悠宇の親友で、慎吾の元恋人。悠宇の夢を応援しつつも、慎吾との肉体関係を続けている複雑な関係。
夏目悠宇(なつめ ゆう)
日葵の親友で、彼女の心の支えとなっている存在。いつかフラワーアクセのクリエイターになるのが夢。現在は通販サイトで自作アクセを販売している。
藤本慎吾(ふじもと しんご)
本作の主人公。無骨で筋肉質な大柄の男。日葵の元恋人で、今は曖昧な関係を続けている。
俺の名前は藤村慎吾。
中学3年の時、クラスの陽キャ女子・犬塚日葵と、なぜか付き合えた。
が、当然、長続きするわけなんかなく、1ヶ月も続かず別れた。
ただ──今でも続いていることがある。
それは……。
パンッ、パンッと湿った音が、俺の部屋に響いていた。
「んっ♡慎吾のっ、すごいっ♡あっ♡♡」
日葵の甘ったるい声が、わずかに掠れて揺れる。 ベッドの上で四つん這いになった彼女の腰が、俺の下腹に吸い寄せられるように打ちつけられては跳ねる。 そのたびに柔らかい尻が波打つ。
そう、俺と日葵はセフレとして関係を続けている。所謂カラダだけの関係、と言うやつだ。
俺と犬塚日葵が別れたのは約1年半前。 別れた理由は単純だ。付き合ってる間、あいつはいつも他の男――夏目悠宇の話ばっかりしてくるからだ。
「悠宇なら」「悠宇がさ」って、聞きたくもない名前を何度も聞かされた。
正直、うんざりして別れた。俺が彼氏のはずだったのに、ずっと二番手みたいな扱いで。
教室じゃ、あいつと夏目はほぼカップルみたいなもんで、 隣同士の席で、いっつもイチャイチャしてやがる。それは別れる前も後も変わらずだ。
けど、なぜか俺とはこうして身体の関係だけは続いてる。
俺がLINEで一言ヤリたいと声をかけると、俺の部屋に来て、平然と受け入れる。
……本当に、なんなんだこの女。
「っん、あっ……そこ、強いってば……っ♡」
口では文句を言ってるのに、声は完全に甘えてた。猫みたいにピンッと張った背中のライン、スラッとした太もも、小さいながらも触り心地のいい胸、全部がいやらしくて、何度抱いても飽きなかった。
付き合ったときから毎週のようにヤリ続け、今では安全日では生でさせてくれるようにもなったぐらいだ。
しかし、ソレほどまでの関係になってもいまだ拒まれることがあった。
俺は腰を動かし、深く打ち込む。 覆い被さるように抱きしめながら耳元で呟く。
「なあ、キスしていいか?」
その瞬間、日葵の身体がピクッと止まった。
「……そ、それは、ダメ。キスは……好きな人とするものだから」
「ったく、相変わらずかよ」
そう、キス。口づけだ。
この犬飼日葵という少女はソレをなにか特別なものとして扱っており、キスだけはさせてくれなかったのだ。
──それが、恋人時代から変わらない線引きだった。
抱かれても、喘いでも、中に出されても、口に出せないようなプレイをされても、なぜかそこだけは頑なに拒む。 身体は俺に許しても、それだけは絶対に駄目──そんな意地のようなものが、あいつにはあった。
(そもそも好きじゃない相手に身体許すのはどうなんだよ)
コイツの初めての相手は俺だし、俺以降は誰とも付き合った様子もなかったので、誰とでも寝ているという訳ではなさそうなのだが、本当に分からない女である。
俺はひとつ鼻で笑って、腰を引き抜く。
ズウゥゥゥ……ッポン♡♡
「んあっ♡♡はぁ、はぁ♡ちょっと、まだ……イッてないんだけど?」
「疲れた、次はお前の番な」
身体を震わせながら物欲しそうな目をしてくる日葵を他所に、そのままベッドに寝転がると、日葵がため息を吐きながらこっちを見る。
「はぁ……アンタ、ほんっと最低♡」
そう言いながらも、何の迷いもなく俺を跨がると、そのままスカートをたくし上げて、ガチガチになった俺のソレを握り、アソコに宛てがい、ゆっくりと腰を下ろしていく。
「別れた相手をラインで呼び出してっ、こんなことさせて……♡」
「じゃあ来んなよ。お前だって、俺とやりたくて来てんだろ?」
「うっさい!」
図星をつかれたからか、吐き捨てるように、日葵は腰を動かし始めた。
そこからは何も言わない。ただ肌がぶつかる音と、湿った水音だけが部屋に響いていた。
パチュッ、グチュッ、パチュ♡♡
日葵の動きはスローで、でも明確に慣れていた。俺を見ず、髪の隙間から下を向いたまま、ただ腰を動かす。顔に感情はなく、目も閉じてる。でも、身体だけは確実に快楽を求めてる。
その姿を見てるだけで、また興奮がぶり返した。
確実に快楽を求めている――そう思った瞬間、我慢できなかった。
俺は無言のまま、日葵の腰をがしっと掴んだ。
指が食い込むほどの力で、上下の動きをさらに深く導いてやる。
日葵は何も言わず、ただその動きに乗るように、律動を乱されながらも腰を振り続けた。
声も出さない。ただ快楽に身を任せて、全てを受け入れていた。
そして、俺が堪えきれずに息を詰めた時、日葵の腰がひときわ深く沈み、そこで俺は吐き出した。
「……っく……!」
びくんと全身が震えて、日葵が小さく息を詰める。押し込んだまま、ぴくぴくと脈打つのを感じながら、俺は大きく息を吐いた。
数十秒、そのまま沈黙が流れた。
日葵が上体を少し起こし、腰をゆっくり持ち上げると、中からぬるりと何かがこぼれて太腿を伝っていく。
「……ティッシュ、取ってよ」
無感情に言われて、俺はベッド脇に手を伸ばしてティッシュを2枚引き抜き、無言で渡した。
日葵は受け取るなり、下半身に力を入れる。
――ぷっ。ごぽっ。
ちょっと気の抜けた音がした。
「……2枚で足りるかそれ?」
「うっさい!んっ、ぅ♡」
そう言いながら、また腹筋に力を込める。
――ぷぴっ、ぷっ、ぷふっ。
三連発マン屁。俺は吹き出しそうになるのを堪えたけど、日葵は一切表情を変えなかった。いや、よく見ると流石に恥ずかしかったのか少し顔を赤らめながら文句を言ってくる。
「慎吾、出しすぎ」
「いやー、お前の身体が良すぎんのが悪い」
「〜っ!うるさい、黙って追加持ってきて!あーもう、この空気入ってくる感じ本当に嫌っ、んんっ♡」
いや、文句というより、ただの愚痴だな。まるでゴミ出し頼まれたみたいな空気で、俺はもう2枚ほどティッシュを差し出す。
処理を終えた日葵は、何も言わずにゴミ箱にティッシュを放り投げると、そのまま上体を倒してきて、俺の胸に顔をうずめてきた。
汗と匂いが混じった肌が重くて、じっとしてるだけでまた身体が反応しそうだった。
「ホント、ゴツゴツしてて抱き心地も最悪だし」
「……」
「悠宇とは、えらい違い」
「じゃあ、夏目とすれば?」
「はあ!?する訳ないでしょ!悠宇とはそんな軽い関係じゃないの!」
「お、おう」
俺が軽く皮肉混じりに言うと、キレ気味に返してくる。
この女が夏目のことが好きなのは間違いないだろう。
だけど、それはそれとして夏目との今の親友という関係を崩したくないらしい。
(ま、俺は知ったこっちゃないけどな)
俺にはその感情はよく分からないが、コチラにとっては都合のいいセフレがひとり確保できているというだけの話、それだけで十分だ。
(そのうち夏目と本当に付き合うようになるのかもしれないけど……)
俺には確信があった。もしそうなったとしても、日葵は変わらず俺の元に来る。
たとえあいつが夏目と恋人同士になっても、きっとこうして部屋に来て、俺の上に跨がる。
そういう女だ。いや、そういう女にしてしまったのは──たぶん、俺なのだろう。
新作投稿です。アニメ見てたらつい書いちゃった。
アニメだんじょるのOPのハニワverが良すぎて鬼リピしてる