男の娘注意報 男の娘、メス男子、メス堕ち 読み切り短編集。 作:楽々ラクーン
その少女を初めて見たとき、佐伯直人は、ずいぶん綺麗な女の子だと思った。
秋の午後だった。
直人は植木屋の仕事で、ある大邸宅の庭に入っていた。広い芝生に石灯籠、手入れの行き届いた松、そして庭の中央には、古い金木犀が一本立っている。
その木の枝を剪定していると、二階の窓が静かに開いた。
白いワンピースに薄いカーディガン。
肩まで伸びた黒髪。
細い身体を窓枠に預け、少女がこちらを見ていた。
目が合う。
少女は驚いたように目を逸らし、それから恥ずかしそうに微笑んだ。
直人は思わず手を止めた。
――綺麗な子だな。
それが最初の印象だった。
仕事を終えた直人が道具を片付けていると、裏庭から声がした。
「……あの」
振り返る。
昼間の少女が立っていた。
「お仕事、終わったんですか?」
「はい。今日はこの辺で」
「そう……ですか」
少女は金木犀を見上げた。
「この木、切らないでくださいね」
「枯れた枝を少し落としただけですよ。大丈夫です」
「よかった」
安心したように笑う。
「僕、この木が好きなんです」
「僕?」
直人は一瞬、聞き間違いかと思った。
少女は少し慌てた。
「あ……私、ちょっと男っぽい話し方をすることがあって」
「そうなんですか」
直人はそれ以上追及しなかった。
「名前、聞いてもいいですか?」
「玲です」
「玲ちゃん?」
そう呼ぶと、玲は一瞬だけ寂しそうな顔をした。
「……はい」
それから、二人は少しずつ話すようになった。
直人が仕事に来ると、玲は庭に出てきた。
紅茶を持ってきたり、落ち葉を拾うのを手伝ったりする。
高級な屋敷に住んでいるのだから、もっと気取った人間なのだろうと直人は思っていた。
けれど玲は違った。
野良猫を見るとしゃがみ込む。
庭の小さな花が咲けば嬉しそうに笑う。
直人が弁当を食べていると、
「それ、おいしそうですね」
などと言って羨ましそうに眺める。
「よかったら食べます?」
「いいんですか?」
「焼き魚だけですけど」
「嬉しい」
玲は本当に嬉しそうだった。
そんな姿を見るたび、直人は胸が温かくなった。
ある日、玲は小さな声で言った。
「直人さん」
「はい」
「私……外に出たこと、あまりないんです」
「そうなんですか?」
「この家の外に出るときは、いつも車なんです。ひとりで歩くことは許されてなくて」
「……どうして?」
玲は答えなかった。
ただ、金木犀の枝を見つめていた。
「私、ここに置いてもらっているんです」
「置いてもらってる?」
「生活の面倒を見てもらって、その代わりに……」
そこから先は言わなかった。
直人も聞かなかった。
ただ、その日から玲を見る目が少し変わった。
彼女は裕福なのではない。
裕福な男に、囲われているのだ。
そしてある夕方。
「直人さん」
玲が言った。
「もし、私が普通の女の子だったら……」
「はい」
「一緒に街を歩いてくれますか?」
直人は笑った。
「もちろん」
「映画とか?」
「行きましょう」
「喫茶店も?」
「行きましょう」
「約束ですよ」
玲は嬉しそうに笑った。
⭐️目撃
翌日も秋の空は高く澄んでいた。
直人は金木犀の高い枝に登り、鋏を入れていた。昨日の会話を思い出しながら。約束。映画。喫茶店。彼女の嬉しそうな笑顔。
ふと、二階の窓が視界に入る。
昨日と同じ窓だ。カーテンは開け放たれ、部屋の中が見える。
玲が立っていた。
けれど、一人ではなかった。
部屋の奥から男が出てきた。太った体に仕立ての良いスーツ。高価な時計が光る。あの屋敷の主なのだろうか。
男は玲に近づくと、ねっとりとした声で言った。
「外の男に色目を使っていたそうだな?」
玲は唇を噛み、俯いた。
「植木屋の男だ。お前のそういうところが好きだがね。だが、お前の正体を知ったら、あの男はどう思うだろうな?」
男の低い声が響く。正体。その言葉に直人は鋏を止めた。
男は18歳になったばかりの玲の細い肩を掴み、無理やり自分の方へ向かせた。
「答えろ」
玲は何も言わない。ただ震えている。
男は太い腕で玲の身体を抱きしめた。抵抗する間もなく、男の唇が玲の唇を塞ぐ。
直人は息を呑んだ。目を逸らそうとした。けれど、できなかった。
男の手が玲の服を剥ぎ取っていく。
白いワンピースが床に落ちる。
そこに現れたのは、予想していた女性の身体ではなかった。
細い肢体。薄い胸。少女のようなライン。
男は一瞬だけ動きを止めた。そして、太い指で玲の乳首を刺激するように抓んだ。
「……やはりな」
男は低く笑った。
「お前はそういう子だ」
男の手が下へと伸びる。白いパンティーの上から、そして中へと。
そこに隠された小さなペニスを、男の指が弄ぶ。
玲は声を殺して震えていた。
直人は枝の上で凍りついたように立ち尽くしていた。
あの「僕」という言葉。
「正体」という言葉。
そして今目の前で行われている行為。
全てが繋がった。
玲は女の子ではなかった。
けれど、直人の目には、窓の向こうで震えるその細い身体が、昨日よりもずっと儚く、そして残酷なほど美しく映っていた。
鋏を持つ手が震えていた。
男は玲の細い肩を押し、床に跪かせた。
「自分でできるな?」
玲は震える手で男のベルトに触れた。慣れた手つきだった。何度もこうさせられてきたのだと分かる。
玲は男のものを口に含んだ。
細い喉が動く。男は太い指で玲の髪を掴み、腰を前後させた。
玲は息苦しさに眉を寄せながら、必死に堪えている。
直人は枝の陰からそれを見ていた。目を逸らさなければならないことは分かっていた。けれど体が動かなかった。
やがて男は玲をベッドに押し倒した。
細い両脚を開かせると、後ろに指を入れた。
玲は声を殺して背を反らせた。
「…っ、ん…」
男の指が奥へと進む。玲の小さなペニスが男の另一方の手で握られ、刺激される。
前と後ろ。二箇所の刺激に玲の身体が跳ねた。
「イけるだろう?」
男の耳元での低い声。
玲は首を横に振った。けれど身体は言うことを聞かなかった。
「…や、め…」
玲の声が漏れる。
男の指が更に奥へ。そして玲の先端を強く擦り上げた。
「…っ…!」
玲の身体が弓なりに反り、小さなペニスから白い液が弾けた。
玲は泣いていた。
声を殺して。涙を溢しながら。
身体の快感とは裏腹に、その表情は苦痛と屈辱に歪んでいた。
男は満足そうに玲の髪を撫でた。
「いい子だ」
その言葉に玲は一層強く唇を噛んだ。
直人は枝の上で拳を握りしめていた。
爪が掌に食い込む。鋏が手から滑り落ち、芝生に音もなく落ちた。
玲の涙が脳裏に焼き付いて離れなかった。
男は玲の顎を持ち上げた。
「どうした? 続けて欲しくないのか?」
玲は濡れた瞳で男を見上げた。
「……して」
「聞こえないな」
男は太い指で玲の唇をなぞる。
「ちゃんと言葉にしないと」
玲は震えた。屈辱に顔を赤らめながらも、逃げ場はなかった。
「……してください」
「何を?」
「……お願い……入れて……ください」
その声はあまりにも小さかった。
「いい子だ」
男はニヤリと笑った。
玲はゆっくりと身体を反転させた。
四つん這いになり、細い腰を浮かせて男に尻を差し出す。
その姿はあまりにも無防備で、痛々しかった。
男は後ろから太い指で玲の入り口を広げた。
「準備はいいな?」
玲は何も答えなかった。ただ目を閉じ、シーツを握りしめていた。
男は己をあてがい一気に貫いた。
「っ……!」
玲の口から短い悲鳴が漏れた。
男の巨体が玲の細い背中にのしかかる。
まるで重機が小枝を押しつぶすかのような無慈悲な重さだった。
男は容赦なく腰を打ちつけた。
ベッドがきしむ音と、肉がぶつかる音が部屋に響く。
玲の身体は男の動きに合わせて揺さぶられ、小さな悲鳴を漏らし続けた。
「あ……っ、く……」
男の手が玲の腰を掴み、深く突き上げる。
「どうだ? 気持ちいいだろう?」
玲は答えない。ただ涙で濡れた顔をシーツに押し付け、声を殺していた。
直人は見ていた。
目の前で行われているのは陵辱だった。
体格差。力の差。そして圧倒的な支配。
玲の細い身体が男の下で震えている。
直人は助けに行きたかった。けれど動けなかった。
自分はただの植木屋だ。
この屋敷の主人に逆らえば仕事を失うだけではない。
社会的な力を持たない自分には何もできない。
その無力さが直人の心を締め上げた。
男はさらに激しく腰を動かした。
玲の細い指がシーツを掻きむしる。
その指先が白くなるほど強く握りしめられていた。
男の動きはさらに容赦のないものになっていた。
激しい打ち付けに、玲の細い身体はベッドの上で跳ね回るしかなかった。
「あ…っ、あぁ…!」
抗おうと唇を噛み締めていたはずの口から、甘く高い声が漏れ出る。
身体の芯を抉るような刺激に、玲自身の意思とは裏腹に声が勝手に出てしまう。それが更なる屈辱だった。
その時だった。
揺さぶられる視界の端に、窓の外の何かが映った。
高い枝の上。
作業着の男。
佐伯直人。
目が合った。
玲の目が大きく見開かれた。
思考が凍りつく。
見られている。
自分がこんなにも無様で、淫らな姿をさらしているところを。
大粒の涙が溢れ出した。
頬を伝い、シーツに染みを作っていく。
(見ないで)
心の中で叫ぶ。
(見ないで…! 醜い僕を見ないで…!)
しかし声にはならない。ただ涙だけが止まらずに溢れ続ける。
男は玲の異変など気にも留めなかった。
ただ自分の快楽のために、その巨体を叩きつける。
「っ…く…」
男の太い指が玲の胸の突起を摘み上げた。
すでに赤く熟れたそこを容赦なく捻り上げる。
「ひぁっ…!」
前後からの強烈な刺激に、玲の背中が弓なりに反った。
逃げ場のない快感が波のように押し寄せてくる。
「あぁっ、あっ…! んっ…!」
もう声を殺すことさえできなかった。
男に貫かれ、弄ばれ、玲は絶頂の淵へと突き落とされた。
「いくぞ…!」
男の低い唸り声とともに、最奥まで突き上げられる。
玲の細い身体がビクビクと痙攣し、小さなペニスから再び白濁を吐き出した。
同時に、男の巨体が玲の上にのしかかり、重く押しつぶすように震えた。
熱い飛沫が玲の奥深くに注ぎ込まれる。
「…………」
男が重たい息を吐きながら身を起こした。
玲は力なくベッドに横たわっている。
直人はその光景を凝視していた。
玲の細く白い脚の間。
赤く腫れた入り口から、男が放った大量の白濁液がどろりと流れ出していた。
18歳の細い身体には余りにも残酷な量の痕跡。
それは玲の太腿を伝い、シーツに新たな染みを作っていく。
玲はもう泣いていなかった。
ただ虚ろな目で天井を見つめていた。
その瞳から光が消えているようだった。
直人は拳を強く握りしめた。
爪が食い込み、掌から血が滲む痛みさえ遠く感じた。
あの温かかった笑顔が壊されていく。
自分はただ見ているしかないのか。
あの可憐な存在のために、自分は何をすべきか
怒りと深い悲しみが胸の中で渦を巻いていた。