「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【B3F倉庫通路:過去失敗者鑑賞会】
施設で従業員用の地下区画は、複雑怪奇な迷路となる。
荷捌きから納品の動線となる通路、ゴミを分別する廃棄物集積所、各テナントに割り当てられた倉庫群、従業員が利用する、休憩室、喫煙室、トイレ。
警備員等、長時間常駐する人員が利用する仮眠室。
空調や照明、エレベーター等の制御盤が集約された機械電気室。
暖房や温水供給を行うボイラー室。非常用発電のため燃料備蓄室。
ショッピングセンターを利用する客にには見せない、裏の顔といってもよい部分が集約されている。
それこそが施設を支え、スタッフが安心して働く実務を支えていると言ってもよい。
しかし触手城と化した今、この地下は異形の巣窟と化している。
廃棄物集積所から、ぬぶりぬぷりっ顔を出す触手の精臭を背に、ユウヤたちは地下通路を駆け抜ける。
かつては台車が行き交い、納品作業が黙々と進められていたの通路は、今や触手肉の膜に半ば覆われ、壁は生き物のように蠢き震えている。
「気持ち悪ぃな……施設ってより、生き物だぜこれ」
「ホント、モゥーヤメテクダサイーー」
ヒナタが嫌悪を吐き出し、マリアが叫ぶ。
通路の天井からは、天井の配管に絡みつく触手が散発的に襲いかかり、長身のマリアは身を屈め衝撃波で爆砕する。
触手の破片が飛び散り、粘液が肌に飛び、吐き気を誘う。
「えっと……エレベーターで、タワー階を上に上るのかな?」
「それは、だめだ。やっちゃいけない」
「う……ごめんなさい」
ケイの質問に、ユウヤの答えは短く冷たい。
いつもの優しさを感じさせない冷然とした響きに、ケイは面食らい、ついあやまってしまう。
「てめぇ、説明をすっとばすなよっ!」
「えっと、ごめん。敵の完全管理下にある閉所に入るのって、生殺与奪を相手に握らせるようなものだから。自ら閉じ込められに行くのはちょっと……」
「あ……うん、そうだね、わたしの方が軽率だった……」
ヒナタの咎める声が響き理由がちゃんとある事を説明させれば、ケイの納得が返る。
反発でなく反省が混じるのは、彼女の性格と仲間との絆を映している。
「ソーナルト、階段ヲ駆ケ上ガルデスネータイヘンデスー」
「妨害もあるだろうし、敵だってもう待ち構えているはずだ」
マリアがのほほんと愚痴る。
もはや奇襲でなく強襲でしかないが、それは想定内とユウヤは思っていると、スピーカーから下卑た声が響き渡る。
「そのと~り!! ふぇっ~~~へっへっへっ!! ようこそ、触手城へ。触手城城主、セキュリオン。派手に歓迎はしてやるぜ、まっその前にご希望の前例とやらを見せてやろう」
触手城城主、ネームド・セキュリオンの声が通路に溢れる。
触手に接続された巨大モニターが天井から垂れ下がり、触手を介して電源や映像情報が這い巡る、モニターに電源が入り、記録された映像が映し出される。
「あの……これって………」
「エレベーターの中ってやつだよな」
「広クテ大キイデスネ」
克明な映像に、ケイが見入ってしまう。
整然とした機能を持っている、昇降のかご。
台車が十分入るほどの、広さを持っている。
「見るな、急ぐべき………」
「つぅ~~~れねぇなぁぁ~ま妥当な判断だけど、先輩たちから学ぶのって、大事だぜ~~」
ユウヤが注意を促し、ピュア達も通路を進みはじめると……
セキュリオンの声と共に、進む通路の壁面が触手肉の膜に覆われ、有機ELディスプレイとして発色し、先ほどの続きを映し出す。
移動しながらでも見せつけられることになり。ユウヤは舌打ちを打つしかない。
「さっきのモニターはなんですか? 意味ないじゃないか」
「立ち止まって見る分は、あれでいいって事よ。まっ諦めて、見て見て見ろよ」
ユウヤの毒づきに、さらりと返し煽るセキュリオン。
エレベーター内の映像に、ピュア二人とヒーラー一人が乗り込んでくる。
いつの年月かは判らないが、今とそう遠くない話のようだ。
彼らは上層への最短ルートとしてエレベーターを選択した。
最初は平穏だった。エレベーターの内部は清潔で、照明も正常。上昇してゆく感覚も通常のエレベーターと変わりない。
だが、異変が始まる。
急停止。そして浮遊感を感じるほどの急降下、圧力を感じる急上昇。
感覚を失調する、上下の不自然を通り越した動き。
その困惑の中、ドアが小さく開き、隙間からあふれ這い出る触手の群れ。
天井の換気口から垂れ下がり、床の隙間から滲み這い寄る触手。
ぬめぬるとした触手が、ピュア達の体を這い絡みつき、生殖を行おうと肉穴を狙う。
閉鎖空間の中、あらゆる方向から襲い掛かり、ピュアもヒーラーも奮戦し何度も何度も退ける。
度重なる疲労と負傷、数を重ねるひーりんぐ。
この状況を打開できない焦りと疲れが心を蝕み言い争いがはじまり、ついにはひーりんぐの順番に疑心と争いまで発する。
それを見計らったかのようにまた触手が襲い……それをさらに繰り返す。
床に倒れるピュア、壁にもたれかかるピュア。
生きてはいるが、もはや正気を失い触手と融合した苗床と化している。
そのピュア達に繰り返しひーりんぐ……いや、ただの生殖を行うゾンビーと化したヒーラーが、ピュア達を犯し続け、エレベーター内で触手を孕ませ続けていた。
映像はそのまま流される。
「で、早送りして、ライブ映像ってわけ。エレベーター内苗床で、ゾンビーになっちまったやつが、今も苗床ピュア達に腰振ってるってやつさ。そっちのヒーラーがどれだけマシか、ピュアちゃん達、わかりまちたかぁ~~今なら、とっととしっぽまいて逃げちまって。こわかったょ~~って慰めックスしまくって。街がハラマセーに陥落しちまうまで、快楽肉壺生活に浸っちまうのも幸せってだぜ。どうよ? ふぇっ~~~へっへっへっ」
触手城のラスボスである、セキュリオンの煽りと侮蔑と愉悦。
そして動きを把握されている状態。さすがのユウヤも恐怖と脅威を感じ。
「みんな、止まっ……」
停止を促す。
一度冷静に考えようとした矢先。
「ぼ、僕の名はゼロワン!! シスターの仇を、とりに、きましった!!」
つっかえながらの男の子の声が、前方から叩きつけられた。
【ゼロワン】
ユウヤ達の足が止まる。一応の目標は館内非常用階段。
大概が建築物の階層を直通し、上層階へと続く一本道。
抵抗を加味しても最適解なルートであったはずだ。
とにかくもそれを阻むように、一人の男の子が立ちふさがっている。
見かけは自分達より幾分か年下に見える。
しかし不健康を超えた生青い肌。両手に一振りずつ持った剣。
額に刻印された『01』の数字。
神父のような僧服。
下半身裸で成人サイズのおちんちんを丸出しにしながらなのは、ハラマセーだからであろう。
「でぇ~~? ゼロワンくん、あたし達の邪魔するってわけぇ?」
「そっそうですっ! シスターをよってたかって、その、犯して、嬲って、しょ処女を強姦してっ消滅させてっ、あなた方は酷い人ですっ!!」
ヒナタが凄みながら威圧すると、怯みそうになるのを踏みとどまり。
ピシッと音が出そうな勢いで、剣先の片方を突きつける。
「あ~~~~~それはそのぉ~」
「サスガニ否定デキマセンネェー」
ケイが目を逸らしながら、マリアもそっぽを向きながら、酷いは否定できない。
「確かに勢いではあるが、はっきり言って腹が立ったから犯した。シスターもそれ以上の被害を出す蹂躙も行っていたし、僕自身にみんなから愛想が尽かされてもしょうがないほどの言動をさせるという、酷いことをされたので、個人的にも恨ませてもらう」
ユウヤは理路整然と感情論をぶつける。
「年食ってたけどょ~ヴァージンだっだぜぇ!!」
「あっあなたたちはっっ! ぼ、ぼくっはゆるさないっぞっ!」
ヒナタが中指をおっ立て、さらにぐりんぐりんと回しながら突き上げる、下品な動きと挑発に激高し、モンスター・ゼロワンは構えを取り、最も近かったのと挑発もあってヒナタに斬りかかる、が。
「遅せえ」
「軽い……です」
余裕でかわされてしまい、踏み込んだ勢いで、さらにケイに剣を振るも、剣の腹を叩かれ、弾かれる。
「ケイ! ヒナタ!」
「食ラウデスヨー」
小さく合図をユウヤが送ると、接敵していたヒナタとケイは左右に広がり、マリアを背にしていたユウヤが横に避けると。
ゼロワンの視界からマリアを三人が遮ぎって隠し、その隙に力を溜め放った衝撃波が、通路を一直線に駆け抜ける。
直撃すれば引き裂かれていたであろう衝撃を、悲鳴を上げながら何とか回避し、飛び退いた際に壁に背を打ちつけるゼロワン。
ユウヤもケイもヒナタもマリアも思った。
『こいつ、そんなに強くない』
【慢心】
「よしみんな、方針転換。情報を得よう。いいね」
「は~い」「よっしゃあ」「デスネーソウデスヨネー」
ゼロワンを撃破よりも捕縛し、触手城の情報を引き出すことに、目的を変える事を互いに確認しあう。
「くっ……これを喰らえ!」
「なっ!? 武器を?」
その微細な間隙に、ゼロワンは持っている剣をユウヤに投げつけ、さらに、もう片手の剣も投擲し無手となる。
初撃が肩を掠め、二投目を氷の障壁で逸らしながら、持っている武器を投げつけてきた事に驚くが。
ゼロワンが何もない空間から、剣を取り出し手に持ち構えるのを見ると。
「こいつの特殊能力は、武器精製だ。剣を破壊したり手放しても気を付けて」
注意をピュア達に飛ばし。
そして、使い捨てにできるなら、後衛の自分を狙う事もできるため、距離を取るべく後ろに飛ぶ。
「はい、ポチっとな」
玉座に座りながら、セキュリオンが笑う。
ユウヤがフロアを蹴り、着地した瞬間。
床が崩れ無くなる。触手にて縫合し支えた偽装床。
ぽっかりと空いた奈落に吸い込まれるように、ユウヤは落ちてゆく。
「ユウヤ!?? イマ助ケに!! オゥッ!!!」
もっとも近くにいたマリアが振り返り駆け寄ろうとすると、いきなり天井から展開した防煙壁が眼前を塞ぎ、したたかに顔面を打ちつけてしまう。
痛みと怯みに、反射的に手で顔を覆ってしまった隙に、倉庫の扉が開き。
室内の消火栓から野太い触手が伸び、マリアの巨体、豊満な乳房や太腿に絡みつき巻き付くと、一気に室内へと引きずり込んでゆく。
「ユウヤぁっ! てめえっ!! おわっ! なんだ!?」
ヒナタが床に消えたユウヤに驚き振り向くと、別の倉庫から伸び襲う長い棒。
それを辛うじて避け、ユウヤの方に駆け寄ろうとすると。
「ぐっあっっっっ! ちくしょうっ!!」
さらに鎖が蛇のようにしなりながら襲い掛かり。
先端の分銅がヒナタの体に叩きつけられる。
「ユウヤ!!? ヒナタ! きゃあぁあぁぁあぁぁぁぁぁっ!!! けふっっ! ひっ!? 何? いゃあぁぁっ!!」
ケイはゼロワンに殴りかるが、ゼロワンは触手に引っ張られ拳が空ぶる。
背後の騒ぎにケイが振り向くと、地下に消えるユウヤ。触手に引きずり込まれるマリア。棒と鎖に襲われるヒナタ。それらが視界に収められ困惑が走ったその時。
天井のスプリンクラーから大量の粘液が放出され、顔に体にに降り注ぎ塗りたくられ視界も奪われる。
その惑乱にゼロワンが蹴りを入れ、ケイの体を吹き飛ばすと。
その先には待ち受けていたゾンビー達が群がり、ケイを倉庫へと連行してゆく。
「ちいっ! みんな!! ごふっっっっ!!」
分銅の一撃を堪え、助けに向かおうとすヒナタ。
注意がそちらに向いてしまっていて、ゼロワンの接近に気付かず、強烈に肩口を叩きつける衝撃に、棒と鎖が飛び出した倉庫に押し込まれ、ゼロワンもそれを追う。
ピュアを収納した倉庫の扉が閉まる。
地下通路に静寂が戻った。
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