「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【モンスター/甲殻裁定:マネージミット登場】
【砦化廃ビル:外観説明】
元は銀行が入っていたビル、大通りであったのであろう、南向きには重厚な正門があり、補強し裏側から閂が駆けてあり内部への侵入を拒んでいる。
門の正面には、瓦礫を利用したトーチカを作成、体格のよいゾンビーが警護に数体控え、ピュアとヒーラーを迎え撃つ
北側は裏口として、歩兵ゾンビーの出撃や、触手納品の車両を控えさせている、
西側は比較的瓦礫が少なく廃建築物がないわけではないが、歩兵ゾンビーを進軍しやすいためルートにされている。
東側は倒壊したビルが倒れ込み残骸が寄りかかっており、弓兵ゾンビーが射撃の足場にも利用している。
【挿絵表示】
【砦化廃ビル内/弓と氷】
ひゅっ!
カシャァァン!!
ひゅんっ!
パシィ! キィィィン!!
「ちぃ! やりにくいなあもう!」
ゼロシックスは窓を次々と変えながら矢を放ち続ける。
外から撃ち込まれる氷弾が着弾するたび、甲高い炸裂音と共に氷の破片が飛び散り、周囲を抉っていく。
直撃を免れても、破片が肌を浅く切り裂くだけで苛立つ痛みが走る。
弓と氷の撃ち合い。ゆっくり狙いを定めての狙撃など到底できない。
相手も場所を移動しながら氷を撃ち上げ、ゾンビー弓兵の矢も周辺に浴びせ続けている。遮蔽を巧みに利用されているのか、決定打には程遠いが、相手の動きを小さく抑え込めているのは確かだった。
「牽制しあって有効打が望めないってやつか……ガーヨクのおっさんが回り込んでくれるのを待つのが正解だなこれは」
それはそれとして、不用意に姿を見せるなら仕留められるよう矢を撃ち込み続ける。
「今は、状況が動くまで、我慢のしどきってね」
撃ち下ろす矢と撃ち上げる氷が、互いの射撃位置を移動させながら膠着した攻防を続けていた。
【砦化廃ビル前/氷からピュア】
瓦礫と廃屋を盾に、降り注ぐ矢と狙撃矢を回避しながら、ヒーラーフロストは一人で戦っていた。
遮蔽を変えつつ、狙撃手の近くへ着弾すると炸裂する氷の榴弾を撃ち込み、注意を引きつけるのが主眼だ。倒すことではなく、時間を稼ぐこと。
「追い詰められるほどじゃないが、気はとてもじゃないが抜けないな」
掠めた矢が何本か肌を裂き痛みがひりつき血がにじむ。肩口を深く射抜かれた一本は、氷で傷口を塞いで血止めを施した。
なぜ一人なのか?
他のピュアはどうしたのか?
「この牽制で、少しは時間が稼げる……天井の遮蔽よし、周囲に敵無しよし、感知による索敵開始───ゾンビーの一団が行軍を西から南に───」
異次元ポケットからスマホを取り出し、通話を開く。
「ガーネット、ローズクォーツ。ゾンビー団は南進を開始」
『わかったわよ、この後は位置はいらないわ。嫌でもわかるのもの!』
『俺達ゃハラマセー孕ませるっ!!』『オレタチャハラマセ、ハラマセル!!』
「なんだこの下品な歌声は?」
『そ~ゆ~こと! 自分から場所バラシていて、バッカみたい! だからこっちは二人でなんとかするから、もう少し粘って、おねがい』
「なるべく早く、無理しないように頼む。負傷すれば即座に引くように」
『おけおけ~相手に指揮官いるっしょ、そいつ叩く方向ってので、ウチらはなんとかするわ。ヤバイやつだったら、さくっと引いて逃げの算段ってやつでしょ』
「理解が早くて助かる」
『なによ! ぶっ飛ばせばいいでしょ!』
『できるだけその方面で頑張るわ、それじゃまたってことで~~』
フロストが狙撃手の注意を引きつけ、矢の集中を誘う間、ガーネットとローズクォーツは西側へこっそり移動し、ゾンビー集団を迎撃する。
感知で大まかな位置を捉え、奇襲で数を減らし包囲を断念させるのが目的だ。二人のピュアに手に余る戦力がいれば一撃離脱で戻り、後退を優先する。
ただし、こちらの戦力分散を敵に悟られれば、正門から大兵力を出されて正攻法で圧し潰される危険があった。
スマホを閉じ、フロストは再び氷の砲撃を再開する。
「東側からの弓の制圧が薄くなったな……よし、さらに東に振るか」
弓兵ゾンビーから降り注ぐ矢、東側の圧が薄くなっている。
相手に西側のゾンビーの一団を支援する動きを鈍らせる一手が効いている。
「後は、準備の完了だけど……こればかりは専門にまかせるしかない」
それまで狙撃と矢を惹きつける、フロストの孤独な戦いはまだ続く。
【砦化廃ビル内/ゼロシックスの焦燥】
「慎重なのはわかるけどさ、なんかじれったいなあ~もう!」
ゼロシックスは弓を弾き搾ったまま、外の瓦礫や廃屋を睨みつける。
勝負のつかない撃ち合いが苛立つ。相手の氷が上がるのに合わせ場所を特定し、こちらも矢を返す。互いに炸裂音を響かせ合うだけだ。
手応えは皆無ではないが、決定打にはほど遠い。氷の破片で細かい傷が増え、痛みがうっとおしい。
「勝負つける気持ちあるのかなっ! てね!」
何度目になるかの射撃の応酬。焦れるしかない撃ち合い。
ゼロシックスは知らない。
ヒーラーフロストの本当の狙いは、彼とゾンビー弓兵の注意を釘付けにし、時間を稼ぎ、ピュアたちの行動から目を逸らさせることだと。
違和感。
何が引っかかるのかわからない。
戦いながらの苛立ちに、思考を整理する余裕などない。
建物の東側の壁は倒れ込んだビルに突き破られ、その残骸が弓兵ゾンビーの足場になっている。
その足場の奥から、ひとつの影が飛び出した人影……いや、ゾンビー影が全力で駆け抜けてゆく。
「どうした!? なにが───」
誰何が言い終わる前に、ゼロシックスの眼前に氷が着弾炸裂する。
飛び散る氷片に顔を覆い身を伏せ、顔を上げた時には既にゾンビーは中央へ向かって走り去っていた。
ゼロシックスはゾンビーが走ってきた東側に視線を向ける。
違和感が鮮明になってゆく。
「どうした東側! 弾幕薄いよっ!」
矢の雨を降らせているはずが、明らかに矢の数が減っている。
弓兵ゾンビーが減らされている? なぜ? どうやって?
考えようとした瞬間、また氷弾が着弾する。
「ちっとは黙ってろ! てゆっか黙らせる!」
考える余裕は奪われ、ゼロシックスは矢を撃ち返した。
【砦化廃ビル東側/倒壊ビル弓兵足場での覚醒】
廃ビルの東側は、倒れ込んだビルが壁を突き破った残骸が、弓兵ゾンビーが矢を射かける足場となって利用されていた。
周囲の瓦礫も多く、夜の闇が深い。
だが───
一台の改造バンが、エンジンを低く唸らせながら大きく迂回して迫ってくる。
「視界も、地形も悪い……けど、行ける!」
黒服25号の運転技術は、黒服5号の怪物級ではないにせよ、十分に高いのが幸いした。
瓦礫の隙間を縫い、闇の中を正確に静かに走り抜ける。
助手席には───
蒼く丈の短いストラップクロップドトップスに、ノーパンのミニスカートという煽情的な姿のピュアサファイアが座っていた。
(目のやり場に困る……いやいや! 任務に集中をっ!!)
サファイアは窓の外、瓦礫とビルの位置関係を見つめ、静かに声をかける。
「ここで降ります……迎えが必用なら連絡します」
「了解しました、御武運を」
バンが停止すると、サファイアは軽やかにルーフキャリアへ飛び乗り、そのまま瓦礫へと駆け上ぼってゆく。
「細身だけど……微妙な発達がエロい……」
確認のため天井部のカメラをオンにすると、ルーフを跨いだサファイアの股間と尻がどアップで映ってしまい、ふっくらとした恥丘の盛り上がりと、僅かに覗く秘裂の影が鮮明に焼き付いた。
黒服25号は、いつでも回収・支援に迎えるよう車の場所を選び。暗視カメラで状況を確認しながら、他のピュアやヒーラーと連絡がすぐに取れるよう待機に入ってゆく。
「はい……ゾンビーのみなさん、お遊びは終わりです」
ピュアサファイアが足場に駆け上がり、最も近くにいた不幸な弓兵ゾンビーは───勢いのついたノーパンのミニスカートが捲りあがり陰毛を晒した蹴りの一撃が体をくの字に折る、立て直す反応を見せる間も無く止めの拳が頭部を砕く。
隣のゾンビーが慌てて体を向けると貫手が胸を貫き、引き抜かれ前のめりになったのを、逆腕が無駄のない流れる動きで振り上げられ、腋の下全開の手刀が下ろされ地面に叩きつける。残念ながらあまり胸は揺れない。
ようやく弓を構え矢を放つが。半身で矢を避けてゆき、滑り込むようにゾンビーの背後に回り込むと肩を掴み重心を狂わせ、足首を払い転倒させた後、静かに息を吐きながら無造作に踏みつけ止めを刺す。
迫りくる足裏を見上げるそのゾンビーは、破壊される瞬間。股間の奥、おまんこ直視の眼福を受けることができたであろう。
弓を捨て勢いをつけて殴りかかって来たのを軽やかにやり過ごし、その背を蹴りつけて瓦礫の下へと叩き落とす。
殴りかかったゾンビーは落ちながら「あれ?オレにはエロ無し?」と思いながら落下していった───
次々と弓兵ゾンビーが倒れ、東側の射撃は急速に弱まっていく。
「アッ……アア!」
奥に潜んでいた一体の弓兵ゾンビーが、サファイアの華麗で残酷な動きに、次々と潰される弓兵ゾンビーを見て震え上がっていた。
磨り潰され、生殖と暴力に支配されているはずの感情が、自我が。
目の当たりにした恐怖でそのゾンビーを、最下級ながらモンスターに進化させ、自我が感情が肉体を動かし走らせた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
そのまま廃ビル中央へ向かって走り去る。東側が襲撃されていることを伝えるために。
【砦化廃ビル中央/マネージミット執務室】
「ほっ、報告っ! 東側にてピュアの襲撃! 弓兵ゾンビーが討ち減らされています!!」
「なんだって! シックスアニキは!?」
「現在交戦中です!」
「よしっ! 迎撃するぜ!!」
「お待ちなさい……ああ、行ってしまわれたか…………」
自我に目覚めモンスター化した元弓兵ゾンビーが、ハラマセー側の司令部と言うべきマネージミットの執務室に飛び込み、震えの残る声での報告に。
ゼロナインがいきり立って手甲を生成し打ち鳴らすと、ピュアを迎撃するため東に疾駆してゆく。
マネージミットは、せめて一拍考える時間を置いて判断してほしいと思ったが。即断即応も間違った判断でもないので、呼び戻すよりも向かってもらうのをそのまま黙認した。
「あ、あの、私はどうすれば……」
「どうやら自我に、モンスターに目覚めたようですね、そうですね……先ずは名乗りなさい『デンレー』と、あなたはこれから伝令として走ってもらう事にしましょう」
「あ、ありがとうございます……しかし私は、戦わずに仲間を見捨てて……」
自我の曖昧な肉欲と粗暴な闘争心だけとはいえ、仲間といってもいい弓兵ゾンビーを見捨てるようにここに来た。
なんの特徴も無い、やや小柄な青年にしか見えない彼は、そんな負い目を感じるほどに自我と感情が確立していた。
「いえいえ違いますよ、あなたはもうゾンビーではありません。どうやら脚力があるようですし、危険を察し判断する能力もあります。だからこそ『助けを呼ぶ』という理性的な行動をとったのです。戦うばかりが役目ではありませんよ」
「は、はいっ! 以後、デンレーと名乗らせてもらいます!」
マネージミットはそんな彼を責めることなく、新たに芽生えた自我をどう扱うべきか見極める観察者のそれであった。
脚力、判断力、そして逃げたという行動。それらを負い目ではなく適性として評価し名を与える。
名を与えられた瞬間、表情に迷いが晴れ、新たな役割を得た者の誇りが宿ってゆく。
名は、ゾンビーであった過去から切り離される象徴でもあった。
「では早速ですが、西に走ってください。迂回している兵団に、東側が襲われている事を伝えるのです。判断は───現場に任せましょう」
「了解しました!」
マネージミットが指示を与えると、デンレーは力強く返事をし、身体を翻して駆け出していった。
一人のハラマセーの進化が、戦況に新たな波紋を広げるかのように。
【砦化廃ビル内/入れ替わり立ち代わり】
ひゅ───
パシャァン
瓦礫に砕けた壁の縁に身を伏せ、ゼロシックスは弓を引き絞ったまま、徐々に東側へと位置をずらしながらヒーラーフロストの氷弾に応戦し続けていた。
氷の炸裂が砦の壁を白く染めるたび、ゼロシックスは舌打ちを繰り返す。
「ちっ! ま~た氷ってやつ! 狙い撃てねえぜまったく!」
延々と実入りの無い攻防の苛立ちが、時間を稼がれ自分を引き留められているという考えに至らないでいる。
その時、砦の中央部から東側へ向かって、ゼロナインが全力疾走で駆け抜けていく。
「おいナイン! 東側で何が───」
言い終わる前に、フロストの氷弾が壁に炸裂する単調な妨害。
「っ……! また邪魔がって!! あ~ぁ、ナインの足の速さだともう追いつけないよな……東側で何が起きてる? ガーヨクの部隊はどうなった? ナインは何しに行った? なんで……何も分からないんだ!? 何が起きてるのか聞けないままじゃないか!」
撃ち合いは止められない、止めるという選択が浮かばない。
それがゼロシックスを縛り付けていた。
【モンスター/韋駄天伝令:デンレー登場】
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