「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【モンスター/芸術料理魔:リパーシェフ登場】
【4F:チャペル/イフリート】
鮮血が噴き出す。
アヤの右肩から左脇腹にかけて、鋭い刃が深々と切り裂いた。
赤い雫が床を染め、彼女の身体が力なく崩れ落ちる。
意識を蝕む激痛が、視界をぼやけさせ、彼女の膝が折れ倒れるのを。
「アヤ!!!」
アキラが抱き留める。
アキラの腕がアヤを必死に抱きしめる。
深々と刻まれた傷。
血が止まらない。熱く、粘り気のある液体が彼の体を赤く濡らしてゆく。
「ひーりんぐよっ!!!」
「なんでこんな………くそっ! 落ち着け、落ち着け、俺………」
リサは震える声が響く。
リサの声を耳にしながらアキラの声が震える。
自分を叱咤するように呟く。
だが、動揺が広がり抑えきれない、今できることをすべてやらなければ。
だがこの状況で性行為ができるのか? 勃起できるのか? 血にまみれた手と体でアヤの傷口を押さえながら、周囲の風景も声も、目も耳も入らない。
ただ、この命を、目の前の愛おしい命を救いたい。それなのに焦りばかりが溢れてしまう。
アヤの身体はアキラの腕の中でぐったりと沈む、彼女の血が彼の胸元を濡らしていく。
右腕は力なく垂れ、唇は青ざめ、浅い呼吸は今にも途切れそうだった。
「アヤ……!」
アキラの声は震え、彼女の名を呼ぶたびに焦りが募る。
彼女の傷は深く、止血はとても追いつかない。
彼の手は血に滑り、周りに集中できないほどに心が乱れていた。
だがそのとき、アヤがかすかに目を開けた。
瞳は濁りながらも、確かな意志を宿しアキラを見上げる。
「アキラ…………………………」
彼女は、震える声で言葉を紡ぐ。
途切れ途切れの呼吸の中、それでもその言葉は鋭く、強く。
「私の体も………命も……全部預ける……………………」
アキラの瞳が見開かれる。
彼女は腕を上げ、血塗れの手を彼の頬に触れる。
「だから………………………………ひーりんぐして助けなさいよ!!!!」
その瞬間、彼の迷いは霧散する。
これは縋りではない。
懇願でも哀願でもない。
命を懸けた信頼だ。
彼女は、すべてを彼に託すのを叩きつける。
強き意志の証明。
「応っ!!!!!」
熱く滾る血潮が海綿体に満ちる!
雄々しい勃起が脈打ちはちきれる!
膣口を押し入り深く飲み込ませ、みっちりと膣襞が絡み包む!
アヤの腕が、足が、しっかりと抱き着き、貫かれるまま一体となる!!
アキラの体が燃え上がる、タイツは炎に焼け炎上し、肌は炎に包まれ深紅に彩られる!
アヤのポニーテールを纏めていたシュシュが燃え尽き、髪が炎に炙られ踊る!
膣に放たれた精液と膣を満たす愛液が繋がり融けあう、至福の快楽の中アヤの傷がゆっくりと閉じてゆく。
膣内の脈動が、どくんどくっどくどくぅぅっ!! と響き、生命の鼓動を刻み感じる。
この鼓動が続く限り傷は開かない。
だが途切れれば、アヤの身体は再び裂けるだろう。
それを臆するよりも遥かに超えた委ねは。
「熱い、からだが沸騰しちゃう! けど……けど、すっごく安心するっ!!」
「アヤの体を………これ以上傷つけさせるかっ!!!」
アヤを抱きしめ貫きながら、炎の魔人と化したアキラ。
モンスター・リパーシェフと向き合う彼の瞳は、燃えるような決意に満ちる。
【陶酔と諦観】
「あぁ……傷ついた時こそ身を寄せ合い、凡百の悩みも、怯えも、葛藤も、苦悶も、弾き飛ばす絆の契り………なぜ…………わたしはこれを振り払おうとしたのかしら……こんなにも尊い、燃えて、萌えて、押せて、圧せて、推せる…………うふっうふふふふふふっえへへへへへへ~~~~」
リサは祭壇上に座ったまま、炎に包まれ繋がりあう二人を祈り崇める姿は。神々しくもあったが。
漏らす言葉の潰滅的な祝福と蕩けたアヘ顔。
股間から漏れ零す大量の愛液と、歓喜の放尿が祭壇を濡らし、全てを台無しにしているかもしれない。
「すばらしい、なんと素晴らしい、陰と陽、男と女、傷を抱き、命を抱き、互いの温もりで血潮を温め合う。燃え盛る炎にその紅はソースの艶、震える吐息は湯気の立つ皿の香り。芸術は、食すためにある……そして食は、芸術でなければならないのだ」
リパーシェフは滂沱の涙を流しながら目の前の芸術に感動していた。
恍惚とした表情で目の前の崇高な食材をどう調理するのか、彼だけの世界にて心は満ち溢れていた。
誰が食してくれるか? それは誰にも理解できない。
プリズンはこの光景に突っ込みを入れたかったが、即座にに消滅させられそうな予感に、言葉を飲み込むしかなかった。
【攻防】
「さてと……逃げるぞ! リサ」
「わかった……うん、わかった………ここは居場所じゃなかった……」
炎に包まれたアキラが、火の粉を散らしながらも迷いなく手を伸ばす。
全裸にマタニティドレスを纏ったリサは祭壇から飛び降りる。
リサの足が石床を蹴った瞬間、マタニティドレスの裾が宙に舞い、彼女の影が揺らめく炎に溶け込む。
「あなた方をここから帰すわけにはいきません。私の究極の一皿を彩るべき食材として、大人しく四肢を捌かれなさい。リサ様は城主の伴侶としてこれからも子を産み続けるべきです」
「なにそれ? 恐いんだけど?」
「まあ見逃してくれるわけないけど、理由が怖すぎる」
リパーシェフは包丁を携えながら、恭しくアキラ達に礼節を示すが。
その言葉は猟奇でしかなく、おぞましい調理への欲求欲望をさらけ出し、獲物を前にした捕食者の昂ぶりを見せている。
アヤの容赦ない吐き捨てるような声を響かせ。アキラもまた、軽い口調の裏で視線は鋭くリパーシェフの動きを追う。
「つ~わけってってことで、今後ともよろしくってねリサちゃん。あんたも手足ぶった切られて達磨で飾られるのってイヤだろ~~まっ俺としちゃそれもいい置物ってヤツだけど、ま~~~城主の趣味的にはおっけいなんだかどうだか、こればっかりはやってみなきゃだけど、子供さんを悲しませることになるかもって事だと、五体満足でお気に入り続けていたほうがマシってヤツじゃないかなぁ~て~あ~~~やっと喋れる」
プリズンがようやく口を開けたと長舌を振るいつつ、言葉は飄々としているが、その足取りは確実にリサとの距離を詰めていく。
リパーシェフとは初対面なアキラ達に対し、何度か戦っている自分が注意を惹きつけ。
アキラ達が一瞬で惨殺されるのをリサに見せつけて、その反応を楽しむという城主の目論見は外してしまったので、この上リサ達を触手城から逃してしまうわけにはいかない。
「気持ち変わっちゃったから……もういいです」
「これですよ~~~女心の変わりようは~~ま~ったく。とりあえず城主の前に引きずり出して、今後の裁可を下してもらいますよってね」
すっぱりとしたリサの拒絶に、プリズンは天を仰ぎ、芝居がかった嘆息を漏らす。
その仕草の裏で、彼の視線はすでにリサを組み伏せるための距離を探り。
リサも薄く笑い返しながら……眼がそうはさせませんと語っている。
リパーシェフの白刃が煌めく。
速く鋭く重い。腿を裂こうと薙ぐ。腕を飛ばそうと閃く。足を切り離そうと刃が走る。
アキラはその斬撃を避けながら、炎を纏った拳を叩きつけ、火球を浴びせ、熱線を放ち、火矢をばらまく。
リパーシェフは炎の拳を避け、火球を斬り飛ばし、熱線を見切り、火矢を悠然と叩き落とす。
長椅子の列に飛び込み、リパーシェフの大きな斬り下ろしを避ける。
追い打ちの白刃を、長椅子を盾にと持ち上げ叩きつけるが、椅子は一瞬で斬り裂かれ解体し残骸が宙に散らばる。
「これは……勝つの無理だ!」
「あっさりあきらめないでよっ!」
四肢に細かく付いた切り傷を、炎で閉じさせ流血を抑え込みながら実力差を語ると、アヤにどやされる。
アキラはアヤと一体化し炎の付与と更なる身体強化状態。
それでもリパーシェフに強さが及ばないのは、この少ない攻防の中でも明らかで。
しかも彼が勝つ戦いでなく、捕獲するために動きを奪う戦いしかしておらず、それにつけこむ所も無い。
逃げるにしても、何か隙を突かなければ到底かなわない。
「なんかいい案ないかな~~」
「なにもないものね~~」
いま挑んでいい敵ではない、それをどうにかしなければ………敗北しかない。
勝機どころか、隙を作る要素が見つからない。
「やばいな、これ」
炎で蒸発させながら、アキラの冷や汗が止まらない。
プリズンは大きく振り回わしたリサの頭を狙った回し蹴りを放ち、その勢いのまま身を屈めて足を払う。
さらに振り向きざまに拳を叩きこむ。
無駄のない力強いコンビネーションを、リサは小さく身を屈め蹴りを避け。
払いに来る足を引き抜きやり過ごし、打ち込まれる拳を逸らし手繰り投げをうつ。
プリズンは投げに逆らわず飛び、技の軽さもあって中空で身を捻って着地を決め。
そこにつけこみ踏み込むリサの手足の乱打を、重いガードで弾き飛ばす。
「リサちゃ~~~ん、産んだお子さんは、ホント~~~に置いていくのぉ? さっき産んだばっかりで、あんなにぃも寄ってきてたのにぃ~母としての責任とかちゃんと果たすべきかとオレは思いますですけどね、そこんとこどうよ? ほんっといいのか?」
「うん…………そうね、けどもう母親としての役目は果たしたから、もう、いい……産んで、抱いて、乳をあげて、息を確かめた。それ以上はもう、わたしの役目じゃないわ……だってハラマセーですもの」
プリズンのリサを煽りつつも、微かな心配がこもった長舌を叩きつけるが。
リサの淡々とした言葉に、プリズンは息を詰まらせる。
「おっお前、それでいいのかよ。そんなふうに割り切れるのかよ?」
「別に? わたしの中ではもう終わっている話………そうね、わたしの手で倒さなきゃ……」
プリズンは言葉を失い、リサの顔を見つめた。
その瞳には、迷いも後悔もなく、ただ前だけを見据える光があった。
【飛降】
「生きが良いのは嬉しくですが。さて、そろそろ調理させてください」
リパーシェフがアキラ達に詰め寄るその瞬間、チャペルのドアが砕け散り、大量の泥塊が雪崩のように押し寄せる。
リパーシェフの背後に泥の奔流が襲い掛かかり彼に叩きつけられる。
リサとの問答で気をそがれ、そしていきなりの泥雪崩に、プリズンも目を奪われる。
「いまだ! いましかないっ!!」
アキラは体を纏う炎を消し伸ばした手でリサの腕を掴み、ドアの砕けた出入口への全力での疾走。
リサを肩に担ぎ外へ飛び出す。
リパーシェフを攻撃する選択もあったが、リサと共にこの場を逃げる。
その一番の目標を大事にした。
「お……遅いっしょ! って、なんで駅弁と肩担ぎ!?」
「アスカ! さんきゅ! いまから全力全霊で俺達は……逃げるっ!! アスカも!」
全裸のアスカが足を震わせ立ち上がり、チャペルから飛び出たアキラの姿に困惑する。
アヤと駅弁ファック状態で、リサを肩に担ぐ姿は。異様な滑稽だが、説明を受ける時間はない。
アキラはもう一方の肩にアスカを抱え。走る!!
足が石畳を蹴るたび、肩に抱えたリサとアスカの体重がのしかかり、バランスを崩しそうになるが、振り返る余裕はない。
「きゃっ!? ちょ、なにコレ!? リサ!? おかえり〜!? てか今それどころじゃなくない!?」
アスカの驚きと困惑が耳元で弾ける。リサの声は、そんな混乱を切り裂くように低く、短く、迷いがない提案を示す。
「アキラ……飛び降りて」
「いやここ、四階」
「飛 び 降 り て」
「リサを信じましょ、あいつらが追ってきたら、こんなんじゃ一網打尽よ!」
館内に戻れば、触手やゾンビー、新手のモンスターが待ち構えているかもしれないのは危険すぎる。
見晴らしのいい庭園の縁から飛び立つ。
重力が一気に引きずり込む。
リサの指示通り、三階のバルコニーを踏み砕きつつ、衝撃を緩和しながら跳んでゆき……リサを助ける事は出来たが……実力差に打ちのめされた敗走と言ってもいい。
「でもね……生きてる」
リサの呟きを耳にしながら、アキラは三人を抱えて跳ぶ。
触手城から逃げるために。