するだけで背徳感でおまんこが濡れちゃうね♪」

 冷泉院

「我々が従っていたのはドスケベ条例……では、ドスケベ条例らしく振舞いましょう」

 糺川

「しかし、誰が釣るんだ? この中で正しいセックスができる仲の2人なんて……あっ」

 

 礼先輩が何かに気付いたようだ。

 

 精

「というわけで、俺と礼先輩は今から俺の家でセックスします。会長、郁子先輩……後でハメ撮り送りますのでしっかり守ってください」

 糺川

「ま、待て……精、お前はこれを見越して私に告白したのか……?」

 

 礼先輩が不安そうに尋ねる。俺はそれににっと笑って返す。

 

 精

「そんなわけないじゃないですか。俺は礼先輩が好きだから告白したんです」

 糺川

「……ならいいんだ。お前のことだから計算して告白したのかと勘繰ってしまった……すまな──」

 

 安堵して油断していた唇を奪う。手首を掴み、ちょっと強引に舌を入れる。メンバーの一部から歓声が上がる。

 

 精

「……悪い人だ。しっかりお仕置きしないといけませんね?」

 糺川

「あぅ、ぉ、ぁ……は、はぃ……」

 

 俺の悪魔的スマイルに礼先輩が屈した。今日はちょっとハードにプレイしちゃうぞ。




アニメ見ました。詳しくは言いませんがドスケベ音頭最高でした。
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