抜きゲーみたいな島に住んでいる狂犬はどうすればいいんだ? 作:神剣狩刃
目を覚ますと保育園内にココアのいい匂いが漂っていた。もしかして光姫姉さんが作っているのだろうか? 給食室に行くとカワイイ猫のアップリケが施されたエプロンをした────
卵
「ん、起こしちまったか? とりあえず飲んでくれよ」
卵がいた。それを見て崩れて泣いてしまった。
卵
「おいおい!? 急にどうしたんだよ兄貴!?」
精
「……"
卵
「何だよ急に!? あーしがココア作ってるだけだろ!? 飲んで落ち着いてくれよ!?」
卵が差し出してきたココアを飲む。練りが甘くやや粉っぽい、お世辞にも良いココアとは言えなかった。
精
「ああ……美味くはない……!」
卵
「兄貴の見様見真似でやっただけだからな……今度教えてくれよ」
精
「ああ……! 教えてやるさ……!」
でも、今まで飲んだどんなココアよりも心が温まる至高の逸品だった。一杯飲み終えて時計を見ると、涙で滲んで何時か全くわからなかった。
卵
「まだ朝の5時だよ。麻沙音の所に行くからついてきてくれ」
精
「アサちゃんの所…………? ああ、そうか。何作ってあげようか?」
放課後はSSで忙しいから、朝の内に会って色々済ませておきたいのだろう。その意図を汲みリクエストを聞く。
卵
「できれば精のつくものがいい」
精
「朝ごはんで精のつくもの……チーズリゾットがいいな。食材は橘家に揃ってるかな?」
卵
「結構あーしが行って飯作るから……リゾット作るぐらいはあるだろ」
善は急げで橘家に向かう。卵がインターホンを鳴らしアサちゃんを呼び出す。
卵
「麻沙音、あーしだ。今日は兄貴もいるから美味いココアも飲めるぞ」
ガチャリと橘家の扉が開き、アサちゃんが────確かにアサちゃんなのだが、目元の隈がひどい。髪は卵が手入れしているのかそこまで荒れていないが、全体的に荒れているという印象が強く伝わってくる。そんなアサちゃんと卵が抱き合う。
麻沙音
「……おはよう、卵ちゃん……会いたかった」
卵
「あーしも会いたかった。朝飯食ってココア飲ん……流石にシャワー浴びような。あーしの好きな匂いになってる」
精
「────っ」
その痛ましくも尊い光景は俺から言葉を奪うのに十分だった。卵に言われるままに橘家に上がり、卵と一緒に朝食を作る。
卵
「リゾットだからご飯洗っとくわ。兄貴は具材切って炒めておいてくれ」
こうして卵と再び料理を作れる日が来るとは。早く玉ねぎを切って涙をごまかそう。
卵
「……そんなに染みるか?」
精
「ああ……めっちゃ沁みる……あとは俺がやるからアサちゃんとシャワー入っててくれないか……」
卵
「……兄貴がいいならいいけどよ。麻沙音、先にシャワー入るぞ」
卵とアサちゃんが入浴している間にココアを練る準備をしよう。身だしなみを整えるのもあるが、2人にとってはもっと大切な時間のはずだ。入浴時間は長くなるだろうから、リゾットの仕上げは後回しだ。
服を脱いで麻沙音と一緒に浴室に入る。2人入っても十分な広さはあるが、あーしは麻沙音にぴったりくっついて匂いを堪能する。麻沙音は出不精で健康的な生活を送っていない。故に普通の人間が嗅いだら顔をしかめる匂いをしている。
卵
「……3日」
麻沙音
「……分かっちゃうんだ……ごめんね、私、卵ちゃんとじゃないと……」
卵
「好きだからいい」
だから非常にそそる。そのまま唇を重ねる。エナジードリンクの味がする。さっきまでゲームをやっていたな。でも、仕方がない。今の麻沙音を責めることはできない。でも、大きなおっぱいは攻めてやる。
麻沙音
「んっ……卵ちゃん、私のおっぱい本当に好きだね……赤ちゃんみたい……」
卵
「あーしが麻沙音のお世話してるけどな」
麻沙音
「……本当にありがとう。卵ちゃんがいなかったら私────」
それ以上は言わせない。麻沙音は大切な存在なんだ。軽々しく死んでいたなんて言わせたくない。麻沙音はあーしを分かってくれた女なんだ。
卵
「……そんな悪いこと言う麻沙音にはこうだ」
おっぱいを揉んでいた手を麻沙音のまんこにあてがう。軽く撫でたつもりだがぬるりと指が入ってしまった。
麻沙音
「んひゃぁ……きゅ、急だよ卵ちゃん……」
卵
「……お仕置きだから。でも、びっくりさせてごめん」
麻沙音
「……好きだからいいよ」
また唇を重ねる。今度は舌も絡める。口の中で動く麻沙音は拙い動きだが、私を求めて必死になっている。それがどうしようもなくあーしを昂らせる。苦しくなるギリギリまで舌を絡ませ続ける。やっと話した口にはお互いの唾液の橋が架かっている。高い粘度で床に落ちて、湯に紛れて流される。あーしと麻沙音の関係みたいだ。
卵
「……あんま時間ないから今日は立ったままな」
お互いに向き合い貝合わせを始める。ぐちゅりと熱い熱がお互いの秘部に伝わる。我慢できずにあーしはみっともなく腰をへこへこ動かす。にちゅにちゅと愛液の音とぴりぴりとクリトリスへの刺激が走る。
麻沙音
「んぁ、やぁ……激しいよぉ……」
卵
「もう我慢できないから……嫌だったらはっきり言ってくれ」
麻沙音
「……嫌なわけないよ。だって、卵ちゃんだもん……」
こんないい女があーしを気持ちよくしてくれるなんて。麻沙音はいつもあーしを満たしてくれる。最高の女だ。抱き合って麻沙音のまんこにあーしのまんこを打ち付ける。ぱちゅんぱちゅんと湿り気を帯びた嬌音が響く。
卵
「っ……ごめん、麻沙音、イク……」
麻沙音
「うん、いいよ。卵ちゃんの好きなタイミングでイって……」
ココアで出来上がっていたあーしは想定よりも早い絶頂を迎える。びくりと体が震え、ぷしゅりと潮を吹く。その拍子に足を滑らせ、思わず麻沙音を強く抱きしめてしまう。
麻沙音
「わわっ……大丈夫、卵ちゃん……?」
卵
「……はあ、はあ……まだ、麻沙音がイってないよな……だから……まだ……」
麻沙音
「ううん、無理しなくていいよ。だから……楽になって良いよ……」
麻沙音の言葉に従って力を抜き、麻沙音に体重を預ける。麻沙音から小さなうめき声が聞こえる。
麻沙音
「……や、やっぱり重いね……」
卵
「デリカシーがない。鍛えてるって言ってくれ」
麻沙音
「鍛えているから重いね……」
卵
「そうじゃない」
こうやってくだらないことで笑い合える、そんな日がいつか来てほしい。
風呂から上がったあーし達を出迎えたのはシェフを気取った兄貴だった。
精
「お待たせいたしました。『チーズリゾット~精卵仕立て~』です。お飲み物にはココアをどうぞ」
いつの間にこんな洒落た飯を作れるようになったんだ? あーしと2人暮らししてた時は7割はあーしが料理していたはずだ。まあ見た目だけって可能性もあ────
卵
「うんま!? えっ、マジか!?」
麻沙音
「びっくりした……でも、卵ちゃんがびっくりするのも分かるぐらいおいしいです」
精
「キノコいっぱいで旨味いっぱい、塩分控えめの健康的なリゾットだ」
嬉しそうに胸を張る兄貴だが、どうも引っかかる。あーしに会って大泣きした事、『反逆の緑髪』を知らなかった事、何より昨日のクソ凛の一件。記憶障害で人が変わったでは片付けられないことだ。
精
「……どうした卵? おかわりが欲しかったらお兄ちゃんの分食っていいぞ?」
卵
「…………じゃあくれ。麻沙音とヤって腹減ったわ」
しかし、この優しさは以前の兄貴そのものだ。
精
「やっぱそうだったか……これからも卵のことをよろしくな、アサちゃん」
麻沙音
「こちらこそ……私と卵ちゃんの仲を秘密にしてくれてありがとうございます」
麻沙音が同性愛者であーしとヤってることに対しても何も言わない、これも兄貴だからこそだ。別人とは思えない。最近のBIG4の様子がおかしい事と何か関連があるのか? 気になったことは早く調べた方が良い。リゾットをかっ込んで────
卵
「ガハッ! ゴッ! ゲホゲホ!」
盛大にむせた。結構ヤバい所まで入ったかもしれない。下の口では何度かやらかしているが、上の口でやらかすのは初めてだ。
精
「そんな急いで食うなって……もう遅刻確定の時間だからゆっくりしようぜ?」
麻沙音
「えっ、もうそんな時間なんですか……!?」
精
「2人の時間邪魔しちゃ悪いかなーって思って……」
卵
「もう、ケホッ、9時じゃねえか!? 兄貴も、ゲホッ、今日会議あるっつってたろ!?」
精
「…………えっ? ……あっ、今日その日?」
卵
「だから朝早くから呼んだんだよ! 悪い麻沙音! この埋め合わせはいつかするから! じゃあ!」
とにかく学園に急がないと。ココアを一気飲みし、食った直後から走るのはキツイが泣き事を言っている暇はない。急いで急いで走って走って、教室に入っ────
卵
「うっ」
ある意味スッキリしてある意味スッキリしないまま放課後を迎える。さて、BIG3の誰から話を聞くべきか。
糺川
「卵、少し話がある……来てくれないか?」
あーしよりやや背の高い風紀委員長サマが話しかけてきた。向こうから来てくれたのは都合がいい。手っ取り早くいこう。
卵
「ちょうどいいな……あーしも話があんだ……とりあえず、体育館裏までツラ貸せや」
ということであーしの縄張りである体育館裏に連れ込む。
卵
「どっちが先に話をするか……
見せつけるように左手を握り締めて突き出す。風紀委員長サマは何を勘違いしているのかフッと笑った。
糺川
「私も見くびられたものだな……これでも風紀委員長だぞ?」
卵
「能書きと御託はいいからやるかやらないかはっきりしろよ?」
糺川
「素手で戦い、先に喉に手刀を当てた方が勝ちとしよう」
風紀委員長サマがSQCの構えを取る。決闘成立のようだ。それじゃあ、あーしの本気を見せてやりますか。
卵
「秋は千回巡れど望み能わず野に散る
糺川
「なるほど確かに兄妹だな……! だが、実力まで似るとは限らないぞ……! 本気で来い、卵!」
卵
「……今何て────」
あーしが言い終わる前に風紀委員長サマが攻撃を仕掛けてくる。一旦後ろに飛び退いて動きを見る。
糺川
「大した反応速度だな……だが、攻めなければ────」
卵
「左手だ」
糺川
「……は?」
卵
「あんた如き、左手だけで十分だ」
ここは『反逆の緑髪』らしく戦わせてもらおう。