※この作品はR-18です。

「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!?   作:白拍子

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167「てんじょう」

【サクラ寮B1F:浴場/ピュアたちの湯あみ】

 

ピュアたちが地下二階の第二トレーニングルームから階段を上ると、直接浴場へと辿り着き。

湯気の向こうで、裸のメイドたちが静かに頭を下げる。

 

疲れ切った身体を預けるように、ピュアたちは湯場へと足を進め、狂宴の残滓を委ねることとした。

 

メイドは、丁寧にピュアたちの身体を洗い流し。

肌に張り付いた、汗を、精液を、愛液を、拭いとってゆき、垢をこそげ落としてゆくたび。

体に張り詰めていた力が、ゆっくりと解れほどけてゆくのを感じる。

 

湯船に身を沈めると、ぬるい湯が全身を包み込み、浸る。

 

天井を仰ぎ見ると───

白い光が湯気に溶け、ゆらりゆらりと揺れるのを、呆然とただ見上げる。

 

 

その静けさの中。

ぽつり、ぽつりと、つぶやくのは───

 

誰かに聞かせたいからこその、独り言。

 

「あ~~~~色々ヤリきった~~ヤリすぎた……ああ、もうこれで、ピュアみんなで棒姉妹よ」

「いい機会……でも確かに、過剰過激……ふふ…………いっそ、ヒーラーシスターズ」

「まっ時にはバカやっちゃうのって、必要ってやつしょ。ヒーラーシスターズねえ……響きが微妙っしょ、おちんちんに傅いてるみたいで、ナシナシ」

「戦って……頑張って……ごはん食べて……え、えっちなことも満足して……うん……あと黄金大蒜……この精力のスタミナは……すごい……」

「それによ、変に先送りするよか、ぶつけ合えたじゃないか。それこそマジ本気でよ」

「ブツカッテ、爆発モシマシタデス、どかーんト」

 

湯気の中で、それぞれの声がふわりと溶け、気恥ずかしい笑いもあふれる。

 

 

ふと、アヤが気付く。

カオリは湯の中で、静かに視線をゆれる湯に落とし続けていたのを。

 

その表情は、いつもの凛とした傲慢で高圧な上から目線の令嬢の顔ではなく。

力のない、自信の抜けた横顔だった。

 

アヤは言葉ではなく、視線をピュアたちに飛ばし合わせ───カオリを示す。

 

言葉での騒ぎ立て一つない、無言の察しが一巡りすると。

ピュアたちは自然とカオリの周りに集まってゆく。

 

誰も急がず急かさず。

荒れもなく、穏やかに。

湯の柔らかな温もりのように、集ってゆく。

 

 

カオリは、周囲をピュアたちが集っているのにようやく気付き、怪訝そうに顔を上げる。

なにか言いたそうだが……言葉が浮かばないのか、唇が開いては閉じてしまう。

 

「気にすること……ないよ」

「わたしたちも……べつにプロじゃないし……ええ」

「まっ、ぎこちなく試しあって、がんばったってとこあるっしょ」

「うん……きもちよくなってほしいし……させてほしいから……」

「思うカタチってよ、なかなか上手くいかねえってやつだし」

「一緒ニ、ミンナデ、学ブガ、イチバーンデス」

 

慰めではなく。

激励、鼓舞、慰撫、奮起を。

湯気の中、想いが自然と伝わらせる。

 

 

カオリはゆっくり顔を上げる。

その瞳には……少しだけ涙の光があったが、力強く仲間であるピュアたちを見回し。

肩の力を抜き、小さく頷くと───

 

「お~~~ほっほっほっほっほっ! わたくし、自分の未熟さを認めますわっ!」

「ええ、ええ、お恥ずかしいですわ。ただ男に委ねるだけで、おまんこの具合に胡坐をかいていたという事ですもの」

「そ、そういう、男を喜ばせ、奮い立たせるのも、女の役目」

「みなさま───また共に、学ぶのを一緒に……その……よしなにですわ……」

 

巨大な乳房に湯の滝を弾けさせ、勢いよく立ち上がると。

いつもの高笑いと共に、笑顔を弾けさせ。

性的技巧の未熟さを認めつつ、仲間に見栄を張らない姿を見せる。

 

カオリにとってそれは、どれだけ恐ろしい事であったのであろうか。

 

自分のできなさ弱さをさらけ出すこと。

令嬢にとって弱みを見せるのは、魂に刷り込まれた恐怖。

魑魅魍魎の社交界では、致命傷となりかねない。

 

そうではない、共に戦える仲間がいるからこそ。

カオリは自らその壁を崩すことができた───

 

 

湯船の中で集い。

肩を寄せ合いながら、ピュアたちは照れくさそうに笑いあう。

 

湯気の中で交わされたその笑顔は───

様々なものを脱ぎ捨てた、裸の笑顔であった。

 

 

戦いも───

狂宴も───

その中での覚悟も───

 

ヒーラーたちにも必ず伝わっている───

 

 

確信できるほど、ピュアたちの心は静かに整っていた。

戦う者の誇りと、仲間の絆。

湯気の中、強く結ばれた証を。

 

感じていた───

 

 

【B3F:シェルター兼倉庫/ヒーラーたちの挽歌】

 

第二トレーニングルームの床に倒れ込んでいたアキラとユウヤは、まるで木偶人形のように動けなかった。

 

メイドたちはバケツに汲んだ温水を浴びせて身体を洗い流し。

黒服たちは「頑張ったな」と短く、しかし温かい激励を送った。

 

その後───

 

二人は地下三階の倉庫。

シェルターともなる区域にストレッチャーで運ばれ、仮眠用ベッドに安静にと寝かせられた。

空気はひんやりと澄み、静寂が包む空間だ。

 

ちなみに、第二トレーニングルームのマットは、後のメンテナンスで総取り換えになったらしい。

黒服とメイドたちの、呆れと驚嘆が、若く生々しい性交の痕を、マットに刻みこんでいた。

 

 

静寂の中、男たちはゆっくりと意識が戻る。

 

アキラが先に目を開けると、天井の無機質な、光量を落とした照明がぼんやりと滲む。

少し遅れて、ユウヤも息を咳込みながら目を覚ます。

 

「ユウヤ……生きてるか?」

「……なんとか」

 

声はかすれている。

身体の奥まで疲労が染み込んでいる。

それでも、互いの声を聞いた瞬間、少しだけ安心が漂う。

 

 

しばらく沈黙が続いた。

二人は天井を見つめたまま、言葉を探していた。

 

「……楽しかったかって言われたら……楽しかった」

「好きな女の子たちと、キャッキャウフフ」

「無制限にセックスして射精して中出しして、女の子たちからも、いっぱい射精させてくれる……」

「こんな素敵な事はない……はずだよな、はずなんだけどよう」

 

「……ええ。あれは……楽しいです」

「ただ、楽しいだけじゃなかったのは確か……ですよね……嬉しいし嫌じゃない……嫌じゃないけど、その……なんというか…………」

 

二人の声には、どこか苦い響きがあった。

ピュアたちが示した覚悟は、二人の胸に深く突き刺さっていた。

 

仲間たちを信じ。

仲間たちと共に戦い。

仲間たちに身を預け。

仲間たちのために決断し。

 

激しく肉の交わりを交わし合った。

 

その重さは、男としての喜びも大きいが。

より、責任としての重さを感じられた。

 

しかしその責任の甘美さと誇りは、より大きな喜びと感じられた。

 

「……あいつら、覚悟決めてたよな。痛いくらい分かったよ」

 

「はい、あれは……まぎれもなく本気でした」

 

二人は、その覚悟を裏切らないように必死で応えた。

辱めをあえて受け、身をゆだね射精し続けるのも、信じる証として。

 

ただ───

みんな、抑えが効かなくなっていた。

不安も、不満も、不穏も、快楽も、淫蕩も、淫乱も。

壁を打ち崩すためには、必要だったのかもしれない。

 

女の子たちへ、褒めも不満もエロも伝わってしまった着火もある。

一人一人ではなく、みんなで一緒にが歯止めを効かなくもしていた。

 

それでも───

ここまで限界まで、精液を搾り取られたのは。

うん、暴走していた。

 

 

「……それによう。男として……嬲られたみたいになったのは……正直、悔しいよな~」

 

アキラのぼやきに、ユウヤはしばらく言葉を返さず。

ただ天井を見つめたまま拳をゆっくり握り……ようやく返答を返す。

 

「……言葉にしたら……駄目な気がして……なんか……やだ」

「……ああ……わかる。わかるぜ」

 

それでも、胸の奥には別の感情があった。

 

 

敗北感

 

 

二人は、その感情を口にすることができなかった。

勝ち負けではないと分かっていても、胸の奥に沈む重さは、どうにも消えなかった。

 

言えば、自分たちの矜持が崩れてしまいそうで。

ピュアたちの想いを否定してしまいそうで。

 

だから、言葉が止まった。

 

沈黙が落ちる。

シェルターの静寂が、

二人の胸の奥の鬱屈を浮かび上がらせる。

 

悔しさ。

情けなさ。

誇り。

責任。

愛しさ。

覚悟。

そして、

言葉にならない重さ。

 

それらが混ざり合いながらも、それを認め受け止め目を反らさない。

男として、強くありたいというありかた。

 

二人はただ静かに───天井を見つめていた。

 

その沈黙は。

戦友として、ヒーラーとして、男としての深い絆と矜持であり。

ピュアたちへの想いの証だった。

 

 

言葉はなかった───

それ以上のものが確かにそこにあった。

 

 

【差し入れ】

 

どれだけ時が経ったのか。

仮眠用ベッド横の簡易テーブルに、黒服が静かに丁重に漆黒の重箱を二つと、対になったお椀を置いていく。

部屋の光量も少し上げられ、眩しくは無いが十分な明るさだ。

 

アキラもユウヤも鼻腔に触れる、そそる芳香に───身を起こす。

腕の力がまだ戻らないまま、蓋をそっと開ける。

 

「うわぁ……これ、やべえ……高級品なんてものじゃないぜ、これ」

「まさしく『本物』なのですね、抜かりない……」

「ちくしょう、危険に気付いてさっさと逃げやがって……」

「とはいえ、見事過ぎて逆に非難できませんよ、あれは……」

「大人ってやつは……ん?」

「手紙……ですね」

 

細長い重箱の蓋を開けた瞬間───

湯気の向こうから立ちのぼる香りは、炭火の微かな焦げと脂の甘い光沢が折り重なるように漂った。

その香りは鋭さのない、漂い静かに広がる、上質なほどけるタレの余熱に鈍く光る、丁寧に焼き上げられた鰻。

それは、さまざまな疲労で沈んだ二人の呼吸を揺らしつつ。

 

蓋の横には、一枚の短い便箋を目にする。

差出人は───トキジロウ

 

 

───ヒーラーなら、いつか必ず通る道だ。

女の覚悟を受け止められない男に、仲間の命は預けられん。

どれだけ搾られようが、どれだけ情けなく見えようが、立ち上がるのが男だ。

痛みも、恥も、悔しさも、全部まとめて背負え。

それができる奴だけが、女を守れる。

 

その絆は───必ずおまえらを信じてくれる。

 

今日は食え。

明日は立て、起て、勃て!

 

トキジロウ

 

 

文面を読み終えた後───

 

「いただきます」

 

そろっての、いただきますから。

二人はしばらく黙って鰻を口に運ぶ。

 

タレがまず柔らかく舌を撫で、触れ、刺激する。

続いて身の奥に閉じ込められた旨味が、まるで肉と脂の層を成すように順番に姿を現す。

 

箸を入れれば、身は抵抗なくほどけ、繊維がひと筋ずつ舌の上で溶けていく。

甘みは決して重くなく深みが静かに支え。

最後に炭火のほのかな苦味が余韻として残り、味の輪郭が引き締められる。

 

表面の薄い焦げ目が、滑らかさの中にほんのわずかな雑音となり、口腔の中で跳ねる。

柔らかさと香ばしい苦みが一瞬だけ交差し、泡のように消えて。

その短い錯綜が、上質な鰻に最高の調理されたものだけが持つ、静かな品格を形づくっていた。

 

 

「なんか、あの人の手紙……古臭いけど刺さるぜ」

「ですね……でも、本当に戦い抜いて終わらせて……生き残ったヒーラーです」

 

アキラが、ぽつりと呟き、笑い。

ユウヤは返しながら、小さく笑う。

 

二人は、便箋を見つめる。

 

「あいつらの覚悟、受け止めきったかって言われたら……正直、まだ胸張れねぇ。けど───俺の覚悟は決まったぜ」

「僕もですよ、でも……確かに、これからなんですよね……」

 

タレが過不足なく絡む、素晴らしい炊きあがりのごはんを平らげる。

 

「にしてもよう、あのトキジロウさんにして『通る道』だって、なんだかなあ~」

「おそらく、似たようなことがあったのでしょう」

 

肝吸いを口にし脂を拭い、再び鰻を頬張り笑う。

 

「俺らは……まだまだだな」

「ええ、でも……仲間がいるから進めます」

「頼むぜ、兄弟。真に穴兄弟ってやつだな」

「微妙に嫌ですね、その響きは」

「じゃ、ピュアブラザーズ」

「…………穴兄弟の方がマシですね」

 

重箱を閉じながら深く息を吐いて───

 

「ごちそうさま」

 

そして、笑い合う。

 

 

「よ~し、食ったから寝て───それからまた立とうぜ」

「ええ、ヒーラーにも休息は必要ですから」

 

二人は再び横になり、ひんやりとした空気の中で、静かに目を閉じた。

 

鰻の温かさと、トキジロウの古臭い激励と、仲間たちの覚悟の重さを胸に抱きながら。




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