抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
食材と調味料を持った俺は淳之介君の家のインターホンを鳴らす。ゲームで鍛えた19連射だ。これを無視できる奴はいないはずだ。
精
「淳之介くーん? 狂犬が鍋と食材背負ってやってきたぞー?
ほーら、まだまだ鳴らすぞー? オイ、チャーハン食わねえか?」
淳之介
「本当に連打するなよ! 入っていいから!」
ということで許可を得たので家に俺を挿入する。
精
「淳之介君の家の中、広くてあったかいナリィ……」
淳之介
「人の家をオナホールの評価みたいに言わないでくれ……後、金色のジャージは趣味悪くないか?」
精
「失敬な。『金色の狂犬』としてこれは譲れな」
???
「なんだいこんな時間にクソガキみたいにピンポン鳴らすバカはどこのどいつだぁ?」
道徳を産道にポイ捨てしたような語彙力の女の子が現れる。
上部で結んだポニーテール。
疲れ目がやや暗めな印象を醸すが、間違いなく整った顔立ち。
体つきは華奢だが、おっぱいは大きい。
手にはタコができている。意外とゲーマーか?
俺好みだ。見た目だけなら俺の青藍島美女ランキング1位だ。
精
「おい、淳之介君。女神がいるぞ。
淳之介
「あんな品性のない木花咲耶姫がいてたまるか。紹介するよ。コイツはアサちゃんこと橘麻沙音。俺の妹だ」
妹。その言葉に俺は卵をフラッシュバックした。
お兄ちゃん! 絶対だよ! 私も……気持ちよく女の子とドスケベセックスしたいから!
精
「……っ! あ、ああ……そうか……俺の名前は土口精。『金色の狂犬』で通ってる。よろしくな、アサちゃん……」
麻沙音
「あ、あの『金色の狂犬』ですか……? いつも兄がお世話になっています……」
淳之介君は俺のことをアサちゃんに話していたらしく、すんなりと受け入れてくれた。
精
「それじゃあ、お近づきの印に……アサちゃんの正体を推理しよう」
俺は橘家のリビングを額に手を当てながら歩き回る。
精
「まず、その目。かなり疲れているね。暗い部屋で物を見ている人間にありがちな疲れ目だ。そして、華奢な体。運動は得意じゃないと見える。なのに手にタコができている……ゲーム関連だね。次にあの品性のない語彙力……格ゲーやFPSをやってる人間の語彙力だ。そう言う奴は大概煽り散らかす。……ヌルなんとかさんだろ?」
2人は唖然とした顔で俺を見つめていた。
麻沙音
「すごい……全部当たってる……」
精
「『ありえないことを除けば、残ったものがどんなに信じられなくても真実だ』……ビシャーコック・ンホォムズの名言だ。簡単なことだよ、アソコン君」
麻沙音
「あれ、そんな名前でしたっけ……?」
精
「おすすめはバカスカピルのバター犬だ。今度貸そうか?」
淳之介
「丁重にお断りする……」
俺は咥えていたエアパイプをしまう。
精
「もっと言うと……昨日、格ゲーで投げハメを喰らってガチギレした」
麻沙音
「ええ!? そんなことも分かるんですか!?」
精
「ハメられたプレイヤー名はSSGMD……違うかい?」
麻沙音
「やばいよ兄! この人超能力者だよ!」
アサちゃんが淳之介君の背中に隠れた。流石に種明かしをしないと誤解されそうだ。
精
「だってそれ俺だもん」
礼先輩の所でやって、面白かったから買って自分の家でもやっている。現在、上位帯でほどほどに楽しんでいる。
麻沙音
「……あれは大人げなかったですよ!?」
精
「大人げない? 最高の気分だったね。ガキを負かすのは。カッハッハッハーッ!!!」
俺はエア紅茶を注いで一気に飲み干し、高笑いした。
麻沙音
「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」
アサちゃんが俺の腹部に右ストレートを放った。みしっ、と重い音がした。
麻沙音
「うぎゃあああ! 腕の骨が折れた!」
精
「人間には215本もちんこがあんのよ、1本位なによ!」
淳之介
「そんなにあるわけないだろ!? てか、アサちゃんには1本も生えてないだろ!?」
これはいい子に出会ったかもしれない。アサちゃんに投げハメのやり方を教えて、仲直りしたところで本題に入る。
精
「それじゃあ土口シェフのスペシャリテを振舞うぜ! キッチン借りるぜ!」
俺は中華鍋を取り出し火にかける。
麻沙音
「中華鍋……? スペシャリテ……?」
淳之介
「多分、中国に伝わる伝説の料理『須辺紗李弖』だろう」
麻沙音
「知ってるのか、兄……!?」
淳之介
「うむ……」
そんな料理あるわけないだろ。土口家お手製チャーハンだ。中華鍋に熱が入るまでに具材を準備しておく。玉ねぎとネギ、そしてツナ缶だ。
ご飯と卵をあらかじめ混ぜておく。こうすると、ぱらっと仕上がる。中華鍋が温まったらごま油を入れる。ジュウジュウ、バチバチとテンションが上がる音がする。そして具材をいれて、一気に炒めて混ぜる。チャーハンのコツは一気に炒める事だ。
中華鍋でチャーハンの高波警報が発令される。橘家に飯テロ警報が響き渡る。
最後に塩胡椒とうま味調味料で味を調える。そしてよく見るデカいおたまで皿に盛り付けていく。
精
「あい! ソーハン三丁ォ! ボナペティ!」
淳之介・麻沙音
「「すげぇ! いただきまーす!」」
三人で仲良くチャーハンをほおばる。
淳之介・麻沙音
「「うますぎる!!!」」
精
「んー……マーベラス。ウルトラ上手にできました」
淳之介
「正直、チャーハンにツナ缶? と思っていたが……以外にも合う!」
麻沙音
「ツナのうまみと玉ねぎのシャキシャキ食感の相性の良さはツナマヨで証明済み! 油との相性も抜群! ネギの香りがツナの臭みを抑えている! 犯罪だあ……!」
2人は豚にでもなるんじゃないかという勢いでチャーハンを食べている。
おいしいよお兄ちゃん! また作って!
ああ、今度テストでいい点とったら作ってやるよ。
精
「……俺の分も食うか? あー……昼飯食いすぎて腹減ってないんだ」
淳之介・麻沙音
「「いただきます!」」
2人がおいしそうにチャーハンを食べるのを、羨ましそうに眺めた。米粒一つも残さずに完食した二人は幸せそうな顔をしていた。俺は洗い物をしている最中に、ある事に失態に気が付いた。
精
「しまった。ご両親の分も作っておくべきだったか」
俺の言葉に淳之介君とアサちゃんが固まる。
淳之介
「あー……その心配はしなくていい」
麻沙音
「その……お気遣いありがとうございます」
言われてみれば食器が少ない。玄関でも靴が少なかった。そして両親と思われる人物の写真立てがリビングにある。おそらく……俺と同じなのだろう。
精
「……なるほど。ちょっと無遠慮だったな。すまない」
淳之介
「……俺たちがこの島にやってきた理由はそれだ」
精
「辛いよな……俺もなかなか受け入れられなかった」
麻沙音
「えっ……もしかして土口さんも……?」
アサちゃんの言う通り、俺も家族を亡くしている。
精
「だから……二人の悲しみが、この青藍島で少しでも癒されることを願うよ」
不可能だ。5年経った今でも、俺には深く傷が残っているというのに。だから、二人とも何とも言えない顔をしているのだろう。
精
「……ま、家族を亡くした者同士、仲良くやって行こうぜ?」
麻沙音
「が、頑張ってみます……」
淳之介
「……そうやって明るくやっていけるお前が、ちょっとうらやましいよ」
俺は洗い物を片付けて、帰路に就く。
精
「通い夫は毎日できる訳じゃないからなー! 自分たちでしっかり飯作れよ!」
淳之介
「アサちゃんはお前にはやらんぞー!」
麻沙音
「お兄、家事代行サービスを頼もう。そうすれば大丈夫だよ」
俺は家に帰り、早速デリヘルを呼んだ。
精
「もしもし? 結構乱暴したい気分なので、そういうのOKの人お願いします」
過去一パロディーを入れることができた、自信ありの回です。