※この作品はR-18です。

「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!?   作:白拍子

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021「あめあめふれふれ」

【告白】

 

「雨、降ってるな」

「そうねえ」

 

アキラの呟きが、教室の緩やかな空気に溶ける。

アヤが応じ、窓の雨粒を眺める。

 

くったりとした時間が、教室を包む。

 

「なんか……イベントでもないと、退屈だわ~」

「ふふふ…そういうの、フラグにしか聞こえないかな……」

 

雨音が聞こえる教室で、アスカが欠伸と退屈の訴えを漏らすと、リサが受けて微笑を浮かべる。

 

弾ける足音が廊下を駆け。

教室のドアが勢いよく開く。

 

「アキラ先輩! 私とつきあってください!」

 

小柄な下級生───ハナ───が飛び込み、告白。

ショートカットの黒髪、幼さ残る童顔、発展途上の胸が揺れる。

 

「お、季節の変わり目か?」

「アキラに告るやつ、たまにいるよな」

「今回は、下級生か!」

 

アキラは美形というわけでもない。

親近感のある、優しさのある顔立ち。

愛嬌とエロと、笑える冗談の、一緒にいての楽しさ。

ふざけていながらも芯があり、義理堅い人格。

頼りになりそうな包容力を具現化した、がっしりとした体格。

 

惚れる要素の百貨店的に、刺さる女の子を惹きつけ。

告白に踏み切る女子も、たまに存在する。

 

これまで告白は、アキラの「よーし、手始めに。乳尻太もも触らせろ!」のスケベノリで逃げられ。

アヤの突っ込みやリサの存在感で。

「正妻がいる」「側室までいる」

そう諦められるのが定番だった。

 

 

「気持ちはわかった、だが、断る!」

 

アキラの毅然とした拒絶に、教室がどよめく。

 

「アキラが断った!?」

「どういうことだ!」

「やはりあれか……」

「あれ、とはなんだ、知っているのか雷電!!」

「長年連れ添っていた嫁と、一線……いや三線は超えたという事だろうよ」

「なっなんだってぇぇぇぇぇ!」

「そう、いつかは来る、いつかは起きるはずだ」

「その証拠に最近三人、いや四人でつるんでいるのが多いだろっ!」

「確かにっ!!」

「そのため、今までの来るもの拒まずに対し、新たな境地が開かれたのであろうな……」

「そうか……そうだったのか……」

 

「おまえら、黙れ」

 

アヤがゆっくりと教室を見まわし。

冷ややかと呆れの混じった視線がレーザーとなって薙ぎ払うと、教室は沈黙した。

 

教室を静かにさせると、悠然と腕を組み。

アキラと告白してきた後輩を、見守りはじめる。

 

「さすがアヤ………ふぅ」

「惚れすぎでしょ」

 

リサは惚れ惚れと、アヤの仕草に見惚れ。

たまらず、アスカは突っ込む。

 

 

「先輩………どうしてですか? ハナにわかるよう説明してください!!」

「確かに私っまだまだ成長中です、むねだって、おしりだってさわられてもへっ平気ですっ!!」

「既におつきあいしている人達がいるのも知ってますっ!」

「そのっ……末席でいいんですっ!! 彼女にしてくださいっ!!」

 

告白してきた後輩ハナは、アキラに食い下がる。

確かに小柄で薄めの胸は発展途上、幼さの抜けない童顔もかわいらしくある。

事前に調べたのか、アヤ達の関係も承知で告白してきたのは、度胸か無謀か。

 

「ハナちゃんって言うんだ。俺には、俺達には、今やるべきことがある───」

「君をそれに巻き込むことはできない、わかってくれ」

 

静かに重厚に、そして長身をかがめ。

ハナの小柄な体に視線を合わせ、ぽふっと大きな手の平を、ハナの髪に添える。

 

「それを………手伝えないんですか?」

 

じっと見つめ、真摯に聞くハナ。

 

アキラはゆっくりと首を振る。

 

「わかり、ました……じゃあせめてっ! 一度だけでもっ! デートしてくださいっっ!!」

「その一度を………思い出に、します……から………」

「気持ちにけじめを付けさせてっくださいっっ!!」

 

ハナは最後の食い下がりと、最後は涙声になりながらも、訴えかける。

 

アキラは先ほどまでの真剣さが解け。

うわ~~~~どうしよう~~~という顔で、後方に助けを求めている。

 

 

「いってきたら、デート」

 

アヤの声が通る。

 

「えっ、いいんですか!?」「いいのか?」

 

ハナは涙を急停止させ、聞き返す。

アキラはまぬけな声で、聞き返す。

 

「ほんとーにいいのか? 一回じゃすまなかったらどうするよ」

「ふっ忘れられなく、させちまうかもだぜ」

 

急に軽いノリに切り替え、アヤの方を向く。

口調と違って、その表情は硬い。

 

「本人が一度きりって言ってるし、それを違えるような感じもないわ。楽しんできたらいいわ」

 

アヤは笑みではあるが、その表情はアキラと同じく硬さが見える。

 

「おぉぉぉぉぉ、正妻の余裕だぜー」

「やっぱりこれ、一線、いや三線超えてんな」

「いやまったく、揺るぎない信頼ってヤツ」

「まあ、なんかあっても、側室が増えるってことか?」

「アキラの甲斐性すげーな」

 

教室は大盛り上がりだ。

 

「二人とも…………すばらしいわ……」

「もう突っ込まないわよ」

 

後方理解者顔で、リサは惚気ていた。

アスカは諦めつつ、窓の外を見る。

 

「まっデート当日、晴れてればいいっしょ」

 

アスカはまだ……

雨の降りしきる窓外を見つめた。

 

 

【デート】

 

アキラとハナは駅前で待ち合わせる。

ハナはスポーティーなジーンズにラフなシャツ。

女の子としての気合を入れるよりも、気軽な自然さが魅力だ。

 

アキラもカジュアルなシャツとジーンズで、普段着的な雰囲気を作ってる。

 

デート日和の快晴だ。

 

「ハナ、かわいいな。おっし、天気も快晴、さあ行こうぜ!」

「はいっ! お天気も元気ですっ! 行きましょう!!」

 

アキラの元気な掛け声に。ハナは頬を赤らめ、小走りで駆けだす。

 

「コースは考えてきましたっ! 着いて来てください!」

「おうっ! まかせた!」

 

屈強な熊を先導する、栗鼠であった。

 

 

駅近くの、アーケードの路地に入った小さなカフェ。

扉のドアベルをカランと鳴らし、こじんまりとしたテーブルにハナは向かう。

 

「へぇ~落ち着いていていいな、こういうところって、あんま来ないから」

 

店の静謐で洒落た様子を見まわしながら、アキラはアイスカフェラテを注文する。

 

「そうなんですか意外ですっ、もっとこういう所、慣れてるかと思いましたけど。期間限定の苺スムージーお願いしますっ」

「おっ美味そう~~一口くれ」

「ひっ一口と言わず、はんぶんこしましょうっ!」

 

そして注文の品が届いてから。改めてのハナの自己紹介を行い。

今後の予定、ちょっとした最近の出来事の話し合い。

 

小さなテーブルゆえに、距離を詰めた会話を進め。

気持ち的にも物理的にも接近した。

 

「つまり対象は、天候の悪い時間帯に出没しているようだ」

「ウーン、ソノワリニハ、シュツゲンと退去の目撃ガ、スクナスギナンデスヨネー」

 

別の離れたテーブルで、色白で小柄な男子と、アキラよりも背丈が高い、外国人の女子が。

テーブルに地図を広げ、何かを検討していた。

 

 

そして向かうは映画館。

 

「恋愛サスペンスと、恋愛アクションコメディですねっ、先輩、どっちにします?」

「恋愛アクションコメディだっ!」

 

アキラはジャンルの選択を、まったく悩まなかった。

 

荒唐無稽でありながら、笑いが絶えず。

アクションの連続に織り交ぜたエロシーンが、笑いのスパイスに加味されている。

 

初デートで選ぶには、どうかもなジャンルだが。

ハナも腹筋がよじれる勢いで、笑いを楽しんでいる。

 

ジェットコースターな内容にも、一息つける合間がある。

ハナは暗闇に紛れ緊張の中、アキラの腕にそっと触れた。

 

その触感に気づいたアキラは───ひょいっと、ポップコーンを差し出す。

 

「先輩……ありがとうございます…………ずるい……」

 

「いっぱい笑えましたねっ! すっごく楽しかったです!!」

 

ガッツポーズで満足を、体全体で表すハナ。

 

「いやー最近見たのって、配信ばっかだしな。映画館での迫力は、また違うよなっ!!」

「まったくですっ!!」

 

柊劇後の感想と興奮を、ロビーで確かめあう二人。

 

 

恋愛サスペンスの方も終わったのか、別のスクリーンからも客が退出している。

ジャンルの客層からカップルが多いが、誰もがやや気まずそうな感じがうかがえる。

 

「中盤からのその………ベッドシーン、凄すぎたね……」

「どう見ても尺稼ぎだよ、あれ……」

「あの部分だけポルノ作品だったよ、まったく」

 

色白で小柄な男子と、ほぼ同じ背丈で、巨乳と巨尻の隠せないふっくらとした女子も、連れ立ってスクリーンを出てきた。

 

「とりあえず、お茶を飲みながらだけど」

「特定の条件での被害に関して……だよね」

「それと………さ、暗いからといっても、こういう所で触りにきちゃその……ダメだよ」

「だってその……つい…………ね」

 

こつんと、軽い小突きが、女子の頭に落ちる。

恥ずかしそうに俯く女子。

二人は、映画館付属のカフェへと消える。

 

 

映画の後ショッピングを楽しみ。

蒼く闇が染み込んでゆく時間の公園。

 

楽しい時間は、あっという間だ。

 

 

「法則性がある敵なら、こちらから計画を立てて対処できるはずだ」

「しっかしさ~なんか出し抜かれてるって感じが、な~~んか見落としってんのかなぁ~~て」

 

色白で小柄な男子と、褐色肌の長身の女子とが。

公園内をトレーニングなのか、走り抜けつつ連れ立っている。

 

「それなんだよ、この間も袋小路に追い詰めたと思ったら」

「いなくなってんのょね~空飛んでるってわけでもね~~し」

 

二人ともかなりのペースで、公園内を走破していった。

 

 

「ハナ、今日楽しかったぜ。ありがとな」

 

闇がじわりと包む時間、デートが終局に近づく時間。

アキラは明るく、感謝を伝える。

 

「は、はい、先輩、私もっです」

 

ハナは…………胸の鼓動を弾けさせながら───決意する。

 

ポーチから小さな包みを取り出す。

震える手でそれをアキラに示しながら、公園の出口の一つ、ネオンの煌めき瞬く一角に視線を飛ばし。

大きく息を吐いて。

願った。

 

「先輩…………………………最後に……お願いが…………最後にっ私とっラブホテルでっっ処女をっっっ奪って……く だ さ い…………………………………」

 

両手で大事に持って差し出す小さな包み、避妊用のゴム製品の包みだ。

言い切った───これで後戻りしないと。

 

アキラは膝をついて、小柄なハナと背丈と視線の合う高さにする。

俯いて震え、答えを待っているハナ。

 

「ハナの気持ちと覚悟、受け取ったよ」

「俺も……すごく嬉しい」

 

「嬉しくて大事だからさ……ちゃんと断る」

 

落ち着いた優しい声で、大きな手の平でぽふっと髪を撫で。

そして手に持つ避妊具を、ゆっくりとハナの手の中へ仕舞わせてゆく。

 

その近づきをハナは利用した。

顔を寄せ唇を合わせる、触れるだけのキス。

ほんの少し時間を止める。

 

「わかりました、わかったんですっ、先輩!! 今日の事は全部! 宝物にしますっ!!! 今日はありがとう、ございました!!」

 

唇が離れ、ハナは目を潤ませてはいるが、大きく笑う。

この恋の胸の痛みを昇華していくために。

 

「明日からも、がんばりますっ! それではっ!!」

 

ネオンの煌めきとは別の入口へ、ハナは去っていった。

アキラはその背が見えなくなるまで、見送った。

 

 

「はぁぁぁぁこんな棚ぼたなチャンス、以前の俺なら一発やっちゃってるだろうな~~」

「けどそうじゃない、それだけじゃないって事はさ……俺自身が知ってわかってる事だろ」

「それに対して無責任な事はできねえよな」

「たとえ、相手が望んでいる事でも」

 

独りたたずみ。緊張感がほぐれた独り言。

気持ちを整理するためにも、言葉にして漏らしてしまうものかもしれない。

 

「おっ? 雨か?」

 

雨が……降り始めた。

 

 

【惨雨】

 

雨が降っている。

振られてフラれて、傘もささず濡れながらハナは歩く。

そういう気分だ。

 

ハナは傷心と満足感が交錯していた。

失恋した。

結果はもう最初から分かっていた、意地汚く食い下がったのは自分の方だ。

 

さらに自分の純潔を捧げる事で、アキラに自分という傷痕が残ればというのは。

あさましくも必死だったと、いまさらに思う。

 

失恋したけど、実行して踏み込んでよかったと。

このデートは、一生に残る一日だったと。

胸の痛みはあるけど、満足感でいっぱいだった。

 

「おじょうちゃん、雨で濡れちゃうぞ」

 

声をかけられる、男の声だ。

振り向いてみると………いかにもホームレスな、小汚い男。

 

せっかくの気分が、台無しにされる感じに、それを無視して、角を曲がる。

 

先ほど後ろにいた男が、目の前に、いる。

 

小さく悲鳴を上げてしまう、さっきまで後ろにいたのに、どうやって先回りしたのだろうか。

考えるよりも先に、踵を切って角を出て走る。

 

どれだけ走ったのか、息が上がる。正面から歩いてくる人影……さっきの、男、だ。

 

追い抜かれてない、全力で真っ直ぐ走っているのに、どう先回りしたのかわからない。

なんだか、イヤな、弄んでいるような笑いを、浮かべている。

 

振り返り、逆方向に走り出すと。

 

男が目の前に、いる。

 

驚愕と恐怖で、叫びを上げる間もなく。

腹をしたたかに殴りつけられ、痛みで膝を折る。

 

男の笑いの粘度が高まりが、更に増した。

 

 

「ふぅ~~~雨はいいぜ」

 

下半身を露出し、粘液と精液と血にまみれた勃起をさらし。

ハラマセーのレイニーは満足の中、雨水に戦果を上げたちんぽを洗わせていた。

 

路上にはハナが茫然自失で倒れ、雨に打たれ続けている。

 

膣口からは、精液と破瓜の血がこぼれている。

 

「遅かったかっ!」

 

氷の矢とクナイが飛ぶ。

しかし、当たらない。

レイニーの姿そのものが消えている。

 

「だめっ、まわりにもいない」

「ちっくしょ、雨に隠れちまった」

「カクレタ、イウヨリ」

「………………………」

 

ユウヤ達、ピュアとヒーラーが駆け付けるが。

レイニーの姿は消え、強姦された少女のみが残った。

 

「コベニさん……申し訳ないが、お願いします。僕たちはヤツを追います」

「承知」

 

ピュアのコベニは、ハナを抱きかかえ、対応できる傘下の病院へと急いだ。

 

結局レイニーは、何度も何度も雨の中、姿を現しては消え。

ユウヤ達を、散々に引きずり回した挙句……

 

嘲笑を残し、逃げ去っていった。

 




挿絵は雨に晒されたイメージを、屋内ぽくですが(汗)

【挿絵表示】

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