「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【モンスター/チルドレンズ:ゼロワン/ゼロエイト/テン登場】
【チルドレンズ・テン】
ハラマセーのチルドレンズ。
元ヒーラーのハラマセー、フォールンが。元パートナーのピュアに産ませた子供たちである。
幼体であったゾンビーの時とは違い、モンスターとしてしっかりとした自我を持ち、それぞれに武器精製能力を操る。
成長に従い、個体差と性格も分岐し。基本的に兄弟の結束は固い。
触手城内の薄暗い部屋、なめかましい泣き喚きが漏れる。
滑りつく叫喚に、泡立つ水音。
荒々しい一方的な交尾の息遣いがあふれる。
パン! パァン!!
肉と筋肉が打ち据えられ、弾ける音が執拗に反響する───
ようやくそれが収まった。
チルドレンズの兄弟の中でも、ひときわ背が高く、肩幅の広い堂々とした体躯の持ち主。
額に『10』の数字を浮かべた、チルドレンズ・テン。
景気づけの運動としての射精に、軽い満足の吐息を吐く。
揺らぐ気配に、金属の擦れる乾いた音が響く。
テンが生成したチェーンソーの刃が壁に軽く当たり、赤い火花を散らす。
「なんだ、ゼロワンかよ。なんか用?」
「あいかわらず……いい趣味してるな……」
「なんだよ見送りかい?」
テンは兄弟の中でも特に攻撃性が強い。
その笑みは常にどこか危険な匂いを帯びる。
そんなテンを、ゼロワンとゼロエイトが訪れると。
惨状をさらした情交の痕跡を見て、長男であるゼロワンは微妙な表情を浮かべ、ゼロエイトは無言でメガネの位置を直す。
テンはチェーンソーを肩に担ぎ、ニヤリと笑う。
「テン、任務前に様子を見に来ただけだよ。少し荒れてるって聞いたから」
「荒れてる? 違うね。ただね、最近あんまし楽しくねえなってだけだよ」
ゼロワンは温厚な顔で苦笑する。
彼は兄弟の中でも、性能が高いというわけではないが。
最も早く覚醒し、後に続く弟たちの面倒をよく見て導いたことで慕われている。
そんな長男を相手に、テンは鼻で笑う。
チェーンソーの刃が、テンの指先の動きに合わせて唸りを上げる。
「楽しく、ないとは?」
「ああ、脆弱なメスを狩るのも抱くのも飽き飽きだし。ピュアといってもヒーラーをミンチにしたら、戦わずにへたり込みやがった。それでムカついたんで手足ふっ飛ばしてやったってやつさ。持って帰ったら遊べるようにしてくれたから、憂さ晴らしを続けていたってわけ」
テンは先程まで遊んでいたオモチャを見下ろす。
「へっ、ただのオナホのくせに、まだ喚いていやがる」
「おごぉぉぉぉぉぉぉ、コロせぇ~~いっそ殺してぇ~うぶっげぼぉほぉぉぉ~~シなぜでぇ~~~~」
先ほどまでテンが犯していたのは……
四肢を失い、ただの肉オナホールと化して転がる敗北したピュア。
精液塗れの芋虫のような身体を震わせ、錯乱した呻きを弱弱しく上げる事しかできない姿を、チルドレンズたちは見下ろす。
触手と同化し、徐々に意識を快楽に溶かされ手放してゆく苗床化。
どちらがより残酷なのか、誰も答えを出さない。
「テン、お前の実力は認める。だけど……最近の戦い方は、楽しみに寄りすぎている」
「効率? そんなもん関係ねぇよゼロエイト。敵をぶっ壊すのが大事だろ? だったら壊し方は自由にやらせろってね。それでもよ~壊し甲斐の無いやつらばっかで、つまんねえんだよ」
ゼロエイトは、メガネのレンズ越しに静かにテンを見つめていた。
彼は兄弟の中で最も冷静で分析を得意とし。テンの勝手な戦いを咎めるが。
テンは肩をすくめ強者の理屈をこねる。
ゼロワンは困ったように大きくため息をつき、やんわりと諭す。
「……テン、お前は強い、僕たち兄弟の中でもトップクラスだ。だからこそ、無茶をするな。そして……おごるな。強いピュアやヒーラーは確かにいる」
「ゼロワン、俺の強さを疑ってんのか?」
テンはゼロワンに一歩近づき、挑発するように笑う。
ゼロワンは首を振る。
「疑ってはいない。ただ……心配なんだ」
「心配すんなよ。心配なのは弱っちい敵の方だぜ」
テンはチェーンソーを肩に担ぎ直し、軽く笑い飛ばす。
その笑いに邪気はない。
「じゃ、行ってくるぜ。ゼロワンたちはそこで見てろよ。どれだけ強いかってこと、また証明してやるし。そうだな~ちょっとでも手ごたえのあったやつは持ち帰って、壁に埋めてトロフィーってやつにしてもらおうかな?」
テンは通路へ向かい、チェーンソーを唸らせ、それに合わせた鼻歌を鳴らしながら歩き去る。
その背中は、自信に満ち溢れていた。
「……兄上、テンは強い。だが、あれは強さに酔っている」
「わかってる。テンは強いよ兄弟の中でも、あれほどの戦闘力を持つ者はいない。ピュア達を一人で全滅させたのも凄い。しかしもっと強いやつらはいる……」
「たとえそれを説明しても、テンは、敵を倒すことより、敵を壊すことを優先していますからね。その差はいずれ命取りになるかもしれません。その……ファイブ兄上でしたら、なにか言いくるめる言葉を考えてくれたかもですが───」
「いなくなったゼロファイブの事、悔やんでもしょうがないよ、僕としてはこれ以上兄弟を失いたくない」
「然り」
テンが姿を消すと、ゼロワンとゼロエイトは静かに語り合う。
ゼロワンもまだ自意識が覚醒してから、そう時間を積み重ねたわけではないが。
テンの自信に潜む危うさを確かに感じ取っていた。
ゼロエイトは頷き、今は亡き策士のゼロファイブを思い出していた。
「強さは認める。だけどね、強さだけでは生き残れないぞ、テン。どうか無事に帰ってきてくれ」
ゼロワンはテンが去った通路をじっと見つめ、小さく呟いた。
【黄昏:サクラ寮前/バーベーキュー】
夜に向かう風が心地よく吹き抜け、寮の前では篝火の灯りの中、炭火の香ばしい煙が甘く漂っていた。
ユウヤとマリアはまだ戻っていないが、残ったメンバーは腹が減って仕方がないとバーベキューは進行してゆく。
「まぁ、待ってたら冷めるしな」
「悪いけど、先に食べなきゃだし」
アキラが網上で焼けた肉を豪快にひっくり返し。
アヤがトングを構え、次の得物に鋭い視線を注ぐ。
「次……焼けてる肉は……」
ケイの前には、既に空の串が多数散らばっていた。
「アキラ、食べるの早っ」
「アヤも……健啖……ふふ」
「ケイは…………あれ? 串に刺さってるのもう消滅してる?」
大食いの三人に、周囲は顔を見合わせる。
キッチンから黒服3号が、大きな皿を抱え現れる。
並べられているのは、殻に乗った新鮮な牡蠣が山盛りである。
「諸君、野菜と肉ばかりが滋養ではない、牡蠣は海のミルクと呼ばれタンパク質、亜鉛、鉄分、タウリン──いずれも必要な栄養素を豊富に抱え。特に亜鉛は重要。疲労回復、免疫強化、集中力向上───そして貴様らの戦場には欠かせない精力の維持を補給する!」
「まっ、ちゃんと食っておかないと、ひーりんぐできねえしな。いただきます」
精力という言葉に、うわあ生々しいと、内心みんなは思うが。
アキラのあっけんからんとした一言には、納得するしかない。
「じゃ、早速焼くわね」
「むっ、貴様、なにをする」
「えっ!? だって牡蠣って焼くもので生で食べたらお腹壊すでしょ?」
アヤが網の上に牡蠣を置こうとした瞬間、黒服3号はまるで、戦場で新兵がやらかす瞬間を目撃したかのような速度で手を伸ばし、挟み合ったトングが中空で交錯する。
「ふむ……牡蠣には採取海域の基準と処理工程がある。生食用は厳格な基準を満たした海域で採取された精鋭。さらに浄化工程という訓練を経て、安全性が保証た上で食卓と言う戦場に送り込まれる。ゆえに、焼く必要などない」
「そ、そうなんだ……」
「そして牡蠣は、加熱すると旨味成分が逃げる。生で食べることで発揮する、着弾した榴弾のごとく爆発的な栄養は先ほど説明したばかりだ。そう焼いてしまうのは炸薬を濡らし湿気らせるも同然」
「わ、わかったわ。じゃあ、生で食べてみる……」
アヤは殻を手にし、滑らせるように牡蠣を唇で受け止め、口内に入れ舌に乗せる。
潮が満ちた浜辺のような、海水の薄い微かな香りに。ほんの僅かに鼻奥に触れる金属感。
柔らかいがとろりとした中に、確かにある反発感の歯ごたえが解け。
表面は冷たく、ぬめりのあるとろみに薄い膜が千切れ、内部がクリームのように滑り込み舌に絡みつき。端のひだがアクセントのある弾力を伝える。
舌に先ず広がるのは微かな海の塩気。
次に独特で濃厚複雑な甘みが覆いかぶさり、ミネラルにてのシャープな余韻が後に鋭く響く。
「な、なによこれ!? うまく説明できないけど───クセがあるけど、おいしい……」
「その美味さは、生命の賛辞。おいしくいただいてもらいたい」
「うん───あらためて、いただきます!」
カオリはアヤと黒服3号のやりとりに、後方理解者顔でうなずきながら。
自分の牡蠣に、レモン、岩塩、タバスコ、ポン酢、黒胡椒、各種ビネガー、オリーブオイルを傍らに用意し、一口ごとに味の方向性を変えて味わい。
白ワインの冷たい酸味が、牡蠣の甘味を押し広げ、潮風の香りを重ねてゆき、後味を澄わたらせ洗ってゆくのを楽しんでいた。
「いや! ウチら未成年っ!」
「いいのかなあ、あれってよう……」
アスカとヒナタが、カオリの堂々とした飲酒に戸惑っていると。
「鋭い酸味……控え目な香りとボディ……海を食み海を飲むような合わせ方の錯覚……ミュスカデかしら?」
「ええ、そのとおりですわ。もう一本この方に空けてくださらない」
「よしなに、いただきますわ……」
カオリはリサのワインの評価に気持ちをよくし。
彼女のために、さらにもう一本ワインのボトルを開けさせる。
リサもそれを拒まず、グラスを傾ける。
大丈夫かなあれ? と、アスカとヒナタは見守るしかなかった。
「そっれにしても、ユウヤとマリアおっせえなぁ~」
「バーベーキュー……食べ尽くしちゃうかも……ぱく」
「まあさ、迷子探してる時って、余裕ねえもんな。もぐもぐ」
「確かに視界狭くなるっていうか、考えるのそればっかりになっちゃうわね、はぐっ」
「ちょっとさ〜食べんのか喋んのかどっちかにしよ? ほらほら、どっちもは無理でしょ〜?」
ヒナタの二人を心配する言葉に、食べながら答える食いしん坊たちを、アスカはやんわりと咎めていた。
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