※この作品はR-18です。

ふかふかダンジョンでエンジョイ&エキサイティング!   作:RAP

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第147話 閑話・プラチナ

 

 中央大陸、バーピィチピット聖王国。

 聖都カケル内、神聖教会(聖教会は通称)本部。

 部外者には立ち入るどころか近づくことすらできない、奥の奥の、そのまた奥。

 教皇をはじめとした、聖教会の上層部が住み、働いている区画。

 

 レースベールで顔を覆い隠した一人の神父服の人物が、廊下の端を静かに歩いている。

 このエリアは神経質なほどに短区間での番兵チェックが連続している。

 だから少し移動しようとしただけで部外者は止められる。

 

 そんな場所を抜けようとしているのだから、その神父服の人物もまた、毎回止められていた。 

 神父服の人物は、二人の番兵に静かに一礼をし、番兵に告げる。

 

「体験用ではなく、上納用の者です」

 

 それを聞いた二人の番兵は、途端ににやつきはじめる。

 

「悪いな、上納用か確かめる儀式をするぜ」

「……今日は俺だ、こっちに来な」

「上納先に咎められること無きよう、お願いします」

 

 簡単な、いつものやりとり。

 番兵の一人が、番兵しか立ち入れない見張り部屋に神父服の人物を案内する。

 

「へへ……あんたの口は最高らしいから、楽しみにしてたんだぜ……」

 

 待機室の中、安物の椅子にどかりと座った番兵が、自身のイチモツを取り出す。

 神父服の人物が、顔を隠しているレースベールを外す。

 レースベールの下からは、信じられないような美女の顔が現れた。

 

「……僕は男ですよ?」

「そこがいいんじゃねぇかァ」

 

 この建物内には、男好きしかいないのだろうか?

 白面金毛(プラチナ)は一切の表情を変えずに、番兵の貧相なものを咥えるべくしゃがみこんだ。

 

 

 * * *

 

 

 母の仇をとるのは、随分と呆気なかった。

 自分の姿を見せた瞬間、太った老人はこう言ったのだ。

 

「おお、あのレッドキャップの娘か、いや息子か? どちらでもいい、お前の母親の具合はとても良かった! さあおいで、同じようにしてあげよう!」

 

 その老人も、八人の妻や子供達も、働いていた執事やメイド達も、全員殺した。

 皆殺しにしてから、大声で泣いた。

 沢山泣いてから、心を殺した。

 

 早く任務を終わらせて、仕方のないお兄ちゃんのところに戻ってあげましょう。

 

 番兵が出した白濁液を淡々と飲み干しながら、白面金毛(プラチナ)は建物内の間取りを思い出す。

 

 

 * * *

 

 

 奥の奥の、そのまた奥。

 通路を抜けた先には、教皇の部屋、枢機卿七人の部屋、番兵の見張り部屋の合計九部屋がある。

 枢機卿のうち一人は暗黒大陸に行っているから、空き部屋一つ。

 

 全員まとめて殺せれば良いが、そうもいかない。

 教皇の影武者的存在もいるらしい。

 片っ端から殺した時に、迂闊に教皇を取り逃がすと後が面倒臭い。

 

 一応、教皇に上納される段取りにはなっている。

 だが、どの部屋に教皇がいるかを誰も教えてくれない。

 

 だから、部屋を間違えると『儀式』と称して枢機卿に犯される。

 番兵と違い、聖なる儀式だからと意味不明な理由で、尻の穴に入れたがる。

 当然、抱かれれば身綺麗にしないといけなくなる。

 そうなると、日を改めて番兵のイチモツをしゃぶるところからやり直しだ。

 

 つまり、これは連中にとってゲームなのだ。

 何人目で教皇に辿り着き、上納されるかどうか。

 正解に辿り着かなければ、枢機卿に無駄に抱かれ続けるだけ。

 

 そして暗殺を警戒しているのか、教皇と枢機卿は不定期に部屋を変えるらしい。

 七分の一のくじ運が悪ければ、それだけ教皇を殺す日が延びる。 

 事実、二回もくじを外した。

 

 言い換えると。

 確実に本物の教皇を殺した後でなら、この建物内のクソ共など皆殺しにしていい。

 

 聖戦(ジハード)体験会。

 あの光景を見た瞬間、全ての任務を投げ捨てて皆殺しに走りそうになった。

 亜人を殺すことを楽しんでいる連中など、鏖殺でいい。

 

 激情を抑えながら、白面金毛(プラチナ)は扉をノックする。

 何度言ったかわからない台詞を、繰り返す。 

 

「体験用ではなく、上納用の者です」

「……ほっほ、開けなされ。三度目で当てるとは、枢機卿の連中も運が悪い」

 

 まさか。

 静かに扉を開けると、それまでに抱かれた二人の枢機卿と同じ服ではあるが、あきらかに威厳の度合いが違う豪奢なアクセサリを身につけた老人が白面金毛(プラチナ)を出迎えた。

 

「15代教皇猊下であらせられますか」

「そう呼ばれることもありますの。全く、下が焦らすので一日千秋の想いで貴殿をお待ちしておりましたぞ。ささ、噂通りの顔かどうか、ベールを外しなさい」

 

 白面金毛(プラチナ)は、心の底からの満面の笑みを浮かべて。

 脳内で何十通りもの殺し方を想像しながら、レースベールを外した。

 

 

 * * *

 

 

 教皇、枢機卿六人、見張り部屋の番兵を一気に殺したあと、白面金毛(プラチナ)は一度教皇の部屋に戻り、ベッドに隠れるように休憩をとっていた。

 それはさながら、原作で【死の森】前要塞の攻略戦を行った際、殺し尽くして疲弊し、休んでいた時と同じだった。

 

 悲鳴をあげさせずに殺すには近づくしかなく、そして一番簡単なのはフェラチオで精液を吐き出させた直後だ。

 快楽と征服欲で悦に浸っているから、甘い言葉を囁きながら背後に回ればそれで済む。

 

 それで済むが、言い換えるとそれだけの回数、フェラチオをしなければならなかった。

 流石の白面金毛(プラチナ)も、顎と精神にクるものがあった。

 

「誰かいますか?」

 

 聞き覚えのある声と共に、扉がノックされる。

 まさか? いるはずがない。

 番兵から奪った剣を手に、白面金毛(プラチナ)は気配を殺す。

 

「開けますよ」

 

 静かにドアが開く。

 白面金毛(プラチナ)にとって信じられない人物が、そこにいた。

 仕方のないお兄ちゃん……の、女性姿。

 

 だが、立ち振る舞いが少し違う。

 見た目の外見は同じだが、立ち方や重心が違う。

 もっとはっきり言うなら、怖さが違った。

 

 仕方のないお兄ちゃんは、見た瞬間に殺せないとわかってしまう。

 むしろ打ち込んだ瞬間にこちらが死ぬという、絶対的な感覚が常に確信としてある。

 

 だが、銀髪のロングヘアを揺らす、全く同じ顔をした室内の女性にはそれがない。

 打ち込めば死ぬのではないか、そう錯覚すらさせる。

 

「プラチナさん……で合ってますか? 私は、妹のユーリと言います」

「……妹?」

 

 白面金毛(プラチナ)は、気配を殺すことをやめた。

 

 

 * * *

 

 

「兄からの伝言です」

 

 そう言って、妹のユーリは懐から手紙を取り出し、読み上げた。

 

「『僕はプラチナの夫にも妻にもなれないが、プラチナの家族にはなれる。僕の妹を妻に迎えて欲しい。一段落がつき、教皇選出選挙(コンクラーベ)の見通しがついたら一度暗黒大陸へ戻ってきて欲しい。そこではじめて、人間と亜人が手を携えて共に生きる道が確定する。盛大なパーティを開こう。お兄ちゃんのユーリより』です」

「なるほど、家族ですか……」

「教皇暗殺の手伝いもしろと命じられましたが、それ自体は終わっているようですね……何か手伝えることは、ありますか?」

「外で体験会とやらをしている連中をはじめとして、この建物内の全員を皆殺しにするのを手伝って下さい、と言いたいところなんですが……」

 

 白面金毛(プラチナ)は、これまでを振り返る。

 番兵のものを咥えたり、枢機卿に抱かれたりしたとき、嫌悪感が凄まじかった。

 無理矢理に色々と押さえ込んだが、殺したくてたまらない連中ばかりだった。

 

 だが振り返ってみれば、キスやフェラチオの練習をお兄ちゃんにした時、むしろ自分は楽しんでやっていた。あの時の自分は嫌がらせをしているつもりだったが、むしろ自分を捧げてもいいと思うぐらいには自然に奉仕していた。

 

 これは一万年をかけて愛しい娘(スィーティ)がユーリにとって都合の良い世界にした事が絡んでいたが、それだけではなかった。

 

 明らかに自分より強い個体が、自分のことを真剣に想い、真面目に愛情を注ぎ、亜人と共に生きていく為に人間すら大量に殺してみせると言い放ったのだ。そして、お兄ちゃん自身が男として譲れる限界まで、自分に身体を許してくれたのも簡単に読み取れた。

 だから、精神的負荷の高い役割を引き受けた。

 

 屈辱的でもあるし、決して口に出すことはありませんが。

 きっと僕は、お兄ちゃんのことを好きだったのでしょう。

 

 白面金毛(プラチナ)はそう結論づける。

 つまるところ、これはきっと失恋なのだ。

 

 目の前の女性は、お兄ちゃんの女性体ではないと一目でわかる。

 だが、それでも。

 望みうる限り、最高級の代替品とも言えた。

 

「見張りの交代時間まで、多少の時間はあるでしょう。クローゼットに死体を隠した部屋で大変申し訳ないのですが、性欲を抑えられそうにありません。妹のユーリ、貴女が本当に僕の妻となるのなら、今ここで僕の生殖器に口で奉仕してください。……口で奉仕する文化はレッドキャップにはありませんが、僕はもう、レッドキャップですらないナニカなので」

 

 フェラチオをしろ。

 そう命じた瞬間、妹のユーリとやらは軽くよろめいた。

 顔を手で押さえ、歯がみしているかのように見える。

 

「……どうしました? お兄ちゃんと違って、慣れていませんか?」

「はゅ、はじゅ、はじめででひゅっ」

「ふふっ、手慣れた兄と違って、まっさらなのですね」

 

 お兄ちゃんに意地悪するのも、楽しい思い出でしたが。

 これからは、きっと彼女に意地悪をしていくことになるのでしょう。 

 

 とはいえ、お兄ちゃん。

 家族として、キスとフェラチオのおねだりぐらいはさせてもらいます。

 人間の文化なのだから、それぐらいは問題無いでしょう?

 

 そんなことを考えながら、白面金毛(プラチナ)はベッドに座る。

 兄のユーリにしたフェラチオのことを思い出しながら教皇や枢機卿達にフェラチオをしていたので、頭の中が兄のユーリで一杯だった。

 建物内の連中を皆殺しにする前に、勃起してしまった自分の物を鎮めないとまともに動けないと白面金毛(プラチナ)は感じていた。

 

 妹のユーリは顔を真っ赤に染め、よろめくように白面金毛(プラチナ)の前に跪いた。

 恭しい手つきで、そっと白面金毛(プラチナ)のモノを取り出す。

 それは雄々しく屹立した、処女には衝撃の強すぎる姿だった。

 

「し、しちゅれいしまひゅ……あ、あにょっ」

「なにか?」

「プラチナさんはわりゃっ、わりゃしの彼氏ということで、よろっ、よろひいですか?」

 

 白面金毛(プラチナ)は、小首を傾げた。

 

「彼氏というか、夫ですよね?」

「……夫……!」

 

 妹のユーリは、視線を何度か白面金毛(プラチナ)の顔と勃起したイチモツの間で往復させると。

 前世のエロ漫画の知識&原作アロの調教話を思い出しながら、初手から手を使わず口だけで奉仕するという、耳年増スペシャルを実行した。

 白面金毛(プラチナ)がちょっと冷静になるぐらい、それはあまりにも熱が入ったフェラチオだった。

 そういったこともあり、妹のユーリが聖教会の奥の奥、そのまた奥の区画に何故いたのか、という疑問が白面金毛(プラチナ)の頭からすっかり抜けてしまった。

 

 

 * * *

 

 

 ゆりこちゃんは、友人や彼氏を飛び越えて夫を手に入れたことで、涙目で歓喜していた。

 

 自分がいた平行宇宙のハーベラ領など、滅びてしまえばいい。

 私はこの世界で永遠に勝ち組として生きる!

 

『妹よ。兄と一緒に世界征服RTAをしよう』

『イエス、ユア・マジェスティ!』

 

 突如ゆりこちゃんの脳内に溢れ出した、存在しない記憶。

 

 さようなら喪女仲間! 私は優雅に処女を捨てるわ!

 

 

 愛しい娘(スィーティ)は特等席でその光景を眺めながら、げらげら笑っていた。

 

 

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