「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【サクラ寮B1F:浴場/ピュアたちの湯あみ】
ピュアたちが地下二階の第二トレーニングルームから階段を上ると、直接浴場へと辿り着き。
湯気の向こうで、裸のメイドたちが静かに頭を下げる。
疲れ切った身体を預けるように、ピュアたちは湯場へと足を進め、狂宴の残滓を委ねることとした。
メイドは、丁寧にピュアたちの身体を洗い流し。
肌に張り付いた、汗を、精液を、愛液を、拭いとってゆき、垢をこそげ落としてゆくたび。
体に張り詰めていた力が、ゆっくりと解れほどけてゆくのを感じる。
湯船に身を沈めると、ぬるい湯が全身を包み込み、浸る。
天井を仰ぎ見ると───
白い光が湯気に溶け、ゆらりゆらりと揺れるのを、呆然とただ見上げる。
その静けさの中。
ぽつり、ぽつりと、つぶやくのは───
誰かに聞かせたいからこその、独り言。
「あ~~~~色々ヤリきった~~ヤリすぎた……ああ、もうこれで、ピュアみんなで棒姉妹よ」
「いい機会……でも確かに、過剰過激……ふふ…………いっそ、ヒーラーシスターズ」
「まっ時にはバカやっちゃうのって、必要ってやつしょ。ヒーラーシスターズねえ……響きが微妙っしょ、おちんちんに傅いてるみたいで、ナシナシ」
「戦って……頑張って……ごはん食べて……え、えっちなことも満足して……うん……あと黄金大蒜……この精力のスタミナは……すごい……」
「それによ、変に先送りするよか、ぶつけ合えたじゃないか。それこそマジ本気でよ」
「ブツカッテ、爆発モシマシタデス、どかーんト」
湯気の中で、それぞれの声がふわりと溶け、気恥ずかしい笑いもあふれる。
ふと、アヤが気付く。
カオリは湯の中で、静かに視線をゆれる湯に落とし続けていたのを。
その表情は、いつもの凛とした傲慢で高圧な上から目線の令嬢の顔ではなく。
力のない、自信の抜けた横顔だった。
アヤは言葉ではなく、視線をピュアたちに飛ばし合わせ───カオリを示す。
言葉での騒ぎ立て一つない、無言の察しが一巡りすると。
ピュアたちは自然とカオリの周りに集まってゆく。
誰も急がず急かさず。
荒れもなく、穏やかに。
湯の柔らかな温もりのように、集ってゆく。
カオリは、周囲をピュアたちが集っているのにようやく気付き、怪訝そうに顔を上げる。
なにか言いたそうだが……言葉が浮かばないのか、唇が開いては閉じてしまう。
「気にすること……ないよ」
「わたしたちも……べつにプロじゃないし……ええ」
「まっ、ぎこちなく試しあって、がんばったってとこあるっしょ」
「うん……きもちよくなってほしいし……させてほしいから……」
「思うカタチってよ、なかなか上手くいかねえってやつだし」
「一緒ニ、ミンナデ、学ブガ、イチバーンデス」
慰めではなく。
激励、鼓舞、慰撫、奮起を。
湯気の中、想いが自然と伝わらせる。
カオリはゆっくり顔を上げる。
その瞳には……少しだけ涙の光があったが、力強く仲間であるピュアたちを見回し。
肩の力を抜き、小さく頷くと───
「お~~~ほっほっほっほっほっ! わたくし、自分の未熟さを認めますわっ!」
「ええ、ええ、お恥ずかしいですわ。ただ男に委ねるだけで、おまんこの具合に胡坐をかいていたという事ですもの」
「そ、そういう、男を喜ばせ、奮い立たせるのも、女の役目」
「みなさま───また共に、学ぶのを一緒に……その……よしなにですわ……」
巨大な乳房に湯の滝を弾けさせ、勢いよく立ち上がると。
いつもの高笑いと共に、笑顔を弾けさせ。
性的技巧の未熟さを認めつつ、仲間に見栄を張らない姿を見せる。
カオリにとってそれは、どれだけ恐ろしい事であったのであろうか。
自分のできなさ弱さをさらけ出すこと。
令嬢にとって弱みを見せるのは、魂に刷り込まれた恐怖。
魑魅魍魎の社交界では、致命傷となりかねない。
そうではない、共に戦える仲間がいるからこそ。
カオリは自らその壁を崩すことができた───
湯船の中で集い。
肩を寄せ合いながら、ピュアたちは照れくさそうに笑いあう。
湯気の中で交わされたその笑顔は───
様々なものを脱ぎ捨てた、裸の笑顔であった。
戦いも───
狂宴も───
その中での覚悟も───
ヒーラーたちにも必ず伝わっている───
確信できるほど、ピュアたちの心は静かに整っていた。
戦う者の誇りと、仲間の絆。
湯気の中、強く結ばれた証を。
感じていた───
【B3F:シェルター兼倉庫/ヒーラーたちの挽歌】
第二トレーニングルームの床に倒れ込んでいたアキラとユウヤは、まるで木偶人形のように動けなかった。
メイドたちはバケツに汲んだ温水を浴びせて身体を洗い流し。
黒服たちは「頑張ったな」と短く、しかし温かい激励を送った。
その後───
二人は地下三階の倉庫。
シェルターともなる区域にストレッチャーで運ばれ、仮眠用ベッドに安静にと寝かせられた。
空気はひんやりと澄み、静寂が包む空間だ。
ちなみに、第二トレーニングルームのマットは、後のメンテナンスで総取り換えになったらしい。
黒服とメイドたちの、呆れと驚嘆が、若く生々しい性交の痕を、マットに刻みこんでいた。
静寂の中、男たちはゆっくりと意識が戻る。
アキラが先に目を開けると、天井の無機質な、光量を落とした照明がぼんやりと滲む。
少し遅れて、ユウヤも息を咳込みながら目を覚ます。
「ユウヤ……生きてるか?」
「……なんとか」
声はかすれている。
身体の奥まで疲労が染み込んでいる。
それでも、互いの声を聞いた瞬間、少しだけ安心が漂う。
しばらく沈黙が続いた。
二人は天井を見つめたまま、言葉を探していた。
「……楽しかったかって言われたら……楽しかった」
「好きな女の子たちと、キャッキャウフフ」
「無制限にセックスして射精して中出しして、女の子たちからも、いっぱい射精させてくれる……」
「こんな素敵な事はない……はずだよな、はずなんだけどよう」
「……ええ。あれは……楽しいです」
「ただ、楽しいだけじゃなかったのは確か……ですよね……嬉しいし嫌じゃない……嫌じゃないけど、その……なんというか…………」
二人の声には、どこか苦い響きがあった。
ピュアたちが示した覚悟は、二人の胸に深く突き刺さっていた。
仲間たちを信じ。
仲間たちと共に戦い。
仲間たちに身を預け。
仲間たちのために決断し。
激しく肉の交わりを交わし合った。
その重さは、男としての喜びも大きいが。
より、責任としての重さを感じられた。
しかしその責任の甘美さと誇りは、より大きな喜びと感じられた。
「……あいつら、覚悟決めてたよな。痛いくらい分かったよ」
「はい、あれは……まぎれもなく本気でした」
二人は、その覚悟を裏切らないように必死で応えた。
辱めをあえて受け、身をゆだね射精し続けるのも、信じる証として。
ただ───
みんな、抑えが効かなくなっていた。
不安も、不満も、不穏も、快楽も、淫蕩も、淫乱も。
壁を打ち崩すためには、必要だったのかもしれない。
女の子たちへ、褒めも不満もエロも伝わってしまった着火もある。
一人一人ではなく、みんなで一緒にが歯止めを効かなくもしていた。
それでも───
ここまで限界まで、精液を搾り取られたのは。
うん、暴走していた。
「……それによう。男として……嬲られたみたいになったのは……正直、悔しいよな~」
アキラのぼやきに、ユウヤはしばらく言葉を返さず。
ただ天井を見つめたまま拳をゆっくり握り……ようやく返答を返す。
「……言葉にしたら……駄目な気がして……なんか……やだ」
「……ああ……わかる。わかるぜ」
それでも、胸の奥には別の感情があった。
敗北感
二人は、その感情を口にすることができなかった。
勝ち負けではないと分かっていても、胸の奥に沈む重さは、どうにも消えなかった。
言えば、自分たちの矜持が崩れてしまいそうで。
ピュアたちの想いを否定してしまいそうで。
だから、言葉が止まった。
沈黙が落ちる。
シェルターの静寂が、
二人の胸の奥の鬱屈を浮かび上がらせる。
悔しさ。
情けなさ。
誇り。
責任。
愛しさ。
覚悟。
そして、
言葉にならない重さ。
それらが混ざり合いながらも、それを認め受け止め目を反らさない。
男として、強くありたいというありかた。
二人はただ静かに───天井を見つめていた。
その沈黙は。
戦友として、ヒーラーとして、男としての深い絆と矜持であり。
ピュアたちへの想いの証だった。
言葉はなかった───
それ以上のものが確かにそこにあった。
【差し入れ】
どれだけ時が経ったのか。
仮眠用ベッド横の簡易テーブルに、黒服が静かに丁重に漆黒の重箱を二つと、対になったお椀を置いていく。
部屋の光量も少し上げられ、眩しくは無いが十分な明るさだ。
アキラもユウヤも鼻腔に触れる、そそる芳香に───身を起こす。
腕の力がまだ戻らないまま、蓋をそっと開ける。
「うわぁ……これ、やべえ……高級品なんてものじゃないぜ、これ」
「まさしく『本物』なのですね、抜かりない……」
「ちくしょう、危険に気付いてさっさと逃げやがって……」
「とはいえ、見事過ぎて逆に非難できませんよ、あれは……」
「大人ってやつは……ん?」
「手紙……ですね」
細長い重箱の蓋を開けた瞬間───
湯気の向こうから立ちのぼる香りは、炭火の微かな焦げと脂の甘い光沢が折り重なるように漂った。
その香りは鋭さのない、漂い静かに広がる、上質なほどけるタレの余熱に鈍く光る、丁寧に焼き上げられた鰻。
それは、さまざまな疲労で沈んだ二人の呼吸を揺らしつつ。
蓋の横には、一枚の短い便箋を目にする。
差出人は───トキジロウ
───ヒーラーなら、いつか必ず通る道だ。
女の覚悟を受け止められない男に、仲間の命は預けられん。
どれだけ搾られようが、どれだけ情けなく見えようが、立ち上がるのが男だ。
痛みも、恥も、悔しさも、全部まとめて背負え。
それができる奴だけが、女を守れる。
その絆は───必ずおまえらを信じてくれる。
今日は食え。
明日は立て、起て、勃て!
トキジロウ
文面を読み終えた後───
「いただきます」
そろっての、いただきますから。
二人はしばらく黙って鰻を口に運ぶ。
タレがまず柔らかく舌を撫で、触れ、刺激する。
続いて身の奥に閉じ込められた旨味が、まるで肉と脂の層を成すように順番に姿を現す。
箸を入れれば、身は抵抗なくほどけ、繊維がひと筋ずつ舌の上で溶けていく。
甘みは決して重くなく深みが静かに支え。
最後に炭火のほのかな苦味が余韻として残り、味の輪郭が引き締められる。
表面の薄い焦げ目が、滑らかさの中にほんのわずかな雑音となり、口腔の中で跳ねる。
柔らかさと香ばしい苦みが一瞬だけ交差し、泡のように消えて。
その短い錯綜が、上質な鰻に最高の調理されたものだけが持つ、静かな品格を形づくっていた。
「なんか、あの人の手紙……古臭いけど刺さるぜ」
「ですね……でも、本当に戦い抜いて終わらせて……生き残ったヒーラーです」
アキラが、ぽつりと呟き、笑い。
ユウヤは返しながら、小さく笑う。
二人は、便箋を見つめる。
「あいつらの覚悟、受け止めきったかって言われたら……正直、まだ胸張れねぇ。けど───俺の覚悟は決まったぜ」
「僕もですよ、でも……確かに、これからなんですよね……」
タレが過不足なく絡む、素晴らしい炊きあがりのごはんを平らげる。
「にしてもよう、あのトキジロウさんにして『通る道』だって、なんだかなあ~」
「おそらく、似たようなことがあったのでしょう」
肝吸いを口にし脂を拭い、再び鰻を頬張り笑う。
「俺らは……まだまだだな」
「ええ、でも……仲間がいるから進めます」
「頼むぜ、兄弟。真に穴兄弟ってやつだな」
「微妙に嫌ですね、その響きは」
「じゃ、ピュアブラザーズ」
「…………穴兄弟の方がマシですね」
重箱を閉じながら深く息を吐いて───
「ごちそうさま」
そして、笑い合う。
「よ~し、食ったから寝て───それからまた立とうぜ」
「ええ、ヒーラーにも休息は必要ですから」
二人は再び横になり、ひんやりとした空気の中で、静かに目を閉じた。
鰻の温かさと、トキジロウの古臭い激励と、仲間たちの覚悟の重さを胸に抱きながら。
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