抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
M字開脚縛りをした礼先輩を囁き罵りながらセックスした。外では郁子先輩と会長がガードマンを叩きのめしているのだろう。浴室から戦いの音が聞こえる。
精
「いい音してんねぇ……俺もあれぐらい戦いたいものですけど、頭のことが不安だからからなあ……」
糺川
「……? クローゼットにヘルメットがなかったか?」
精
「え? そうでしたっけ……」
お風呂上りに確認したところ、金色のフルフェイスヘルメットがクローゼットに鎮座していた。
精
「うおっ! かっけぇ! マジか!」
糺川
「大変だったんだぞ? サイズやら素材やらデザインまで私が考えて──」
精
「ありがとうございます! 礼先輩!」
俺は礼先輩に抱き着きながら大喜びする。
精
「礼先輩からの最高のプレゼントです! 一生大切に飾っておきます!」
糺川
「普通に使ってくれよ? お前が全力で戦えるように作ったんだからな?」
精
「でも、俺に言ってから作ってもよかったじゃないですか! 通信機能とか、サーモグラフィースコープとかギミックめっちゃありますよ!?」
俺の一言に礼先輩が驚いている。
精
「……非現実的すぎました?」
糺川
「…………ああ、改良の余地はありそうだな……」
今度アサちゃんに頼んでいろんな機能を付けてもらおう。アリアドネ・プロトコルを作ったのだからこのヘルメットに埋め込んでもらうこともできるだろう。
精
「まずはこれで戦えるか試してみますね! フェイスオン! さあ、始めようか!」
早速被ってみる。視界は良好でサイズもぴったり、流石礼先輩だ。何か考えている礼先輩を尻目に家を飛び出す。
糺川
「…………ギミックの話……だよな……」
数日経って文乃ちゃんもある程度動けるようになったとの事なので、休性日と例の依頼を兼ねて淳之介君の家に遊びに行く。
精
「やあ、だいぶ良くなったね。嬉しいよ」
文乃
「土口様……その節は大変ご迷惑を──」
淳之介
「『やりたいようにやれ』……精は精がやりたかったからそうしたんだろ?」
精
「分かってるじゃないか。だから気にしないでくれよ」
文乃
「……ありがとうございます……」
挨拶もほどほどにアサちゃんの部屋にお邪魔する。
精
「やあ、アサちゃん。いきなりで申し訳ないんだけど──」
アサちゃんに依頼をしたのでリビングに戻る。そういえば文乃ちゃんにあってからずっと気になることがある。
精
「何で文乃ちゃんから淳之介君の匂いがするんだ?」
淳之介
「うっ……!」
文乃
「そ、それは……その……」
淳之介君が言葉に詰まり文乃ちゃんの顔が赤くなる。これは考えるまでもないだろう。
精
「……幸せにな」
淳之介
「これもバレるか……本当にお前の鼻っていいんだな……」
文乃
「……淳之介さんと一緒に幸せになって見せます」
文乃ちゃんも大分言うようになったな。感心だ。
精
「折角だしなんかご馳走してやるよ。文乃ちゃん、何か食べたいものある?」
文乃
「でしたら……
精
「そいつはあらどーも……なんてね、『プリン・ア・ラ・モード』だね。よし、淳之介君メモ渡すから買ってきてくれ」
淳之介
「それぐらい自分で、って訳にはいかないか。お尋ね者だもんな……‥」
数日で俺の悪名はだいぶ轟いた。あの程度の警備員ぐらいわけないが、先ほどヘルメットをアサちゃんに渡して改良中だ。俺の頭も危ないし、買った卵が割れたら洒落にならない。了承した淳之介君が買い物に行ってくれた。文乃ちゃんと二人きりになる。
精
「……文乃ちゃん、聞きたいことがあるんだけど……」
文乃
「はい、何でございましょうか?」
精
「気持ちよかった?」
文乃
「──っ! は、はい……淳之介さんと深く繋がれました……」
顔を真っ赤にしながら文乃ちゃんがもじもじと答える。かわいい。
精
「無理に答えなくてもいいんだよ。まあ、その様子じゃ心配する必要はないね。むしろ……セックスの良さにハマっちゃう方が心配かな?」
文乃
「き、気を付けてまいります……」
頭を撫でられながら嬉し恥ずかしと言った感じだ。本当にかわいい。
精
「文乃ちゃんも大変なことがあったんだ。いくらでも幸せになって良いんだ……そのために、淳之介君には滅茶苦茶わがまま言うんだぞ?」
文乃
「……ぜ、善処します……」
文乃ちゃんはどんなわがまま言うんだろうか? ぷりん・あら・どーもを作ってくださいとかだろうか? 淳之介君では絶対に作れないだろうな。
精
「……そういやさっき
文乃
「はい……何かおかしかったでしょうか……?」
精
「いや、そんな約束してたっけなーって……文乃ちゃんに料理振舞うの初めてのはずだし……」
文乃
「え……?」
文乃ちゃんが心底不思議そうな顔をしている。そんな変なことを言っただろうか?
淳之介
「買ってきたぞ──って文乃を困らせて遊ぶなよ。アサちゃんじゃあるまいし……」
精
「はえーな淳之介君……まあいいや、文乃ちゃんの快気祝いだ!」
淳之介
「気が早くないか? まあ、快復願いってことでいいか」
早速手を洗ってキッチンに立つ。さて、気合いを入れて作るぞ。
文乃
「…………冗談を……言っていない……?」
まずはカラメルソースを作る。鍋にグラニュー糖と水を入れ茶色くなるまで煮詰める。茶色くなったらお湯を加えて混ぜる。この時、適当に入れるとソースが跳ねてしまう。だから、丁寧にやる必要がある。
精
「あっつ!!!」
淳之介
「精!?」
メガトン級のガバがあったがカラメルソースができた。ソースを耐熱容器にいれ、生地作りに移る。鍋で牛乳を温めつつ、ボウルで卵とグラニュー糖を混ぜる。牛乳が温まったら砂糖卵に少しずつ、混ぜながら入れる。カラメル入りの耐熱容器に生地を入れ──
精
「──っ! やべっ……!」
手が滑り耐熱容器の一つを落として割ってしまった。幸い怪我はしなったが、淳之介君に申し訳ないことをしてしまった。
精
「……悪い淳之介君……今度弁償する」
淳之介
「気にするな。俺とアサちゃんはもっと割っているからな。……しかし、お前が料理で失敗するなんて珍しいな……」
文乃
「私が片付けますので……土口様はぷりんをお願いします……」
本島に申し訳ないと思いつつも、文乃ちゃんのためにしっかりと作らないと。生地を入れたら鍋にクッキングペーパーをはみ出さないように敷き、容器を並べ容器の半分くらいの高さになるように水を注ぐ。蓋をして中火で熱し、湯気が立ってきたらごく弱火にし、全体が固まるまで蒸す。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。急いで使うため氷水で冷やすとしよう。
精
「NLNS部隊やBIG3の分も作らないとな……ふあぁ……眠いぜ……」
集中を切らしてはいけない。もう10個ほど蒸し、冷蔵庫で冷やす。最初に作った分はだいぶ冷えている。俺と淳之介の分は適当な皿に取り出す。文乃ちゃんの分は買ってきてもらったちょっと贅沢な皿に丁寧に取り出す。その周りにカットフルーツを彩り、アイスクリームを添えて、最後に生クリームとサクランボをプリンの上に飾る。
精
「お待たせ致しました。『プリン・ア・ラ・モード~再誕の彼岸花仕立て~』です。淳之介君はこっちな」
文乃
「おお……! これが、『プリン・ア・ラ・モード』……!」
淳之介
「俺の分雑じゃないか? まあ、文乃のために作ってくれたのが本命なのはわかるが……」
文乃ちゃんが目をキラキラ輝かせながら口をあんぐり開いている。めちゃかわいいと言っても過言ではないだろう。
精
「んじゃ、いただきまーす……」
淳之介
「このシンプルな素朴な感じがまたいいな……This is the プリンって感じだ……」
文乃
「……ありがとうございます、土口様……」
文乃ちゃんが一礼をして黙々とプリンを食べ始めた。そんなに食べたかったのか。俺も自分の分を食べてみるか。スプーンですくって口に運ぶ。
精
「んー……? 美味いけどちょっと甘さが足りないか……?」
淳之介
「そうか? 十分甘いと思うが……」
精
「まあ、菓子の作りすぎで甘さの基準がバグったのかもしれねえな。それにしてもバニラの香りがしない──」
淳之介の買ってきた袋の底にバニラビーンズが鎮座していた。
精
「……次に作る時にでも使うか。なんか知らないけどバケツプリン作りたいし」
片付けは文乃ちゃんがやってくれることになったので家に帰ってBIG3にプリンを振舞う。
女部田
「おいし~! こりゃ礼ちゃんがバケツプリンリクエストするわけだ!」
糺川
「まだしてないだろ。いやしかし本当に美味いな……」
冷泉院
「失敗してこれというなら成功したらどれだけおいしいのでしょうね?」
精
「次バケツプリンでやる時は失敗しませんから……ていうかプリンぐらい一人で食べれるようになってくださいよ……」
ワイワイとプリンを楽しみ終えたら、真面目なお話に移る。
精
「警備員達が俺達に手を焼いているのは嬉しいですが……まだ物足りないですね。もっと悪として派手なことをしたいです」
文乃ちゃんから目を逸らすためにも、防人のクソ老害を引きずりだすためにもまだまだ物足りない。
精
「そこで……ちょっとこの記事を見てください」
数日後、ドスケベ遊園地のドスケベ専用遊具が撤去されるというのだ。
精
「これ妨害したらすごくないですか?」
糺川
「行政の妨害……『悪』にはおあつらえ向きだな」
女部田
「レイちゃん悪い顔してる~……でも、あそこは青藍島の顔だもんね」
冷泉院
「相手方も本気で挑むでしょう。しっかりと作戦を練らないといけませんよ?」
精
「その作戦ですが……ちょっと会長よろしいでしょうか……」
思いついた作戦を会長に耳打ちする。会長は笑顔で頷いてくれたがどうすればよりインパクトが出るだろうか?
糺川
「今日のテレビ権は私だな? 今日はデカチンジャーのビューッテー・ネコシテデーターを見るぞ!」
女部田
「レイちゃんデカチンジャー好きだよね~……大分前の作品でしょ?」
冷泉院
「私も好きですよ? 童心に帰って楽しむのもまた面白いものです」
確かこの回はデカチンジャーの口上が特別な回だ。いつもの口上が印象的なだけに、変えた方も記憶に残るのだ。
精
「──それだあ!!!」
糺川
「うおお!? どうした急に!?」
精
「デカチンジャー見たら考えますよ!」
冷泉院
「でしたら今からでも──」
精
「デカチンジャー見た後じゃないとダメです!」
女部田
「そんなにお気に入り回なんだ? だったら見てからでもいいけど……」
精
「見なければいい口上思いつかないじゃないですか!」
糺川
「なるほど! 口上があれば印象に残るというわけか! 考えたな精!」
理解してくれた礼先輩とは裏孕めオラに、会長と郁子がぽかんとした顔でこちらを見ていた。
毎回あの作品のパロディー考えると申し訳なくなるんですよね……でも止めない。考えるのが楽しいから。