※この作品はR-18です。

「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!?   作:白拍子

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168「ちがうてんじょう」

【某料亭/勝手な会食の天井と───】

 

カオリの財閥が法人運営をしている学園。

その中でいじめなど問題活動を行っている、ライを中核とする集まり。

 

ホノカが血塗れの重症となりながら、ハラマセーの襲撃からライをかばい。

ライたちは───

ヒーラーにピュアに覚醒した。

そして、リオンとの出会いがあった。

 

 

そのライは、レンとホノカを連れ。

夜の街の奥、酔漢の喧噪など届かない、静かに佇む高級料亭へ足を踏み入れた。

 

場所の手配はホノカが行った。

カオリほどの影響力はないが、ホノカも財閥令嬢の端くれとして、人脈と格式は十分にもっており、この場を整えることができたのだ。

 

落ち着いてはいるが、見る人が見ればわかるほどの豪奢な家屋の作り。

調度品がやや成金に寄っている感じはするが、それはそれで味ともいえる。

 

レンは天井の木組みを見上げ、その造形の精緻さと美術が、まさに無駄に映える威圧を目にすると。

 

「別世界っすね……」

 

と三下らしい感想を漏らす。

その声は場違いだが、逆にこの場の緊張を際立たせる。

 

 

案内された座敷には、すでに三人のハラマセーが静かに座していた。

 

「ゆっくり話し合える場所の提供ご苦労様」

「なるほど、落ち着いてなかなかいい感じだから。つい、うちのシェフを呼んじゃったよ」

 

リオンが悠然と座り、笑顔でライたちを迎え。

ゼロワン、マーシェが左右に並ぶ。

いずれも料亭にふさわしいおちついた和装を整えており、その佇まいは妙に品がある。

ただし、マーシェの着物姿は、かなりの緊張を纏っていた。

 

「異世界の侵略者なのに、個人的に話し合いたいと言うからには、それなりの格式を用意させてもらう」

「場所を聞いて、それにあった服装をチョイスするなんて、結構オシャレっすね~」

「ここの料理人を差し置いて、料理を作らせるなんて……失礼ですわ。毒でも盛るおつもりですの?」

 

ライは堂々とした王者の返しをし、レンはハラマセーたちの和装のセンスを褒め、ホノカは不遜と不満を声に出す。

ライはホノカの懸念に対し、そんな小物ではないと根拠のない確信を、リオンの笑顔から読み取る。

 

 

料理を給仕するのは───ハラマセー側の料理人リパーシェフ。

 

リオンがわざわざ呼びつけ、料亭の厨房を仕切らせた。

その事実だけで、この会食がただの食事ではないことが分かる。

 

厨房では、もちろん一悶着では済まない騒動が起こったが。

リパーシェフが一品仕上げると、その出来栄えに文句を完封させてしまっていた。

 

 

食事は静かに進む。

世間話のようなたわいのない軽い話題が続く。

 

最近の天候、スラムと都市の境界での治安の悪さ、廃墟街でのインフラについて、学校生活への興味、料亭にお出かけについて衣装の相談をしたことなど。

その裏には互いの力量を探る視線が交錯していた。

 

リパーシェフが料理を給仕するたび、その盛り付けの絵画のような美しさと、食した美味に感嘆の声が上がり。

これにはホノカも、わざわざハラマセー側から料理人を提供されたことについて、認めざるをえない。

 

「いやぁ~これは豪勢。そして美麗にして造形の至宝ってヤツですねぇ~」

 

レンは、食するよりも盛り付けの美しさを褒めたたえ、スマホで何度も撮影し絶賛するが。

それに対し、リパーシェフは包丁の刃をレンに首筋に付きつけ、不愉快を隠さず薄く睨む。

 

「料理は食してこその価値」

「貴様も『見た目』だけが全てというわけか?」

 

静かな問いかけ。

しかし返答次第では、レンの首は簡単に斬り飛ぶであろう。

 

一瞬にして座に走る緊迫。

ライもリオンも面白そうに成り行きを見守り。

ゼロワンはお戯れをと呆れ、マーシェとホノカは動揺を隠せない。

 

「見た目っすか。まあ……たしかにボクとしちゃあ耳が痛いっすけど……」

「この素敵な料理が味わえないって、ちょっと悔しいかなって……」

 

「ほう───食する価値も無いと?」

 

「いや、誤解っす。生まれつき、舌がダメなんすよ」

「ああ、レンは味覚障害だ」

「それでつい、出来栄えの美しさの方に目が行っちゃって……ごめんっす」

 

「なっ……」

「いや、これは一本取られたねリパーシェフ。はははっ」

 

レンが生まれつきの味覚障害であると知ると、リパーシェフの表情が驚愕に変わる。

リオンはそのやり取りを、面白いものが見れたと、仕掛けてもいない悪戯が成功したとばかりに笑顔を増す。

リパーシェフが料理人として慌て怯む姿など、そう見られるものではない。

よい座興とばかりに、楽しんでいる。

 

 

会食が進み、器がいくつか下げられた頃、リオンが静かに口を開いた。

 

その声は柔らかいが、

座敷の空気を一変させる重さを持っていた。

 

「しばらくだけどね……僕たちハラマセーは、大きな動きをしないよ」

「リオン様っ!」

「それ、言っちゃっていいんですか?」

 

リオンは、しばらくハラマセー側は大きな動きをしないことを告げると。

ゼロワンはさすがに不味いと声を出し、マーシェはただ驚くばかりだ。

 

「ほう───で、続きは?」

「ライの率いるピュアとヒーラーのグループと、ボクの配下。といってもあまり規模は大きくないけどね」

「一時的な不可侵・不戦の条約を結びたい。あとよければ情報交換かな」

 

「ライがね、ピュアとヒーラーをまとめ、人類を支配するってさ───おもしろそうじゃないか!」

「ボクもさ、もっと強くなり手勢を広げて、ハラマセーを統率するようになってこの世界を征服する……」

「まずはこの街を賭けて、決戦できるようにおたがいなろうよってね」

 

リオンの切り出す話の理由は単純で、しかしあまりにも個人的だった。

ライがピュアとヒーラーをまとめ、人類を支配する可能性に興味を持った。

そしてリオン自身も、ハラマセーの支配者になるという目標に興味が持てたと。

 

ならば、ライたちと街の支配者を賭けてのゲーム。

 

「なるほど、興味深い。お互いに利用し合うというわけか、侵略者」

「ハラマセーと言ってよ、あとボクの名前はリオン。覚えてよね」

「ライだ、人の王となる男の名だ」

 

ライは静かに箸を置いた。

レンは緊張で背筋を伸ばし、ホノカは冷静さを崩さないよう取り繕い場を見守る。

 

ライのその声には、揺るぎない自信と静かな獰猛さがあり。

リオンの提案を正面から受け止めていた。

 

 

料亭を出たあと、夜風がライたち三人の頬を撫でた。

街の灯りが遠くに滲み、会食の余韻がまだ身体の奥に残っている。

 

「なんか、すげぇ場だったっすね」

 

レンは肩を回し緊張をほぐしながら軽く言い放つ。

ホノカは緊張が抜けきらず、表情も固い。

 

ライは二人の歩調に合わせながら、静かに口を開いた。

 

「あれは『観察』だな」

「どういうことっすか?」

 

「リオンの提案はあくまでも個人的なもの、あいつの人類への、ピュアとヒーラーへの興味だ」

「たしかに、わらわたちはその……すごいことになりましたわ……」

「そうっすね~~でも超人っすよ」

「だからこそ、ピュアとヒーラーが人類社会にどう影響を与えるか、それを観察したいってだけだろうな」

 

「それに───あれは楽しんでる」

「楽しんでるですって?」

 

「俺達も楽しもうぜ、ピュアとヒーラーを」

「ライさんがそう言うなら。ボクはついてくだけっすよ」

「わらわの命は、既にライ様のもの……栄華も滅びも共にですわ」

 

 

別の戦い方を目指すピュアとヒーラーとなったライたちは、長い影を街灯で作りながら歩いて行く。

 

「それにしても、なんとまるいお月様ですわ。天上を覆う望月の照らしは、ライ様には欠けることなくですわね」

 

ホノカは満月を見上げ、そうつぶやいた。

 

 

 

後日

 

「ふぇっ~~~へっへっへっ、なんじゃこりゃあぁっ!!」

 

『料理に迷いが出たため、しばらく暇を請います』

 

触手城城主セキュリオン宛に。

リパーシェフの一筆が届いたのであった。

 

 

【病室/モブピュアの見上げる天井】

 

病室の天井は、白い。

敗北したピュアは、それを最初に理解した。

その白さは、痛みを照らす光なのか、救いの光なのか、まだ判別できなかった。

 

戦いの場でも、苗床の肉壁でもない。

消毒液と清潔なリネンの匂い。

体中と特に足首の奥に残る鈍い痛みと、下腹部の孕んだ異物感が、意識がまだあった時の地獄を証明している。

 

ハラマセーと戦い、戦棒に打ち据えられ砕かれた足。

烏賊の触腕のようなペニスに犯され処女を失い孕まされた。

触手の苗床にされ、強制された快楽と触手の出産を続け。

そして触手ではない何かを宿したという絶望。

 

理由はわからないが、救助され。

病院に入れられたらしいことだけが、ぼんやりと輪郭を持っていた。

 

「助かった……の?」

 

孕まされた胎に、嫌悪と拒絶が湧き上がるが、少なくともここは苗床ではない。

 

 

病室は二人部屋だった。

カーテンの向こうから、女の声が漏れてくる。

自分と同世代のように思える、若い女の子の声だ。

 

「やめて……大事な人の子なのにっ! 堕ろさないでっ!」

 

拒絶の叫びは、やがて途切れ途切れになり。

 

「あへおぼぉぉぉぉぉっ! いぐっいくいくいくっっ! おっきなちんぽいぃぃっっ! らめぇっっあかちゃん消えちゃうっ! いやぁあぁぁっいくぅっっ!!」

 

快楽の絶叫と、ギシギシとベッドを揺らす音が響き。

絶頂する声が高く上がり収まる。

 

孕んだピュアはシーツを握りしめ、恐怖で喉を鳴らした。

カーテンが揺れ、小柄な影がこちらへ近づく。

 

絶望はおわってなかったのか、苗床の監守が来たのではと思った。

凌辱はまだこれからなのか、まだ続くのかと思った。

 

 

現れたのは。

可憐な少女のような小柄な姿。

どのような凶悪で醜悪なオスに犯されるのか、そう思っていた所を虚を突かれるが。

その下半身に、容姿と極端に釣り合わない二十五センチの巨根が、勃起の名残でまだ半ば硬く残り、ねっとりと性行の残滓をぬらつかせている。

 

ヒーラーのミナミだ。

 

「次の女の子で……最後……あ、あの……お、おきて、るんですね……ご、ごめんなさい」

「ぼ、ボクはミナミで、ヒーラーです……そ、その……め、命令、というか、責務で……ハラマセーの、孕ませを……堕ろすための、治療を、ひーりんぐを、しないと、いけなくて……」

 

カーテンの向こうの女の子を、堕胎のひーりんぐを行った後。

次の堕胎させる女の子、ピュアと目が合うと。

はっきりと意識が戻っていることに慌て、ミナミの肩が小さく竦む。

 

つっかえながら説明する言葉は、言い訳めいた作業の手順説明に近かった。

当初は膣内射精そのものに罪悪感もあった。

最近は割り切った快楽もある。

それでも、どこか作業感が残るのを、ミナミは感じていた。

そして明確に意識のある女の子を前に、情けなく言い訳めいた話をしようとしている。

 

ピュアはそれを聞き、自分の孕んだ腹部の重みを確かめた。

人を助けるためにピュアとなり戦うことを選んだ。

残念なことにヒーラーに出会えなかった。

敗北し、犯され、苗床にされ、触手を出産し続け、さらにゾンビーかそれ以上のものかを孕むという酷い事になっている。

それでも助けられ、この望まぬ妊娠から助けられようとしているのだと理解した。

文句を言う資格はない、彼女は決めた。

 

「やって……ピュアとして、受け入れる、から」

 

自分で言い放つが、心の整理などついていない。

これ以上ひどくならないよう選択しただけだと思いつつも、目の前の少女のような少年が困惑と怯みを見せているのが、奇妙に感じてしまう。

 

 

愛撫も前戯もなく。

ローションが冷たく注入され、ミナミの巨根が抵抗する膣口を押し開く。

苦しく、熱く、異物が膣奥まで埋まると───

 

「ひいあっっっ! でかちんぽおぉぉぉぉ! こんなしゅごいのっらめぇっ! いぎっぱなしで、おぼっお゛お゛お゛お゛っぉぉぉぉ!!!」

「中ぁぁぁおまんこにっいっぱいだしてぇっ! ひぎぃぃっいぃぃっ! いきっばなじぃぃぃっ!! あげぇっっ!!」

 

次の瞬間、苗床で調教され開発された時のように、体に刻み込まれた快楽に神経が壊れそうに走り回る。

ミナミの巨大で凶悪なおちんちんの性能に屈して、脳が溶けるような刺激に、ピュアは理性を手放し享楽を喚き散らす。

 

ミナミは、その声を正当性の根拠にしてしまう自分を嫌悪した。

 

治療だ、堕胎だ、ひーりんぐだ。

カオリの命令だ。ヒーラーの責務だ。

そう唱えながら、子宮口を叩くように腰を突き、締め付ける膣肉の快楽に溺れながら、熱い精液を大量に放つ。

うしろめたさと射精の快感が、同じ場所で重なった。

 

 

ピュアはガクガクと体を震わせた後、失神するように脱力した。

受けた打撲の鬱血が消え、砕けた足首が綺麗に繋がり。

孕んだ腹部の異物感が、ゆっくりと薄れて……消える。

堕胎治療のひーりんぐが、妊娠状態から彼女を引き剥がしていく。

 

ピュアの腕が、ミナミの細い背中に強く回る。

ミナミは複雑に眉を寄せたまま、救うための行為なのに救っている実感が自分にはないことに……ミナミは思ってしまう。

ただ……しばらくその抱擁を解かず、とろとろと肌の温もりを貪ることにした。

 

 

孕んだピュアの恐怖と絶望は、快楽と安堵に溶けて流れ。

ミナミの射精の快楽と葛藤が、白い病室に脈打っていた。

 

 

【ゼロナインの見上げる天井】

 

「知らねえ天井だ」

 

ゼロナインは、ぼんやりとした意識の中で目を開けた。

 

天井の染み、剥がれた壁紙、軋む木枠。

どれも見覚えがない。

あるわけがない。

 

身体を起こそうとすると、包帯の感触が腕や腹に巻きついているのに気づく。

湿布の匂いが鼻をくすぐり、くしゃみを一つ放つ。

 

「なんだこりゃ? 治療って……やつか?」

 

まるで人間の怪我人のような扱いに、驚きと困惑が入り混じる。

ゼロナインが周囲を見回すと、

狭いキッチンで背中を向けて料理している少女がいた。

 

サイドテールが揺れる髪。

ピアスがギラリと光る耳。

軽いステップで鍋を振っている。

 

いや注目はそこじゃない、エプロンはしているが背後から見れば丸裸。

キュっと形のいい尻が直視できる。

いやいや、そうじゃねえっ!

 

「お? おおおおお? なんじゃどこだこりゃあぁ! うっ痛っぅぅぅぅぅ!! オレはいったい……」

「ケヒャ、ここはアタシの下宿で、死にかけてたアンタを連れてきたってわけてね、九ちゃん」

「きゅうちゃん?」

「額の入れ墨9番ジャン、だからさ、九ちゃん」

「うぉぉぉぉっ! 訂正を要求するっ! 痛っ! つっっっっ!」

「ホレッ、寝てなって、世話くらいしてやっし、アタシ、こう見ても面倒見いいってヤツ?」

 

起き上がろうとして、痛みにのたうち回るゼロナインを見下ろすのは。

ライたちといじめを行っていたグループに所属していた、フウカだった。

 

「なんで裸なんだよっ!」

「アハ、気になる~洗濯したら着る物ないってヤツだし、九ちゃんだったら見られても減らネーし」

「…………それは置いておこう、お前、ピュアだろ? ハラマセーの俺を……なんで助けたんだよ」

 

ゼロナインの記憶に残る、ピュアガーネットに追い詰められ、あと一撃で消滅するのを……フウカに助けられたという事。

フウカはカラリと笑う。

 

「惚れたから。アタシ、惚れた男は助けたいし、放っとけないんだよネ」

「いや、意味わかんねぇ……オレ、異世界の侵略者だぞ、お前を犯して中出しして汚したんだぞ!?」

「カハッ、そんなの通過点ってヤツだし~初めてなのに。あ~んなにイキまくり、産みマクリで、チンポ凄ってネ~」

「アンタ、アタシの退屈ぶっ壊してくれたじゃん───それで十分ってヤツだし、責任トリヤガレ」

 

ゼロナインは言葉を失った。

荒っぽい態度も、虚勢も、この女には通用しない。

 

 

「くそ……ちっ、まだ動けねぇ……」

「しばらくアタシと暮らしなよ。フヒャッ、同棲ってやつジャン?」

 

ゼロナインは立ち上がろうとするが、痛みが走り顔をしかめる。

フウカは荒っぽい料理を皿に盛って卓袱台に置き、腰に手を当てて言い放つ。

 

「いや、同棲ってよう、俺、ハラマセーだぞ……」

「アタシはアタシ。アンタはアンタ。それでイイってカナ」

 

ゼロナインは頭を抱えた。

 

話が通じね───

 

 

兄弟たちの顔が浮かぶ。

自分がこんな状況になっているなんて、誰も想像していないだろうし。

心配させていると思うと、落ち着けるわけがない。

 

しかし───まともに動けない以上、ここにいるしかない。

 

「ホレ、メシできるから大人しく待ってな。ケヘッ、アタシの料理、ちゃんと食えよ?」

 

ゼロナインはため息をつくしかなかった。

 

 

スラム近くのボロ下宿で、ピュアの自己中心ギャルと、ハラマセーの粗暴な少年。

敵同士なのに、惚れた・助けた・助けられたの三拍子で奇妙な同居生活が始まった。

 

ゼロナインは困惑し、フウカはケヒャッと笑い、部屋の空気は妙に軽く明るい。

 

この生活がどう転がるかは、誰にも分からない。

 

ただ一つだけ確かなのは───

ゼロナインの退屈も、フウカの退屈も、もう二度と戻らないということだった。

 

 

 

【星を見上げる】

 

南側倉庫街。

激しい戦いの跡地。

 

肉塊となったゾンビーと触手の残骸が塵となって消えてゆき。

ギリシャ彫刻のような裸体の偉丈夫と、その腰に抱きつくこれも裸の色黒ギザ歯のチビ爆乳。

女の子は確かに、ライの取り巻きの一人、ルリではあるが───

 

「うむむむむ、小生はどうなってしまったのですぞ?」

「あ~~~ん、こんなカッコイイの、リョウくんじゃない~~」

「そう言われてもですなあ~」

「ん~~このちんぽの、ぶにぶにとした感じで包茎は、確かにリョウくんだけど……やっぱり、脂ぎってデブでキモくなきゃ、リョウくんじゃない~~うぇ~ん」

「ああ、泣かないでください、ルリ~」

 

「おまえら、なんなんだよっ!!」

 

裸で抱き合う大男とチビ娘に対して、インフルヘイターは驚きに大声を上げる。

リョウとルリの周囲には、跪き頭を垂れる数体のゾンビーと、取り囲み号令を待つかのような触手たちの姿があった。

 

 

自分たちの変化に、ただひたすら戸惑い

リョウはただ───

夜空の星を見上げた。

 

 

【太陽を見上げる】

 

黄色い光は、昨夜の狂気を洗い流すように柔らかかった。

 

「ふぁあ~太陽が黄色い」

「視覚情報が低下……太陽そのものが黄色いというよりも、網膜が、昨夜の残像を処理しきれていない……ふふふ」

「うわっ、太陽の色おかしいっしょ、これやっぱヤリすぎってヤツ」

「お日様……まぶしい……黄色い……うう……まだじんじんする感じなのかな……」

「はは、太陽黄色って、いい汗かきすぎたってやつかよ」

「フゥ~~不思議ナ色デス、マルデ終末ノ恒星ノ如く、いえろーナ、カガヤキデス」

「太陽がなんと黄色く───あ~~~もう、お昼ですわっ! わたくしたち、寝坊助でしてよっ!」

 

ピュアたちは入浴の後。

素肌にバスローブで、ラウンジにて重湯を少しいただき。

体が温まったら、すぐに眠気が襲ってきたので。

ソファーや椅子などを寝床代わりにし、人によってはそのまま床に毛布をかぶってごろ寝し……目が覚めるともうお昼であった。

 

中庭で浴びる太陽が、まぶしく黄色い。

 

「清々しく黄色い太陽だな」

「ええ、もうお昼ですけど」

 

地下から登ってきたアキラとユウヤも、素肌にバスローブをひっかけた姿で、中庭にて太陽を見上げる。

やっぱり黄色い。

 

ピュアとヒーラーが一堂に会する中庭。

照れはある、恥ずかしさはある、狂気めいた乱痴気であった。

それはそれとして受け入れ、次を、不安なく戦える。

その備えの大事な土台のために、あの乱交はあったのだ。

 

そう思うと……いつも顔を合わせる、変わらないみんなではないか。

 

言葉を交わすでなく───自然と笑顔が、笑いが、中庭に満ちていった。

 

 

「みなさま……昼食と休憩の後ですが、本日の授業をリモートで補習されるとの事です」

「ばっくれずに、受けやがれでござる」

 

コベニが全員を現実に引き戻すまで。

 

 

 

第二章 完

 




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第二章として区切りとさせてもらいます。
どちらかというと、カオリ主導で組織的に戦うべく、ピュアとヒーラーが集合するという。
中だるみな展開のため、つまらなく思った方々もいるかもしれません。
寮に入るまでのもどかしさもあるかもしれませんが。
戦いに真剣に向かい合う事を考えれば、大事な時間を表現したかった部分はあります。

その分エロ成分や、戦闘成分は、だいぶ控え目な感じになってしまったところはありますね。

またしばらくお休みをいただいて、ネタを溜めて再開していきたいので。
なにとぞ応援のほどを、お気に入り、感想、評価にて、形にしてをぜひぜひ、お願いいたします。

それがやっぱり一番のモチベーションですもの


第二章中、赤バー達成は、本当に評価ありがとうございます。
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