「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
時間はアキラ達がピュアにヒーラーに覚醒して、少し経ってからにさかのぼります。
【パーティー:そして巨大都市桜市】
高級ホテルその会場での華やかなパーティー。
その主賓は演劇を披露する子供たちだ。
いいえそうではない演劇発表を隠れ蓑に、巨大都市である桜市の利権を貪るため。
汚職と賄賂の取引に塗れた、政治と財界の場となっている。
そのなかでの一つの勢力、財閥の令嬢であるカオリは、父の名代としてこの面白くもないパーティーに参加していた。
もちろん意味と意義はあるのは理解している。
家の名誉と社会的なポジションを維持するための儀礼的なもの。
会場に身を置くことで、財閥間の力関係や政治的取引の温度感を直接感じ取る実践と、顔を売り関係を繋ぐという売名。
いずれも大事な社交であることは、カオリには重々理解できている。
家の跡継ぎである兄は留学し、知見を広める学びを行っている。
財閥当主である父は、政財界との非公式会談に時間を取られ。
桜市の都市再開発プロジェクトの利権調整。
政界との密室での交渉と資金提供の取り決め。
自社傘下のメディア戦略の統括と操作。
他財閥との覇権争いの激化により『この程度』のパーティーには参加する価値が無いとの判断を下した。
その場にカオリを名代として参加させたのは。腐敗を目の当たりにする場に慣れる事をであろう。
事実巨大に成長しすぎた都市は腐敗を抱える。
経済と産業の成長による消費も莫大なものだが、腐敗もまた大きい。
桜市の中央では、商業拠点の高層ビル群がそびえたち、最先端の医療・テクノロジーを研究する分野が展開。
それに伴い流通も文化も高騰している。
同時に都市周縁部では、不法滞在等あふれた人口、インフラが崩壊してのスラム化が進み。
貧富の差、モラルの低下、犯罪の増加、失踪行方不明の多発。
都市は巨大になるほど、人間の輪郭が曖昧になってゆく。
そして最近では、生物兵器の失敗作が野に放たれている等。
不穏で滑稽な噂まで飛び交っている。
父はその改善に手を入れてはいる。
スラム地区の再建に資金を回したり、行方不明者調査に人員を割いてもいる。
一方で、その事業を通じて土地利権や新産業の独占を強めている。
利権を得るのも財閥のためには当然である。
傘下で戦う人たちの生活を支えなければ、それは正義などではない。
飲み込みがたい矛盾であるのは理解はしている。
子供のころ耳にした『街を救う』という父の言葉。
そして裏で交わされ、飛び交う札束の音。
綺麗ごとだけでは、物事は変えられない。
だからこそカオリは、このパーティーに参加している。
【小さな応援】
「まったく、反吐が出ますわ」
カオリの縦ロールに巻かれた豪奢な髪が揺れる。
堂々たる美人であるが、タレ目を気にして、強めの化粧を目元に施してしまっている。
女子としては高めの167の背丈、鍛えられた体幹は、110Jカップの爆乳をしっかり支え。
財閥の令嬢らしく、気品と、毅然と、知性と、傲慢を兼ね備える性格性質を持っている。
「そう言わないでください姉様、これもまた社交でありますし……」
カオリに付き従うドレス姿の付き人、ミナミ。
140に届かない小さな体、可憐な可愛らしい顔立ちの華奢な姿。
知的ではあるが内気で弱気な性格。
カオリはミナミに自分の事を姉様と呼ばせ、幼少のころから付き人として仕えさせてる。
「不愉快でしたら……対処いたします」
カオリに影のように潜み従う、小柄なメイド姿のコベニ。
150に届かない背丈、細身であるが引き締まった体躯が、ただのメイドではない事を示している。
身の回りの世話もだが、主な任務は護衛である。
「その必要はないわ、見られるのも仕事の内ですもの。視線にいちいち反応などしていたらキリがありませんもの」
「それにしても、あのクロノス社の役員の視線は、無礼でぶしつけすぎですわね……ああミナミ、ごめんなさいね、つい本音を漏らしてしまいましたわ」
若さと爆乳を誇示するかのようなドレスを選んだのは確かだが。
スーツ姿の中年男が、ねっとりべっちゃりと、遠慮の欠片も無く嘗め回す視線をもらうのは愉快には遠すぎる。
その上、股間の膨らみを、あえて隠しもしないでだ。
「誘うにしても、わたくしの事を娼婦かなにかと、勘違いしてらっしゃるのかしら?」
「姉様、そんな誘いに乗ってはいけません……」
あわてて、ミナミが心配を忠言する。
「乗りませんですわ。それにしても」
カオリはせめて、子供たちの演劇を楽しもうと思っていたが。
このパーティーを開催する理由だけの『退屈な前座』と、大人たちの心無い言葉を、子供たちにわざと聞こえるように言い放つことで。
つまらない優越感と、弱者を虐げる歪んだ喜びを酒肴と楽しんでいるようだ。
カオリは直接、控え室にいる子供たちの元に出向き───
『楽しみにしてる』
『きっと素敵な劇になる』
そう言葉をかけ、小さな俳優たちの傷ついた表情を、少し明るくできた事に小さな満足感を得た。
「やらない善よりも、行う偽善でしょうかしらね?」
「そういう偽悪的なもの言い、誤解されてしまいます姉様……送った応援は偽善だったでしょうか?」
「そうね……わたくしが行いたいと思った事ですものね」
ミナミのたしなめに、カオリは頷いた。
【助けるべきは】
子供たちの演じる劇は佳境に差し掛かり、無関心だった観客の一部も、熱心な演技に耳を傾けはじめた、その時。
会場のシャンデリアが、軋む音を上げて落下する。
金属音の金切り声を上げ崩壊し、破片をまき散らす。
悲鳴と呻き声と怒号。
その残骸の中から……ねっとりと濡れそぼった触手が……
うねり、舞い、踊りながら這い出てくる───
そしてパーティー客を襲いはじめた。
同時に、会場正面の大扉が激しく開く。
生々しい精液臭を放ちながら、ゾンビー達が這いずるように侵入し客を襲う。
まだ勇敢さのあった警備が立ちふさがるが、爪で引き裂かれ触手が喰らいつき、あらたなゾンビーへとなってゆく。
触手が脂の乗った淑女に絡みつき、ゾンビーが夫人を引きずり倒し犯す。
会場は淫獄となった。
「大丈夫、みなさまはわたくし達と逃げましょう」
「そうですわこれは演目ですもの、驚いたでしょうけど、無事に逃げ伸びる役をあなた達に演じてもらいたいのですわ」
カオリは舞台に駆け上った。
震え動けない子供たちに、これは演劇だと突飛な大嘘を吐く。
無理やりにでも落ち着きと、行動する方向を示して脱出を促し、動き出す理由を与える。
舞台袖から楽屋に通じる通路へ導く。
その先の非常階段から脱出するべく、ミナミとコベニに指示し誘導する。
しかし、その背後から
「ここで死んだら株価がどうなるか分かるのか!? 私はVIPなんだぞ!」
「このガキどものせいで逃げ遅れてしまう!! こいつらに何の価値があるんだ!」
「我々の安全を優先しろ! 票を持ってるのは私たちだ!」
子供たちを突き飛ばしながら叫び逃げまどう、パーティー参加者の大人たちの声。
それらは。
「ぶぎゅっるあぁぁっ、ひっひいぃいっ、わかいお、おんなぁあ゛ぁぁっだぁぁっ!!」
「あばばばばっばばばっへぇぇぇひぃぃぃっひっひっひっ、でげ~~おっぱいだだだだたげぺっ」
追いついた触手が、逃げ込んだ男たちに喰らいつく。
それらはゾンビー化し、生殖の目標としてカオリ達に下卑た睨みをつける。
「んぅ~~~ちっこいのもいるな゛あ゛」
「そっぢも、い~~~ぱい、犯してや゛ん゛がらねぇぇぇ」
避難していた少年少女にも、ゾンビーは目を向け、これらも犠牲にするつもりだ。
人外に襲われ屍を晒すのか?
それとももっと惨いことになるのか?
子供たちをどう守り、逃がす手段は無いのか考える。
「バケモノ───いいえ、バケモノになる前から、もっと醜い存在でしたわね……」
「ええ、知っておりましたわ、ただ口に出さないだけですもの!!」
「姉様……」
カオリはゾンビーと化した財界人たちを見て、恐怖よりも呆れと怒りが荒れ狂った。
感情の箍が外れ、理性と礼節で口に出せなかった言葉を浴びせかける。
ゾンビー達はそれに怯む知性などもたず、ここにいる存在を犯し嬲るために、じわりじわりと迫って来る。
荒れ狂う感情の中、カオリ達には響く声が聞こえた。
「我はガイア、地球の意思。選べし者よ、覚醒せよ。ハラマセーの脅威からこの星を守るのだ、ピュアとしてヒーラーとして目覚めるのだ」
「弱きものために戦う力───目覚めましょう」
カオリは応える。
髪は煌めく黄金に、大きくスリットが入った、胸元や腿が大きく露出する漆黒に金の装飾過剰なドレスを纏う。
飛び掛かってきた触手に手刀を振るうと、体液を撒き散らしながら切断される。
「なるほどですわ、ピュアとはこういう事ですのね」
頭に流れ込む大量の情報、整理するのは後と。
いま行うべき事に向かい合った。
「失礼します……この星を守る事、それは仕えし主と家を守る事と同意と解釈いたします、ならばコベニは脅威と戦う力を欲します」
カオリの死角から襲おうとした触手に、クナイが突き刺さる。
漆黒のショートカットはほぼ変わらないものの、黒い喪服めいた、腿を露わにしたミニスカートのエプロンドレス。
薄い胸元を露出しつつ、首に飾られたリボン、髪を纏めるカチューシャ。
荒い網目のストッキングがもっと量感のある足であれば、色気もあるだろうが。
今は引き締まった成長途中の脚を包んだエロメイドが、ピュアとしてのコベニの姿であった。
「姉様を……守りますっ!!」
光輝が一閃する、触手をゾンビーを貫き………怯みとダメージがある……が。
「効いていない~~~」
アッシュグレーの髪に、清楚な白地にピンクのドレスに包まれたミナミは、落胆した声を漏らす。
「ミナミにはミナミの戦いがありますわ」
カオリの手刀が切り刻み、足刀が斧となって触手を刈る。
「これに時間は、取らせられませんわね」
ゾンビーの爪を掻い潜り、カオリは素早く背後に回り込む。
両腕がゾンビーの腰をしっかりと抱え込むと、ゾンビーは背に当たる爆乳の感触に一瞬動きが止まる。
床を踏みしめる足、下半身のバネがゾンビーを高々と持ち上げ……持ち上げられたゾンビーの足が宙を泳ぎ、重力がその存在を思い出させる。
自ら後方に反り返り虹のような華麗なブリッジをつくり。
ゾンビーの頭部はフロアに叩きつけられ粉砕する。
「もう一体」
しかしこのゾンビーは、まだ知性があるのか格闘技の経験があるのか。
腰を落とし、投げ技と組みつきを、明らかに警戒している。
「ならば、こうですわ」
「おぉ!? おっぴろげぇぇぇぇぇぇ~~~」
勢いよく床を蹴り飛ぶ、両脚を大きく開きゾンビーの頭部を挟み込む。
太腿が首をロックし、しっかりとホールドする。
そしてカオリは自らの体を強く鋭く反らし、体重移動にゾンビーを巻き込ませての回転の勢いが。
まるで重力に裏切られたかのように、フロアめがけ脳天を突き刺し粉砕する。
子供たちは至近に、ピュアの戦いぶりを直視する。
「ミナミ、コベニ、子供たちを安全な場所へ」
「理解了解……主様は?」
カオリの命に、コベニは問う。
「会場にはまだ、救える人達がいます」
「姉様、それは……」
ほおっておいて、逃げるべき。
そうミナミが言葉を続けるのを、カオリは制止した。
「戦えて救えるモノがあるならば、戦うべきですわ」
「助けるに値しないと切り捨て、非効率で無意味かもしれませんけど……」
「わたくしが救うのは価値ではなく存在、子供を押しのけてまで、我先に助かろうとする大人もまた弱きもの」
「もっともせめて子供を助けるぐらいはしてほしいものですけど。自分だけが助かればよいという浅ましさと余裕の無さ、この都市の歪みを体現したかのような救いの無さ」
「ハラマセーの脅威はそういう情けなさも、糧にしているのかもしれませんわね」
ミナミはなにも言い返せず、カオリはコベニに視線を送ると、戦場となった会場へ戻っていった。