※この作品はR-18です。

「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!?   作:白拍子

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088「かうんせりんぐ:そのに」

【カウンセリング:ユウヤ】

 

「よろしくお願いします」

 

ユウヤは静かに入室し丁寧に一礼する。その仕草には緊張と誠意が入り混じっている。

 

「ふん……座っていいよ」

 

ドクター・キリコが着席を促す。ようやくユウヤはソファーに腰を下ろし。深く息を吐き、視線を落としたまま言葉を絞り出す。

 

「……僕は、ピュアの三人、ケイ、ヒナタ、マリアを同時に愛してる。恋愛的にも、肉欲的にも」

 

その声には、罪悪感と正直さが入り混じっていた。過去の影が、今の関係に重なっているのを語りはじめる。

 

「母を早くに亡くして、小柄で女顔だったから虐められて……コンプレックスを覆そうと鍛えて、暴力もふるい不良だった。ケイが強姦されそうになった時、一目ぼれして……ヒナタと一緒に引きこもったケイを支え、いじめの加害者に立ち向かううちに、ヒナタの姐御気質にも惚れた。マリアは、ヒーラーとして活動中知り合ったピュアとして助けて、留学で大変だから日常でもいろいろと面倒みているうちに、巨体と母性に惹かれてしまったんだ」

「ふむ、三人それぞれに惹かれた理由をちゃんと語れるのは立派だね。続けてごらん」

「三人のピュア同士での同性愛も認めてるし、四人の仲は性行為も含めて良好だと思う。でも……一般的には異常な人間関係だってことも理解してる。僕たちは性欲に素直で、日常的に性的な接触も楽しんでしまって、妊娠しない事をいいことにひーりんぐだけじゃないセックスすることに溺れている。ハラマセーのシスターとの戦いで、俺の身勝手な性欲を吐露してしまったけど……ピュア達は忌避せず、むしろ女の性欲も肉欲も露わにしてくれた」

 

ユウヤの声は少し震えていた。恥ずかしさと安堵が入り混じっている。

 

「………同い年の女の子を母としてその…………それぞれのもつ母性に惚れて欲情もしているのは異様なのかな? 甘えている………のかな?」

「異様かどうかなんて、世間の物差しでしかないよ。母性に惚れる、欲情する。それは甘えだねえ、だけど同時に人間らしい欲望でもある。あんたが同い年の女の子たちに母性を見て安心するのは、過去に母を早く失った経験が影響してるともいえるじゃろ自然なことさ」

「でも、欲情して性欲を処理までしてるのは……やっぱり甘えすぎなのかな」

「欲情を甘えと呼ぶなら、男はみんな甘えん坊さ、み~んな母の股から産まれてきたんだからね。母性に惹かれるのは安心を求める心の働きだし、欲情は生きる力の表れ。異様でもなんでもない。むしろ正直に口にできるあんたは健全じゃよ。隠して歪む方がよっぽど危ないし、甘えさせてもらってんだろこの色男」

 

ユウヤの白い頬が真っ赤になり、何も反論できず俯いてしまう。

 

「だだのう。女の子の中に母を見て甘えるだけじゃなく、男として雄として支える覚悟を持ちな。母性は守られるだけじゃなく支えて担ぐことで輝く。あんたが惚れた女たちをママにしちまうなら、父親の器も見せなきゃね」

「甘えと欲望を抱えてる自分を恥じるな。むしろそれを認めてどう生きるかを選ぶ。あんたが選んだ女たちが異様だと思うかどうかは、世間様じゃなく本人たち次第さ」

「男………なんだな僕は……」

「そうさ色男。確かに人より抱える事は、ヒーラーであるからこそ多くなっちまってる。それを承知で今まで戦ってきたんじゃろ?」

「でも……酷い事にしてしまったのは、触手城に挑んで散々に敗北したことだ。僕の慢心した判断でピュア達は犯され、孕まされ、出産を強要されて。全員が逃げ帰れたのは奇跡だ。……また共に戦ってくれるのか? 僕の策や指揮を受けてくれるのか? ピュア達が僕を頼りにしたのが間違いだったんじゃないかって……失敗だと思い込んでるんだ」

 

キリコはユウヤのゆっくりとした告白めいた後悔に腕を組み、しばし黙し口を開く。

 

「なるほどね。愛と欲望、責任と失敗感。全部抱え込んでるわけじゃ。まず言っとくが、異常な人間関係なんて言葉は世間の物差しでしかない。あんたらが互いに支え合えてるなら、それは健全さ。性欲に素直なのも悪いことじゃない。むしろ隠して歪む方が危ない。それに女どもも、それを承知で付き合ってるんだし。建前抜きのどす黒い身勝手な欲望に対し女の恥ずかしい部分を晒せるなんて、単に惚れた男なだけじゃやんないよこの色男」

 

ユウヤは頭を押さえつけられるような衝撃に目を伏せる。が、肩の力がやんわりと抜けてゆく。

 

「触手城での敗北は、慢心の結果かもしれん。じゃが、全員が生きて帰った。それは指揮官として最大の成果。勝つことだけが正解じゃない。負けても生き残り、次に挑む力を残す。それが戦いの本質じゃないかね、若造! ピュア達があんたを頼ったのは間違いじゃない。むしろ、頼れる男がいるからこそ彼女らは戦えたんだ。失敗を悔やむのはいい。だが、それを次に活かすなら、あんたは立派な指揮官だよ。……お節介ついでに言うけど、三人を愛してるなら、責任も三倍背負う覚悟を持ちな。まったくヒーラーは大変だよねえ、でもその感情は悪くないけど若いよねえまったく。不安があるならちゃんとそれをぶちまけな、そして女どもの不満を聞いて、次にに繋げるって事を話しあえないような仲かい?」

 

「そんなことないです!!」

 

ユウヤは顔を上げ、強い声で答える。

 

「いい、即答じゃ」

「ありがとうございます」

 

キリコは満足げに頷いた。

ユウヤは深く息を吐き、静かに礼をする。キリコはやれやれと苦笑いしながら、若者の真剣さを頼もしく思った。

肉欲と愛欲の溺れ具合もまた若さであるが、見守ってやらなきゃは長生きした楽しみである。

 

 

【カウンセリング:ヒナタ】

 

「あ~~とにかく世話になるわ」

 

ヒナタは腕を組み、少し居心地悪そうにソファに腰をどかっと勢いよく下ろす。

 

「ふん……おおざっぱに見えて、警戒心が丸見えじゃよ」

「………!!」

 

ヒナタは一瞬キリコを睨みつけるが、まったく怯まず笑った瞳を返され。

 

「え~~その、悪かった。よろしくたのむ」

「よしよし」

 

ヒナタが幾分か丁寧になった口調で腕組を解き頭を下げ。軽やかにキリコが答えた。

 

 

「あたしは同性愛者だって自覚してる。いじめから救って引きこもりを改善させたケイを愛してるし、ピュアとして活動中に助けたマリアも守りたいって感じが好きだよな。そして……ケイのために共に戦ったユウヤの事を殴り合いもしたけど背中預けられるダチって認めてたらさ………男を感じちまって好きになっちまったんだ」

 

ヒナタの声には、強さと迷いが入り混じる。

 

「同性と異性、どちらがまともな恋愛かは当然わかってるぜ。だからピュアとヒーラーになる前に、ユウヤとケイを互いに告白させるよう背を押した。自分の気持ちに決着付けたいってのもあるけど、なんか……らしくなかったなってその気持ちは今でも変わらない。だけどよう……現状の状態も気に入ってるから、そのままにしちまってるんだ」

「ふむ、愛の形に迷いながらも、今の関係を受け入れてるわけだね。続けてごらん」

「えっとはずいな……ともかく先のことはまだわかんねえし、今頑張れる事を、今戦える事をやろうってね。それで今の関係で繋がって、ハラマセーとのケリがついた時に答えだせりゃいいって。問題をさ、先送りにしちまってるようだけど、これでもいいのかなって不安にはなっちまって」

 

ヒナタの告白は、飾り気のない言葉でありながら、胸の奥をさらけ出すような重さがあった。普段は勢いと直感で突き進む彼女が、ここまで丁寧に自分の感情を紐解く言葉にヒナタ自身が驚いてもいる。

言葉を選びながら進み。未来の形を決めきれないまま、今の関係に安らぎを見いだし、同時にその曖昧さに不安を覚えている。

その揺らぎは、ヒナタの強さとは別の人間らしい弱さかもしれない。

 

「あんたが迷っているという事実そのものが、とても大切なんじゃよ。迷いは未熟さの証かね? いいや、自分の気持ちを軽んじず、他人の心も踏みにじりたくないという、あんたの誠実さの現れじゃ」

「恋愛の形に正しさなんてものはない、自分の人生そのものじゃからな。同性でも異性でも複数でも一対一でも、そこにある関係を築こうとする意志と、相手を尊重する覚悟。おまえさんはその両方を持っている。だからこそ苦しいんじゃろうね」

「問題を先送りにしている、と言ったけれど……それは逃げてるんじゃなくての。今は戦いの最中で心の整理をつける余裕なんかない。そんな状況で今できることを選んでいる。それも立派な判断だし、あたしゃは強さを感じるね。まっ気晴らしにセックスを楽しむのも悪いことじゃない」

 

キリコは頷き、穏やかな促しにヒナタも硬さを緩め、頬を赤らめると声を落とし、しにくい質問に踏み切る。

 

「その……おしり…………の穴……肛門が性感帯っていうのか感じちゃって。アナルセックスに関してちゃんとその注意を……受けたい……」

「ほう、正直でよろしい。肛門は性感帯たりえるが、粘膜は弱い。裂傷や感染のリスクだってある。そのあたりはひーりんぐで緩和できてもじゃ、潤滑を怠らないように、清潔を保つようケアすることじゃな。快楽と危険は紙一重。覚悟があるなら、体を大事にしながら楽しみな」

「う、うす……」

 

キリコの肛門性愛に関して真剣な返答に、ヒナタは小さく頷く。

 

 

「あたしとユウヤはそれなりに覚悟決まってっけどさ。でもその、ケイとマリアはどちらかというと普通ていうか、本来荒っぽいことに向いてねえ。ピュアになって戦いに巻き込まれた感じじゃねえかなって。今まで一緒に戦ってきたけどさ、今回みたいに酷い目にも合うことを考えれば……戦いから引いてもらった方がいいのかもって思っちまって」

「なるほどのう。仲間を守りたい気持ちと、戦いに巻き込む罪悪感ってやつだね。その両方を抱えてるわけだ。じゃがの、ピュアになった以上、彼女らは戦う力を持ってしまった。本人が望むなら続ければいいし、嫌なら退けばいい。あんたが決めることじゃない。大事なのは選択を尊重することさ。なぜにピュアに覚醒したかって事も大事なんじゃないかい? あんたは確かに姐御肌で引っ張っていくけど、時にはね見守もるのも強さじゃよ」

「だよなあ、相談されたらしっかりのるのが一番か」

「戦いに向かい合う理由はそれぞれじゃよ。それを自分の物差しだけで決めつけると、ろくなことにならぬからのう」

 

茶を一口すすって、一息落ち着いた感じでのキリコの言葉に、尊重の気持ちを学ばされる。

 

 

最後にヒナタは、ここまで色々と話を聞いてくれたキリコに、今まで親にしか吐き出していないだろう話題を口にする。

 

「……あたしはは混血だから、それをネタにからかわれていじめも受けた。反抗するために暴力にも頼っちまった。濃い褐色の肌も、高い身長も……恨めしく思ったこともある」

 

その声には、過去の痛みと怒りがまだ残り怒気の燻りが見え隠れする。キリコは静かに次の言葉を待った。

 

「あたしもユウヤの白くてチビで女の子みたいな面を嘲笑って、ユウヤもノッポの暴力女って……罵りながら殴り合って。最初はケイの事を通じて話すようになってから、あたし達のイヤなところが実は相手にとって魅力に見えてるって気づかされて。……ユウヤに『強さとかっこよさだ』って言われて……今ではまあ受け入れられるようになったんだ。……でも、あの時は本当に嫌だった。自分の体が呪いみたいに思えて」

「ふむ、暴力に頼ったのは未熟だよねえ、いじめに抗うためなら仕方ない部分もあるけどもっと別の強さを身につけなってとこじゃが、まっそのへんは若いから理解しにくいじゃろ。じゃがな、その肌も高い背も恨む必要はない。ユウヤが言った通りそれは強さ、かっこよさじゃ。あんたが自分を受け入れられるようになったのは立派な成長だし、その切欠に耳を傾けられる相手に出会ったからこそじゃないかのう、くっくっくっ。それに呪いというならばその呪詛はあんたの武器じゃ。恨むよりも誇りな。からかったやつらの方が未熟であんたの持つ強さに怯えていただけじゃよ。だけどね、最終的に自分を受け入れるのは自分自身。男に褒められて安心するのもいいけどそれに頼りすぎんじゃないよ。あんたなら自分で自分の強さを認めてやんなきゃね。そうすりゃ見るやつはきちんとわかってくれる」

 

ヒナタの過去からの痛み、キリコができるのはちょっとした痛み止めを塗る事だ。

その痛み止めの経験はヒナタにしっとりと浸透する効き目があったようだ。

 

「あ、ありがとな、ババア」

「ふん、声が震えてるぞ。未熟者が」

 

人生経験の差は埋めようがない。

 




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