「ピュアっとヒーラー」異世界からの孕ませ侵略者と戦ってエロで治療!? 作:白拍子
【カウンセリング:アスカ】
派手なギャルメイクを落とし、大人びた雰囲気になってしまっているアスカは落ち着いて入室する。
「よろしくです、先生」
「化粧無しの方が強そうじゃないかね、ふふ」
ドクター・キリコの一言にアスカの表情が一瞬強張るが。ソファーにゆっくりと腰を下ろす。
「親とはうまくいってなくてなんだかすれ違っている感じで、家に居場所がないって、ずっと思ってた。 でも弟だけは……同い年の異母弟なんだけど……あいつだけは守りたいって思った。 弱い子を守れる強い人間でいたいって……」
「でもさ……救ってほしくない弱者にとっては、余計なお世話なのかなって……最近思ってしまう」
独りで育ててくれた産みの母。唐突な死別と父の出現。確かに生活は救われたが、義理の母の冷めた視線。父の愛の受け入れがたさ。母の違う弟への庇護欲をアスカは語る。
「そうだねえ余計なお世話かどうかは、相手が決めることじゃよ。 あんたが守りたいと思う気持ちは、間違いじゃあない。 ただしね、押しつけになったらありがたくも迷惑って受け取っちまう、耳を傾けることも必要だよね。ちゃんと話をしてるかい?」
「それは…………できていないと思います。はは、かっこ悪いっしょ」
「そう思ったならさ、一気にとは言わないさ。少しずつでも話し合って溶かしあうがいいさ。たとえ相手にされなくとも、何度でも何度でもこちらから踏み込まなきゃ動かない話もあるかもしれない。まあそれも焦らずやることだね」
キリコの指摘に、アスカは素とギャルの混じったややごまかしの入った返し。
家庭の中だからこそ一足飛びに解決できないなら、時間をかけて自分からのアプローチが大事と、ゆっくりがんばれとの応援だ。
「ギャルメイクも。強がりの仮面ってわかってやってる。 怖いからかな、派手にして……強そうに見せてるだけ」
「それでもそれがウチだっていうことだしぃ、戦いに臨む気持ちを化粧に乗せてアゲていって。それがウチのそしてピュアとしての強さってことなるんなら、それでいいっしょ」
「そうじゃね、仮面をかぶるのは悪いことじゃないよ。 人間はみんな、何かしらの仮面をを着けて生きてる。 問題は、その仮面の下にある本音を、自分でちゃんと知ってるかどうかじゃし。普通にしゃべってるのとギャルにしゃべってるの、どっちが本物のアスカかねえ?」
「そ、それは……」
「未熟者、どちらも本物のアスカじゃよ」
化粧の無い素顔でのギャルなしゃべり。ギャルとしてのメイクは『武器』ではなく『鎧』
そしてどのように化粧しようと、ペルソナを被っただけの自分はどちらも本物であることをわからせる。
「アキラのこと……好きだよ。でもアヤとリサがきっちりと嫁としているし、私は一歩引いて見守る立場なんだなって………うん、なんとなく思ってる」
「ふん、あんたは奪うってタイプじゃないからねえ。でもね、距離を置いて考えるのは悪いことじゃない。自分の気持ちばかりを押しつけず、相手の幸せを尊重できるのは立派な強さだよ」
「自分でも諦めているってわけじゃないけど。達観してるってわけじゃないし」
「まっ隙があれば奪うぞって主張したほうがよいかもじゃの。ほっほっほっ」
二人が足りないならば補い奪えと、結構ひどいアドバイスにはなっているが。アスカにとっては狙う場所を置いている気持ちになった。
「……強さ、か。ウチ、強くなれてるのかな」
「なれてるさ。 ただし、強さってのは誰かを守る力だけじゃない。自分がどんな場所でどんな位置にいるか把握するのも含めてじゃよ。そこから自分が納得できる行動をする。それを慌てずに考えられてるのは、周りの連中からしたら落ち着いているってことさ、だから突っ込んで引き留めて、踏み越えちゃいけないとこを注意したりできてるのじゃないかのう。感情と勢いに任せるのも大事じゃ。けどそれだけじゃダメな所だっていっぱいありうるしの」
アキラ達の暴走具合を思い返すと、制御役としてのアスカの掣肘を打ちこむ必要は確かに感じてしまってはいる。
そのあたり、他のヒーラーやピュア達も含めて、今後の課題にするがよいと、アスカは丁寧にキリコに礼を言って退出する。
【カウンセリング:ケイ】
ケイはそっと入室すると、まるで音を立てることすら怖がるようにソファへ腰を下ろす。膝の上で指をもじもじと絡め視線は床に落ちたままは、怯えた小動物さながらである。
「……あ、あの……よろしく……お願いします…………」
「ふん、取って食わないから、そんな縮こまらなくていいよ」
キリコは柔らかい声で促し、ケイは小さく頷ずく。
「……わたし……弱いです…………鈍いし……足手まといで……みんなと一緒に戦ってていいのかなって……ずっと思ってて……力がどれだけ強くても生かすことすが出来なくて、使い方もユウヤの指示に頼りっぱなしで……あの時もユウヤがいなくなってどうしていいのかわからなくなったから……なにもできなかった………」
「それに、気が弱くて……いじめられて……引きこもって……ユウヤとヒナタが助けてくれて…………すごく嬉しかった。でも……まだ頼ってばっかり……反省してて……………だから……だから強くなりたい、けど……どうしたらいいのか……わからなくて………そんな、体も考えも鈍いわたしがだから、それが悔しくて………これじゃだめだ、だめなんだって思っても……そればっかりでそれじゃだめだって思っていて………助けてくれなかったら………………ゾンビーに犯され続ける快楽に……委ねきっていた…………弱いからもういいやって………なさけない、よね」
ケイの声は震えている。仲間への申し訳なさが混ざった、そして共に戦えていないと思っている恐怖が滲み出ている。抱える気持ちの負が自分の中で膨れ上がってしまう。その不安に押しつぶされそうなのをキリコに示す事が出来た。
「頼るのは悪いことじゃないよ。人間は誰だって、誰かに支えられて強くなるんだ。頼ってしまったと反省できるあんたはもう一歩前に進んでる。あたしゃだって最初から人にご意見するような事が出来たわけじゃない。苦しんで藻掻いて、救えなかったことに涙して、それを繰り返さないと誓っても……なかなかそれを行える事も出来ず。できる事を繰り返し、その中でさらにできそうな事をやっていく。それの繰り返しじゃよ。最初っから強いやつなんてそうそういない。わからなくて悔しいのなら、これから相談できる相手を増やして学んでゆく。焦っとるんじゃろ? 足掻けばいい、じたばたすればいい。そこからなにかを掴んでゆくのが成長じゃよ。悔しいまま泣くばかりでいるのなら、引きこもりに戻ってしまうけど、あんたはそれでいいのかい? ハラマセーの快楽に堕ちっぱなしでいいってことかい?」
ケイは驚いたように顔を上げる。キリコの半ば挑発も入った言葉に、圧し潰されるより這いあがるを示す。
「わたし! みんなと一緒に! 戦いたいから、がんばり……たい………泣言、ばかりだけど、それでも前、進み、だい゛……」
「これからじゃよ、これから。辛い目にあって生き延びて帰ってきたんじゃ。もういいじゃなくてまた戦いたい。だけどどうしていいかじゃな。それをこれからみんなで学んでいこうってことさ」
「はい…………」
ケイの涙声での決意。キリコの示すこれからの成長は、引きこもっていては得られない。
「……それと……あの……その…………気持ちよくなってほしい、気持ちよくなりたいって……思うの。その……性欲……エッチな気持ちが……食欲みたいに湧いてきて……自分でも……なんだか……こわいなって……けど……もしこれが酷い人に知られてしまっていたら、わたし……どうなってしまっているか………」
「性欲は、生理的な欲求のひとつじゃ。食欲や睡眠欲と同じで、湧いてくるのは自然なこと。変に怖がる必要よりも、むしろ自分の欲求を自覚できているのは、とても健全じゃよ。それを理解してもらえて、都合のいいように扱われない相手に恵まれる出会いも大事ってことじゃな」
ケイは自分の大きな胸に手を当て、普通では相談しにくい事ができたため、呼吸と気持ちが楽になり。さらに踏み込んだ相談をしてみる事にした。
「あ、あの………わたし、お口で……するの……すき……なんです……おちんちんお口に入れて、しゃぶって、吸って、舐めて、食べちゃいたいって………精液も、確かに生臭くて奇妙な味なのに……味わいたい飲みたいって思うの………それで喜んでくれるのも嬉しいし、少し……変なのかなって……」
「おやおや、これまた刺激的な相談じゃねえ~よしよし、この婆が答えて進ぜよう。人間色々と好みもある、性癖と言われるくらいエッチなことにも好みはある。ただのう相手があってという部分もこれは多い。それに自分の好みが相手の好みとは限らん。そのあたりはちゃんと理解しあわなければならん時もある。これもまた体の相性っていうやつかねえ、くくく。まあ少なくともの、口でされるのを嫌がる男はそういないじゃろうし、おぬしのそういう積極が可愛らしさと色艶のギャップをよしとするじゃろう。大事なのは相手を不愉快にせんことじゃし。場合によっては相手の好みも受け入れつつ、駄目な部分はちゃんと駄目と示す事じゃ。おぬしの口にするちんちんは嫌がっておったか?」
「あ、あぅ…………よろこんで……くれてると、思います…………」
「そういうとこを、可愛がってもらえればよいと、婆は思うのう」
内容が内容ではあるが、性的嗜好についての質問を茶化さず……幾分かの煽りはあっても、答えてくれるというのは、ケイには貴重な経験であった。
【カウンセリング:リサ】
リサは姿勢を崩さず、まるで儀式のように整然とソファへ腰を下ろす。背筋は伸び、呼吸は静かだ。
「……失礼します、ドクター」
「ふん、堅いねぇ。まあ座りな。あんたの番だよ、本当に取り上げてからかわんないねえ」
「ありがとうございます」
「ほめているんじゃないよ、まったく」
リサが生まれた時、担当したのがドクター・キリコである。それからも幼いころを観察していたし、リサの質問にも応じていた。
寸評は『変人』趣味や嗜好に注意しておくよう両親に話しておいたが。
「手遅れのようじゃな」
キリコは改めてリサの穏やかな表情を観る。
「アキラとアヤ、ふふふ……本当に幼いころから夫婦、番、魂がくっついてるような仲で、そしてわたしのヒーロー……わたしその二人を観測しているだけで幸せしていました。二人を祝福すべきで……区切りが来れば、私は離れるべきだと……ずっと思っていました………わたしも……男としてアキラのこと好きって気づいたから……」
「でも……二人は私を妻として迎えてくれた………本当に、それを素直に喜びたいんです」
リサの淡々とした声に、喜びが滲む。
キリコは静かに続きを促す。
「……攫われた時……これが区切りになると……破滅的な考えを組み立ててしまいました。二人と別れられる理由になる、と……そんな馬鹿なことを考えて……迷惑をかけてしまったと……反省しています………アヤを失う………ところだったから……」
「自己完結しすぎじゃと呆れるばかりじゃ、この馬鹿娘。確かめるのは恐い。今の関係を壊すのも恐い。まあ常識的に大人の区切りで答えを出さなきゃいけないのは確かじゃが。おぬしの場合ぶっ飛びすぎておる」
言うべきかどうかキリコは迷い、言葉を続ける。
「正直の、おぬしが悩み苦しんだに等しく。アキラの小童もアヤの小娘もな、ものすごくおぬしのために悩み苦しんでおるのじゃ。それはおぬしの存在が大事じゃからじゃろ? でなければあんな焦った救出は行わぬわ!!」
キリコの一喝に、リサはソファーからゆっくりと滑り降り、床に土下座する。
「まさに……そのとおりでした、ドクター」
やれやれと呆れつつ、キリコも椅子から立ち上がり、床に平たくなるリサに屈みこんで声をかける。
「リサ、おぬしはね、観測者のふりして自分を外側に置きすぎじゃ。アキラとアヤがあんたを迎えたのは、あんたが必要だからじゃ。区切りなんて勝手に作るんじゃない。あんたが勝手に消えたら二人は泣くよ。あんたは受け入れられたんだ。なら、素直に喜びな。喜ぶことは罪じゃない。むしろ、あんたが喜ばない方が二人にとっては悲しみじゃ」
「それに、あやまる相手を間違えるんじゃないよ。いやもうあやまってはいるんだろうけど、それだけおぬしの謝の気持ちが収まらんのじゃろうけど……あの二人はそんなこと求めちゃいないよ。ほら顔を上げな」
「はい………」
「ふむ、ちゃんと泣けるようじゃね。ああそうじゃの。あの時誘拐された時、カウンセリングをした時もそうじゃったのう………成長すべきじゃ。あんたはもう家族の一人なんじゃろ」
「………はい」
幼い時の誘拐騒ぎ。その時のリサのカウンセリングもキリコが行った事を思い出しながら、頭が良すぎるリサに、やや厳しめに釘を刺してしまう。
そしてまるでついでとばかりに、キリコは慎重に問いかけた。
「触手城で何があったのか、まあ、話せる範囲でよいがのう」
「申し訳ありません……それに関しては………言いたくありません」
「いいよ。言いたくないなら言わなくていい。話すかどうかは、おぬしが決めること。無理にこじ開けるのは医者の仕事じゃあない」
キリコの即座の頷きに、リサがほっとしたように息を吐くのを見逃さない。
リサならばどのような淫猥な経験でも嬉々として語ったであろう。リサとはそういう娘だという事をキリコは理解している。
それが黙秘するとなると、相当な事だが。無理に口を割らそうとするのはよくない。
いまは静観しつつ、なにか手段を考えねばとキリコは診断した。
【カウンセリング:マリア】
「……アノ…………嫌デス」
マリアは突然ソファーから立ち上がり、その表情には、恐れと拒絶が入り混じっている。
「理由……言イタクナイデス。トニカク……嫌。話シタクナイ……」
【キリコの独白】
扉が閉まった後、キリコはしばらく黙っていた。マリアの震え、拒絶、怯え……あれはただの気まぐれではない。
心が限界に近い証拠だった。
「……あの子は、相当参ってるねぇ、なんとかしてあげなきゃね」
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