※この作品はR-18です。

「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!?   作:白拍子

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続けて、ドクター・キリコの講義です


086「ほけんたいいく:そのに」

【ドクター・キリコ】

 

「君たちは、医者じゃない」

 

ドクター・クロオの言葉は深く、特にヒーラーの二人に響く。

魔法のように傷を癒す事が出来ても、その手段としての性行為だけでなく、医師でないものが医療行為を行う無法をドクター・クロオは悟らせたのだ。

だからといってもし死に瀕した怪我人に直面したらどうする? 救う手段があるのに見捨てるのか?

 

「あたしゃね、クロオの言うこともわかるよ。医者じゃないのに医療の真似事をすりゃ、責任の重さに押し潰される。けどね、死にかけてる人間を前にして、手を伸ばせる力があるなら、迷うな。大事なのは『どう救うか』じゃなく『救ったあとにどう責任を背負うか』だよ。セックスだろうが魔法だろうが、互いに合意と覚悟があるなら、それは立派な選択だ。快楽も痛みも、命を繋ぐために背負うなら、恥じることはないさ」

 

割って入るようなドクター・キリコのその言葉には重い真実が宿っていた。場にいた者たちは、思わず息を呑む。医者ではない自分たちが背負う責任。それは逃げ場のない問いであり、同時に覚悟でもある。

 

『俺らは医者じゃないけど、助ける力はある。だったら逃げずに、ちゃんと責任を背負うということか』

『自分が医者ではないことを認めた上で、助ける事が出来るという責任か……』

 

ヒーラーたちは互いの視線を交わしながら、その意味を噛みしめていた。救う力を持つ者として、ただ手を伸ばすだけでは足りない。救った後に背負うものを認め、受け入れることこそが本当の『責任』なのだと。

その瞬間、彼らの胸に去来したのは迷いではなく、静かな決意だった。

 

ドクター・クロオは「フン」と小さく鼻を鳴らす。余計なことをとも感謝とも入り混じっていた。

 

 

【検査結果と泌尿器科】

 

「問診や検査でも担当したね、ドクター・キリコじゃ産婦人科と泌尿器科、薬物汚染の研究も長いことやってきた。悩み事のカウンセリングもしておるよ。まあ、クロオとは腐れ縁でねえ……昔は闇医者、今は免許持ちの表の医者さ。ピュアやヒーラーに関しても知っているから安心おし」

 

初老の女医キリコが自己紹介する。彼女は軽く肩をすくめて笑う。だがその目は、長年の経験を背負った医師の鋭さを宿し、以前のハラマセーとの戦いの関与と理解を示していた。

 

「まず検査の結果じゃが、全員ほぼ異常なし。陰茎も睾丸も前立腺も、子宮も膣も陰唇も陰核も、重篤な異常は見られん」

 

その言葉に、ピュアとヒーラーたちは一斉に息を吐いた。安堵の空気が広がり、互いに顔を見合わせて小さく笑みを浮かべる者もいる。

 

「ほっとした顔をしてるが……おぬしら、なにを安心しておる」

 

キリコの声が低く響くと、場の空気は一瞬で凍りつく。

 

「ハラマセーに嬲られ、ゾンビーに触手に強姦され続け、急速妊娠と出産を繰り返した体が、無傷で済むわけがないじゃろ。子宮は拡張収縮を繰り返し、膣粘膜は裂傷や炎症、会陰部は伸展や裂傷で瘢痕が残りかねない。神経や血管の損傷もありうる。ホルモンバランスは乱れ、免疫力は落ち心身は倦怠感に囚われる。ひーりんぐで表面は治っても、心と体の奥底はそう簡単に無事じゃない」

 

ピュアたちの顔色は蒼白に変わり、誰もが自分の体に刻まれた見えない傷を思う。膣内に残るハラマセーの精液のぬめり、媚薬の熱が子宮を溶ろかすような疼き、出産の激痛が脳裏に蘇ってしまう。

 

「ヒーラーの男どもも同じだ。ひーりんぐで連続射精すりゃ睾丸も前立腺も悲鳴を上げる。亀頭や陰茎は摩擦で炎症、長時間の勃起は海綿体の血流を圧迫する。自律神経だって乱れるし、複数のピュアを背負う責任感は強烈なストレスになるじゃろ」

 

アキラとユウヤは思わず視線を落とし、キリコの言葉が重くのしかかる。射精の快楽が、身体を蝕む毒のように感じられる。

 

「だからこそ、感謝しな。おぬしらが超人であることに。苗床になった女性がどれだけ悲惨か、浸食を阻止したとはいえゾンビーになりかけた男がどれだけ苦しんだか。異常がないのが異常なんだよ。与えられた力に感謝して、軽んじるじゃないよ」

 

最後の言葉は柔らかくも厳しく、場にいる全員の胸に深く突き刺ささる。

 

 

検査結果の重い説明、場に沈んだ空気の中、アキラは立ち上がり。

 

「なぁ、みんな! とにかくあれだけボコボコにされちまっても、体に大きな異常はなかったんだ。これってすごいことだろ? 俺ら、まだまだ元気にやれるって証拠だ。だからさ、そんなに暗い顔すんなよ。笑っていこうぜ!」

 

彼はいつもの軽い調子で少し大げさに両手を広げて見せる。その陽気さにピュア達の表情がわずかに緩む。続いてユウヤが静かに言葉を添える。

 

「アキラの言う通りだ。異常がないという事実は、今を生きる上で大きな安心材料。過去に何があっても、今の体が保たれている。それは僕たち自身の強さでもある。だから、胸を張ろう」

 

冷静な声は落ち着きをもたらし、ピュア達の心に染み込んでいく。

二人の言葉に、ピュア達は互いに顔を見合わせ、少しずつ肩の力を抜いていった。重苦しい影が薄れ、安堵の息が場を満たしてゆく。

 

「へへっ、ピュア達を安心させるためには、しっかりとしたひーりんぐってな」

「体も心も含めて、僕たちは負けませんよ」

 

アキラとユウヤが拳を合わせ合う。ピュアのみんなを背負うヒーラーの覚悟を示し見せている。

 

その様子を、ドクター・キリコは腕を組みながら見守る。

 

「……ふふ、若いもんはいいねぇ。陽気さと冷静さ、両方あってこそ支え合える。あたしゃ厳しいことばっか言ったが、こうして仲間同士で気持ちを軽くできるなら、それも立派なひーりんぐさ」

 

彼女の目は優しくも鋭く、若者たちの姿を確かめるように光っていた。

 

 

「異常なしって言われたんだし、それで十分よ! あ~けど切り刻まれたのは確かに危険ね。ちゃんと静養するから、みんな心配しないで」

 

アヤは肩をすくめ、単純明快に答える。複雑に悩むよりも、今の結果をそのまま受け止める強さを見せる。仲間たちに向け、あっけらかんとした笑みを見せることで場の空気を軽くしてゆく。

 

「でも……検査で異常がないっていうのは、医療的には奇跡みたいなもの……普通ならこんな負荷で無事なはずがないから……だからこそ、ひーりんぐの力に感謝………ふふふ」

 

リサの冷静に分析しながらも、仲間に安心を与えるような語り。彼女の言葉には、育った環境からくる視点が滲んでいる。

 

「そうね。異常がないってだけで、ありがたいわ」

 

アスカは落ち着いた調子で言葉を返し、アヤとリサの肩に軽く手を置く。まるで場の空気を整えるように、静かな安心感を漂わせる。マウンテンに受けた苦痛を思い返してしまうが、今は冷静に受け止める落ち着きを持っていた。

 

「ほんとうに異常がないのかな……どうなのかな……怖いけど………でも、でもね、無事って言われたなら、信じて前に進む………恐さに押しつぶされ続けたら、何もできなくなるから……そう、またあんな目に合うかもしれない。それでもわたし……戦いたい………」

 

ケイは不安げに声を震わせながらも、仲間の存在に支えられて立ち向かう気持ちを見せる。彼女の小さな決意が、周囲に勇気を与える。

 

「よっしゃ! 異常なしなら、もっとハラマセーぶちのめしてやる! あんな奴らに負けぱなしでいられっか!」

 

ヒナタは拳を握りしめ、勢いよく声を張り上げ。場の緊張を吹き飛ばす明るい闘志に思わず笑みがこぼれる。

 

マリアは、仲間たちの笑みを見ながら。

 

「ミンナ無事デ、ヨカッタデス」

 

その穏やかな声に僅かな硬さが混じる。仲間の安心を喜びながらも、どこか自分だけが外に立っているような……まるで他人事のような……寂寥の陰りを帯びていた。

 

 

「みんな違って、みんなよい。あたしゃ、そういう若さを頼もしく思うよ。安心と不安が入り混じるのは当たり前じゃ。大事なのは、互いに支え合えることじゃ………しかし、ふむ」

 

ドクター・キリコは腕組を続けながら、ピュア達の反応を見まわし。柔らかくも鋭く見守りつつ、問題点になりそうな部分を感じていた。

 

 

【ハラマセー論】

 

「さてと、生臭い話をしようかね。ひっひっひ」

 

ドクター・キリコの笑い声に、ピュアもヒーラーも警戒と脅威を露わにする。約一名ワクワクしている者がいるがそれは例外である。

 

「さて……あたしゃ長年、産婦人科と泌尿器科をやってきて、薬物汚染やスラム街の闇医療も経験した。ハラマセーとの戦いで見てきた惨状も忘れちゃいないよ」

 

彼女は椅子に腰をかけ、瞳の奥から若者たちを見渡す。穏やかな声だが、その響きには年齢と経験の重みがある。

 

「ハラマセーの触手やゾンビー、モンスターの精液には媚薬の成分が含まれている。快楽で苦痛を緩和し、中毒性に浸らせ、苗床化からの妊娠出産への抵抗力を奪う……目的はそこにあるんじゃろうね」

 

ピュア達は息を呑み、ヒーラー達は眉をひそめつつ。全員が真剣に傾聴する。キリコは淡々と続けた。

 

「研究を続けてきたが、媚薬成分や苗床化の影響を緩和することはできても、決定的な治療には至っちゃいない。結局は本人の免疫力が回復するのを待つしかないのが現状さ。トラウマによる精神的障害も、肉体への影響も大きい。ひーりんぐで中和できる部分はあるが、それで全部解決するわけじゃない」

 

彼女は小さくため息をつき、しかしすぐに口元に皮肉めいた笑みを浮かべる。

 

「ピュアは幸い、快楽はともかく媚薬成分をひーりんぐで中和できる。中毒性をかなり緩和しているのは事実。じゃがな、エナジーやハラマセーの体液は今の医学や化学じゃ分析できん。結局、ピュアとヒーラーの能力が唯一の有効手段なんじゃよ」

 

場の空気は重く沈む。だがキリコは腕を組み、若者たちを見回しながら声を和らげた。

 

「だからこそ、あたしゃ言う。自分の力を軽んじるな。医学が追いつけない領域を担ってるのじゃ。責任は重いが誇りも持ちな。快楽も痛みも、命を繋ぐために背負うなら、それは立派な選択じゃよ」

 

キリコの言葉は厳しくも温かく、ピュアとヒーラーたちに深く刻まれる。

仲間を暗い気持ちにさせたくない想い。

頼られること自体が責任と冷静に見つめ直す想い。

深い傷を負った苦痛も恐怖も忘れられないが、それがどうした私は生きていると前向きな想い。

強制と中和、冷静に向き合えば安心できるとの想い。

打ちのめされても、それ以上に頼れて落ち着ける仲間がいる想い。

不安におびえ、また頼ってしまう気持ちと支えたい気持ち。それでも共に立ち向かいたい想い。

憤怒と闘志。やられた分はやりかえす。走る自分の背を預けられる仲間がいる想い。

疎外感、受ける優しさ、迷い、渇望、困惑、悲観、希望。

 

 

「不安も怒りも、全部人間らしい反応さ。敗北も屈辱も、凌辱や快楽の記憶は消えない。だけどね、それを仲間と分かち合い、ただ傷を舐めあう甘えじゃなく支え合うなら心は折れない。あたしゃそう信じてるよ」

 

キリコは若者たちの微細な反応を静かに見回わして。優しくも厳しく言葉を添える。

 

 

【快楽依存】

 

「ひーりんぐは、ピュアの受けた傷の痛みを強い快楽に変換する。言ってしまえば媚薬みたいなもんじゃないかね。その危険性を自覚しな」

 

キリコの声は穏やかだが、背筋を冷たく撫でるような重みがあった。ピュアもヒーラーも互いに視線を交わしながら指摘に息を呑むしかない。

 

「若いあんたらは、遊ぶ金もそう多くはないし、段階を踏んだ恋愛経験も薄いじゃろ。ハラマセーとの戦いで溜め込んだストレスもある。そんな中で、無防備に肌を合わせる安心感を分かち合える相手がいる。しかも不妊で妊娠の危険を回避できている。そりゃあセックスの快楽に溺れやすい環境だよ」

 

彼女は肩をすくめ、皮肉めいた笑みを浮かべる。だがその目は真剣で、若者たちの心を射抜いていた。

 

「性行為をするな、なんて言わない。だが、ピュアとヒーラーの仲では依存症になる危険がある。アルコール、ニコチン、カフェイン、過食、薬物、スマホ、インターネット、ゲーム、ギャンブル、買い物……強い欲求や衝動、耐性と離脱症状、生活への支障。依存症は特別な人だけがなる病気じゃない。誰にでも起こりうる脳の働きに関わる状態なんじゃよ」

 

「た、たしかに」

「ちょっとあっさり認めないでよ」

「けどそれも真実」

「ん~~極論とも言えないしぃ~」

「思い当たる事が多すぎる………」

「ひっ………ひぅ……」

「大丈夫か二人とも、あたしも大丈夫じゃねえ!」

「……………………………………」

 

ピュアとヒーラー達は、納得と不安と反省を抱えながら囁き合う。触手城での敗走の後、慰めを求めて快楽に溺れかけた記憶が胸の奥で疼き、依存の恐怖を呼び起こす。

 

「性行為の快楽も、度が過ぎれば依存症になる……おっと、脅かしすぎたかねえ」

 

キリコはふっと笑い、場の緊張を少し和らげる。

『やりすぎだ』クロオの視線がキリコにぶつけられるが、キリコは慣れたように受け流す。

 

「でもね、お互いが安心できる相手と絆を深め、性欲も肉欲も晒して快楽を共有する。それ自体はなにもおかしいことじゃないんじゃよ。大事なのは依存じゃなく、責任と信頼を持って関わることさ」

 

その言葉に、ピュアとヒーラー達は静かに頷いた。今までの互いのセックスが、ただ傷を癒すものだけではなかったことを思い返し、絆の意味を改めて噛みしめる。

 

「なんていうか……いろいろこう、ぶち抜かれた気分だな」

「そうよね~~まっ、けどなんか、もやもやが晴れたようなとこもあるけど」

「ふふふ………わたしは通常運転だから…………」

「突っ込まないわよ。けどまあこういう普通受けられないあけすけな講義を聞けるって、そうそうないっしょ」

 

アキラが頭をかきながら苦笑する。軽口のようでいて、心の奥にずしりと響いた講義の重さを隠しきれない。

アヤは肩をすくめ、単純明快に受け止め。重苦しい空気を払拭する。

リサは淡々と……それでいて解釈の納得を表す。

アスカが笑いつつ場を和ませ、講義の内容をじんわりと消化吸収してゆく。

 

「貴重な講義だ。確かに普通受けられる内容じゃない」

「うん……そうだね…………けど……うん………」

「まっ難しく考えるより、シンプルにヤリ過ぎるなってとこだし、ま~~~いままで通りでいいんじゃね?」

「ソレデ、アッテイルヨウナ、チガウカモノヨウナ~」

 

ユウヤは真面目に頷き、冷静な声で言葉を添える。周囲の軽口を受け止めつつ、講義の意味をしっかりと噛みしめる。

ケイは不安げに視線を落とし、心の揺らぎを隠せない。それでも前に進もうとする気持ちがあるが………

ヒナタが重い話を分かりやすい単純化と、軽く明るい雰囲気に持ってゆく。

マリアは小さく呟き。微細に落ち着きが見えない。

 

 

講義を受けた直後のピュアとヒーラーたちの会話は、重さと軽さが入り混じりながらも、若者らしい闊達さが湧く。

誰もがキリコの言葉に心を揺さぶられ、不安や納得、そして安堵を抱えつつ。場の空気はまだ重いが、それぞれの言葉で気持ちを整理しようと、意見を交わし合い声を掛け合うことで少しずつ少しずつ解れていった。

 




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